「FXでセミリタイアできるの?」
「FXでセミリタイアに必要な資金を作るにはどうすればいいの?」
FXは大きな利益が狙える投資として人気を集めていますが、リスクも大きいため「セミリタイアの資産形成として適しているのか?」と不安な気持ちも出てきますよね。
たしかにFXは大きな利益が狙える半面、損失も大きくなりやすい特徴があります。しかし、FXを活用してセミリタイアを実現した人は実際にいて、退職した後は以下のようなセミリタイア生活を送っています。
■仕事のストレスから解放され、増えた自由な時間で自分のやりたいことを楽しむ
■自分の強みを仕事にしたり、FXの運用内容をブログなどに公開するなど、自分の経験を活かしてFX以外の収入を得ている
■アルバイトなどで社会的なつながりを保ち、孤独感を感じることなく過ごす
■休みたいときは仕事を1週間休むなど、自分の体調や都合に合わせた働き方をする
■海外移住して、海外の文化に触れながら過ごす
会社員として働いている身から見ると、このようなセミリタイア後の生活は理想そのものですよね。
ただし、FXを始めたからと言って、誰しもが理想のセミリタイア生活を送れる資産を手に入れられるわけではありません。
中には、毎月かかる光熱費などの生活費や各種税金の支払い対応で困窮してしまうケースもあります。一度セミリタイアしてしまうと会社員として働くことへのハードルが高くなる傾向にあるため、余裕を持って資産形成することは大切です。
そこで本記事では、FXを活用してセミリタイアすることを検討している人に向け、以下の内容をまとめました。
- FXでセミリタイアするために必要な資金額
- セミリタイアの資金づくりに必要なFX術
- セミリタイアの資金づくりにFXを活用するメリット・デメリット
- FXを活用してセミリタイアするためのステップ
FXはギャンブルだ、と言われることも多いですが、FXは運任せで行うものではありません。相場を分析して将来の値動きを予想し取引を行うという“投資”であるため、利益を出すためのポイントもあります。
記事を最後まで読み、FXでセミリタイアに必要な資金形成ができるかをイメージしてみてください。
目次
1.FXでセミリタイアは非現実的ではない!セミリタイア後の生活イメージ
FXは大きな損失が出る可能性も伴うものですが、セミリタイアを実現する人は実際にいます。
ここでは、FXを活用してセミリタイアを実現した方の紹介と、あなたがFXでセミリタイアを実現できた場合の生活イメージについて紹介します。
1-1.FXでセミリタイアを実現した人の事例
まずはFXを活用してセミリタイアを実現した人の事例を見ていきましょう。
1-1-1.月20万円稼げる仕組みを開発してセミリタイアを実現した鈴さん
鈴さんは会社員を辞めるためにFXを勉強し、32歳でセミリタイアを実現した方です。
早期退職に向けて貯蓄をしながら株式投資をスタートしたそうですが、あまり利益が大きくならないことを実感してFXに挑戦しました。
FXでは大きな損失を出した経験もありますが、自動売買システム『トラリピ』で順調に利益を増やし、FXのことを発信しているブログが月1,000万円の収益を得るまでに成長。
貯金2,500万円に達したところでセミリタイア生活を実行されたそうです。
現在は田舎に移住し、スローライフを送りながらブログやSNSなどを通してセミリタイヤを実現したい人のサポートを行っています。
▼鈴さんが発信しているコンテンツ
1-1-2.FXの利益でセミリタイアを実現したサトウカズオさん
サトウカズオさんは会社を早期退職し、現在はブロガー兼FX投資家として活動している方です。
約1,850万円の損切りをするなど紆余曲折を経た経験も持ち合わせ、危機を乗り越えてきた経験からFX運用戦略や設定方法をSNSやブログ、雑誌やネットニュース媒体などで解説しています。
FXの利益だけでなく、運用経験や実績を活かした発信での収入も得ながらセミリタイヤ生活を送っています。
▼サトウカズオさんが発信しているコンテンツ
@tryjpyFX | |
ブログ | https://www.tryjpy.com/ |
1-1-3.家族持ちでセミリタイアし海外移住をした@lukehideさん
@lukehideさんは家族持ちでセミリタイアを実現し、バンコクへの海外移住を実現した方です。
FXだけでなく、株式投資も行いながら毎月30万円の不労所得を得て、ほとんどFIREに近い生活しています。
ブログを夫婦で運用しており、@lukehideさんの奥様“ひろこさん”が月20万円の利益を得ているFX戦略や運用実績を発信しています。
▼@lukehideさんが発信しているコンテンツ
@lukehide | |
ブログ | https://www.escape2bangkok.com/ |
1-2.FXでセミリタイヤするとどんな生活を送れるのか?
セミリタイヤは完全にリタイアをする状態ではなく、早期退職して投資やアルバイトなどで収入を得るというライフスタイルのことを言います。
あなたがFXでセミリタイアすることで、どんな生活が送れるのかイメージしてみましょう。
1-2-1.例1)週3~4日アルバイトをして社会との関わりもキープする生活
週の半分ほどアルバイトで働き、社会との関わりをキープしながら生活する場合の一日の過ごし方は、以下のような一例があります。
【生活リズムの一例】
具体的な状況や生活水準は以下のとおりです。
- 45歳でセミリタイア
- 準備した資金額 4,599万円
- 宮崎県で1人暮らし
- セミリタイア後はFX運用なし
- 寿命90歳と想定
- 65歳で完全リタイアして年金暮らし
収入 | 支出 |
アルバイト 65歳から年金 |
家賃 40,000円 食費 40,000円 水道・光熱費 7,500円 通信費 5,000円 趣味娯楽 20,000円 被服費・理美容 15,000円 自動車関連費 10,000円 予備費 5,000円 税金・健康保険など 約26,000円 |
月額8万円 | 月額16万8,500円 |
セミリタイア後は所得税が生じない年収103万円以下で働き、貯蓄した資金を切り崩しながら暮らす生活です。
資金をしっかり準備することで最小限の収入を得る程度でよくなるため、労働時間を短時間に抑えることが可能になります。
また、アルバイトをすることで社会やコミュニティーとの関わりが持てるため、孤独感によるストレスを感じにくい生活ができるメリットも得られます。
セミリタイア後は自分の時間を優先するために、時間の融通が利きやすいシフト制のアルバイトを選ぶことがおすすめです。
例えば、警備員やガソリンスタンド、カフェなどの飲食店、コンビニなどの店員などが挙げられます。
1-2-2.例2)FX投資家として活動しながら自分のスキルやブログなどで収入を得る生活
FX投資家として活動しつつ、ブログや業務委託で収入を得る場合は、以下のような過ごし方が可能になります。
【生活リズムの一例】
この場合の具体的な状況や生活水準は以下のとおりです。
- 40歳でセミリタイア
- 夫婦で2人暮らし(奥さんは正社員勤務)
- 準備した資金額 4,800万円
- 寿命90歳と想定
- 65歳以降も資産運用を続ける
収入 | 支出 |
FX投資の利益 20万円 業務委託やブログ収入 10万円 65歳から年金 |
家賃 180,000円 食費 70,000円 水道・光熱費 15,000円 通信費 10,000円 趣味娯楽 20,000円 被服費・理美容 15,000円 自動車関連費 20,000円 予備費 10,000円 税金・健康保険など 約40,000円 |
月額平均30万円 | 月額38万円 |
セミリタイア後にも不労所得を得続けることができれば、東京など消費支出が高い傾向にある地域でも生活することができます。
運用利益だけでなく、セミリタイアを実現した成功実績や戦略を公開するブログやSNSを運用すると、アフェリエイト収益も得られる可能性もあります。
また、コーディングやライティング、デザインなど、あなたが持っているスキルを活かせば業務委託で仕事を受注することもできるでしょう。
ただし、これらで収入を得る生活は在宅で完結してしまうため、引きこもりがちになったり、人とコミュニケーションを取る機会が減ったりすることが懸念されます。
人間関係によるストレスからは解放される生活が送れますが、孤独感からもストレスは感じるため、自身に合った過ごし方を取り入れることがポイントです。
2.FXでセミリタイアするために必要な資金とFX運用の心得とは
FXを活用して生活に困窮しないセミリタイアを目指すのであれば、必要な資金額を知り、失敗しないための心得を身に着けることが不可欠です。
まず必要な資金額ですが、40歳でセミリタイアする場合、必要な資金は9,000万円です。
※生活費月25万円、寿命85歳、セミリタイア後の年収100万円として想定する場合
FXで必要な資金を作るために持つべき心得は、以下の3つが大切になります。
- 1.感情や人の意見に左右されずマイルールに従って取引する
- 2.為替の仕組みや国の金融など勉強と分析を怠らない
- 3.節約して貯蓄も行う
セミリタイアを成功させるための目標額の算出方法と、FXを運用するときの心得について解説します。
2-1.必要な資金額は年間生活費から算出する
セミリタイアに必要な資金額は年間生活費から算出します。
まずは毎月いくらで生活しているのか家計簿を付けて算出し、生涯どれくらいの生活費が必要なのかを見積もってみてください。
例)40歳でセミリタイアを目指し、寿命85歳と想定する場合
生活費月25万円×12カ月=年間生活費300万円
年間300万円×45年=生涯必要となる生活費1億3,500万円
次に、セミリタイア後にどれほどの収入を得るのかをイメージしてみましょう。
所得税がかからないように年収100万円で65歳まで働き、65歳から完全リタイアして年間100万円の年金を受け取る想定であれば、セミリタイアまでに準備する金額は9,000万円と算出できます。
例)セミリタイア後の収入を見込んだ生活費
年収100万円×65歳までの25年=収入2,500万円
年金100万円×65歳からの20年=収入2,000万円
必要な生活費1億3,500万円-2,500万円-2,000万円=セミリタイアに必要な資金9,000万円
生活に必要な費用や、セミリタイア後の収入、受け取れる年金額は個々によって異なるため、ご自身の想定される金額に合わせて算出してみてください。
Tips!セミリタイアを計画するなら知っておきたい『4%ルール』
『4%ルール』とは、資産運用額4%以内を切り崩して生活すれば、半永久的に資産が減ることはないという考え方です。
アメリアのトリニティ大学の研究から導かれたものなので、日本経済でも完全に4%が当てはまると断言できるものではないですが、運用益の範囲内で生活ができれば資産が目減りすることはありません。
仮に4%の運用益で年間300万円の生活費を捻出する場合、セミリタイアに必要な金額は7,500万円になります。
7,500万円×4%=300万円
このように4%ルールという考え方や運用方法を取り入れると、事前に準備する金額を少なくすることが可能です。
セミリタイアの資金を準備するときは運用益内で生活できることを目指し、安定して運用益を得る運用方法も身に着けていくことをおすすめします。
2-2.FXでセミリタイア資金を作るうえで持つべき3つの心得
FXは大きな利益を狙える投資ですが、セミリタイアに必要な多額の資金を作ることは、そう簡単にできることではありません。
FXを活用するのであれば、3つの心得を持って勝率を上げていくようにしましょう。
- 1.感情や人の意見に左右されずマイルールに従って取引する
- 2.為替の仕組みや国の金融など勉強と分析を怠らない
- 3.節約して貯蓄も行う
FXを活用するうえでの心得について1つずつ解説します。
2-2-1.感情や人の意見に左右されずマイルールに従って取引する
FXの取引は“感情”や人の意見に左右されず、マイルールに従って取引することを徹底することが大切です。
FXを行ううえでのルールとは、例えば以下のようなものがあります。
- 損切りするラインを決める
- 取引量は少額の範囲で行う
など。
このようにマイルールを設けることが大切なのは、FXで利益を出すことは簡単なことではないという特徴があるからです。
損失が出ることに恐怖を感じて損切りをしないでいたり、利益が出たからと気持ちが大きくなってむやみに取引量を増やしたりすると、それ以上に大きな損失になってしまう可能性はあります。
そもそもFXは通貨に投資するという仕組みですが、為替の動きには規則性がなく、100%当たるような必勝法は残念ながらありません。
よってFXは「このようなパターンの時には、このような動きになる傾向にある」など、実践してみた結果をノウハウとして積み上げ、次の取引につなげていくことが大切なのです。
感情や人の意見のままに取引するのではなく、利益や損失が出てても、感情コントロールを意識して淡々と構え、機械的に取引をすることはFXにおいて重要な姿勢になります。
2-2-2.為替の仕組みや国の金融など勉強と分析を怠らない
FXは為替の仕組みや国の金融についての知識を取り入れたり、行った取引結果を分析したり、いろいろな取引手法を試してみたりなど、常に学ぶ姿勢でいることが大切です。
FXはギャンブルではなく、常に変動する通貨の値動きを予想して売買する仕組みだからです。
取引を開始したら記録を付け、「なぜこのタイミングで売買したのか」「なぜこの結果になったのか」を振り返りましょう。
根拠を明確化することは難しいかもしれませんが、取引の仕方だったのか、分析が間違っていたのか、感情を優先してしまったのか、など振り返ることで、次に利益を出せる確率を高めていくことが可能になります。
専門用語はもちろんのこと、分析方法や様々な取引手法を知ってノウハウを蓄積し、勝率を上げることを目指していきましょう。
FXの勉強を早速始めたい方は、こちらのページがおすすめです。
『FXを学ぶ』記事一覧
2-2-3.節約して貯蓄も行う
FXだからと言えることではないですが、FXだけで資産を作ろうとせず、節約して貯蓄を増やすことも並行して行うことも大切です。
節約はFXのように大きな利益を生むものではないですが、基盤となる貯蓄を増やすことにつながるからです。
また、セミリタイアを実現できた後でも節約生活を継続することで、資産を長続きさせることが可能になります。
実際にセミリタイアを実現した方は、実家や田舎に引っ越して家賃を下げたり、自家菜園をしたり、見切り品で食品を安く買ったりと、節約生活をしています。
他にも、効果的な節約方法は以下のようなものがあります。
- スマホやインターネットの通信料の見直し
- 保険の見直し
- 外食を控える
- 水筒を持ち歩く
- 買い物するときは衝動買いせず、本当に必要か考える時間を設けてから購入する
- 家計簿を付けて支出を可視化する
無理のない範囲で節約生活を取り入れ、無駄遣いを減らす工夫を取り入れてみてください。セミリタイアの実現を後押しする効果を感じられるはずです。
3.セミリタイアの資産づくりにFXは向いてる?メリット・デメリット
これを読んでいる方の中にはFXだけでなく、副業や株式投資など別の方法と迷っている方もいるかもしれませんね。
結論から申し上げると、会社員として働いているならFXはおすすめな投資方法です。FXには以下のようなメリットがあるからです。
- すき間時間で取引できる
- 少額から取引できる
- 下落しているときでも利益を出すことができる
ただし、デメリットもあります。
- 預入金(証拠金)以上の損失が出る可能性がある
- 値動きを予測することが難しい
FXの特徴や仕組みを知って、資産形成に適しているかを確認していきましょう。
3-1.FXのメリット
会社員の方が資金づくりにFXを選ぶメリットは以下の3つです。
- すき間時間で取引できる
- 少額から取引できる
- 下落しているときでも利益を出すことができる
1つずつ解説します。
3-1-1.すき間時間で取引できる
FXはすき間時間で取引できる魅力があります。
というのも、株式投資の場合は取引時間に制限があったり、購入した株は数カ月~数年持って値動きを確認し続ける必要があります。
一方、FX市場は24時間取引可能であり、取引は短時間で完結できる特徴があります。
2~3時間程度の時間で売買取引を完結することができるため、会社から帰宅した後に取引をするなど、本業に集中しながらFX取引をするライフスタイルが取り入れやすいのです。
短時間で完結するため、通貨を保有し続けることで感じるわずらわしさもありません。
本業に支障をきたさない取引ができる点がFXの魅力です。
3-1-2.少額から取引できる
FXは少額から取引できるという点もメリットと言えます。
最低取引金額はFX会社によって異なりますが、1ドル130年の為替相場では5円から始められるFX会社も存在しています。
▼1ドル=130円の場合の最低取引資金
国内FX会社 | 最低取引額 | 取引に必要な資金(レバレッジ1倍) | 取引に必要な資金(レバレッジ25倍) | スプレッド※少ない数値=利益が増える |
---|---|---|---|---|
SBI FXトレード | 1 | 125円 | 5円 | 0.2銭 |
松井証券のFX | 1 | 125円 | 5円 | 0.2銭 |
マネーパートナーズ | 100 | 1.42円 | 600円 | 0.0銭 |
GMO外貨 | 1,000 | 14.2万円 | 6,000円 | 0.2銭 |
みんなのFX | 1,000 | 14.2万円 | 6,000円 | 0.2銭 |
ThinkMarkets | 1,000 | 14.2万円 | 6,000円 | 0.0銭 |
LIGHT FX | 1,000 | 14.2万円 | 6,000円 | 0.2銭 |
2023年7月現在
少額取引が可能になる理由は、“レバレッジ”というトレード方法がFXには存在しているからです。
国内FXでは預入金(証拠金)が担保となり、最大で25倍の金額の取引が可能となっています。
つまり、1万円を預け入れたら25万円までの取引を行うことができるのです。
海外ではレバレッジ100倍~1,000倍の設定も可能になっているFX会社もあるため、少額でも大きく資産を作ることができる点がFXの魅力と言えるでしょう。
取引経験がない場合でも少額で実践してみることができるため、取引に慣れるまでの期間も大きな損失を防ぐことができます。
3-1-3.下落しているときでも利益を出すことができる
FXは上昇時でも下落時でも利益を出すことができるという特徴があります。
株式投資と違い、FXには“売り”注文から取引をスタートできる仕組みがあるからです。
【FXで利益が出る仕組み】
下落局面でも利益が狙えるため、取引を開始するタイミングで「上昇するか、下落するか」を予測し、予想が当たれば利益を得ることができます。
株式投資のように上昇局面のみに利益が生じるという制限がないため、利益を得られる可能性が広いと言えます。
3-2.FXのデメリット
FXは会社員として働きながらセミリタイアのための資金づくりがしやすいというメリットがありますが、以下のデメリットも存在します。
- 預入金(証拠金)以上の損失が出る可能性がある
- 値動きを予測することが難しい
FXを始める前はこの2つのデメリットがあることを必ず留意して始めましょう。1つずつ解説します。
3-2-1.預入金(証拠金)以上の損失が出る可能性がある
FXは預入金以上の損失が出る可能性があります。
FXは元本よりも高額な取引を可能にする“レバレッジ”という取引ができるからです。
このような取引ができるためにFXは利益が大きくなりやすいメリットが生じますが、一方負けた場合の損失も大きくなります。
損失が出た場合、損失の分だけ口座の資産は減ります。
口座に多額の資産が入っていても、結果次第では短時間で大きく目減りする可能性があることを念頭において取引額の設定をするようにしてください。
3-2-2.値動きを予測することが難しい
FXは通貨の値動きを予想して売買を行うものですが、通貨の値動きは予想が難しいです。
経験を積んでいるFX投資家であっても、想定通りの利益を出すことはできません。
通貨は政治や経済と密接な関係があるためであると言えます。
そのため、FX投資家は値動きを予想するために『経済指標』と言われる経済データを参考にしていることも一般的です。
経済指標は世界各国の政府や銀行が発表しており、雇用統計や消費者物価指数(CPI)、国内総生産(GDP)、金利などの指標が公開されています。
また、首相の辞任・就任、地震などの災害、大手金融機関の経営破綻、経済制裁、投資家の動きなども経済に影響を及ぼすため、政界の最新ニュースを常にチェックしておく姿勢も大切です。
勉強や実践を通して為替の動きを予想するテクニックを身に着けることが求められます。
4.FX初心者がFXを活用してセミリタイアを実現するためのステップ
FXを活用してセミリタイアのための資産づくりをスタートするなら、いきなり取引を行うのではなく、以下のステップで進めることをおすすめします。
1.セミリタイアに必要な資金額を知って目標額を設定する
2.FXの基礎的知識を勉強する
3.利用するFX会社を選んで口座開設する
4.まずは少額からスタートして経験を積む
この順番で進めることで、損失を最小限にしながら理想とするセミリタイア生活が実現する資産づくりができるはずです。
1つずつ解説します。
4-1.セミリタイアに必要な資金額を知って目標額を設定する
まずは、セミリタイアに必要な資金額がいくらなのかを算出しましょう。
目標金額を設定することで目標に向けて節約しようという意識が働いたり、達成するために必要な時間や行動が明確になったりします。
必要な資金を算出する方法は以下の手順を参考にしてください。
①毎月いくらで生活しているのか家計簿を付けて算出し、生涯どれくらいの生活費が必要なのかを見積もる。
例)40歳でセミリタイアを目指し、寿命85歳と想定する場合
生活費月25万円×12カ月=年間生活費300万円
年間300万円×45年=生涯必要となる生活費1億3,500万円
②セミリタイア後にどれほどの収入を得るのか算出し、①で出した生活費から引く。
所得税がかからないように年収100万円で65歳まで働き、65歳から完全リタイアして年間100万円の年金を受け取る想定であれば、セミリタイアまでに準備する金額は9,000万円と算出できます。
例)セミリタイア後の収入を見込んだ生活費
年収100万円×65歳までの25年=収入2,500万円
年金100万円×65歳からの20年=収入2,000万円
必要な生活費1億3,500万円-2,500万円-2,000万円=セミリタイアに必要な資金9,000万円
生活に必要な費用や、セミリタイア後の収入、受け取れる年金額は個々によって異なります。
想定される金額に合わせて計算してみてください。
4-2.FXの基礎的知識を勉強する
次に、FXについての勉強を進めていきましょう。
何度も言っていることですが、FXは預入金以上の取引ができるために損失も多くなることが懸念されます。
取引を行う前には、以下のような知識をまず頭に入れておきましょう。
- FXの基礎的な知識
- 経済の基礎知識
- 経済指標の見方
- テクニカル分析
- FXの注文方法
これらの知識を知っておくと、取引を行ったときの分析がしやすくなるため、効率的に勝率を上げることにつながります。
セミリタイアに必要な資金は決して安いと言えない金額になるはずです。着実に資産を作っていくためにまずはリスクを防ぐための知識を取り入れてください。
4-3.利用するFX会社を選んで口座開設する
FXの知識をある程度取り入れたら、利用するFX会社を選んで口座開設をしましょう。
FXは、どの会社の口座を持つかで利益までも変わってきます。FX会社によって以下の事項が異なるからです。
- 手数料
- 最低取引額
- 通貨ペアの種類
- スプレッドの幅
- スワップポイントの量
- ツールの使い勝手
- 約定力
FXの知識をある程度取り入れれば、どの会社がよいか判断できるようになるはずです。
利益率を重視したり、使い勝手のよさを重視したりと、自身が使いやすいと感じるFX会社を選んで口座開設をしてください。
4-4.まずは少額からスタートして経験を積む
FXの口座を開設できたら少額からスタートして実践経験を積みましょう。
FX注文は通貨ペアと数量を決めて注文するだけというシンプルさがありますが、利益を出すことは簡単ではありません。
そのため、損失を防ぐための様々な取引手法があることもFXの特徴です。
1章で紹介したFX投資家も、以下のように損失を出した取引経験をもとにして利益が出やすい投資手法を見出していきました。
▼FXでセミリタイアを達成した鈴さんが利益を出せるようになるまでの道のり
大きな費用で始めたからと言って、簡単に資産を増やせるわけではないことがFXのリアルです。
少額で色々な取引を実際に行ってみて分析し、自身の投資スタイルを見つけていきましょう。
5.セミリタイアするなら海外FX会社を活用してみよう
セミリタイアのための資金作りをするなら、海外FX会社を活用して資産形成をしていくことをおすすめします。
そもそもFX会社には、日本国内に拠点を持つ会社と海外に拠点を持つ会社があり、海外のFX会社は資産形成を推進する仕組みがあることが特徴です。
それぞれの特徴を比較すると以下のとおりです。海外FX会社が資産形成に有利になる特徴は太文字で表しています。
【海外FX会社と国内FX会社の比較一覧】
海外FX会社 | 国内FX会社 | |
---|---|---|
レバレッジの最大倍率 | 最大数千倍 | 最大25倍 |
取扱商品数 | 約60種類 | 約20~35種類 |
スプレッド | やや広い | 狭い |
入出金 | タイムラグがある場合がある | 24時間リアルタイムで反映する |
取引の透明性 | 高い トレーダーが直接市場取引を行う |
低い FX会社が介入する |
ロスカットの水準 | 0~20% | 50~100% |
ゼロカットシステム | あり | なし |
語学 | 英語日本語に対応できる会社もあり | 日本語 |
税金 | 課税所得額で税率が決まる 累進課税 (5~45%) |
FX所得のみに課税される 分離課税 (一律20.315%) |
自動売買システム | 無料もある | 有料 |
安全性 | 会社による 金融ライセンスを取得している会社であれば安全性は高い |
高い 金融庁が投資家保護の観点から規制が行っている |
海外FXは国内FXと比べて、高いレバレッジがかけられる点が大きな魅力です。
国内FXよりも大きく利益を狙うことが可能であるため、スピード感を持って資産形成をすることが可能になるでしょう。
ハイレバレッジであることで大きく損失が出ることも懸念されますが、海外FXには国内FXにはない『ゼロカットシステム』が導入されています。
ゼロカットシステムとは口座に入っている資産以上に損失が出た場合、損失はFX会社が負担し、トレーダーには請求しない、という仕組みです。
一方、国内FXの場合はゼロカットシステムが導入されていないため、マイナスになった分の追加請求(追証)がトレーダーにいく場合があります。
ゼロカットシステムがある海外FXであれば負債を抱える心配はないため、リスクが少ないとも捉えられるでしょう。
ただし、海外FXは以下のような懸念点もあります。
・出金トラブルが起こる場合がある
・トラブル発生時にコミュニケーションがうまく取れない場合がある
・国内FXよりも税金が高くなる傾向にある
総合的な安全性の高さは国内FXであるため、まずは国内FX会社で経験を積んでから海外FXを活用し、セミリタイアのための資金づくりを加速させていくことをおすすめします。
6.まとめ
この記事ではFXを活用してセミリタイアを目指すことを検討している方に向けてFXの魅力や注意点を解説しました。
簡単にこの記事で解説した内容をまとめます。
FXは“レバレッジ”という預入金以上の取引ができる仕組みがあるため、たしかにリスクも高くなります。
ただし、FXを活用してセミリタイヤを実現した人は実際にいて、以下のような生活を送っています。
■仕事のストレスから解放され、増えた自由な時間で自分のやりたいことを楽しむ
■自分の強みを仕事にしたり、FXの運用内容をブログなどに公開するなど、自分の経験を活かしてFX以外の収入を得ている
■アルバイトなどで社会的なつながりを保ち、孤独感を感じることなく過ごす
■休みたいときは仕事を1週間休むなど、自分の体調や都合に合わせた働き方をする
■海外移住して、海外の文化に触れながら過ごす
このようなセミリタイヤ生活は憧れる生活ではありますが、セミリタイヤ生活には資金が必要不可欠です。
具体的な金額を申し上げると、40歳でセミリタイアする場合、必要な資金は9,000万円になります。
※生活費月25万円、寿命85歳、セミリタイア後の年収100万円として想定する場合
高額ではありますが、以下3つの心得を持ってFXを活用すれば達成できる確率は高くなります。
- 1.感情や人の意見に左右されずマイルールに従って取引する
- 2.為替の仕組みや国の金融など勉強と分析を怠らない
- 3.節約して貯蓄も行う
まずはFXで損をしないための知識を取り入れて、FX投資家としての一歩を踏み出してみましょう。