「海外FXでは信託保全がないって本当?」
「信託保全を行なっている海外FX業者はないの?」
国内FX業者とは違い、海外FX業者に信託保全が義務付けられていないのは本当です。
簡潔に言えば信託保全とは利用しているFX業者が倒産した場合でも、預けている証拠金が全額保証される制度のことです。
この点に関して言えば、海外FXの取引は国内FXに比べてリスクが高いという事実は疑いようがありません。
ただし、海外FX業者に信託保全の義務がないからといって、必ずしも全ての海外FX業者のリスクが高いというわけではありません。
多くの海外FX業者は証拠金の保全に関して、安全性を確保するために様々な取り組みを行なっており、数は少ないですが、中には完全な信託保全を提供している海外FX業者も存在します。
そこで今回は
・海外FXで信託保全を行なっている業者は少ない!
・信託保全を行なっている海外FX業者2選
・海外FXは分別管理が主流!分別管理と信託保全の違いを解説
・信託保全の義務がない海外FXで安全な業者を選ぶ4つのポイント
について詳しく解説していきます。
この記事を読めば海外FX業者の証拠金保全の状況と安全性について正しい知識を持つことができます。
目次
1.海外FXで信託保全を行なっている業者は少ない!
冒頭でもお伝えした通り海外FX業者には信託保全の義務はありません。まずはこの事実を踏まえたうえで、信託保全について以下の3つのポイントから詳しく説明します。
では一つずつ確認していきましょう。
1-1.そもそも信託保全とは
冒頭でもお伝えした通り信託保全とは、業者が倒産した場合も預けている証拠金が返還される保証のことです。
信託保全のあるFX業者は以下の図のような形で、顧客から預かった証拠金を自分の会社の口座とは別の信託銀行の口座に信託するかたちで資産を管理します。
信託銀行に預け入れられた証拠金は、FX業者の自己資金とは完全に分離されたかたちで管理されているため、もし業者が夫妻を出して倒産した場合も、差し押さえの対象となることはありません。
証拠金は全額、信託銀行から直接トレーダーに返還されます。
この仕組みがあれば、万が一業者が倒産した場合も、顧客資産は安全に管理され、必ず全額戻ってくるというわけです。
1-2.国内FXに信託保全が義務付けられている理由
これも冒頭でお伝えした通りですが、金融庁から営業許可を得て日本国内で営業しているいわゆる国内FX業者は、すべて信託保全が義務付けられています。
信託保全が義務となった経緯はリーマンショックを挟んだ2007年から2008年に、複数のFX業者が立て続けに経営破綻し、顧客の証拠金が返還されないトラブルが頻発したことから始まっています。
当時の金融商品取引法では顧客資産の保全についての業者の責任は明確に定義されておらず、業者の運営資金と区別のない形で運用されていたため、倒産時にも業者の資産と区別されることなく扱われていました。
そしてこの結果として、トレーダーの証拠金も倒産時にはなくなってしまうという事態が多数、引き起こされました。
このため金融庁は、2009年に「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」を公布し、国内で営業するすべてのFX業者に対して顧客の証拠金を信託保全によって守ることを義務付けました。
この内閣府令によって2010年より、国内FX業者すべてに信託保全が義務付けられることとなりました。
しかし、海外FX業者は拠点を海外に持つ海外の業者であり金融庁の管轄下に置かれる日本の金融商品取引業者ではないため日本の法律が適用されません。
ただし、義務がないという以外にも海外FX業者が信託保全を行わない理由があります。この理由を次章で確認しましょう。
1-3.海外FX業者に信託保全がないのはコストがかかるから
海外FXに信託保全を行う業者が少ない最も大きな理由は、信託保全には大きなコストがかかるということです。
信託保全を行うためには、信託銀行との契約や資産保全にかかる様々な取り組みなど、信託保全を行うためには大きな経費が発生することになります。
海外FX業者には以下のような国内FXには絶対に真似できない様々なメリットが存在します。
・NDD方式による透明性の高い取引環境
・サーバーの増強による高い約定率の実現
・追い証の発生を防ぐゼロカットシステム
・国内FXよりも圧倒的に高いレバレッジ倍率
・信頼性の高い金融ライセンスの取得
多くの海外FX業者は運営資金を、これらのサービスの維持と実現に優先的に振り分けており、信託保全まで資金を回すことが難しい状況にある、ということです。
ただし、だからと言って海外FX業者が顧客資産の安全性を軽視しているというわけではありません。
多くの業者は様々な手法を駆使し、独自に顧客資産の安全性を高める努力を行なっており、数は少ないですが、自ら進んで完全な信託保全を実現することで、トレーダーから高い信頼を勝ち得ている海外FX業者も存在します。
次章ではそんな業者について解説していきます。
2.信託保全を行なっている海外FX業者2選
海外FX業者でも、以下に紹介する2つの業者は、国内FXと同様の完全な信託保全を行なっていることで、トレーダーから高い信頼を得ています。
信託保全を行なっていること自体は同じですが、レバレッジ倍率やボーナス、スプレッド幅など、取引環境の特徴は業者によって大きく異なります。
この二つの業者を詳しく紹介していきましょう。
2-1.Axiory
出典:Axiory
評価 | 特徴 | |
---|---|---|
レバレッジ倍率 | ◯ | 最大レバレッジ倍率400倍 |
スプレッド幅 | ◎ | 業界最小水準 |
安全性 | ◯ | ベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC)を保持 |
ゼロカット | ◎ | ゼロカットシステムを完備 口座残高以上の損失は絶対に発生しない |
取引方式 | ◎ | 透明性が高いNDD方式を採用 |
日本語サポート | ◎ | メール、ライブチャットでの迅速な対応 月曜日から金曜日までは日本人スタッフがカスタマーサポートに常駐(10:30〜23:30) |
ボーナス・キャンペーン | × | ボーナスやキャンペーンは行なっていない |
Axioryの特徴
・業界最高水準を誇るスプレッド幅の狭さと強い約定力
・信託保全を備えた信頼性・安全性の高さ
・日本語サポートの質が高い
Axioryは顧客が取引をする上で、快適な取引環境を整備することを第一に考え、業界最高水準を誇るスプレッド幅の狭さと強い約定力を実現しています。
最大レバレッジ倍率は400倍と海外FXとしては平凡であり、海外FXでは一般的なボーナスやキャンペーンなどはほとんど行っていないにもかかわらず、日本のトレーダーから高い評価を勝ち取っている理由は、信託保全を実現していることに加え、たいへん質の高い取引環境を実現している点にあります。
また日本語サポートの質も大変高く、この点でも安心の業者であると言えます。
保有しているライセンスであるベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC)は、あまり信頼性が高いライセンスとは言えませんが、ゼロカットシステムや透明性の高いNDD方式の取引形態など、信頼できる海外FX業社が持つ条件を全て備えている業者の一つです。
Axioryが向いている人
Axioryが向いている人 |
---|
少額でも着実に利益を積み重ねたい人 |
スキャルピングを行いたい人 |
トレーダーにとってのAxioryの魅力は、やはり何と言っても信託保全による資金の安全性にあるといっていいでしょう。
その上でAxioryに向いている人として、まずあげられるのは少額でも着実に利益を積み重ねたい人です。
Axioryは業界最小水準のスプレッド幅と強い約定がすべてのトレーダーに利益を上げやすい環境を提供します。ボーナスやキャンペーンなどがないことから自分の資金を超えて大きな取引をおこなうことはできませんが、着実に利益を重ねたいトレーダーにはたいへんオススメの業者であると言えます。
またAxioryのこの特徴はスキャルピングを行いたい人にも大きなメリットとなります。
スキャルピングとは数秒から数分という短い時間の取引を繰り返しながら利益を積み重ねる投資手法です。
そしてスキャルピングでも、最も重要視すべき点はスプレッド幅の狭さと約定の速度です。
この意味でAxioryは、慎重に利益を重ねたい初心者にも、高度なスキャルピングで利益を上げたい中級者以上のトレーダーにも等しくオススメできる海外FX業者です。
AXIORYの口座開設はこちら2-2.FBS
出展:FBS
評価 | 特徴 | |
---|---|---|
レバレッジ倍率 | ◎ | 最大レバレッジ倍率3000倍 |
スプレッド幅 | △ | スプレッド幅は他社に比べて広い |
安全性 | ◯ | 本社はベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC)、キプロス証券取引委員会(CySEC)などを保。ただし日本向け口座は子会社が運用 |
ゼロカット | ◎ | ゼロカットシステムを完備 口座残高以上の損失は絶対に発生しない |
取引方式 | ◎ | 透明性が高いNDD方式を採用 |
日本語サポート | ◯ | ホームページには不自然な日本語表現も散見するが、ライブチャットやメールでの日本語対応に問題はない |
ボーナス・キャンペーン | ◎ | 口座開設で100ドル、入金時には入金額の100%のボーナスが付与される |
FBSの特徴
・3000倍という他に類を見ないレバレッジ倍率の高さ
・多彩なボーナスやキャンペーン
FBSはスプレッド幅は他社より広めというデメリットはありますが、レバレッジ倍率の高さ(最大3000倍)にはそれを十分に補うだけのメリットがあります。
高いレバレッジ倍率には、少ない資金でも利益を上げることができるため、資金が少ないトレーダーには特にオススメです。
FBSのボーナスは業界最高水準とも言われています。2021年11月現在では、以下の3つのボーナスやキャッシュバックが行われています。
FBSの3つのボーナス | |
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Trade 100 Bonus | TRADE 100 BONUS口座という専用口座を開設すれば、100ドルのボーナスを獲得できる |
100%入金ボーナス | 入金額に対し100%分のボーナスを上乗せで獲得できる上限20,000ドルに達するまでは何回入金しても100%のボーナスがもらえる条件が整えばボーナスの出金も可能取引量に応じて(取引ロット数あたり1ドル)ボーナスを引き出すことができる |
キャッシュバック | 1lot取引あたり2~15ドルのキャッシュバックを獲得できる |
中でも特に「100%入金ボーナス」は上限20,000ドルと高額な上、海外FX業社としては珍しく一定の条件のもとでボーナスを現金として引き出すことができるなど、たいへん充実した内容となっています。
FBSが向いている人
FBSが向いている人 |
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少ない資金を効率的に利用したい人 |
自動売買(EA)ツールに興味がある人 |
FBSの最も大きな特徴はやはりレバレッジ倍率の高さとボーナス・キャンペーンの充実にあります。
これらは特に、少額の資金で大きなリターンを狙いたい人へメリットの大きな特徴であると言えます。
もちろんレバレッジ倍率を利用して取引の規模を大きくすれば、損失拡大のリスクも高くなりますが、ゼロカットシステムがあるため、証拠金以上の損失(追証)は絶対に発生しません。
リスクを限定してハイリスクハイリターンの取引を行う上で、FBSは最も適した海外FX業者であると言えるでしょう。
またもう一つのFBSの特徴として、無料で利用できる自動売買(EA)ツールやコピートレードのサービスが充実している点が上げられます。
これらに興味のある人はFBSの利用がオススメです。
AXIORYの口座開設はこちら3.海外FXは分別管理が主流!分別管理と信託保全の違いを解説
実際にFBSやAxioryのように完全な信託保全を行なっている海外FX業者はたいへん少なく、多くの海外FX業者は信託保全を行なっていません。
しかし信託保全を提供していないからといって、海外FX業者がトレーダーの資産管理について、なんの対応も行なっていないというわけではありません。
海外FX業者の資産管理の方法として最も一般的なのが「分別管理」です。
分別管理とは、海外FX業者がトレーダーから預かる顧客資産を、業者が会社を運営するための経営資金から分別し、異なる銀行口座で管理する資産管理方法です。
海外FX業者は自社の運営のために日常的に資金の出し入れに利用する銀行口座と、顧客から預かる証拠金を保管する銀行口座を別々に持ち、これらを別々に管理します。
分別管理では、業者の自己資金と証拠金は明確に分離されて管理されるのは事実で、少なくとも業者が証拠金を自社の借金返済や事業拡大のために流用してしまうといったリスクは回避することができます。
しかし残念ながら、分別管理で用いる銀行口座が業者名義の口座であることは変わりません。このため業者倒産時に証拠金が返還されることを100%保証することはできません。
信託保全 | メリット | ・業者倒産による証拠金が返還されないリスクを100%払拭できる |
---|---|---|
デメリット | ・導入にコストがかかるため、業者の経営に負担となる | |
分別管理 | メリット | ・コストがかからないため他サービスを充実させることができる・業者が証拠金を他に流用するリスクを回避できる |
デリット | ・業者倒産の際に証拠金が返還されないリスクが残る |
これらの点から分別管理についてまとめると、以下のようなポイントを確認することができます
Point!
・分別管理は倒産によって証拠金が返還されないリスクを100%払拭できるものではない
・分別管理はコストが安く、他サービス(ゼロカット・ハイレバレッジなど)を実現できる
・分別管理は倒産時のリスク対応としては不十分であるが不正流用に対しての安全性は高い
結論
分別管理のFX業者もサービスとのバランスを考えつつ資産の安全性を高める努力を行っているため、100%資産の安全性を重視するという考えではない限り、トータルで考えることがおすすめ
分別管理が不十分であることは海外FX業者も把握しており、信託保全を実現できないながらも、独自の証拠金保全のサービスを提供している業者も多くあります。
次章ではこれらの状況を踏まえつつ、より安全な海外FX業者を選ぶ上でのポイントを詳しく解説します。
4.信託保全の義務がない海外FXで安全な業者を選ぶ4つのポイント
信託保全がないからといって海外FX業者の利用をあきらめるのは早計です。多くの海外FX業者は個別に、信託保全に変わる様々な資産管理のサービスを提供しています。
これらのサービスを提供する業者をうまく選んで利用すれば、資産管理に関わるリスクを大きく下げることができます。
以下の4つのポイントを踏まえて業者を選べば、より安全に海外FXのトレードを行うことが可能です。
一つずつ確認していきましょう。
4-1.共同口座による分別管理を行なっている海外FX業者を選ぶ
多くの海外FX業者は分別管理によって顧客資産を管理していますが、前章でもお伝えした通り、分別管理では、会社が倒産した場合に確実に保全が行われるという保証はありません。
これを回避する方法として考えられたのが「共同口座による分別管理」です。
単一会社による分別管理 | 共同口座による分別管理 | |
---|---|---|
資金管理の方法 | 自社が単独で管理する銀行口座で管理する | 複数のFX業者で共同所有する銀行口座で管理する |
返還されないリスク | 高い(危険) | 低い |
理由 | 利用している業者1社が倒産すると証拠金が返還されない | 1社が倒産しても共同口座を運営する他の会社が倒産しない限り証拠金は保証される。 |
分別管理では顧客資産と会社の運営資金を別の銀行口座に分けて管理しますが、いずれの口座も業者名義の銀行口座であるため、業者が倒産した場合、差し押さえの対象となるリスクがあります。
「共同口座による分別管理」では顧客資産を管理する口座を単一業者の口座から複数の業者の共同所有による口座へと切り替えることで差し押さえの対象となることを回避することができます。
つまり信託保全がない業者でも、共同口座によって分別管理を行っている海外FX業者を選べば、倒産などによって証拠金が守られないリスクを大きく回避することができるというわけです。
4-2.金融ライセンスを保持する海外FX業者を利用する
資金の保全を考える上で重要なのは、倒産リスクの少ない業者選びです。
そして海外FX業者の信用度を図る上でもっとも重要なポイントの一つが、海外FX業者が保有している金融ライセンスです。
金融ライセンスとは、政府が金融業者に対して営業許可を出す際に発行するライセンスのことを指します。
ライセンスの発行を受けると、海外FX業者はライセンスを発行した国のルールを尊守する必要があり、もちろん違反があれば罰則も受けることになります。つまり金融ライセンスを保持していることは、それぞれの国の審査をパスし、政府からの認可を得ている業者であることの証明と言えます。
このため、金融ライセンスを保持しているかどうか、またどのような金融ライセンスを持っているかということは、海外FX業者の信用度をチェックする上で、たいへん重要な要素となります。
金融ライセンスには様々なものがありますが、知名度の高い金融ライセンスとしては以下のものが挙げられます。もちろんこれらは一部であり、これ以外は信用が低いというわけではありません。
金融ライセンス名 | 国 | 取得難易度 | 特徴 |
---|---|---|---|
FCA(イギリス金融行為規制機構ライセンス) | イギリス | 最高 | ・世界で一番取得が難しいとされる金融ライセンス ・FX業者が破綻した際も約1000万円までの証拠金の補償が義務付けられている ・ライセンスは毎年更新する必要があり、その都度経営状況や顧客審査の管理状況を詳しく報告しなくてはいけない |
CySEC(キプロス証券取引委員会) | キプロス | 最高 | イギリスFCAと同様の取得難易度とされる信頼度の高い金融ライセンス ・ゼロカットシステムの整備、原則翌日までの出金処理などが義務付けられている ・ICF(投資家補償基金)への加入が義務付けられており2万ユーロ(約240万円)までの証拠金が保証される |
CIMA | ケイマン諸島 | 高い | ・ケイマン諸島はタックスヘイブン(租税回避地)のため多くの金融機関が集まる ・イギリスの国外領地のため、金融規制もイギリスの蜂起に従って厳密に行われる |
VFSC | バヌアツ共和国 | 高い | ・2019年に取得要件が厳格化され、ライセンスの信頼性が向上した ・信頼性の高い業者のみが選別され、ライセンスを取得することができる |
FMA | ニュージーランド | 中程度 | ・金融ライセンスとしては一般的な信頼性 ・「FSPR」というニュージーランドライセンスがあるが、こちらは政府が発行するライセンスではないため注意が必要 |
IFSC | ベリーズ諸島 | 中程度 | ・金融ライセンスとしての信頼性は中程度 ・本社をベリーズ国内に置く必要がないため、ライセンス取得業者にはペーパーカンパニーも多い |
業者が保持する金融ライセンスは、必ずホームページなどに掲載されています。利用する業者を決定する前に、これらの金融ライセンスを保持しているかどうかを必ず事前に確認するようにしましょう。
以下のページでは金融ライセンスも含めた海外FX業者の安全性について、さらに具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
安全性が高い海外FX業者ランキング!信頼度が低い要注意業者も紹介
4-3.投資家補償基金(ICF)へ加盟している業者を選ぶ
完全な信託保全ではありませんが、それに準ずる保証制度として投資家補償基金(ICF)というものがあります。
投資家補償基金(ICF)は業者が倒産した場合に最大2万ユーロに相当する金額まで証拠金を保全する制度です。
この基金はCySEC(キプロス証券取引委員会)の金融ライセンスを保持するための条件にもなっており、たいへん信用度の高い基金であると言えます。
2万ユーロを超える金額に対しての保証はありませんが、信託保全のないリスクを回避するという意味では有効であると言えるでしょう。
4-4.独自の証拠金保全制度がある業者を選ぶ
信託保全が義務付けられていないことに対する最も有効な対策は独自の信託保全や保証制度をもつ海外FX業者を利用することです。
海外FX業者は安心感の増大による利用者や取引の増加を期待できることから、独自の信託保全や保証制度を用意しています。
海外FX業者 | 独自の信託保全制度の詳細 |
---|---|
FXGT | ロイズ・オブ・ロンドン「FXブローカー向け損害賠償責任保険」に加入しており、会社全体で最高1億ユーロまでの証拠金が保全される |
HotForex | 民事賠償保険制度によって業者が倒産した場合でも500万ユーロを上限に証拠金が補償される |
Tradeview | 世界最大の保険会社LOCKTONと契約することにより35,000ドルまでの信託保全を実現 |
利用する海外FX業者を決める前には、その業者がどのような資産管理を行なっているか、どのような保証制度を提供しているかをホームページで確認することをお勧めします。
まとめ
今回は海外FX業者における信託保全の状況について詳しく解説しました。
信託保全とは利用しているFX業者が倒産した場合でも、預けている証拠金が全額保証される制度のことです。
信託保全は国内FX業者では義務とされていますが、海外FX業者にはその義務はありません。
海外FX業者が信託保全を行わない最も大きな理由は、信託保全には大きなコストがかかることです。
海外FX業者には以下のような国内FXには絶対に真似できない様々なメリットが存在します。
・NDD方式による透明性の高い取引環境
・サーバーの増強による高い約定率の実現
・追い証の発生を防ぐゼロカットシステム
・国内FXよりも圧倒的に高いレバレッジ倍率
・信頼性の高い金融ライセンスの取得
多くの海外FX業者は運営資金を、これらのサービスの維持と実現に優先的に振り分けており、信託保全まで資金を回すことが難しい状況にある、ということです。
ただし、顧客の信頼を勝ち取るために、自ら進んで信託保全を行う海外FX業者も存在します。今回は、信託保全を行う海外FX業者としてAxioryとFBSの2社を詳しく紹介しました。
もちろん信託保全がないからといって海外FX業者の利用をあきらめるのは早計です。多くの海外FX業者は個別に、信託保全に変わる様々な資産管理のサービスを提供しており、業者をうまく選んで利用すれば、資産管理に関わるリスクを大きく下げることができます。
ページ後半では、これらの業者を選ぶ上で知っておくべき以下の4つのポイントについて詳しく解説しました。
あなたがこれまで以上に、安全に海外FXトレードを実践できることを願っています。
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