海外FXコラム 海外FXのロスカットとは?トレーダー必見の3つの回避策を解説

海外FXのロスカットとは?トレーダー必見の3つの回避策を解説

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「海外FXのロスカットは危険なの?」
「ロスカットを回避するための方法は何かないのか?」

海外FX取引において、トレーダーが最も恐れる事態といっても過言ではないロスカット。

ロスカットとは、FX取引において、証拠金に対して損失が一定の割合を超えた時点で行われる強制決済のことを指します。

ロスカットとは、損失が一定の割合を超えた時点で行われる強制決済

ロスカットが発動すると、トレーダーはその時点で保有しているポジションが強制的に決済され、大きな損失が確定してしまいます。

このため、ロスカットはトレーダーにとって恐ろしい事態であるように思われるかもしれません。

しかし忘れてはいけないのは、ロスカットは取引の損失を確定するものであると同時に、損失が一定以上に拡大することを防ぐ仕組みでもあるということです。この点から考えて、ロスカットを過度に恐れる必要はありません。

また、高いレバレッジで取引する海外FXでは、ロスカットそのものを避けることが困難な場合があります。

そのため、ロスカットを回避するための対策だけでなく、ロスカットが発動したとしても、その影響を最小限に抑える方法まで理解するべきでしょう。

そこでこの記事では、

・海外FXのロスカットとは
・海外FXのロスカットが執行されるまでの流れ
・海外FXのロスカット執行の判断基準となるロスカットレベル ※業者によって異なる
・海外FXのロスカットを回避するための3つの対策
・相場の急変によってロスカットを避けられないケース
・海外FXのロスカットの影響を最小限に抑える方法

について詳しく解説していきます。

この記事を読めば、あなたも、海外FXのロスカットについての正しい対処法を知って、適切に備えられるようになりますよ。

1.海外FXのロスカットとは

海外FXのロスカットとは

まずは海外FXのロスカットについて、以下の2つのポイントから解説していきましょう。

・海外FXのロスカットの意味
・海外FXのロスカット執行の基準

一つずつ解説していきます。

1-1.海外FXのロスカットとは|一定以上の損失で強制決済が行われる仕組みのこと

冒頭でもお伝えした通り、海外FXのロスカットとは、FX取引において損失が膨らみ、一定の基準を超えた際に強制決済が行われる仕組みのことです。

ロスカットとは、損失が一定の割合を超えた時点で行われる強制決済

ロスカットの目的は、含み損が拡大した場合に全ポジションを強制的に決済することで、証拠金以上の損失が発生すること(つまり口座残高がマイナスになること)を防ぐ役割を果たしています。

「強制決済」と言うとマイナスなイメージを抱くのも無理はありませんが、ロスカットは、投資家の資産を守るための仕組みなのです。

このような点から考えて、海外FXのロスカットは必要以上に恐れる必要はないと覚えておきましょう。

1-2.海外FXのロスカット執行の基準|証拠金維持率がロスカットレベルを下回ると発動する

海外FXのロスカットの発動には基準があり、基本的にはどの業者も「証拠金維持率」が、業者がそれぞれに定める「ロスカットレベル」を下回った時に発動します。

証拠金維持率とは?

証拠金維持率とは、口座にある証拠金の合計に対して、その時点で持っているポジションに対する必要証拠金(※後述)の割合を示す数値です。

つまり、取引を続けるために最低限必要な証拠金の割合を示すものです。
必要証拠金とは?

必要証拠金とは、そのポジションを維持するために必要な最低限の証拠金のことを言います。
以下の計算式で算出することができます。

必要証拠金=取引レート×取引数量÷レバレッジ

例えば、【1ドル=150円レバレッジ1000倍】という条件で1lot(10万通貨)分の取引を行う場合、この計算式により、必要証拠金は15,000円です。

例えば、口座に証拠金が入っている証拠金が10万円で、上の式によって算出された必要証拠金が5万円だった場合、証拠金維持率は次のように計算されます。

10万円(証拠金合計)÷ 5万円(必要証拠金)×100 = 200%(証拠金維持率) 

これに対して、一般的に、海外FX業者が設定するロスカットレベルは20%〜30%です。つまり、証拠金維持率が20%〜30%以下になったタイミングで、ロスカットが発動するというわけです。

海外FXの必要証拠金や証拠金維持率についての考え方は、少し難しいですよね。もっとよく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。

参考記事:海外FXの必要証拠金はいくら?計算方法とツールの使い方を紹介

【注意!取引に適用される有効な証拠金の金額は常に変動している】

証拠金の金額は、口座にある証拠金残高だけでなく、ポジションの含み益や含み損も考慮されます。これらを合わせた金額が実際の証拠金であり、一般的に有効証拠金と呼ばれます。

この有効証拠金の金額は、常に変動しているということに注意しましょう。

有効証拠金の金額は、含み益・含み損によって金額が変動する

例えば、口座残高が5万円、評価損益-1万円である場合、有効証拠金は4万円となります。含み損が増えると有効証拠金が減少し、これに伴い証拠金維持率も下がり続けてしまいます。

このため、取引中は常に証拠金維持率に注意を払う必要があるのです。

2.海外FXのロスカットが執行されるまでの流れ

海外FXのロスカットが執行されるまでの流れ

ロスカットはロスカットレベルに達したら、前触れなく突然執行されるわけではありません。

実際には以下のプロセスを踏まえて、その後に執行されることになります。

ロスカットが執行されるまでの流れ

この流れに従って、一つずつ解説していきましょう。

2-1.【ステップ1】必要証拠金が証拠金残高を下回る

必要証拠金が目減りし、証拠金維持率が100%を切る(つまり、有効証拠金の金額が必要証拠金を下回ると)新規注文ができない状態になります。

この段階では損失が確定されるわけではありませんが、一般的には証拠金維持率が100%を切るという状態は、すでにロスカットのリスクが非常に高まっている状態です。

実際には、必要証拠金が証拠金を下回る状況に陥る前に、

  • ポジションの損切り
  • 証拠金の追加入金

など、証拠金に余裕を持たせる必要があるでしょう。

2-2.【ステップ2】マージンコールがかかる

さらに証拠金が目減りし、証拠金維持率が所定の水準を切るとマージンコールが発動します。

海外FX業者のマージンコールは、およそ50%程度とされていますが、この水準は業者によってもまちまちです。

マージンコールが発動されると、

  • 業者からメールによって警告が発せられる
  • MT4やMT5などの取引ツール上でポジションの損益が赤く表示される

など、危険水準にあることが、改めて目に見える形でトレーダーに告知されます。

マージンコールを受けたトレーダーは、すでにロスカット寸前の状態にあります。ただし、この時点で証拠金維持率を回復できれば、まだ、ロスカットを回避することも可能です。

2-3.【ステップ3】ロスカットが発動する

マージンコールを経て、さらに証拠金維持率が低下し業者の定めるロスカットレベルを下回った段階でロスカットが発動されます。

ロスカットが発動されると、自動的にその時点で保有するポジションの全てが強制決済となり、損失が確定します。

ロスカットが発動してしまうと、トレーダーに打つ手はもうありません。強制決済によって約定したポジションの損失が証拠金から差し引かれることになります。

3.ロスカット執行の判断基準となる「ロスカットレベル」は業者によって異なる

ロスカット執行の判断基準となる「ロスカットレベル」は業者によって異なる

前章でもお伝えした通り、ロスカットは、マージンコールが発せられた後、証拠金維持率がロスカットレベルを下回った段階で発動します。

ただし、マージンコールのタイミングとロスカットレベルは、業者がそれぞれ独自に定めるため、業者ごとに異なることに留意する必要があります。

主な海外FX業者のロスカットレベル、マージンコールのタイミングは以下の通りです。

【海外FX業者のロスカットレベル、マージンコール】

海外FX業者ロスカットレベルマージンコール最大レバレッジ
iFOREX0%なし400倍
Hot Forex10%40%1,000倍
XM20%50%888倍
FBS20%40%3,000倍
AXIORY20%50%400倍
Titan FX20%90%500倍
GEM FOREX20%50%1,000倍
Iron FX20%40%1,000倍
LAND-FX30%50%500倍
FX Pro50%50%200倍
IS6FX50%70%1,000倍

海外FX業者のロスカットレベルは、一般的には20〜30%ですが、中には0%という業者も存在します。同様に、マージンコールは50%が一般的ですが、中にはマージンコールを行わないという業者も存在します。

このため、自分が利用する海外FX業者のマージンコールとロスカットレベルについては把握しておくと良いでしょう。

4.海外FXのロスカットを回避するための3つの対策

海外FXのロスカットを回避するための3つの対策

全ポジションが強制決済されるロスカットは、トレーダーにとっては大きな損失となるため、できる限り、これを避ける対策を取る必要があります。

ロスカットを回避するために有効なのが、次の3つの対策です。

ロスカットを回避するための3つの対策

一つずつ解説していきましょう。

4-1.証拠金維持率500%以上をキープする

一般的に、ロスカットを事前に回避するためには、証拠金維持率500%以上に維持することが大切とされています。

下記の試算条件で、考察してみましょう。

証拠金が異なる2つのケースによる試算

同じ取引条件でも、①証拠金維持率500%のケースと②証拠金維持率100%のケースでは、ロスカットまでの「許容含み損」に4万円もの差が生じているのがわかりますね。

これは、ケース①では1ドルあたり4.5円の相場変動まで耐えられますが、ケース②では1ドルあたり0.5円の相場変動にしか耐えられないことを意味します。

ケース①のように、必要証拠金が1万円である場合はその5倍の5万円をFX口座へ入金しておくことで、相場の大きな変動にも耐えられ、ロスカットのリスクを軽減することができるのです。

思わぬタイミングでのロスカットを防ぐためには、必要証拠金の5倍の金額の入金を心がけて、証拠金維持率500%以上をキープするようにしましょう。

4-2.マージンコールを活用する

ロスカットを回避するには、マージンコールをうまく活用することも重要です。

前提として、マージンコールはロスカット直前の状態を示すものであり、その状況になること自体はできる限り避けるべきです。

しかし、相場の急激な変動などによって、損失が急拡大する場合、たとえ証拠金を十分に積んでいてもマージンコールが発動する可能性があり得ます。

このマージンコールが通知された直後に、証拠金を追加入金したり、保有しているポジションの一部を決済することで、証拠金維持率を回復させ、ロスカットを回避することができるでしょう。

損切りによって損失が確定することになりますが、ロスカットによる損失よりもはるかに小さいものにできるため、マージンコールをうまく活用することは重要です。

4-3.ロスカットまでの許容pips数を把握する

ロスカットを回避するには、ロスカットまでの許容pips数を把握しておくことも大切です。

pipsとは?

「pips」とは為替レートの変動幅を表す単位です。米ドル/円の場合、1pipsは0.01円となります。

例えば、ロスカットまでの許容pips数が300である場合、1ドルあたりの価格が3円値下がりするとロスカット執行されることを意味します。

このように、自分が保有するポジションの為替レートがどの程度変動すると、ロスカットが発動するかを知っておくことが重要です。

これにより、証拠金を追加するタイミングや、ポジションを一部決済するタイミングを的確に判断できるようになるでしょう。

5.相場の急変によってロスカットを避けられないケースもある

相場の急変によってロスカットを避けられないケースもある

ここまでロスカットの回避方法について解説してきましたが、残念ながら、これらの対策が常に有効とは限りません。

特に、為替市場が激しく動く状況では、ロスカットを回避することは難しい場合があります。

例えば、2015年のスイスフランショックでは、スイス銀行の発表の直後に、わずか20分の間にスイスフラン/円は4,000pips近くもの価格が変動を見せました。

このような状況下では、多くのトレーダーがロスカットに見舞われ、市場はパニック状態となりました。

一般的には、ロスカットが発動された時点ですぐにポジションが約定されれば、証拠金がマイナスになることはありません。しかし、市場が混乱状態にある場合、ポジションが約定されるまでに時間がかかり、この遅延によって証拠金の金額を超える損失が発生する可能性が高まります。

通常は、海外FXでは多くの業者がゼロカットシステムを採用しているため、損失が証拠金を超えても追証が発生するリスクはありません

しかし、このような市場の混乱状態では、トレーダーがどれだけ準備や対策を行なっていても、ロスカットを避けることはできないでしょう。

6.【回避できない前提】ロスカットの影響を最小限に抑える方法

【回避できない前提】ロスカットの影響を最小限に抑える方法

ロスカットは完全に回避できるものではなく、トレーダーはできる限りの対策を講じたとしても、それに直面する可能性があります。

したがって、ロスカットが執行されたとしても、ロスカットの影響を最小限に抑えるという考え方が重要です。

証拠金を適切に手元に残すことができれば、取引を継続して資産を回復することも可能です。しかし、ロスカットによって資産の大半を失ってしまえば、取引の原資もなくなり、トレードを継続することすらできなくなるでしょう。

このため、ロスカットの影響を最小限に抑える方法として、以下の2つがおすすめです。

ロスカットの影響を最小限に抑える方法

一つずつ確認しましょう。

6-1.複数の口座を利用して証拠金を分散する

まず挙げられるのは、証拠金を複数の口座に分散する方法です。

海外FXでは、ほとんどの場合、ロスカットやゼロカットは口座単位で発動します。

つまり、一つの口座でロスカットが発動して大きな損失が出たとしても、ほかの口座に入金されている証拠金やポジションは無傷です。

【例】

30万円を3つの口座にそれぞれ10万円ずつ分散して入金していた場合、一つの口座で大きな損失を出しても、10万円以上の損失は発生しません。

またゼロカットシステムのある海外FX業者では、証拠金以上の損失は生じないため、もし一つの口座で30万円を超える損失があっても、その口座の残高が10万円であれば、損失は10万円にとどまります。

これに対して、30万円を一つの口座に入金していた場合、その口座で大きな損失を出せば、30万円の資金全てを失ってしまうでしょう。

複数の口座を利用することで、リスクを分散させる効果もあるということです。

ただし、業者によっては、複数の口座を利用した両建てが禁止されている場合もあるため、ご注意ください。

6-2.証拠金を必要以上に入金しない

もう一つ覚えておきたいのが、証拠金を必要以上に入金しないということです。

相場の急変によって損失が拡大する場合、ロスカットによる強制決済でなかなか約定しないというケースは少なくありません。決済価格が滑ることで、損失が急拡大することもあり得ます。

このような場合、特にゼロカットシステムがある海外FXでは、証拠金を必要以上に口座に入金すること自体が損失拡大のリスクになると考えてください。

4-1.証拠金維持率500%以上をキープする」では、ロスカットを回避するためには500%を超える証拠金維持率を守る必要があるとお伝えしました。

しかしながら、ロスカットによって発生するリスクがあまりにも大きいようであれば、500%を大幅に超える証拠金を入金すること自体避けるべきと言えるでしょう。

まとめ

この記事では、海外FXのロスカットについて詳しく解説しました。

海外FXのロスカットについて理解するためには、以下の2つポイントをおさえましょう。

海外FXのロスカットとは
・海外FXのロスカットとは|一定以上の損失で強制決済が行われる仕組みのこと
・海外FXのロスカット執行の基準|証拠金維持率がロスカットレベルを下回ると発動する

海外FXのロスカットは、以下の流れで執行されます。

海外FXのロスカットが執行されるまでの流れ
・【ステップ1】必要証拠金が証拠金残高を下回る
・【ステップ2】マージンコールがかかる
・【ステップ3】ロスカットが発動する

ロスカット回避するための対策には、以下の3つが挙げられます。

海外FXのロスカットを回避するための3つの対策
・証拠金維持率500%以上をキープする
・マージンコールを活用する
・ロスカットまでの許容pips数を把握する

ロスカットは回避するための対策だけでなく、回避できないことを前提にして、その影響を最小限に抑えることも重要です。

以下の2つの方法を取ることがおすすめです。

海外FXのロスカットの影響を最小限に抑える2つの方法
・複数の口座を利用して証拠金を分散する
・必要以上に証拠金を入金しない

ロスカットによる大きな損失を避けるためにも、ぜひこの記事を参考にして、適切な事前準備を行ってください。

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