「XMでFX取引をするなら、証拠金維持率は何パーセントくらいに保てばいいのだろうか?」
そんな悩みを抱えている方は、少なくありません。FX取引では、証拠金維持率が下がりすぎるとロスカットが執行され、保有する全てのポジションを失ってしまいます。
資産を減らしたり、ポジションを手放すことで利益を得る機会を失ったりすることだけは、なんとしてでも避けたいですよね。
XMで安全に取引をするならば、証拠金維持率を下記の数値以上に保ちましょう。
XMで安全に取引するためにキープしたい証拠金維持率の目安 | |
---|---|
スキャルピング | 300% |
デイトレード | 500% |
スイングトレード・長期トレード | 1,000% |
ハイレバレッジ取引 | 3,000% |
証拠金維持率を高く保つことで、ロスカットを回避しやすくなるからです。
では、証拠金維持率を高く保つには、どのような対策が効果的なのでしょうか。
この記事では、下記のポイントについてわかりやすく解説します。
・証拠金維持率とは
・XMにおいて証拠金維持率を確認する方法
・XMでロスカット執行となる証拠金維持率
・XMで安心して取引したい方におすすめの証拠金維持率
・XMで証拠金維持率を高く保ち、ロスカットを回避するうえで有効な対策
この記事が、これからXMで取引をする方のお役に立てば幸いです。
目次
1. XMでは証拠金維持率20%でロスカット執行!
XMでは、証拠金維持率が20%を下回った段階でロスカット執行となります。
この章では、下記ポイントについて開設します。
・ ロスカットの基本ルール
・ XMのロスカット率
・ ロスカットが投資家に与える影響
・ ロスカットを回避するにはどうすればいいのか
1-1. ロスカットとは?基本ルールをおさらい
ロスカットとは、口座の証拠金維持率が約定の値(=ロスカット率)を下回った場合に、その時点で保有している全ポジション(未決済の通貨)がFX業者によって強制決済される仕組みです。
ロスカットが執行されると、保有する全ポジションが強制的に決済されますので、その時点で損失が確定します。
1-2. XMでは証拠金維持率20%でロスカット執行!投資家に与える影響は?
XMでは、口座の証拠金維持率が50%を下回るとマージンコール(ロスカットが近い旨の警告)がかかり、証拠金維持率20%以下でロスカット執行となります。
ロスカット執行が投資家に与える影響は、極めて甚大です。
ロスカットが執行されると全ポジション強制決済、つまり、それまで保有していたすべてのポジションを手放さなければならず、相場の回復を待ったり、再び利益を狙ったりすることができなくなってしまうからです。
また、全ポジション強制執行になると、その時点で抱えていた含み損が「損失」として確定し、投資家の資産が減ってしまいます。
では、ロスカット執行を避けて安全にトレードをするには、どうすればいいのでしょうか。
1-3. ロスカット執行を避けるには証拠金維持率を高く保つべし!
XMでロスカットが執行される証拠金維持率は、20%です。
そのため理論上は、口座の証拠金維持率を20%超に保つことで、ロスカットを回避することが可能です。
ただし、ロスカットのリスクを抑えつつ安全に取引したいのであれば、証拠金維持率をロスカット率ギリギリのラインで保つのは危険です。
口座の証拠金維持率が低いと、ごくわずかな値動きでロスカット執行となり、思わぬ損失を被るリスクがあるからです。
ロスカットを避けるには、証拠金維持率をなるべく高く保つことが大切です。
具体例を挙げて、考察してみましょう。XMにおいて、下記条件のもと取引すると仮定します。
【取引条件】
・通貨ペア:米ドル/円
・為替レート:1ドル=100円
・レバレッジ:100倍
・取引通貨量:1万通貨(1万ドル)
・ロスカット率:20%
このとき、口座の証拠金維持率によってロスカットまでの許容損失と許容値動きがどのように変化するのか、シミュレーションしてみました。
証拠金維持率 | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
20% | 1万円 | 2,000円 | 0円 | 0円 |
50% | 1万円 | 5,000円 | 3,000円 | 0.3円 |
100% | 1万円 | 1万円 | 8,000円 | 0.8円 |
300% | 1万円 | 3万円 | 2万2,200円 | 2.2円 |
500% | 1万円 | 5万円 | 4万8,000円 | 4.8円 |
1,000% | 1万円 | 10万円 | 9万8,000円 | 9.8円 |
証拠金維持率が100%あると、XMにおけるロスカット率20%まで、かなり余裕があるようにも思えます。
しかし実際にシミュレーションしてみると、ロスカットまでの許容値動きは0.8円しかなく、1ドル100円から99.2円になった段階でロスカット執行となります。
証拠金維持率が50%になると、ロスカットまでの許容値動きがさらに少なくなり、為替相場がわずか0.3円逆行しただけでロスカットが執行されてしまいます。
ロスカットを回避するには、証拠金維持率を可能な限り高く保ちましょう。
※ロスカットまでの許容損失・許容含み損の計算方法については「海外FXのロスカットとは?ロスカット回避のシミュレーションを紹介」で詳しく解説していますので、ご参照ください。
2. XMで取引するなら証拠金維持率は何パーセントがベスト?
「1-3. ロスカット執行を避けるには証拠金維持率を高く保つべし!」でのシミュレーションからもわかるように、口座の証拠金維持率は、高ければ高いほどロスカットされにくく、安全に取引できます。
ただ、証拠金維持率を高く保つには、それだけ多くの資金が必要になります。
3,000%、5,000%、というようにかなり高い証拠金維持率を維持するとなると、投資家の負担が大きくなってしまいますよね。
では、XMでの取引でロスカットを回避し、かつ、安全に取引をするには、口座の証拠金維持率をどのくらいに保てばいいのでしょうか。
ここでは、XMで安全に取引をしたい方におすすめの証拠金維持率を、取引手法別にご紹介します。
2-1. スキャルピングをする場合の目安は300%
XMにおいて、スキャルピングをはじめとする短期売買をする場合、口座の証拠金維持率を300%以上に保つことをおすすめします。
「1-3. ロスカット執行を避けるには証拠金維持率を高く保つべし!」でのシミュレーションをもとに、考察してみましょう。
下表は、XMで取引する場合におけるロスカットまでの許容損失と許容含み損を、証拠金維持率別に比較したものです。
通貨ペア:米ドル/円、取引量:1万通貨、レバレッジ:100倍、為替レート:1ドル100円
証拠金維持率 | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
20% | 1万円 | 2,000円 | 0円 | 0円 |
50% | 1万円 | 5,000円 | 3,000円 | 0.3円 |
100% | 1万円 | 1万円 | 8,000円 | 0.8円 |
300% | 1万円 | 3万円 | 2万2,200円 | 2.2円 |
500% | 1万円 | 5万円 | 4万8,000円 | 4.8円 |
1,000% | 1万円 | 10万円 | 9万8,000円 | 9.8円 |
口座の証拠金維持率が50%の場合、1ドルあたり0.3円の値動きにしか耐えられず、1ドル100円から99.7円になった段階でロスカット執行となります。
これに対して、証拠金維持率300%の場合、1ドルあたり2.2円の値動きにまで耐えられ、1ドル100円から97.8円になった段階でロスカットが執行されます。
証拠金維持率100%の場合と証拠金維持率300%の場合では、ロスカットまでの許容値動きに1.9円もの差が生じるのです。
スキャルピングは、数秒~数分単位といった超短期間で通貨の売買を繰り返す取引手法であり、トレードでは為替相場の値動きをリアルタイムで監視します。
そのため、目を離した間に相場が予想外の値動きをしてロスカット執行、といった事態に陥る可能性は、さほど高くありません。
したがって、証拠金維持率を300%以上に保っていれば、ロスカットのリスクを抑えつつ、安全にトレードできるでしょう。
2-2. デイトレードをする場合の目安は500%
数時間~1日単位で通貨の売買をするデイトレードでは、口座の証拠金維持率を500%以上に保つことをおすすめします。
デイトレードも短期売買に分類される取引手法ではありますが、スキャルピングなどの超短期売買に比べると、ポジションの保有時間が長くなります。
ポジションを保有する時間が長いということは、その分だけ為替レートの変動リスクが高くなる、ということでもあります。
したがって、ロスカットを回避しつつ安全にトレードをするには、証拠金維持率をさらに高く保つ必要があるのです。
ここでも、「1-3. ロスカット執行を避けるには証拠金維持率を高く保つべし!」でのシミュレーションをもとに、考察してみましょう。
下表では、XMで取引する場合におけるロスカットまでの許容損失と許容含み損を、証拠金維持率別に比較しています。
通貨ペア:米ドル/円、取引量:1万通貨、レバレッジ:100倍、為替レート:1ドル100円
証拠金維持率 | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
20% | 1万円 | 2,000円 | 0円 | 0円 |
50% | 1万円 | 5,000円 | 3,000円 | 0.3円 |
100% | 1万円 | 1万円 | 8,000円 | 0.8円 |
300% | 1万円 | 3万円 | 2万2,200円 | 2.2円 |
500% | 1万円 | 5万円 | 4万8,000円 | 4.8円 |
1,000% | 1万円 | 10万円 | 9万8,000円 | 9.8円 |
証拠金維持率300%の場合、ロスカットまでの許容値動きは1ドルあたり2.2円で、1ドル100円から97.8円になった段階でロスカット執行されます。
これに対して、証拠金維持率500%の場合、ロスカットまでの許容値動きは1ドルあたり4.8円で、1ドル100円から95.2円になった段階でロスカット執行となります。
ロスカットまでの値動きにこれだけの余裕があれば、数時間~1日単位で通貨を保有するデイトレードでも、安心して取引できるでしょう。
2-3. スイングトレード・長期トレードをする場合の目安は1,000%
XMにおいて、数日~数週間単位で通貨の売買をするスイングトレードや、月~1年単位で通貨の売買をする長期トレードをする場合、口座の証拠金維持率を1,000%以上に保つことをおすすめします。
通貨の保有期間が数か月~1年に及ぶと、その間に様々な経済イベントが起こります。
重要な経済指標の発表や大規模なテロなどが発生した場合、為替レートが急激に逆行することもあるでしょう。
また、数か月~1年単位で通貨を保有していると、為替レートの値動きをチェックできない期間もあるはずです。
そういった場合にロスカット執行されないようにするには、証拠金維持率をかなり高めに保つことが大切です。
ここでも、「1-3. ロスカット執行を避けるには証拠金維持率を高く保つべし!」でのシミュレーションをもとに、考察してみましょう。
下表は、XMで取引する場合におけるロスカットまでの許容損失と許容含み損を、証拠金維持率別に比較したものです。
通貨ペア:米ドル/円、取引量:1万通貨、レバレッジ:100倍、為替レート:1ドル100円
証拠金維持率 | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
20% | 1万円 | 2,000円 | 0円 | 0円 |
50% | 1万円 | 5,000円 | 3,000円 | 0.3円 |
100% | 1万円 | 1万円 | 8,000円 | 0.8円 |
300% | 1万円 | 3万円 | 2万2,200円 | 2.2円 |
500% | 1万円 | 5万円 | 4万8,000円 | 4.8円 |
1,000% | 1万円 | 10万円 | 9万8,000円 | 9.8円 |
証拠金維持率300%の場合、ロスカットまでの許容値動きは1ドルあたり2.2円で、1ドル100円から97.8円になるとロスカットが執行されてしまいます。
これに対して、証拠金維持率1,000%の場合、ロスカットまでの許容値動きは9.8円まで増え、1ドル100円から90.2円になった段階でロスカット執行となります。
為替レートが瞬時に9.8円逆行することはかなり稀ですので、これだけ余裕があれば、安心してスイングトレードや長期トレードに臨めるでしょう。
2-4. ハイレバ取引をする場合の目安は3,000%
XMは、他の海外FX業者と比較しても高いレバレッジ設定が可能で、最大1000倍でのトレードが可能です。
ただ、ここで注意しなければならないのが、ハイレバ取引をする場合の証拠金維持率です。
ハイレバ取引では、証拠金維持率を3,000%以上に保ちましょう。
というのも、ハイレバ取引はレバレッジ50倍、100倍程度の取引に比べてロスカットまでの許容損失が小さく、わずかな値動きでロスカット執行されてしまう可能性があるのです。
具体的に、考察してみましょう。
XMにおいて、下記条件で取引をすると仮定します。
【取引条件】
・通貨ペア:米ドル/円
・エントリー時の為替レート:1ドル=100円
・取引通貨量:1万通貨(1万ドル)
このとき、ロスカットまでの許容損失と許容値動きがどのくらいになるのか、レバレッジ・証拠金維持率ごとにシミュレーションしてみました。
■証拠金維持率1,000%の場合におけるロスカットまでの許容損失と許容値動き
まずは、証拠金維持率1,000%の場合における取引から、シミュレーションしてみましょう。
レバレッジ | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
100倍 | 1万円 | 10万円 | 9万8,000円 | 9.8円 |
300倍 | 3,333円 | 3万3,333円 | 3万2,663円 | 3.3円 |
500倍 | 2,000円 | 2万円 | 1万9,600円 | 2.0円 |
1000倍 | 1,126円 | 1万1,260円 | 1万1,035円 | 1.1円 |
レバレッジ100倍の取引では、ロスカットまでの許容値動きに9.8円もの余裕があるところ、レバレッジ1000倍の取引では、1.1円しかありません。
つまり、証拠金維持率1,000倍・レバレッジ1000倍で取引する場合、1ドル=100円から98.9円になった段階で、ロスカットが執行されてしまうのです。
これではロスカットのリスクが高く、安心して取引できません。
■証拠金維持率2,000%の場合におけるロスカットまでの許容損失と許容値動き
次に、証拠金維持率2,000%の場合をシミュレーションしてみましょう。
レバレッジ | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
100倍 | 1万円 | 20万円 | 19万8,000円 | 19.8円 |
300倍 | 3,333円 | 6万6,660円 | 6万5,993円 | 6.6円 |
500倍 | 2,000円 | 4万円 | 3万6,000円 | 3.6円 |
1000倍 | 1,126円 | 2万2,520円 | 2万2,295円 | 2.2円 |
証拠金維持率が2,000%になると、レバレッジ1000倍で取引する場合もロスカットまでの許容値動きに、2.2円の余裕が出てきます。
ただ、このシミュレーションでも1ドル100円から97.8円になった段階でロスカットが執行されてしまうため、中長期トレードをする方は安心できません。
■証拠金維持率3,000%の場合におけるロスカットまでの許容損失と許容値動き
では、証拠金維持率が3,000倍になると、どのようになるでしょう。
レバレッジ | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
100倍 | 1万円 | 30万円 | 29万8,000円 | 29.8円 |
300倍 | 3,333円 | 9万9,990円 | 9万9,323円 | 9.9円 |
500倍 | 2,000円 | 6万円 | 5万9,600円 | 6.0円 |
1000倍 | 1,126円 | 3万3,780円 | 3万3,555円 | 3.4円 |
このケースにおいてレバレッジ1000倍で取引する場合、ロスカットの許容値動きは3.4円であり、1ドル100円から96.6円になった段階でロスカットが執行されます。
ここまで余裕があると、ある程度安心して取引できるでしょう。
下表は、XMにおいて、レバレッジ1000倍で取引する場合におけるロスカットまでの許容損失と許容値動きをまとめたものです。
レバレッジ | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
1,000% | 1,126円 | 1万1,260円 | 1万1,035円 | 1.1円 |
2,000% | 1,126円 | 2万2,520円 | 2万2,295円 | 2.2円 |
3,000% | 1,126円 | 3万3,780円 | 3万3,555円 | 3.4円 |
上表からもわかるように、証拠金維持率が高ければ高いほど、ロスカットまでの許容値動きが大きくなります。
「証拠金維持率3,000%」というとかなりまとまった資金が必要になるイメージがありますが、レバレッジが高いと取引の必要証拠金が少ないため、さほど大きな負担にはなりません。
実際、上記シミュレーションにおいて米ドル1万通貨を取引する場合の必要証拠金は1,126円であり、口座の証拠金維持率を3,000%に保つために必要な有効証拠金は3万3,780円ほどです。
ロスカット執行による思わぬ損失を避けるためにも、口座には十分な資金を入金しておきましょう。
3. ロスカットを回避!XMで証拠金維持率を高く保つためにすべきこと4つ
XMにおける取引でロスカットを回避するには、証拠金維持率をなるべく高く保つ必要があります。
そこで実践したいのが、下記4つの対策です。
ここでは、証拠金維持率を高く保つための対策について、詳しく見ていきましょう。
3-1. 証拠金維持率が下がったら追加入金する
注文時に十分な資金を預託していても、相場が予想と逆方向に動いて含み損が広がると、証拠金維持率が下がります。
そういった場合は、証拠金を追加入金することで、証拠金維持率を高く保つことができます。
証拠金維持率は、必要証拠金に対する有効証拠金の額が大きければ大きいほど高くなり、有効証拠金が少なければ少ないほど低くなります。
そのため、追加入金をすればその分だけ有効証拠金の額が増え、証拠金維持率を上昇させられるのです。
※有効証拠金については「1-1. FXの証拠金維持率とは?」で解説していますので、ぜひご参照ください。
ただし、証拠金維持率が下がったからといって、やみくもに追加入金をすることは、おすすめできません。
相場の状況によっては損切りをして、ポジションを手放した方がいいケースもあるからです。
損切りルールの決め方については「3-3. 2%ルール・6%ルールで資金を管理する」でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3-2. 取引通貨量は0.1ロット(1万通貨)がおすすめ
XMでトレードをするなら、取引通貨量は0.1ロット(1万通貨)程度に抑えることをおすすめします。
取引通貨量が多くなると、わずかな相場変動でも含み損が大きく拡大し、あっという間にロスカットが執行されてしまう可能性があるからです。
具体例をもとに、考察してみましょう。下記条件で、取引をすると仮定します。
【取引条件】
・通貨ペア:米ドル/円
・エントリー時の為替レート:1ドル=100円
・取引資金:10万円
・レバレッジ:1000倍
・ロスカット率:20%
このとき、ロスカットまでの許容損失と許容値動きがどのくらいになるのか、取引通貨量別に試算してみました。
取引通貨量 | 必要証拠金 | 有効証拠金 | 許容損失 | 許容値動き |
---|---|---|---|---|
0.01ロット(1,000通貨) | 113円 | 10万円 | 9万9,977円 | 99.9円 |
0.1ロット(1万通貨) | 1,126円 | 10万円 | 9万9,775円 | 9.9円 |
1ロット(10万通貨) | 1万1,261円 | 10万円 | 9万7,747円 | 0.9円 |
1万通貨の取引では、1ドルあたり9.9円の値動きに耐えられるところ、10万通貨の取引では、1ドルあたり0.9円の値動きでロスカット執行となってしまうことがわかります。
取引通貨量が多いと、ほんのわずかな相場変動でも含み損が急激に広がり、証拠金維持率が大きく下がってしまいます。
証拠金維持率をコントロールしやすくするためにも、取引通貨量は慎重に判断しましょう。
※ロスカットまでの許容損失・許容含み損の計算方法については「海外FXのロスカットとは?ロスカット回避のシミュレーションを紹介」で詳しく解説していますので、ご参照ください。
3-3. 2%ルール・6%ルールで資金を管理する
証拠金維持率を高く保つには、上でご紹介した2つの対策に加え、厳格な資金管理をすることも大切です。
そこでおすすめしたいのが、「2%ルール・6%ルール」です。
これは、世界的に著名なトレーディング指導者であるアレキサンダー・エルダー氏が発案した資金管理法で、多くのプロトレーダーに採用されています。
■2%ルールとは
「2%ルール」とは、1回のトレードにおける許容損失を自己資金の2%以内に設定する資金管理法です。
例えば、自己資金が10万円の場合、1回のトレードにおける許容損失は2,000円となります。
含み損が広がり2,000円を超えた場合、保有する通貨を売却(=損切り)することにより、さらなる損失の拡大を防ぎます。
■6%ルールとは
「6%ルール」とは、自己資金が月初より6%下落した場合、その月のトレードを中止する、という資金管理法です。
例えば、月初の自己資金が10万円の場合、6,000円の損失が出て94,000円になった段階で、その月のトレードを中止します。
6%ルールは、大切な資金を守るうえで、非常に有効な資金管理法です。
為替相場は絶えず変動しており、どんなに優れた取引手法でも、その時の相場状況に適さない可能性は十分にあり得ます。
それにもかかわらずトレードを繰り返していると、損失が少しずつ拡大し、大切な資産を失ってしまうリスクがあるのです。
この点、6%ルールを適用してその月の損失を一定範囲内に抑えれば、無意味なトレードを繰り返して自己資金をじわじわ減らしてしまう、といった事態を避けることができます。
2%ルール・6%ルールによる資金管理をしつつ、追加入金や取引通貨量の調整により証拠金維持率を高く保つよう心がければ、より効率的にロスカットを回避し、安全性の高い取引ができるでしょう。
3-4. ポジション注文時に逆指値設定をする(自動損切り設定)
「3-3. 2%ルール・6%ルールで資金を管理する」でご紹介した2%ルールを守るためにもぜひ実践したいのが、ポジション注文時の逆指値設定です。
逆指値設定とは、いわゆる「自動損切り設定」のことで、保有する通貨のレートが予め設定しておいた値を下回った段階で自動決済し、損切りしてくれます。
2%ルールを適用した場合の逆指値設定について、具体的に考えてみましょう。
下記条件で、取引をすると仮定します。
【取引条件】
・通貨ペア:米ドル/円
・エントリー時の為替レート:1ドル=100円
・取引通貨量:1万通貨
・取引資金:10万円
・レバレッジ:100倍
取引資金は10万円ですので、2%ルールを適用すると、この取引における許容損失は、下記計算式により2,000円となります。
取引資金(10万円)×2%=許容損失(2,000円)
2,000円の含み損が発生する為替レートの値動きは20pips(0.2円)ですので、1ドル=99.8円になった段階で自動決済されるよう、逆指値設定をします。
これにより当該取引では、1ドル=100円から99.8円になった段階で保有する通貨が自動決済(=自動損切り)され、含み損の広がりを防ぐことが可能となります。
含み損が広がると、その分だけ証拠金維持率が低下します。
証拠金維持率を高く保つには、資金の追加をして有効証拠金を増やしつつ、適切な損切りにより含み損の拡大を防ぎ、有効証拠金の減少を防ぐことも大切なのです。
4. XMで証拠金維持率を簡単に確認する方法
出典:XM
XMでは、FX取引専用ツール「MT4」および「MT5」が採用されており、これらのツールを使えば、口座の証拠金維持率はもちろん、口座残高や有効証拠金などについても一目で確認できます。
上の例では、口座の証拠金維持率が327%であることがわかります。
複数の通貨ペアでトレードしていたり、通貨を保有したまま新たなトレードをしたりすると、証拠金維持率を自分で計算するのは難しくなりますよね。
この点、XMではMT4およびMT5が導入されており、自分で計算しなくても口座の証拠金維持率を一目で確認できるので安心です。
XMでの取引では、証拠金維持率の管理がマストですので、このツールを上手に活用し、保有する口座の証拠金維持率をこまめにチェックしましょう。
まとめ
証拠金維持率は、必要証拠金に対する有効証拠金の割合を表す数値です。
XMでは証拠金維持率20%でロスカット執行となるため、これを避けるには、口座の証拠金維持率を常に20%超に保たなければなりません。
ただし、証拠金維持率をロスカット率ギリギリのラインで保っていると、わずかな相場変動であっという間にロスカットされてしまいます。
したがって、ロスカットを回避しつつ安全に取引をするなら、証拠金維持率をロスカット率よりもかなり高めに保っておかなければなりません。
トレード手法ごとにおすすめの証拠金維持率は、下記の通りです。
また、口座の証拠金維持率を高く保ち、ロスカットを回避するには、下記のような対策が効果的です。
FXでロスカットを回避し、安全に取引するには、厳格な資金管理をしつつ、口座の証拠金維持率を高く保つことが大切です。
XMではMT4、MT5といった取引ツールにより口座の証拠金維持率を一目で確認できますので、まずは少額のトレードから始めて、必要証拠金や有効証拠金が増えたり減ったりすることで証拠金維持率がどう変化するのか、実経験を積んでみてはいかがでしょうか。
FX未経験の方は、デモ口座を活用してみるのもおすすめです。
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