「海外FXのスワップポイントってどういうもの?」
「海外FXでは、スワップポイントだけでかなり稼げると聞いたけれど、本当なの?」
「スワップポイント狙いの取引をするなら、どの海外FX業者がいいのだろう?」
このような疑問や悩みを、抱えていませんか?
海外FXにおいて、日をまたいでポジションを持ち越した場合、スワップポイントが付与されます。
スワップポイントは通貨ペアや利用するFX業者によって異なりますが、中には、スワップポイントだけで1日に数万円の利益を得られる場合もあります。
「ポジションを持っているだけで毎日利益が生まれる」というのは投資家にとって非常に魅力的ですが、スワップ狙いの取引では、注意しなければならないことも沢山あります。
この記事では、海外FXのスワップポイントに関する基本事項についてご説明したうえで、下記のようなポイントについて解説します。
- 海外FXのスワップポイント
- 海外FX9社における主要通貨ペアのスワップポイントを比較
- 海外FXでスワップポイント狙いの取引をするメリット
- スワップポイント狙いの取引をする方におすすめの海外FX業者3選
- 海外FXでのスワップポイント狙いの取引で稼ぐコツ
- 海外FXでスワップポイント狙いの取引をする際に注意すべきポイント7選
これから海外FXで取引をして、スワップポイントを沢山獲得したいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 海外FXのスワップポイントとは?基本情報をチェック
海外FXでは、日をまたいでポジションを持ち越した場合に(=ロールオーバー)、スワップポイントが付与されます。
トレーダーの中には、このスワップポイントで利益を得ることを目的にポジションを持つ方も多いのですが、そもそもスワップポイントとは、どういうものなのでしょうか。
この章ではまず、海外FXのスワップポイントに関する下記のような基本情報について、わかりやすくご説明します。
- スワップポイントとは
- スワップポイントが付与されるタイミング
- 海外FXでスワップポイント狙いの取引をするメリット
- FX業者によってスワップポイントが異なる理由
- 海外FXと国内FXのスワップポイントを比較
1-1. そもそもスワップポイントとは?
スワップポイントは、2通貨の金利差を調整するために発生するものです。
FXでは2つの国の通貨をトレードしますが、国によって政策金利が異なるため、通貨の金利も当然、国によって異なります。
FXではこの”通貨の金利差”を調整すべく、日をまたいでポジションを持ち越したトレーダーに対し、スワップポイントを付与しています。
スワップポイントは、プラスになることもあれば、マイナスになることもあります。
■ プラススワップの場合
スワップポイントがプラスの場合、投資家にはスワップポイントが”付与”され、これが、投資家の利益となります。
■ マイナススワップの場合
スワップポイントがマイナスの場合、投資家はこれを支払わなければならず、これが、投資家の損失となります。
なお、スワップポイントの受け取りや支払いにあたり特別な手続きは必要なく、自動的に反映されます。
1-2. 海外FXでスワップポイントが付与されるタイミング
海外FXでスワップポイントが付与されるのは、下記時間です。
▼海外FXでスワップポイントが付与される時間(日本時間)
保有しているポジションを決済せず、日をまたいで持ち越すことを「ロールオーバー」と言います。
そしてこのロールオーバーは、ニューヨーク市場がクローズするタイミング(日本時間午前7時、夏時間は午前6時)で行われます。
海外FXでは、このロールオーバーが起きるタイミングに合わせて、スワップポイントが加算されます。
■ 水曜日はスワップポイントが3倍に!
ほとんどの海外FX業者では、水曜日に付与されるスワップポイントが3倍になります。
これは、土曜日と日曜日に発生するスワップポイントが、水曜日にまとめて付与されるためです。
スワップポイントが3倍付与されるかどうかは、「水曜日(日本時間では木曜日の朝)の時点でポジションを保有しているかどうか」という基準により判断されます。
土日にポジションを保有していても、水曜日時点でポジションを保有していなければ土日の分のスワップポイントを受け取ることはできませんので、注意しましょう。
※詳しくは「6-4. 週末分のスワップポイントが付与されるのは木曜日の朝」でご説明していますので、併せてご参照ください。
1-3. スワップポイントは海外FX業者によって異なる!その理由とは
同じ通貨ペアでも、スワップポイントは海外FX業者によって異なります。
そのため、海外FXをする際は、スワップポイント狙いで取引をする方もそうでない方も、各社のスワップポイントを確認しておくことが大切です。
下表をご覧ください。
▼海外FX業者別|主要通貨ペアのスワップポイント
例えば、XMで[ユーロ/円]の買いポジションを1ロット持つと1日881円の利益を得られますが、Exnessで同じポジションを保有しても、スワップポイントによる利益は得られません。
このように、海外FXのスワップポイントは業者ごとにかなりの違いがあり、それは時に、取引の損益に大きな影響を及ぼします。
■ スワップポイントが海外FX業者によって異なる理由
スワップポイントは2つの国の通貨の金利差を埋めるためのものなので、本来ならばどの業者も同じ値になるはずです。
それにもかかわらず違う値になっているのは、通貨間の金利差の一部を、FX業者側の収入に充てているからです。
スワップポイントをどのように設定するのか、FX業者側の収益をどのくらいにするのかは、その業者の経営戦略や収益構造、宣伝戦略によります。
ただ一般的に、スワップポイントが低いFX業者は、それ以外のサービスに力を入れているケースが多いです。
例)豪華なボーナス制度、スプレッドが狭い、ハイレバレッジ取引が可能である、など
【スワップポイント低い=取引スペックが低いFX業者】というわけではありません。
ただ、ポジションを長期保有する予定のある方、スワップポイント狙いで取引をする方は、スワップポイントが高い海外FX業者の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
1-4. 海外FXと国内FXのスワップポイントを比較
海外FXも国内FXも、スワップポイントの基本的な仕組みは同じです。
ただ、国内FXは海外FXに比べて、スワップポイントが高い傾向にあります。
▼FX業者別|米ドル/円のスワップポイント
上の表は、[米ドル/円]のスワップポイントを、FX業者別にまとめたものです。
国内FX業者のスワップポイントは、海外FX業者よりもはるかに高いことがわかります。
この点だけに着目すると、国内FX業者の方が魅力的なようにも思えますよね。
ただ、海外FXでは国内FX業者が取り扱っていないマイナーな通貨ペアの取引が可能で、そういった通貨ペアの中には、スワップポイントが高いものも存在します。
また、国内FXでは最大25倍までしかレバレッジをかけられませんが、海外FXでは数百倍、数千倍といったハイレバレッジ取引が可能です。
海外FXには国内FXにない魅力が沢山ありますので、ご安心ください。
※詳しくは「3. 海外FXでスワップポイント狙いの取引をするメリット」でご説明しておりますので、併せてご参照ください。
2. 【海外FX業者別】主要通貨ペアのスワップポイント一覧
スワップポイントは、海外FX業者によって異なります。
下表は、主要な通貨ペアのスワップポイントを、海外FX業者別にまとめたものです。
▼海外FX業者別|主要通貨のスワップポイント一覧
※スワップポイントは、2023年12月22日時点における値。
海外FX業者によって、スワップポイントにかなりの違いがあることがわかります。
XMとHotForexにおける、[ユーロ/円]のロングスワップポイントを比較してみましょう。
※付与されるスワップは、1ロット保有した場合の値。
XMにおける[ユーロ/円]のスワップポイントは8.81ですので、この通貨ペアの買いポジションを1ロットロールオーバーさせた場合、1日あたり881円の利益を得られます。
一方、Hot Forexにおける[ユーロ/円]のスワップポイントは-0.59ですので、この通貨ペアの買いポジションをロールオーバーさせた場合、1日あたり59円の損失が発生してしまいます。
同じ通貨ペアの同じ買いポジションでも、利用する海外FX業者が違うと、損益が大きく変わってしまうのです。
ポジションを長期間保有する場合、スワップポイントの値は取引の損益に大きな影響を及ぼしますので、取引前に必ず確認しておきましょう。
3. 海外FXでスワップポイント狙いの取引をするメリット
「1-4.海外FXと国内FXのスワップポイントを比較」でご説明したように、海外FXは国内FXに比べ、スワップポイントが低い傾向にあります。
それにもかかわらず、多くのトレーダーが海外FXにおいてスワップポイント狙いの取引をするのは、下記のようなメリットがあるからです。
この章では、海外FXでスワップポイント狙いの取引をすることにはどのようなメリットがあるのか、詳しくご説明します。
3-1. 国内FXに比べてロスカットされにくい
海外FX業者でのスワップポイント狙いの取引には、国内FX業者に比べてロスカットされにくい、というメリットがあります。
ロスカットとは、取引口座の証拠金維持率が約定の割合(=ロスカット水準)を下回った場合に、その時点で保有しているポジションが、FX業者側によって強制決済される仕組みのことをいいます。
ロスカットが執行されると、その時点で保有していたポジションを失ってしまいます。
スワップポイント狙いの取引では、ポジションを長期間保有し続ける必要がありますので、途中でロスカットされてしまっては意味がありません。
■ 海外FXは国内FXに比べてロスカットされにくい!
ロスカット水準はFX業者によって異なりますが、海外FX業者のロスカット水準は国内FX業者に比べ、かなり低く設定されています。
上の図は、海外FX業者と国内FX業者のロスカット水準を、一覧表にまとめたものです。
海外FX業者の中にはロスカット水準「0%」のところも見受けられますが、国内FX業者の場合、多くの業者が「100%」で、どんなに低い業者でもその水準は「50%」にとどまることがわかります。
■ ロスカット執行までの許容損失をシミュレーション
ロスカット水準が違うと、ロスカット執行までに許容される損失額に、かなりの違いが生じます。
具体的に、シミュレーションしてみましょう。
【試算条件】
- 口座に入金する資金:10万円
- 取引通貨:米ドル/円
- 取引開始時のレート:1ドル=140円
- レバレッジ25倍
- 取引通貨量:1万通貨の買いポジションを注文
※証拠金維持率は、小数点以下を四捨五入。
上記条件のもと、ロスカット執行までの許容損失を試算すると、下表のような結果になります。
▼ロスカット水準別|ロスカット執行までの許容損失
ロスカット水準100%のFX業者で取引する場合、1通貨あたり4.4円の値下りで、ロスカットが執行されてしまいます。
為替市場において、1ドルあたり4円程度の値下りが起きることは、珍しくありません。
これでは、安心してポジションを持ち続けられませんよね。
これに対して、ロスカット水準0%のFX業者で取引する場合、1通貨あたり10円の値下りまで耐えられます。
1ドルあたり10円も値下りすることはまずないでしょうから、これなら、安心してポジションを持ち続けられるでしょう。
できるだけ長くポジションを持ち続け、より多くのスワップポイントを獲得するには、ロスカットされにくいFX業者で取引をすることが大切です。
3-2. スワップポイントが高いマイナー通貨ペアの取引ができる
海外FXにおけるスワップポイント狙いの取引には、マイナーな通貨ペアの取引ができる、というメリットもあります。
マイナー通貨ペアはメジャー通貨ペアに比べ、スワップポイントが高いものが多いです。
そのため、効率よくスワップポイントを稼ぐにはマイナー通貨ペアの取引をするといいのですが、国内FX業者では、マイナー通貨ペアの取引ができないケースが少なくありません。
下表は、スワップポイントが高いマイナー通貨ペアの取扱状況を、FX業者別にまとめたものです。
▼FX業者別|マイナー通貨ペアのスワップポイントと取扱状況
XMではかなり高いスワップポイントが設定されている[米ドル/トルコリラ]と[ユーロ/トルコリラ]ですが、国内FX業者の多くが、これらの通貨ペアを取り扱っていません。
唯一、ヒロセ通商で取引可能ですが、スワップポイントはロング・ショートともに「0」ですので、スワップポイント狙いの方がここで取引をしても、意味がないでしょう。
海外FX業者は国内FX業者に比べて取り扱っている通貨ペアの種類が多いので、スワップポイント狙いの方は、海外FX業者でマイナー通貨ペアの取引にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
4. スワップポイント狙いの方におすすめの海外FX業者3選
スワップポイント狙いの取引をするなら、下記の海外FX業者をおすすめします。
海外FXにおけるスワップポイント狙いの取引をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
4-1. XM
XMは、2009年に設立された世界最大手の海外FX業者です。
世界196か国に合計500万人以上のトレーダーを抱えており、日本でも数多くの投資家がXMを利用しています。
▼XMでスワップポイントが高い通貨ペアBEST5
※スワップポイントは、2023年12月23日時点の値
XMは、スワップポイントが高いだけでなく、口座入金ボーナスやお得なポイントシステムといった各種ボーナス制度が充実していること、日本語サポート体制が万全であることなど、様々な魅力がある海外FX業者です。
▼XMの主な特徴
運営会社は、世界で最も取得が困難であると言われているイギリスのライセンスを取得しており、信頼性も抜群です。
もちろん、過去に不正な出金拒否が起きた事例もありません。
他社に比べてスプレッドが広いのは悩ましいポイントですが、スワップポイント狙いでポジションを長期保有するのであれば、取引コストについてはそこまで神経質に考えなくても良いでしょう。
XMの利用をおすすめする人
- スワップポイントが高いだけでなく、ボーナスやレバレッジなども優れているFX業者で取引したい
- 信頼性の高い海外FX業者で取引をしたい
- ボーナス制度を活用し、資金効率を高めつつスワップポイント狙いの取引をしたい
4-2. AXIORY
AXIORYは、2011年に設立された海外FX業者です。
スワップポイントの高さは業界トップレベルで、スワップポイント狙いでFX取引をする方から高い評価を得ています。
▼AXIORYでスワップポイントが高い通貨ペアBEST5
海外FX業者の中にはロシアルーブルを含む通貨ペアの取引を見合わせるところが少なくありませんが、AXIORYでは2023年12月現在、取引が可能です。
スワップポイントが高い[ユーロ/ロシアルーブル][米ドル/ロシアルーブル]の取引ができるというのは、プラススワップで稼ぎたい投資家にとって嬉しいポイントですよね。
▼AXIORYの主な特徴
AXIORYには、「業界トップレベルにスプレッドが狭い」という魅力もあります。
マイナーな通貨ペアは為替リスクが高いため、注文~決済を数日おきに繰り返してスワップポイントを稼ぐ方も少なくありません。
こういった取引手法では1回の取引にかかるコストを安く抑えなければなりませんが、スプレッドの狭いAXIORYなら、安心して取引できるでしょう。
他社のように派手なボーナス制度はありませんが、スワップポイントの高さやスプレッドの狭さを考慮すれば、十分に魅力的な海外FX業者といえます。
AXIORYの利用をおすすめする人
- ロシアルーブルを含む通貨ペアの取引でスワップポイントを稼ぎたい人
- 取引コストを安く抑えたい人
- スワップポイントが高いFX業者で取引したい人
上記に該当する方は、AXIORYの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
4-3. Tradeview
Tradeviewは、証券会社として2004年に設立された海外FX業者です。
注目すべきはクロストルコリラ通貨ペアのスワップポイントで、[ユーロ/トルコリラ][米ドル/トルコリラ]のスワップポイントの高さは、業界トップレベルです。
▼Tradeviewでスワップポイントが高い通貨ペアBEST5
Tradeviewはスワップポイントが高いだけでなく、スプレッドが狭いことでも知られる海外FX業者です。
クロストルコリラ通貨ペアは価格が乱高下しやすいため、ポジションを長期保有せず、数日ごとに売買を繰り返したい方も少なくないでしょう。
そういった方にとって、”スプレッドが狭く取引コストを安く抑えられる”というのは、非常に嬉しいポイントです。
▼Tradeviewの主な特徴
ただし、Tradeviewはロスカット水準が高く、口座の証拠金維持率が100%を下回った時点でロスカットが執行されてしまいます。
そのため、ここで取引をする際は資金に余裕をもち、証拠金維持率を高く保つことが大切です。
Tradeviewの利用をおすすめする人
- 資金にある程度の余裕があり、マイナーな通貨ペアの価格の乱高下にも耐えられる人
- [ユーロ/トルコリラ][米ドル/トルコリラ]の取引をしてスワップポイントで稼ぎたい人
- 取引コストを抑えつつ、スワップポイント狙いの取引をしたい人
上記に該当する方は、Tradeviewの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
5. 海外FXでのスワップポイント狙いの取引で利益を得るコツ
海外FXでスワップポイント狙いの取引をする際は、下記3つのポイントを意識してみましょう。
この章では、海外FXにおけるスワップポイント狙いの取引で利益を得るコツについて、詳しくご説明します。
5-1. 高金利通貨×低金利通貨のペアを取引する
スワップポイント狙いの取引で効率よく稼ぐには、高金利通貨×低金利通貨のペアを取引することをおすすめします。
FX取引で得られるスワップポイントは、2つの通貨の金利差が大きければ大きいほど、高くなります。
「1. 海外FXのスワップポイントとは?基本情報をチェック」でご説明したとおり、スワップポイントは、2つの通貨の金利差を調整するためのものだからです。
下表は、主要な海外FX業者9社における全通貨ペアのスワップポイントを調査し、その値が高い通貨ペアとFX業者をランキング形式で表したものです。
▼海外FXでスワップポイントが高い通貨ペアと業者TOP10
スワップポイントが高い通貨ペアは、高金利通貨×低金利通貨の組み合わせになっていることがわかります。
低金利通貨、高金利通貨の代表例としては下記のようなものが挙げられますので、取引する通貨ペアを選ぶ際の参考にしてください。
より多くのスワップポイントを獲得したい方は、高金利通貨×低金利通貨のペアをトレードしましょう。
5-2. 長期間ポジションを保有する
海外FXにおけるスワップポイント狙いの取引でより多くの利益を得るには、長期間ポジションを保有することをおすすめします。
スワップポイントは、ポジションをロールオーバーさせるごとに付与されるため、ポジションの保有期間が長くなればなるほど、獲得できるスワップポイントも多くなるからです。
例えば、AXIORYにおける[米ドル/円]のロングスワップは、9.815です。
そうすると、この通貨ペアのショートポジションを1ロット保有した場合に獲得できるスワップポイントは、下表のようになります。
▼AXIORYで[ユーロ/トルコリラ]のショートポジションを保有し得られるスワップポイント
ポジションを保有する日数が長くなるにつれ、獲得できるスワップポイントの合計が増えていることがわかります。
海外FXにおいてスワップポイントで稼ぎたい方は、プラススワップの通貨ペアをセレクトし、これを長期保有してはいかがでしょうか。
ただし、低金利通貨を含むマイナー通貨ペアは、価格の変動が激しいため、長期保有に向きません。
スワップポイント狙いでポジションを長期保有する場合は、価格の変動が比較的緩やかである、下記のような通貨ペアを選ぶことをおすすめします。
▼長期保有に向いている通貨ペア
- 米ドル/円
- ユーロ/米ドル
- ポンド/米ドル
- 米ドル/スイスフラン
- オーストラリアドル/米ドル
5-3. 通貨ペアによっては水曜日に注文して木曜日に決済するのもあり
スワップポイント狙いのFX取引でより多くの利益を得るには、スワップポイントが高い通貨ペアを狙う戦略が効率的です。
ただ、スワップポイントが高い通貨ペアはのきなみマイナーペアで、マイナーな通貨ペアは価格が乱高下しやすいため、長期保有するにはリスクが高すぎます。
そこでおすすめしたいのが、水曜日にポジションを注文して木曜日に決済する、という手法です。
「1-2. 海外FXでスワップポイントが付与されるタイミング」でご説明したように、海外FXでは水曜日、土日の分を合わせて3日分のスワップポイントが付与されます。
そして、3日分のスワップポイントは付与されるかどうかは、「水曜日にポジションをロールオーバー指せたかどうか」という基準で判断します。
ということは、水曜日中にポジションを新規発注し、日本時間で木曜日の午前6時以降(冬時間は午前7時以降)にポジションを決済すれば、為替リスクを抑えつつ、スワップポイントにより得られる利益を最大化できます。
下表は、AXIORYにおいて、ポジションを1ロット、水曜日にロールオーバーさせた場合に得られるスワップポイントを算出したものです。
▼ポジションを水曜日にロールオーバーさせた場合に付与されるスワップポイント(円換算)
※付与されるスワップポイントは、小数点以下四捨五入。
たった1日ポジションをロールオーバーさせるだけでも、”スワップポイント3倍DAY”を狙えば、それなりの利益を得られることがわかります。
価格変動の激しい通貨ペアは、このような戦法で取引してみてはいかがでしょうか。
6. 海外FXでスワップポイント狙いの取引をする際に注意すべきポイント
海外FXにおけるスワップポイント狙いの取引には様々なメリットがありますが、実際に取引をするにあたっては、下記7つのポイントに注意する必要があります。
「スワップポイントのことだけを考えて取引をしたら、大きく損をしてしまった」といったことにならないよう、これらの注意点をしっかり理解したうえで、取引を開始しましょう。
6-1. スワップポイントは変動する
FXのスワップポイントは、日々変動します。
各国の政策金利は随時変動しており、これに合わせて、スワップポイントも変動するからです。
取引開始時はプラススワップでも、取引から数日後にマイナススワップに転じ、ポジションを保有すればするほど損失が増えていく、といった事態に陥る可能性も、ゼロではありません。
思わぬ損失を防ぐためにも、ポジション保有中は毎日スワップポイントを確認しましょう。
6-2. スワップポイントを上回る損失が生じるリスクがある
スワップポイント狙いのFX取引では、付与されるスワップポイントを上回る損失が生じるリスクがあることにも、注意が必要です。
下は、実際にプラススワップの通貨ペアをトレードした際の取引画面です。
この取引ではスワップポイントが54円分付与されていますが、為替変動によりこれを上回る損失が発生し、取引損益がマイナスになっています。
もちろん、ポジションを持ち続けることでスワップポイントをこつこつ稼ぎ、マイナスを補填する方法もないわけではありません。
しかし、それではカバーしきれないほどに損失が膨らんでしまっては、”スワップポイント狙いの取引”は成立しなくなってしまいます。
スワップポイント狙いの取引をする際は、スワップポイントだけでなく、価格の動きにも注意し、あまりに損失が膨らんだ場合は損切りも視野に入れたうえで、戦略を立てましょう。
6-3. スワップポイントだけを出金することはできない
スワップポイントは、特別な手続きをしなくても毎日加算されますが、これだけを出金することはできません。
スワップポイントを出金するにはポジションを決済する必要があります。
取引で獲得したスワップポイントを現金化したり、証拠金として取引に使いたい場合は、ポジションを決済しましょう。
6-4. 週末分のスワップポイントが付与されるのは木曜日の朝
「1-2. 海外FXでスワップポイントが付与されるタイミング」でご説明したように、土日のスワップポイントは水曜日(日本時間で木曜日の朝)に付与されます。
週末にポジションを保有していても、水曜日までにこれを決済した場合は週末分のスワップポイントを受け取れませんので、注意しましょう。
少しイメージしにくいかと思いますので、具体例を3つ挙げて、それぞれ詳しくご説明します。
例1)土曜日~翌水曜日までポジションをロールオーバーさせた場合
このケースでは、土曜日からポジションを保有し、水曜日までロールオーバーさせています。
したがって、月曜日、火曜日にはそれぞれ1日分の、水曜日(日本時間で木曜日の朝)には土日の分を合わせて3日分のスワップポイントが付与されます。
例2)土曜日~火曜日までポジションを保有し、水曜日に決済した場合
このケースでは、水曜日にポジションを決済しています。
土日分のスワップポイントを受け取れるのは水曜日ですので、水曜日にポジションをロールオーバーさせなければ、水曜日の分はもちろん、週末分のスワップポイントを受け取ることもできません。
したがって、この場合にポジションを受け取れるのは、月曜日と火曜日の2日分となります。
例3)水曜日にポジションを注文し、ロールオーバーさせた場合
このケースでは、水曜日にポジションを新規発注し、これをロールオーバーさせています。
土日にポジションを保有していたわけではありませんが、水曜日はスワップポイントが3倍付与される日ですので、土日の分を合わせて、3日分のスワップポイントを獲得できます。
海外FXにおいて、週末分のスワップポイントが付与されるかどうかの判定は、水曜日に行われます。
水曜日にポジションをロールオーバーさせなければ、週末にポジションを保有していたとしても、その分のスワップポイントを獲得することはできません。
スワップポイント狙いの取引をする際は、この点をしっかり理解しておきましょう。
6-5. 証拠金維持率を高く維持してロスカットを回避する
より多くのスワップポイントを獲得するには、ポジションを長く保有し続ける必要があります。
スワップポイントは毎日付与されるものなので、よほどの資金力があり大量のポジションを保有できる場合を除き、時間をかけてコツコツ稼いでいくしかないからです。
そこで気を付けたいのが、ロスカットです。
口座の証拠金維持率が下がってロスカット執行されると、その時点で保有しているポジションを手放す(=強制決済)ことになります。
スワップポイントは保有中のポジションに対して付与されるものですので、ポジションを失ってしまったら、これを受け取ることはできません。
スワップポイント狙いの取引をする際は、相場が急落してもロスカットされないよう、資金に余裕を持ち証拠金維持率を高く保ちましょう。
最低でも、証拠金維持率を300%以上に保っておくと、安心して取引できるでしょう。
6-6. 高スワップ通貨ペアの取引はリスクも高い
海外FXにおけるスワップポイント狙いの取引では、メキシコペソやトルコリラといった、高金利通貨が人気です。
これらの高金利通貨と、米ドルや円といった先進国の低金利通貨のペアは、スワップポイントが高く設定されているからです。
ただ、後進国の高金利通貨は、スワップポイント的に魅力がある一方で、先行きが不透明で価格が乱高下しやすい通貨でもあります。
そして、価格が暴落した場合、スワップポイントによる収入をはるかに大きく上回る損失を被ってしまうかもしれません。
2021年~2023年にかけての実例をもとに、検証してみましょう。
上の図は、2021年~2023年にかけての、[米ドル/トルコリラ]のチャートです。
【試算条件】
- 毎日得られるスワップポイント:2,500円
- 取引量:10万通貨
- 1トルコリラ:5円
上記の条件で、2021年12月1日から2023年12月1日まで、[米ドル/トルコリラ]の売りポジションを、10万通貨保有したとします。
このとき、スワップポイントによって得られる利益は、下記計算式により182万1,350円です。
- スワップポイント(182万1,350円)=1日分のスワップポイント(2,500円)×保有日(730日)
ただ、価格を見ると、1ドル=13トルコリラだった[米ドル/トルコリラ]が1ドル=29トルコリラになっていますので、この取引による為替損益は、下記計算式により‐800万円となります。
- 為替損益(-160万トルコリラ)=1通貨あたりの損益(-16トルコリラ)×取引通貨量(10万通貨)
※1トルコリラ=5円として計算すると、日本円に換算した損益は800万円
約180万円のスワップポイントを獲得しても、為替の値動きによって800万円の損失が生じたのでは、意味がありません。
FX取引では、スワップポイントだけに注目するのではなく、価格の動きも必ず確認しましょう。
特に、発展途上国の高金利通貨は価格が変動しやすいため、要注意です。
6-7. 両建てする場合は禁止事項に触れないか事前に確認する
スワップポイント狙いのFX取引で効率よく稼ぐには、高金利通貨と低金利通貨のペアを狙う手法が人気です。
ただ、「6-6. 高スワップ通貨ペアの取引はリスクも高い」でもご説明したように、高金利通貨の取引はリスクが高いため、トレーダーの中には両建てをして、リスクを軽減する方が少なくありません。
そこで注意したいのが、実践しようとしている両建て行為が海外FX業者の禁止事項に該当しないか、という点です。
ほとんどの海外FX業者では、「同一口座内における両建て」のみを許可し、下記のような手法による両建ては禁止されています。
海外FX業者で禁止されている両建て
- 複数口座を利用した両建て
- 他業者間での両建て
- 複数人による組織的な両建て
禁止事項に該当する違反行為をした場合、利益の没収や口座凍結など、かなり厳しい処分を受ける可能性がありますので、絶対に行わないようにしましょう。
まとめ
海外FXでは、日をまたいでポジションを持ち越した投資家に対してスワップポイントが付与されます。
スワップポイントは海外FX業者や通貨ペアによって異なり、また、金利の変動に合わせて変わるため、新規発注する際はもちろん、ポジション保有中も、スワップポイントの値を確認しなければなりません。
世界には数多くの海外FX業者がありますが、スワップポイント狙いの取引をしたい方には、下記3社をおすすめします。
また、低金利通貨×高金利通貨のペアはスワップポイントが高くなりやすいため、下記のような通貨ペアを狙って取引するのもおすすめです。
ただし、スワップポイントばかりに注目していると、スワップで稼いでも為替差損により取引損益がマイナスになってしまう可能性があります。
そのため、海外FXでスワップポイント狙いの取引をする際は、下記のような点に十分注意しましょう。
- スワップポイントは変動するためポジション保有中も毎日チェックする
- スワップポイントを上回る損失が生じるリスクがある
- スワップポイントだけをしゅっきんすることはできない
- 週末分のスワップポイントが付与されるのは日本時間で木曜日の朝
- 証拠金維持率を高く保ってロスカットを回避する
- スワップポイントが高い通貨ペアの取引はリスクも高い
- 両建てする場合は禁止事項に触れないか事前に確認する
スワップポイントは、価格の上下に関係なくポジションを保有し続けるだけで獲得できる、投資家にとって非常に魅力的な仕組みです。
海外FXではスワップポイントが高いマイナー通貨ペアも多数取り扱われていますので、早速、トレードを始めてみてはいかがでしょうか。