「積立FXって、本当に失敗しないの?危険性は?」
「積立FXで本当に儲かるの?」
積立FXについて比較的リスクの低い投資方法だと見聞きしたものの、実際のところ本当に失敗はないのか不安に思うこともあるでしょう。
そこで、この記事ではまず、積立FXの失敗のしやすさはどうか?儲かるのか?といった点について解説します。
結論をいうと、積立FXは通常のFXより失敗しにくく、外貨預金と同等のリスクに抑え外貨預金より高い利益を狙うことも可能な投資方法といえます。ただし、リスク性が少ないので、通常のFXよりに得られるリターンは当然低くなります。
また失敗しにくいとはいえ、まったく失敗がないわけではありません。そこで、積立FXで失敗しやすい人や実際の積立FXの失敗例についてもあわせて紹介します。
失敗例を把握しておくことで、あらかじめ対策を取ることができ、さらにリスクを下げることができるでしょう。
▼この記事でわかること
- 積立FXの失敗しやすさ、儲けやすさ
- 積立FXの失敗例
- 積立FXの失敗を回避する方法
- 積立FXで失敗しないための心構え
- 積立FXにおすすめのFX会社
最後まで読むことで、積立FXの失敗回避策や失敗しないための心構えもわかります。積立FXで失敗することなく着実に利益を上げるためにもぜひ最後まで目を通し、参考にしてみてください。
1. 積立FXは失敗しやすいの?儲からない?
まず、「積立FXの失敗のしやすさはどうか?儲かるのか?」といった点について解説します。
冒頭で触れた通り、積立FXは通常のFX投資よりもリスクが低い投資方法といえます。また、積立FXは外貨預金とよく比較されますが、レバレッジを1倍に抑えることで外貨預金と同程度のリスクに抑えつつ、外貨預金より高い利益を狙うことも可能です。
このように積立FXが失敗しにくいといえる理由について、以下で詳しく解説します。
1-1. 積立FXは高値づかみを避けられる投資方法
積立FXが失敗しにくい投資方法であることをであることを理解するためにも、まずは積立FXの投資の仕組みを改めて確認してみましょう。
積立FXとは、毎日、毎週、毎月のように定期的に、一定金額ずつ通貨ペアを購入して積み立てる長期投資の方法です。
このように価格変動する商品を一定金額ずつ買い続ける方法をドルコスト平均法といいます。ドルコスト平均法を使うと、購入単価を投資期間中の平均値に抑えることができます。
【積立FXのイメージ】
FXでは、通貨を買った直後に相場が急落して損をするという高値づかみをすることがよくありますが、積立FXでは買値をドルコスト平均法で平均化されるため、そうした高値づかみを避けることが可能です。
このため一般的にはリスクの低い投資方法といわれています。
積立FXは、高値づかみのリスクを避けたうえで、下降相場から上昇相場に以降したタイミングで売却して利益を上げることを想定しています。
長期保有を前提としているため、短期間における利益は期待できません。さらに、相場の上昇トレンドでは購入単価も上がるため利益が出ても大きな利益は期待できないことからローリターンの投資方法ともいわれます。
なお、FXでは同じポジションを維持しているとスワップポイントを手に入れることができるため、積立FXはスワップポイントが日々手に入り、それをさらに投資に回せるという利点もあります。
1-2. 積立FXは通常のFXよりもリスクが低い
積立FXと通常のFX取引の特徴を比較してみると、積立FXの方が通常のFXよりもリスクが低いといえます。
その理由を積立FXと通常のFXとの特徴の比較から解説します。
積立FXとFX取引の特徴の比較は以下の通りです。
【積立FX・FXの特徴比較】
メリット | デメリット | |
---|---|---|
積立FX |
・購入単価を平均化することで高値づかみを避けやすい ・長期保有でスワップポイントを得られる ・レバレッジは1~3倍となることが多いため、レバレッジリスクが低い ・相場にはりつく必要はない ・買い時がわからなくても利益を上げられる |
・短期の利益は期待できない ・大きな儲けは期待できない ・売りから入って利益を出すことはできない ・通常のFXと同様に元本割れや証拠金以上の損失が出る可能性がある ・積立FX専用サービスを利用する場合は、選べる通貨ペアが限られ、手数料(スプレッド)が割高になる |
FX | ・短時間で大きな利益を出せる可能性がある ・レバレッジを大きくかけることで大きな利益を狙える ・売り買いどちらからでも入れる |
・短期で大きな損失が出ることがある ・レバレッジにより大きな損失が出ることがある ・買い時や先読みの判断が難しい ・元本割れや証拠金以上の損失が出る可能性がある ・相場を常にチェックする必要がある |
FXの最大のリスクは、為替相場が予想通りにいかない場合には、短期間でも口座残高以上の大きな損失を出し、時には借金を負う可能性があることです。特にFXのメリットであるレバレッジを大きくかけた取引をしている場合は、損失も破格になりがちです。
一方の積立FXでは、思惑に反して極端に高いレートで買ってしまっても投資期間全体で買値を平均化することで高値をならすことでき、相場変動による大きな損を避けられます。通常のFXと同様に元本割れのリスクはあるものの、通常のFXよりリスクの低い投資方法といえます。
また、FXにおいて買い時や先読みの判断は難易度の高いものですが、積立FXは買い時のわからない初心者でも利益を出せる手法で、常に相場にはりついて一喜一憂する必要もありません。長期保有することでデイトレードのFXと異なり、スワップポイントを獲得することもできます。
積立FXは、通常のFX取引と比べると短期間での利益や大きな利益が狙いにくいものの、それなりのリターンも得られる投資方法といえるでしょう。
1-3. 積立FXは外貨預金と同等リスクに抑えてより儲かる可能性がある
積立FXとよく比較されるものに外貨預金があります。
外貨預金とは、日本円を外貨に換えて預ける預金のことです。外貨預金は円預金より金利が高いため人気があるものの、元本割れのリスクがあることや、1通貨当たりの為替手数料が利息を上回るケースもあるため、積立FXの方がよいのではといわれることがあります。
積立FXと外貨預金との特徴を比較してみると、積立FXと外貨預金とはリスクを同等程度に抑えることができ、さらに積立FXの方が高い利益を狙えることがわかります。
以下は積立FXと外貨預金の特徴を比較したものです。
【積立FX・外貨預金の特徴比較】
メリット | デメリット | |
---|---|---|
積立FX |
・スワップポイントによる利益も狙える ・手数料(スプレッド)が外貨預金より安い傾向 ・レバレッジを利かせた利益を狙うことも可能 ・レバレッジ1倍の場合は、外貨預金の積立とほぼ同じ投資に相当 ・ FX会社が倒産しても資産は保全される |
・大きな儲けは期待できない ・元本割れや証拠金以上の損失が出る可能性がある ・外貨での受け取りはできない |
外貨預金 | ・円預金よりは金利が高い ・預入金以上の損をすることはない |
・大きな儲けは期待できない ・為替手数料が高く利息を上回ることがある ・元本割れのリスクがある ・即時の払戻しがしにくい ・預金保険制度の対象外 |
FXでレバレッジ1倍で通貨を売買する場合は、ロスカットの追証で大きな借金を負う恐れもなく、通貨の為替変動による利益のみを負うという意味では外貨預金とほぼ同じ投資といえるでしょう。
リスク面では、FXも外貨預金も為替変動により円ベースで元本割れするリスクがあるという点で同じです。
外貨預金と通常のFXが同等程度のリスクとすると、通常のFXよりリスクの低い積立FXは、外貨預金よりもリスクが低いといえるでしょう。(外貨積立の場合は同程度のリスクといえます)
またリターンの方に目をやると、積立FXでは将来のFXを売却する際の売却益だけでなく、保有している間、通貨ペアの金利差であるスワップポイントを受け取ることができます。
その積立FXのスワップポイントは、外貨預金の利回りよりも高い傾向といわれています。
【外貨預金と積立FX利回りの比較(米ドル/円の場合)】
外貨定期預金金利(年利%) | 4.56% |
FXスワップポイント(※1日1万通貨当たり) | 234円 |
(参考)FXスワップポイント/年利に換算 | 6.57% |
※2023年10月13日時点の数値
※外貨定期預金金利は、東京スター銀行、三井住友銀行、住信SBIネット銀行の3行の平均
※スワップポイントは、積立FXサービスのあるSBIFXトレード、外為どっとコムの平均
※スワップポイントの年利換算は、1年365日、1ドル=130円で計算。為替・スワップポイントの変動は考慮していない。
※スワップポイントは日々変化しマイナスになることもあります。
また、コスト面である1通貨当たりにかかる手数料を比較すると外貨預金よりもFXの方が低いともいわれます。
【外貨預金と積立FXの手数料比較(米ドル/円の場合)】
外貨預金の為替手数料(1万通貨当たり往復・円) | 10000円~20000円 |
積立FXのスプレッド(1万通貨当たり往復・円) | 200円~500円 |
※2023年10月13日時点の数値
※外貨定期預金金利は、東京スター銀行、三井住友銀行、住信SBIネット銀行の3行を参照
※スプレッドは、積立FXサービスのあるSBIFXトレード、外為どっとコムを参照
利息(スワップポイント)が外貨預金よりも積立FXの方が高く、手数料も外貨預金より積立FXの方が低いため、外貨預金よりも積立FXの方が高い利益を狙いやすいといえます。
なお、積立FXで高い利益を狙ってレバレッジを大きくする場合は、リスクも高くなることに注意しましょう。
1-4. 積立FXで失敗しやすい人
積立FXのリスクが低いことを紹介しましたが、全くリスクがないというわけではありません。
下記のような方は、積立FXで失敗しやすい傾向があるといえるでしょう。
- すぐに結果を出したい人
- 積立ルール通りに実行できない人
- 積立FXを余裕資金で行わない人
- 大きな利益を求めてレバレッジをかけすぎる人
積立FXの基本的な仕組みであるドルコスト平均法は、長期投資で効果を発揮できるため、短期間ですぐに結果を出したい人の利用には向いていません。結果を急ぐと利益を出せないといえるでしょう。
また、積立FXは長期間に渡って積立のルールを実行しなければ意味がありません。積立ルール通りに実行できない人は結果を出せず失敗しやすいといえるでしょう。特に積立FXを余裕資金で行わない人は、当座の資金が必要となって積立投資を途中でやめてしまい、利益を出せないことが少なくありません。
さらに、積立FXにおいて、大きな利益を求めてレバレッジをかけすぎてしまう人も失敗しやすいといえるでしょう。レバレッジをかけすぎると小さな為替変動でも大きな含み損となり、証拠金が足りなくなり追証が発生したり、強制ロスカットにあったりして、損を出してしまう可能性が高まります。
失敗しやすい人の犯しやすい失敗例については、以下の章でも詳しく紹介します。
2. 積立FXの失敗例8選
積立FXで失敗をする場合、どのようなものがあるか失敗例を紹介します。
失敗例を確認して、同じ失敗をしないようにしましょう。なお、それぞれの失敗例に対する対策は次の「3. 積立FXで失敗しないための対策8つ」で解説しますので、失敗例とあわせて確認してください。
- 通貨ペアの選択ミスで含み損が拡大
- 定期購入しそこなってドルコスト平均の利点が得られない
- 定期的な資金投入をしそこなってロスカットされる
- レバレッジのかけすぎでロスカットされる
- 短期利益を求めて損をする
- 途中で積立を止めてしまって利益を出せない
- 価格下落で止めてしまって利益を出せない
- 余裕資金で投資していないため積立が継続できなくなる
失敗例の詳細は下記の通りです。
2-1. 通貨ペアの選択ミスで含み損が拡大
失敗例の一つは、通貨ペアの選択ミスで含み損が拡大するケースです。
積立FXは、買い注文で入って長期で保有し、上昇相場で売って利益を出す想定の投資方法です。このため、乱高下しながらも上昇トレンドを描く通貨ペアを選ぶことが望ましいといえます。それにもかかわらず、例えば10年以上といった長期にわたり下降トレンドにあるトルコリラ/日本円のような通貨を選ぶと長期保有で含み損が拡大するという失敗につながります。
2-2. 定期購入しそこなってドルコスト平均の利点が得られない
定期購入をしそこなってドルコスト平均法の利点が得られず失敗するケースもあります。
積立FXは、定期的に一定金額の通貨ペアをコツコツと継続して買い増すことで成り立つ投資手法です。もし定期購入をしそこなうと、ドルコスト平均法ならではの買値を平準化するというメリットが活かせません。
高値づかみを避けるという効果が薄れ、大きな損を出してしまうことがあります。
2-3. 証拠金維持率を大きく下回ってロスカットされる
積立FXはリスクが低いとはいえ、FX取引のため、証拠金維持率がロスカット水準を下回ると、強制的にロスカットされ損失が確定してしまいます。
積立FXではロスカットを防ぐためにも、定期的に証拠金を確認して資金投入をする必要があります。定期的な証拠金チェックを怠って、含み損が膨らみ証拠金が証拠金維持率を下回っていることに気付かずにいると大きな損につながることがある点に注意しましょう。
2-4. レバレッジのかけすぎでロスカットされる
積立FXでも、レバレッジをかけすぎると相場が下がった際に大きな含み損が生じて強制ロスカットをされ大きな損失が生じる場合があります。
積立FXは、
レバレッジが大きければ大きいほどリスクが高まる点に注意しましょう。積立FXは長期投資が前提のため、レバレッジをかけすぎないことが大切です。
2-5. 短期利益を求めて損をする
積立FXで短期利益を求めると損をするケースが少なくありません。
積立FXは長期保有で利益を出すことを目的とした投資方法で、買い時を特に見極めていなかったり、レバレッジが低かったりと短期間で利益を上げることには向いてないといえるでしょう。
短期間で利益を求めようとしても利益は出しにくいため注意しましょう。
2-6. 途中で積立を止めてしまって利益を出せない
積立FXの積立を途中で止めてしまって利益を出せないという失敗もあります。
積立FXは長期保有をして下降トレンドから上昇相場に転じた際に利益を出すことができます。途中で積立をやめてしまうと利益を出すのは難しいといえるでしょう。
2-7. 価格下落で慌てて損切してしまって利益を出せない
積立FXで長期保有をしなければならないにもかかわらず、価格が下落したことで慌てて損切をして利益を出せないというケースもあります。
損切は投資において大切ですが、積立FXの場合は短期の価格の下落は想定内のことであるため、慌てて損切をしないことが大切です。
2-8. 余裕資金で投資していないため積立が継続できなくなる
積立FXは余裕資金で行わないと積立が継続できなくなり、利益が出せなくなることもあります。
余裕資金で行わない場合、投資したお金が目減りすることに耐えられなくなり、継続が難しくなります。積立FXは長期継続が前提の投資方法のため、継続ができるように余裕資金で行うことがおすすめです。
3. 積立FXでの失敗を回避する方法8つ
積立FXの失敗例をお伝えしました。以下では、それらの失敗を避けるための方法を解説します。
- 通貨ペアはメジャー通貨を長期トレンドを確認したうえで選ぶ
- 自動売買ツールやサービスを利用する
- 証拠金維持率に注意する
- 積立FXのレバレッジは通常3倍程度
- 短期では利益が出ないと割り切る
- 10~20年の長期投資を前提に最低でも1年以上の積立期間で運用する
- 価格は下がるものと想定しておく
- 積立FXは余裕資金で行う
詳しくは次の通りです。
3-1. 通貨ペアはメジャー通貨を長期トレンドを確認したうえで選ぶ
通貨ペアの選択ミスで失敗しないためにも、積立FXでは米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円などのメジャーな通貨同士の通貨ペアを選ぶことがおすすめです。メジャー通貨を長期トレンドを確認したうえで選びましょう。
積立FXでメジャーな通貨ペアをおすすめする理由は流通量が安定しておりトレンドに従った動きをしやすいうえに、通貨価値が下がりにくいためです。
積立FXでは高いスワップポイントが得られるからといってマイナーな通貨ペアを選んでしまうと、経済情勢が不安定なため通貨価値が下がる可能性があり、長期的な利益を狙いにくくなります。
どの通貨ペアを選ぶ場合でも必ず長期トレンドを確認して、長期に渡って下落トレンドにないかどうか確認したうえで選びましょう。
3-2. 自動売買ツールやサービスを利用する
積立FXで定期購入をしそこなって失敗してしまうという方は、手動でなく自動で積立売買ができるツールやサービスを活用することがおすすめです。
例えば、MetaQuotes社のMT4(MetaTrader4)が使える環境であれば自動売買ツールを使ったり、あるいは国内FX会社の数社が提供している積立FX専用サービスなどを利用するとよいでしょう。
3-3. 証拠金維持率に注意する
積立FXで強制ロスカットによる損の確定や積立投資の中断といった事態が起きないように、証拠金維持率に注意しましょう。
積立FXは常時相場をチェックする必要がない投資方法ですが、1日に1回など定期的に相場や含み損を確認し、証拠金維持率がロスカット水準を下回らないように気を付ける必要があります。一般的に、証拠金維持率の目安は300%以上といわれるため、現在のレートで証拠金維持率が300%以上になるように資金を入れることがおすすめです。
レバレッジを大きく効かせているときは含み損が拡大しやすく証拠金維持率も大きく下がる可能性も高くなるためより注意が必要です。
3-4. 短期では利益が出ないと割り切る
積立FXで短期利益を求めると失敗しやすいため、「短期では利益は出ない」と割り切ることが大切です。
積立FXは長期保有で買値を抑えることで利益を出す手法ということを認識して、短期の利益を追いかけないようにしましょう。
3-5. 10~20年の長期投資を前提に最低でも1年以上の積立期間で投資する
積立FXを途中で止めてしまったために利益が出ないという失敗を避けるために、最低でも1年以上の期間を目安に投資するようにしましょう。
なお、積立FXなど、一般的にドルコスト平均法で投資する場合は、10~20年くらいの投資期間を想定しておくとよいといわれています。長期間のトレンドで判断するため、短期間のトレンドで成功か失敗かの判断は難しいため安易に中断しないことが大切です。
3-6. 価格は下がるものと想定しておく
積立FXで、価格が下がって慌てて損切をして失敗してしまうということのないように「価格は下がるもの」と想定しておくことがおすすめです。
15年の長期チャートなどを見ても、上昇トレンドの儲かる通貨ペアも必ず価格が下がる期間があります。長期保有している限り、価格が下がることはあると心得て、価格変動に一喜一憂して慌てて取引をしないようにしましょう。
3-7. 積立FXのレバレッジは通常3倍程度
積立FXは、長期保有を前提とする投資方法で、強制ロスカットのリスクを抑えるためにも、レバレッジは1~3倍程度に抑えるとよいでしょう。
レバレッジ3倍までならそう簡単に証拠金不足にはならないといわれています。また、実際のところ、積立FXの専用サービスでは、レバレッジを3倍までに制限しているサービスがほとんどです。専用サービスを利用する場合は3倍以上のレバレッジをかけることはできません。
リスクを抑えて安定して積立を続けるためにもレバレッジをかけすぎないようにしましょう。
3-8. 積立FXは余裕資金で行う
積立FXを中断したり、続けられなくなったりする失敗を避けるためにも、積立FXは余裕資金で行うようにしましょう。
余裕資金で行わないと、為替変動に一喜一憂したり、含み損に耐えられなくなったりして、積立を続けることが難しくなります。
積立FXは長期的視野で持ち続ける必要があるため、当面使用しない余裕資金をあてることが大切です。
4. 積立FXで失敗しないための心構え
積立FXの失敗例や失敗の回避方法を踏まえると、積立FXで失敗しないための心構えは下記のようにまとめられます。
積立FXで失敗しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
- 積立FXでは大きな利益は狙わない
- 積立FXでは短期間の利益を狙わない
- 最低でも1年以上継続できるよう余裕資金で行う
- 通貨ペアは最低15年以上のトレンドをチェックして選ぶ
詳しくは次の通りです。
4-1. 積立FXでは大きな利益は狙わない
積立FXでは大きな利益は狙わないようにしましょう。
積立FXで大きな利益を得ようとすると、レバレッジを大きくしてロスカットにあいやすくなったり、スワップポイントの大きなマイナー通貨に投資をするなどして為替差益で損を出してしまったりします。
積立FXという投資方法の強みが活かせなくなるため、大きな利益を狙うべき手法ではないと心得ておくことがおすすめです。
4-2. 積立FXでは短期間の利益を狙わない
積立FXでは短期間の利益を狙わないようにしましょう。
積立FXは長期投資を前提としたもので、短期では利益が出せず損となることはよくあります。短期で利益を出そうとして決済してしまうと、積立FXの投資効果が出せません。
積立FXでは短期の利益は得られないと心得て投資をすることがおすすめです。
4-3. 最低でも1年以上継続できるよう余裕資金で行う
積立FXは、最低でも1年以上継続できるよう余裕資金で行うようにしましょう。
積立FXは長期投資でないと効果が発揮されません。余裕資金で行うことで、積立FXを短期間で中断したり、続けられなくなったりといった失敗を避けることができるでしょう。
4-4. 通貨ペアはメジャー通貨の最低15年以上のトレンドをチェックして選ぶ
積立FXでは通貨ペア選びが重要です。
積立FXには、米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円など流動性とボラティリティの高いメジャー通貨のペアが向いています。そうした通貨の方がトレンドを描きやすく利益も上げやすいためです。
長期間下降トレンドにある通貨ペアでは成果を上げにくいため、選ぶ際には15年以上の長期のトレンドをチェックして選ぶようにしましょう。
5. 積立FXにおすすめのFX会社
積立FXの失敗例と失敗回避策についてお伝えしました。積立FXで失敗しないためにはFX会社選びも重要なポイントです。
積立FXでは下記のようなタイプのFX会社がおすすめです。
積立FX専用サービスのあるFX会社
手数料の安い(スプレッドの狭い)FX会社
ゼロカットシステムのあるFX会社
以下で詳しく解説します。
5-1. 積立FX専用サービスのあるFX会社
積立FXで定期購入を忘れて失敗するといったことを避けるために、積立FX専用サービスを提供しているFX会社を選ぶことがおすすめです。
積立FX専用サービスを使うと、定期的に自動で買付けができるため定期購入を忘れることはありません。利用できる会社には下記のような会社があります。
積立FX専用サービスのあるFX会社
ただし、積立FX専用サービスを利用する場合には、通常のFXより手数料が割高(スプレッドが広い)なことと、サービスを提供している会社が限られる点には注意しましょう。
5-2. 手数料の安い通常のFX会社
積立FXでは手数料の安い通常のFX会社を選ぶこともおすすめです。
積立FXで定期購入を忘れて失敗しがちな方には積立FX専用サービスがよいといえますが、手数料が高い点がデメリットといえます。例えば、同じFX会社内でも積立FXの手数料は下記のように高めに設定されています。
【SBI FXトレードの手数料(スプレッド)の例】
- 積立FXサービス(米ドル/日本円)のスプレッド: 5銭
- 通常のFXサービス(米ドル/日本円)のスプレッド: 0.18銭
積立FXはリスクが低い一方でリターンも低いため手数料を抑えることは大切です。そのためにも手数料の安い通常のFX会社を選ぶことがおすすめです。
手数料の安い(スプレッドの狭い)FX会社
通常のFX会社を利用すると手動で買い増しする手間が発生しますが、例えばMT4の使えるFX会社ではMT4の自動購入ツールを利用して積み立てるといった工夫もできます。
5-3. ゼロカットシステムのある海外FX
よりリスクを抑えて積立FXをやるなら、ゼロカットシステムのある海外FXの活用がおすすめです。
海外FX会社の多くがゼロカットシステムを搭載しており、ロスカットの際に生じた口座残高以上の損失をFX会社が相殺して0に戻してくれます。このため、ロスカットが間に合わずに追証により借金を負うリスクはありません。
海外FXが危険というイメージがあるのは、FX業者自体に信用がないことも原因のひとつと思われますが、信頼度の高い金融ライセンスを持っているFX会社を選べばそうした問題はありません。ホームページなどで金融ライセンスを保有していることを確認することで安全に利用することができます。
例えば外貨預金の場合は、預金保障の対象外となっていますが、そうした金融ライセンスのあるFX会社では信託保全がある会社も少なくありません。
おすすめの海外FX会社の例としては下記のようなものがあります。
ゼロカットシステムのあるFX会社 | |
---|---|
XM Trading |
世界196カ国以上でサービスを提供している大手FXブローカー 初心者でも安心の金融ライセンス所持業者 セーシェル金融庁(FSA)とモーリシャス金融庁(FSC)の金融ライセンスあり 手数料が低水準 スプレッドがAXIORYに比べて広いが業界内では狭い方 口座残高以上の損を防ぐ仕組みがある ゼロカットシステムあり |
AXIORY |
信託保全(顧客資金の補償)をしている安全安心の海外FX会社 初心者でも安心の金融ライセンス所持業者 ベリーズ(IFSC)金融ライセンスあり 手数料が低い スプレッドが狭め 口座残高以上の損を防ぐ仕組みがある ゼロカットシステムあり |
Tradeview |
取引コストが格段に安い老舗海外FXブローカー 初心者でも安心の信託保全のある会社 最大35,000ドル(400万円相当)の信託保全あり 初心者でも安心の金融ライセンス所持業者 ケイマン諸島の金融ライセンス(CIMA)あり 手数料が低い スプレッドが狭め 口座残高以上の損を防ぐ仕組みがある ゼロカットシステムあり |
厳格な金融ライセンスを持っており信頼度と安全性が高いこと、手数料が低いこと、ゼロカットシステムがある点などを重視しておすすめしています。FX会社選びに迷った際には参考にしてください。
まとめ
積立FXの失敗について解説しました。
積立FXはその仕組みから、通常のFXより失敗しにくく、レバレッジ1倍にすることで外貨預金と同等のリスクで外貨預金より高い利益を狙うことも可能な投資方法といえます。
積立FXが失敗しにくいからといって失敗が全くないわけではありません。下記のような失敗例もあるため注意しましょう。
【積立FXの失敗例】
- 通貨ペアの選択ミスで含み損が拡大
- 定期購入しそこなってドルコスト平均の利点が得られない
- 定期的な資金投入をしそこなってロスカットされる
- レバレッジのかけすぎでロスカットされる
- 短期利益を求めて損をする
- 途中で積立を止めてしまって利益を出せない
- 価格下落で止めてしまって利益を出せない
- 余裕資金で投資していないため積立が継続できなくなる
積立FXで失敗しないためには下記のような心構えで取り組むことが大切です。
【積立FXで失敗しないための心構え】
- 積立FXでは大きな利益は狙わない
- 積立FXでは短期間の利益を狙わない
- 最低でも1年以上継続できるよう余裕資金で行う
- 通貨ペアは最低15年以上のトレンドをチェックして選ぶ
積立FXで失敗しないためには、FX会社選びも大切です。積立FX専用サービスのある会社や手数料の低い会社、ゼロカットシステムのある海外FX会社など、自分の失敗を回避しやすい会社を選んで投資するようにしましょう。
これらの情報が積立FXの成功に役立つと幸いです。