「海外FXで複数口座を持つのって、あり?」
「海外FXで複数口座を持つと、どんなメリットがあるの?注意しなければいけないことはある?」
海外FXを初めてある程度経つと、このような疑問がでてきますよね。
結論をお伝えすると、海外FXでは、複数口座を開設し、運用することをおすすめします。
実際、ベテラントレーダーの中には複数の海外FX業者で口座を開設し、これらを同時に運用している方もいます。
それは、海外FXで複数口座を開設・運用することには、非常に多くのメリットがあり、それに対してデメリットが少ないからです。
海外FXで複数口座を持つ主なメリット |
・ トレード手法や通貨ペアなどによって口座を使い分けられる ・ 様々なリスクに備えられる ・ 複数の海外FX業者でボーナスを獲得できる |
海外FXで複数口座を持つデメリット |
・用意すべき証拠金が増える ・口座を放置すると手数料が発生する |
そのため、デメリットに対して以下の対策を行ったうえで、複数口座開設することをおすすめします。
デメリットの対策
- 最低入金額がいくらなのか必ず確認する
- 使わない口座が出て来た場合は、残高を0にするか、速やかに解約をする
さらにこの記事では、① 海外FX1社で複数口座を開設する方法と、② 複数の海外FXで口座を開設する方法のどちらがいいか選べるよう、それぞれのメリット・注意点までお伝えしています。
この記事からわかること |
・ 海外FXで複数口座を開設するメリットと実際の運用例 ・ 海外FXで複数口座を開設するデメリット ・ 複数の海外FX業者で口座を開設するメリットと実際の運用例 ・ 「複数」の海外FX業者で口座を開設するデメリット ・ 海外FXで複数口座を開設する際に注意すべきポイント |
この記事を最後までお読みいただければ、海外FXで複数口座を開設するメリット・デメリットについて理解を深め、複数口座を開設するかどうか正しく決断できるでしょう。
目次
1.海外FXは1人のトレーダーが複数口座を開設することが可能!
前提として、多くの海外FX業者では、1人のトレーダーが複数の口座を開設することが可能です。
下表では、1アカウントにつき何口座まで開設できるのかを、海外FX業者別にまとめましたのでご参照ください。
【海外FX業者別|1アカウントで開設できる口座の数】
海外FX業者 | 1カウントで開設できる口座の数 |
XM | 8口座 |
AXIORY | 10口座 |
TitanFX | 15口座 |
FBS | 無制限 |
Bigboss | 5口座 |
Exness | 200口座 |
FXGT | 8口座 |
※2024年5月10日時点
2.海外FXで複数口座を開設するメリット
海外FXで複数口座を運用することには、下記のようなメリットがあります。
読み進めていただくとわかるかと思いますが、複数口座を開設するメリットは非常に大きいです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
※1社ではなく、複数社で口座を開設するメリットも大きいです。詳しくは「4.海外FX複数社で複数口座を開設するメリット」でご説明していますので、併せてご参照ください。
2-1.トレード手法によって口座を使い分けられる
海外FX1社で複数口座を持てば、トレード手法によって口座を使い分けられます。
FXのトレード手法は、ポジションの保有期間によって下記4種類に大別されます。
例えば、同一口座内でスキャルピングとスイングトレードをするとします。
口座内で保有するポジションはMT4画面上で下記のように表示され、決済は画面右の「×」をクリックして行います。
取引画面ではトレード手法に関係なく保有するポジションが一覧表示されるため、同一口座内で取引手法の異なるポジションを保有していると、誤って別のポジションを決済してしまうリスクがあります。
この点、トレード手法ごとに口座を使い分ければ、それぞれの口座で注文~決済を完結させられるため、こういったミスを防ぎやすくなるでしょう。
■ 実際の運用例
トレード手法によって口座を使い分ける場合、下記のような運用ができます。
口座①はスキャルピング専用に、口座②はデイトレード専用に、口座③は長期保有専用に、といった使い方をすると…
- 口座①…取引中は常に監視し、スキャルピングをする
- 口座②…数時間に1度チェックし、デイトレードをする
- 口座③…基本的に、放置。定期的に損益を確認する
このように口座を使い分ければ、ポジションの管理がしやすくなりますし、「誤って違うポジションを決済してしまった」といった事態も防げるでしょう。
海外FXの取引手法について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FX4つの基本的手法|トレーダータイプ別のおすすめ手法も解説
2-2.ニーズに合わせて最適な口座タイプを選択できる
海外FX1社で複数口座を保有していると、ニーズに合った口座タイプを選択することも可能です。
多くの海外FX業者では複数の口座タイプが用意されており、例えばXMには下記4種類の口座タイプがあります。
【XM|口座タイプごとの主な特徴一覧】
口座タイプ | 主な特徴 |
Standard口座 | ボーナスが豪華だが、スプレッドが広く取引コストが高い |
Micro口座 | コントラクトサイズが小さく少ない資金で取引できる |
Zero口座 | スプレッドは非常に狭いが、取引手数料がかかる |
KIWAMI極口座 | スプレッドが狭く、取引手数料もかからない |
XMの各口座タイプには、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかりますね。
こういった場合は複数口座を開設することで、それぞれのメリットを”都合よく”享受することが可能です。
■ 実際の運用例
例えば、XMで複数口座を開設する場合、下記のような運用ができます。
XMでStandard口座、Micro口座、KIWAMI極口座の3口座を開設した場合、
- Standard口座…口座開設ボーナスや入金ボーナスを獲得して、資金効率をMAXに高める
- Micro口座…小ロットの取引が可能な口座で、価格変動が激しい通貨ペアの取引にチャレンジしてみる
- KIWAMI極口座…取引コストを徹底的に安く抑え、1日に何十回も取引を繰り返すスキャルピングをする
上記のように複数口座を使い分けることで、それぞれの口座タイプのメリットを最大限に享受し、デメリットについては他の口座タイプで補うことが可能になります。
XMの口座について詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:
XM口座タイプは3種類!比較して分かったおすすめはスタンダード口座
XMのマイクロ口座を徹底解説|少額取引をしたい人におすすめの口座
XMのKIWAMI極口座|知らないともったいない5つのメリット
2-3.資金を分散することで損失リスクを限定できる
海外FX1社で複数口座を所有すると、資金を分散することで、損失が膨らんだ際やロスカットされた際に失う資産を限定的にすることが可能です。
例えば、1つの口座しか作らずそこに自己資金30万円全てを入金している場合、保有するポジションの価格が急落したりロスカット執行されたりすると、30万円全額を失うリスクがあります。
一方、口座を3つ開設してそれぞれに10万円ずつ入金している場合、1つの口座でロスカット執行の憂き目にあっても、失う資産は10万円で済みます。
このように、1社で複数口座を保有していると、資産を分散して損失のリスクを軽減できるのです。
2-4.トレードする通貨ペアによって口座を使い分けられる
海外FX1社で複数口座を保有していると、トレードする通貨ペアによって口座を使い分けることも可能です。
例えば、口座①では[米ドル/円]を、口座②では[ポンド/円]を、口座③では[ユーロ/円]を、というようにトレードする通貨ペアごとに口座を使い分ければ、操作誤りによる決済ミスも塞ぎやすくなるでしょう。
■ 実際の運用例
海外FX業者で口座を3つ開設した場合、下記のような運用が可能です。
口座①では[米ドル/円]を、口座②では[ポンド/円]を、口座③では[米ドル/ペソ]を取引する場合、
- 口座①…デイトレードを主な取引スタイルとし、数時間に1回、値動きの状況をチェックする
- 口座②…価格変動がやや大きい通貨ペア専用。スキャルピングをメインに取引する
- 口座③…価格変動が激しい通貨ペア専用の口座。ごくわずかな資金だけ入金し、投機的取引をする
というように、通貨ペアによって口座を使い分けることで、リスクヘッジをしつつ効率の良い取引が可能になります。
2-5.利用するEA(自動売買ツール)によって口座を使い分けられる
海外FXでEA(自動売買ツール)を利用する場合も、複数口座を開設してこれを使い分けることをおすすめします。
現在、様々な事業者が海外FXで使えるEAをリリースしています。
複数口座を保有していれば、口座①でEA1を、口座②でEA2を、というように複数の複数売買手法を試せます。
色々な種類のEAを試してみたい方は、複数口座を開設し、ごくわずかな資金を入金したうえで、気になるEAを使ってみてはいかがでしょうか。
海外FXでEAを利用する方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXの自動売買とは?優秀なEAの見極め方と今すぐ始める方法
3.海外FXで複数口座を開設する際の注意点
海外FX1社で複数口座を保有する際は、下記2つの点に注意しましょう。
こちらもお読みいただくとわかるかと思いますが、デメリット(注意点)は少ないため、基本的には注意点に気をつけて対策しつつ、海外FXで複数口座開設するという選択がおすすめです。
これらの注意点について理解しないまま複数口座を開設すると、資金計画が狂ったり、本来支払う必要のない費用が発生する可能性があります。
3-1.用意すべき証拠金が増える
複数口座を開設すると、各口座に資金を入金しなければならないため、口座を1つだけ運用する場合に比べて用意すべき証拠金が増えてしまいます。
海外FXの口座には「最低入金額」が定められており、その金額以上の資金を入金しなければ、口座を利用できません。
例えば、Exnessでは口座ごとの最低入金額が下表のように定められています。
【口座タイプ別|Exnessの最低入金額一覧】
口座タイプ | 最低入金額 |
スタンダード口座 | 150ドル |
スタンダードセント口座 | 150ドル |
プロ口座 | 1,000ドル |
ゼロ口座 | 1,000ドル |
ロースプレッド口座 | 1,000ドル |
※2024年5月10日時点
Exnessでスタンダード口座とプロ口座、ロースプレッド口座の3つを開設する場合、約32万2,500円用意しなければなりません(1ドル=150円として計算)。
「利便性に惹かれて複数口座を開設したものの、証拠金を用意できず口座を利用できなかった」といったことがないよう、海外FXで口座を開設する際は、最低入金額がいくらなのか必ず確認しておきましょう。
対策①
- 最低入金額がいくらなのか必ず確認する
3-2.口座を放置すると手数料が発生する
複数口座を開設し、使わない口座が出て来た場合、速やかな対処が必要です。
口座に残高が残ったまま放置すると休眠口座となり、手数料が発生する場合があるからです。
主な海外FX業者と休眠口座になる条件、手数料については下表をご参照ください。
【海外FX業者別|休眠口座になる条件と口座維持手数料一覧】
海外FX業者 | 休眠口座になる条件 | 口座維持手数料 |
XMTrading | 90日以上取引なし | 10ドル/月 |
AXIORY | 1年以上取引なし | 5ドル/月 |
TitanFX | 1年以上取引なし | なし |
FBS | 90日以上取引なし | なし |
Bigboss | 120日以上取引なし | 5ドル/月 |
Exness | 90日以上取引なし | なし |
FXGT | 90日以上取引なし | 10ドル/月 |
※2024年5月10日時点。
複数口座を利用する中で使わない口座が出て来た場合は、残高を0にするか、速やかに解約をするように注意しましょう。
対策②
- 使わない口座が出て来た場合は、残高を0にするか、速やかに解約をする
4.海外FX複数社で複数口座を開設するメリット
海外FXで複数口座を開設し、運用する手法には、下記2つの選択肢があります。
海外FXにおける複数口座の運用にはメリットと注意点がありますが、その内容は、複数口座を1社で保有するのか、数社で保有するのかによって大きく異なります。
そのため、どちらの手法を選ぶかは、それぞれのメリット・デメリットをよく理解したうえで決めなければなりません。
複数の海外FX業者で口座を開設し、運用することには、下記5つのメリットがあります。
海外FX業者を複数社利用すると、1社だけ利用する場合とはまた違ったメリットを享受できます。
1社の利用と複数社の利用、どちらの方法が自分に合っているのか判断するためにも、上記5つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
※海外FX1社で複数口座を開設するメリットについては「2.海外FXで複数口座を開設するメリット」でご説明していますので、併せてご参照ください。
4-1.複数のFX業者からボーナスを獲得できる
海外FXの魅力である豪華なボーナスですが、口座開設ボーナスや入金ボーナスの獲得回数や金額には、上限があります。
例えば、XMやFXGTでは口座開設ボーナスが提供されていますが、このボーナスは1社で複数の口座を開設しても、1回しか受け取れません。
一方、口座開設ボーナスを提供している海外FX数社で口座を開設すれば、各社のボーナスを全て獲得できます。
同じ業者で口座を作る場合と複数の業者で口座を作る場合では、獲得できるボーナスに数倍の差が生じます。
海外FXのボーナスに魅力を感じている方は、複数社で口座を開設し、お得に取引してみてはいかがでしょうか。
海外FXのボーナスについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:
海外FX未入金ボーナスが豪華なおすすめ10選!安全性や使いやすさ
【2024年最新】開設ボーナスが人気なおすすめ海外FX業者8選
4-2.各業者の魅力的な取引スペックを使い分けられる
複数の海外FX業者で口座を開設すれば、各社の魅力的な取引スペックを使い分けられます。
下表は、主要な海外FX業者の魅力的な取引スペックをまとめたものです。
【各海外FX業者の魅力的な取引スペック一覧】
海外FX業者 | 魅力的な取引スペック |
XM | ボーナスが豪華 |
AXIORY | スワップポイントが高い |
TitanFX | 取引コストが安い |
FBS | VPAサーバーが無料で使える |
Exness | 最大レバレッジ無制限のハイレバ取引ができる |
FXGT | 仮想通貨も最大レバレッジ1,000倍で取引できる |
海外FX業者によって、秀でているポイントが異なることがわかりますね。
複数の海外FX業者で口座を開設すれば、これらの魅力的な取引スペックを“美味しいところ取り”できます。
■ 実際の運用例
複数の海外FX業者で口座を開設する場合、下記のような運用例が考えられます。
XM、AXIORY、Exnessの3社で口座を開設した場合、
- XM…口座開設ボーナスや入金ボーナスを獲得し、お得に取引する
- AXIORY…価格変動が安定しているポジションを長期保有し、プラススワップで稼ぐ
- Exness… 価格変動が激しい通貨ペアを、超ハイレバレッジで取引する投機目的で利用
というように、各FX業者の魅力的なポイントを余すことなく享受することで、より効率的で利益を得られる確率の高い取引が可能になります。
4-3.各FX業者のスワップポイントの違いに合わせて口座を使い分けられる
複数の海外FX業者で口座を保有していれば、スワップポイントの違いに合わせて口座を使い分けることも可能です。
日をまたいでポジションを保有することで得られるスワップポイントは、FX業者によってその値が異なります。
下表をご覧ください。
こちらは、[EUR/CAD]のスワップポイントを業者別に整理したものです。
【海外FX業者別|EUR/CADのスワップポイント一覧】
海外FX業者 | ロングスワップ | ショートスワップ |
XMTrading | -9.62 | -2.42 |
AXIORY | 0.34 | -6.29 |
Exness | -0.55 | -0.01 |
XMとExnessにおける[EUR/CAD]のスワップポイントはロング、ショートいずれもマイナスですが、AXIORYは、ロングスワップがプラスになっていることがわかります。
上記3社において[EUR/AUD]のロングポジションを注文し、日をまたいでポジションを持ち越した場合、AMとExnessではマイナススワップによる損失が発生しますが、AXIORYではプラススワップによる利益を獲得でます。
つまり、FX業者が設定するスワップポイントが違えば、同じ通貨ペア・同じロット数の取引でも、損益が大きく変化するのです。
プラススワップによる利益獲得を狙った取引をする場合はもちろん、為替差益を狙った取引をする場合も、スワップポイントがプラスならば安心してポジションを持ち続け、利確のタイミングをじっくり見極められますよね。
このように、スワップポイントによって口座を使い分けられることは、複数社で口座を保有しているからこそ享受できるメリットと言えるでしょう。
海外FXのスワップポイントについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXのスワップポイント|全9社から比較しておすすめ業者を発表
4-4.システムトラブルに備えられる
複数の海外FX業者で口座を保有していれば、システムトラブルに備えることも可能です。
海外FX業者では、各社が独自にサーバーやシステムを使って取引ツールを提供しています。
しかし、100%完璧なサーバーは残念ながら存在せず、相場の急激な動きに伴い取引が集中するとシステムダウンを起こしたり、時折不具合を起こしてしまうことがあります。
せっかくの好機が来たと思っても、システムトラブルが起きては取引できませんので、絶好の機会を失ってしまいます。
実際過去には、下記のようなシステムトラブルが発生しております。
2021年2月4日|AXIORYにおけるシステムトラブルで約2時間ほど売買注文が行えない事例が発生。 出典:AXIORY |
このようにシステム障害で売買取引が行えなくなった時に為替に大きな動きがあれば、利益獲得のチャンスを逃してしまいます。
この点、複数のFX業者で口座を保有していれば、1社でシステムトラブルが起きても別の業者の口座を利用すれば良いので、大きなチャンスを逃すリスクは大幅に軽減できるでしょう。
4-5.経営破綻時のリスクに備えられる
複数の海外FX業者で口座を開設すると、FX業者が経営破綻した場合のリスクに備えられます。
これは海外FXに限ったことではありませんが、ひとつの業者に全ての投資資金を預けてしまうのは危険です。
資産を預託している業者が経営破綻した場合、全ての資産を失ってしまうリスクがあるからです。
そもそも海外FX業者には日本の法律が適用されませんし、経営破綻時に顧客資産の返金を補償する制度「信託保全」の整備も義務付けられていません。
つまり、海外FX業者が経営破綻した場合、預託資産が100%返還される保証は、どこにもないのです。
そういった状態で1社に多額の資産を全て預託してしまうのは、あまりに危険です。
この点、複数社で口座を保有し資金を分散させていれば、FX業者が経営破綻した際の損失を限定的にできます。
これから海外FXを始める方はもちろん、既に海外FXをしていて多額の資金を預託している方は、複数社の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
5.複数の海外FX業者で複数口座を開設する際の注意点
複数の海外FX業者で口座を開設し、これらを併用して運用する場合、下記2つの点に注意する必要があります。
口座を開設してから「思ったよりも大変だった」と後悔しないよう、業者をまたいで複数口座を開設するとどのような点に注意しなければならないのか、しっかり確認しておきましょう。
5-1.資金管理が複雑になる
複数の海外FX業者で口座を開設すると、資金管理が少し複雑になります。
1つの業者だけならば、保有している口座の状況をマイページから一度に確認できます。
これに対して複数の業者で口座を保有している場合、各業者のマイページを別々にチェックしなければなりません。
複数の海外FX業者で口座を開設する際は、「資金管理に手間がかかる」ということを想定しておきましょう。
5-2.海外FXに関するメールが増える
これは、損益には直接関係のないデメリットですが、複数の海外FX業者で取引をすると、FX関連のメールが大量に届くようになります。
海外FX業者からは、下記のような内容のメールが定期的に届きます。
- メンテナンスやサーバーエラー等に関するお知らせ
- 取引時間変更のお知らせ
- 口座スペック変更のお知らせ
- ボーナスキャンペーンのお知らせ
- 最新の経済情報などに関するお知らせ
例えば、海外FX3社で口座を開設する場合、それぞれの業者からこれらのメールが届くため、FX関連のメールだけでボックスがいっぱいになることがあります。
FX関連のメールが増えすぎるとわずらわしい、という方は、
- FX専用のメールアドレスを用意する
- 定期的に不要なメールを削除する
といった対策をしましょう。
6.海外FXで複数口座を持つ際に注意すべきポイント
海外FXで複数口座を持っていると、取引スタイルに応じて口座を使い分けたり、効率よく取引できたり、リスクヘッジができたり、というように様々なメリットを享受できます。
ただし、複数口座を開設・運営するにあたっては下記3つのポイントに注意しなければなりません。
特に、注意点①についてはうっかり見落とすと口座凍結などの厳しい処分を受けて資産を失う可能性がありますので、必ずご確認ください。
6-1.口座や業者をまたいだ両建ては厳しいペナルティの対象
ほとんどの海外FX業者では、「複数口座間の両建て」や「業者をまたいだ両建て」を禁止しています。
このルールを破ると口座凍結など厳しいペナルティを受ける可能性がありますので、絶対に行わないようにしましょう。
【Point】海外FX業者が口座や業者をまたいだ両建てを禁止するのはなぜ? 下図をご覧ください。 同じ通貨ペアの買いポジションをA社で、売りポジションをB社で注文することで、「業者をまたいだ両建て」をするとどうなるのか、考察してみましょう。 この状態で相場が急変動し、買いポジションの利益と売りポジションの損失が急拡大したとします。 このケースにおいて買いポジションの利益は、上限なくどんどん増えていきます。 一方、売りポジションの損失についてはこれがどれだけ拡大しても、トレーダーが口座残高を超える損失を被ることはありません。 海外FXには「ゼロカットシステム」があり、口座残高を超えたマイナス分についてはFX業者が補填してくれるからです。 つまり、口座や業者をまたいだ両建てをすると、トレーダーはほぼノーリスクで利益を獲得できてしまいます。 海外FXではこのように、業者側が一方的に不利益を被るようなトレード手法を排除するため、「口座や業者をまたいだ両建て」を固く禁止しています。 |
海外FX業者の両建てに関するルールには微妙な違いがありますので、口座を開設する前に必ず確認しておきましょう。
海外FXの両建てについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXの両建ては初心者に不向き?基礎知識と禁止行為の基準を解説
6-2.各社の利用規約を必ず確認する
海外FX業者で複数の口座を開設する際は、各社の利用規約を必ず確認しましょう。
特に注意しなければならないのが「スキャルピング」で、これを禁止している業者でスキャルピングをすると、利益の没収や口座凍結などの処分を受ける可能性があります。
【スキャルピングを禁止している海外FX業者】
- iFOREX
- LAND-FX
これらのFX業者で取引する際は、スキャルピングをしないよう注意が必要です。
また、海外FX業者では一般に、下記のような行為も禁止しています。
【海外FX業者で禁止されている行為】
- 窓開け、窓埋めのみを狙った取引
- サーバーに過度な負担をかける行為
- 遅延やエラーを狙った取引
- ボーナスの不正取得
海外FXで禁止行為をした場合、トレーダーが禁止事項について「知っていたかどうか」に関係なく厳しいペナルティが下されます。
「うっかり禁止事項をして口座を凍結されてしまった」ということがないよう、海外FXで口座を開設する際は、利用規約をしっかり確認しておきましょう。
6-3.複数口座の損益通算をして確定申告する
海外FXで20万円以上の利益を得た場合、確定申告をしなければなりません。
この確定申告は、保有している海外FX口座の損益通算をして行いましょう。
例えば、保有している海外FX口座の年間損益が下記のような場合…
これらを損益通算した60万円(100万円-30万円-10万円)が、確定申告すべき年間所得となります。
海外FXの確定申告について詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:【完全ガイド】海外FXの確定申告|申告手順と節税のコツ
まとめ
海外FX業者で複数口座を開設することには、下記のようなメリットがあります。
海外FX1社で複数口座を持つメリット | ・ トレード手法によって口座を使い分けられる ・ ニーズに合わせて最適な口座タイプを選べる ・ 資金を分散することで損失リスクを限定できる ・ トレードする通貨ペアによって口座を使い分けられる ・ 利用するEA(自動売買ツール)によって口座を使い分けられる |
複数の海外FX業者で口座を持つメリット | ・ 複数の海外FX業者からボーナスを獲得できる ・ 各FX業者の魅力的な取引スペックを使い分けられる ・ スワップポイントの違いに合わせて口座を使い分けられる ・ システムトラブルに備えられる ・ 経営破綻時のリスクに備えられる |
海外FXの取引コストや設定可能なレバレッジ、獲得できるボーナス等はFX業者によって異なりますが、複数口座を開設すれば、各社の魅力的なポイントを余すことなく享受できるでしょう。
また、海外FXをするうえで多くの方が不安を覚える「ロスカット」や「損失の拡大」、「業者の経営破綻」などについても、複数口座を開設して資産を分散しておけば、損失リスクを限定できます。
ただし、海外FXで複数口座を開設する際は下記3つの点に注意しなければなりません。
これらの注意点を見逃したまま海外FXで複数口座を運用していると、思わぬ損失を被ったり、口座を凍結されたりするリスクがあります。
そういったことがないよう、海外FXで口座を開設する際は利用規約をしっかり確認し、各社のルールを守って運用していくことを心がけましょう。
海外FXではとても簡単な手続きで口座を開設できます。
まずは口座をいくつか開設し、少額の取引から始めてみてはいかがでしょうか。
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