「海外FXのトレーダーの法人化って節税の効果は高い?」
「法人化って難しくはないのかな」
節税対策の1つとして法人化がありますが、後悔しないよう理解を深めてから判断したいですよね。
結論から申し上げると、安定して年間900万円近くの所得をあげている状態であれば、法人化するメリットが大きいと言えます。
法人化を検討すべき海外FXトレーダーの条件 |
年間所得が900万円以上ある |
今後も長期間にわたって安定した利益を継続して出し続けられる |
というのも、法人化にはデメリットも多く、全ての海外FXトレーダーに有益というわけではないからです。
法人化を検討する場合は、メリット・デメリットを正しく理解し、法人化によって税金を減らすことができるかどうかを冷静に判断する必要があります。
そこで今回は、法人化することが適しているのかを検討できるよう以下の内容をまとめました。
この記事を読んで分かること |
・海外FXで法人化するタイミング ・法人化したらどうなる?海外FX法人化の4つのメリット ・事前に知っておくべき海外FX法人化の4つのデメリット ・年間収益が500万円を超えたら法人化検討の価値あり |
安易に法人化を進めてはいけない理由についても深堀しているので、後悔のない選択ができるようになるはずです。
ぜひ最後まで読んで役立ててください。
目次
1.海外FXで法人化を考えるタイミングは年間所得900万円以上
海外FXで法人化を検討すべき人は以下のような条件を満たしている人です。
法人化を検討すべき海外FXトレーダーの条件 |
年間所得が900万円以上ある |
今後も長期間にわたって安定した利益を継続して出し続けられる |
なぜ900万円以上なのかというと、個人所得で900万円を超える場合、法人よりも税率が高くなるからです。
個人 | 法人 | ||
所得金額の合計 | 税率 | 年間利益 | 税率 |
195万円以下 | 5% | 800万円以下 | 約15% |
195万円を超え330万円以下 | 10% | ||
330万円を超え695万円以下 | 20% | ||
695万円を超え900万円以下 | 23% | ||
900万円を超え1,800万円以下 | 33% | 800万円超 | 約23.2% |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | ||
4,000万円超 | 45% |
参考)国税庁『所得税の税率』
財務省『法人課税に関する基本的な資料』
また、法人化のもう1つの条件として重要なラインが、「900万円以上の利益を継続的に出し続けられること」という条件です。
というのも、法人化すると以下の費用がかかります。
法人化するとかかる費用一覧 | ||
法人設立費用 | 株式会社の場合 | 20万~25万円 |
合同会社の場合 | 6万~10万円 | |
法人住民税 | 年間7万円~ | |
顧問契約(税理士) | 年間20万~30万円 |
法人化でかかる費用は、たとえ収入がない場合であっても支払う必要があります。
法人化すると一定の支払いが継続的にかかるため、法人化が節税につながるかは慎重に考える必要があるのです。
次の章からは海外FXで法人化することで変わる税金の仕組みやメリット・デメリットについてより深堀をします。
2.【比較一覧】海外FXで法人化すると税金の仕組みはどう変わる?
法人として海外FXを行うと、税率だけでなく、税金の仕組みも変わります。
個人と法人では、大まかに以下の違いがあります。
個人 | 法人 | |
税金 | 所得税 累進課税で税率が変わる | 法人税 税率は一定 |
所得の区分 | 「雑所得」として申告 | 「事業所得」に合算 |
所得の確定方法 | 確定申告 | 決算を行う必要がある |
損失繰越 | できない | 損失は9年間までくりこすことができる |
赤字の場合の対応 | 税金は発生せず確定申告の必要はない | 赤字でも決算の処理を行い申告する必要がある (損失繰越ができる) |
経費の範囲 | 法人と比べて狭い | 広い |
損益通算 (損益の相殺) | できない | できる |
お金の管理 | 自由 | 自由に使えない |
法人化による最も大きな違いは、支払う税金が所得税から法人税になることです。
いずれも利益に対して課せられる税金ですが、税率が異なるため、支払う税金にも大きな違いが生じることになります。
所得によっては法人の方が税率を大きく下げることができます。
法人化すると、ほかにも損失の繰越ができる、経費として認められる範囲が大きくなるなど、様々なメリットがあります。
ただしメリットばかりではありません。法人化を行い、法人を維持するためには手間や経費も必要になる上、赤字でも決算処理を行い、一定の税金を支払う必要があるなど、デメリットもあります。
次章から、法人化のメリット・デメリットを詳しく確認していきましょう。
海外FXの税金にまつわる情報は、こちらの記事でも解説しています。
参考記事:
サラリーマンは海外fx利益20万から税金がかかる!すべきこと全解説
【知って得する】海外FXトレーダーのための税金計算シミュレーション
3.海外FX法人化の4つのメリット
海外FXトレーダーが法人化することによって得ることが出来る税制上のメリットは以下の4つです。
1つずつ解説します。
3-1.税率を下げることができる
法人化のメリットとして第一に挙げられるのが法人税による税率の定率化です。
個人 | 法人 |
所得税 税率5~45% (そのほかに住民税10%がかかる) | 法人税 税率15~23.2% |
個人の場合、海外FXの利益にかかる税金は分離課税が適用されないため所得税がかかります。
所得税は所得に応じて税率が上がる累進課税のため、税率は所得の金額に応じて以下のように上昇していきます。
個人の税率 | ||
所得金額の合計 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
控除額があるため実際の税率は若干下がることになりますが、900万円を超える利益のある場合は33%、4000万円を超える場合はなんと45%と大変高い税率が適用されることがわかります。
これに対して法人税の税率は最大でも23.4%です。
法人の税率 | |
所得金額 | 税率 |
800万円以下 | 15.0% |
800万円超 | 23.4% |
控除・経費の計算の違いや住民税・法人住民税などそのほかの税金などがあるため、単純な比較ができない点は注意が必要です。
しかし、それを加味したとしても、例えば800万円の所得で比較すれば、所得税の税率が33%であるのに対して法人税は23%と、単純な比較で税率が10%変わってきます。
これは法人化した場合800万円の10%、つまり80万円分の税金が安くなるということです。
4000万円の場合であれば、所得税45%に対して法人税23.4%と、さらに税率に大きな開きが生じるため、この効果が大変大きいことがわかります。
法人税の場合、どんなに所得が小さくても15%の税率となるため、所得金額が小さい場合は法人より個人の方がお得になりますが、利益が一定の規模の金額を超えれば、所得が大きくなればなるほど法人化した方が支払う税金は少なくて済むということになります。
3-2.認められる経費の幅が広がる
法人化によって、経費として認められるものの幅が格段に広がり、結果として大きな節税の効果を得ることが期待できます。
認められる経費には以下のような違いがあります。
経費の種類 | 個人 | 法人 |
書籍代・セミナー代 | 〇 | 〇 |
通信費 | △ 取引で使う割合に応じて計上できる | 〇 法人名義でほぼ全額の経費を計上できる |
パソコンや消耗品代金 | △ 取引で使う割合に応じて計上できる パソコンなどを消耗品として買うことのできる上限は10万円 | 〇 法人名義の購入で全額が経費となる パソコンなどを消耗品として買うことのできる上限は30万円 |
家賃 | △ 家賃の一部のみを計上できる 一般的に家賃の15~20% | 〇 会社名義で法人契約すれば住居の場合でも最低50%を会社の経費に計上できる |
自動車 | × | 〇 会社名義で購入すれば全額を経費として計上できる |
役員報酬 | × | 〇 個人に支払う報酬を会社の経費として計上できる |
生命保険などの各種保険 | × | 〇 個人が受け取るものであっても法人名義の支払いであれば経費として計上できる |
退職金の積立 | × | 〇 退職金の積立費用を経費として計上できる上、退職所得控除の対象となるため将来の節税につながる |
法人化した場合、原則として法人名義での契約や支払い履歴、また法人宛の領収書が必要となるという点には注意が必要ですが、ほとんどの項目で、法人化によって大幅にその範囲が緩和されています。
特に自動車の所持や賃貸住宅などの高額な出費を法人名義で支払うことができれば、法人化の節税効果はさらに大きくなります。
また役員報酬や生命保険、退職金の積立など、個人の場合には計上できない経費の項目が増えることで、さらなる節税を可能にしている点も法人化のポイントであると言えるでしょう。
退職金については、積立費用自体が経費として認められますが、それを実際に本人が受け取る際には「退職所得控除」としてさらに税の控除を受けることも可能です。
3-3.他の収入と損益を通算できるようになる
海外FXの収入以外にも収入がある場合は、損益通算できるようになるため節税効果が期待できます。
法人化することで損益の合算が可能になり、結果的に課税される金額を減らすことにもつながります。
海外FXの利益に対する所得の分類は、個人と法人では以下のように異なります。
個人 | 法人 | |
所得の種類 | 「雑所得」に分類される 他の所得(事業所得や給与所得など)とは合算できない | 法人化の場合、収入を分類することはない |
損益の通算 | 「雑所得」の範囲内のみでしか損益の通算を行うことができない | 全ての損益を合算できる |
個人の場合、海外FXの収入は「雑所得」として申告することになりますが、雑所得はその他の収入との損益の合算ができないという特徴があります。
例えば、個人で本業の収入が600万円あり、海外FXで200万円の損失を出した場合、実際の利益は400万円となります。
600万円(本業の収入) − 200万円(海外FXの損失)=400万円(実際の利益)
ただし個人の場合、海外FXの損益「雑所得」に分類されるため、課税対象の税金は600万円にかかることになります。
つまり個人の場合、海外FXで損失を出しても税金の金額を減らすことはできないということです。
これに対して法人の会計では収入を分類して別々に課税するという制度はありません。このため、同じ場合でも法人化をしていれば、課税される金額は400万円で済むということになります。
海外FXの雑所得については、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:海外FXで稼いだ雑所得の課税ルール|おすすめの節税対策8選
3-4.損失繰越の期間を延長できる
個人の場合、海外FXの損失を翌年に繰り越して相殺することはできませんが、法人化した場合は、損失を10年間繰り越すことができるようになります。
個人 | 法人 |
× 繰り越し損失ができない 「雑所得」は基本的に損失を繰り越すことができない | 〇 10年間まで繰り越し損失が認められる |
個人の場合、海外FXの利益は「雑所得」に分類されますが、「雑所得」には繰り越し損失が認められていません。
「雑所得」は一次益とみなされ常に単年で処理されるためです。
これに対して法人の場合、収入を分類する制度がないため、海外FXの損失であっても10年間まで損失を繰り越すことができます。
例えば前年に500万円の赤字を出していたら、翌年以降9年間は、合計利益が500万円になるまでは税金は0ということです。
特に大きな赤字を出した場合、翌年の節税効果は大変大きくなるため、リスクに対するヘッジとしても効果的です。
海外FXの損失繰越については、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:海外FXは損失繰越できない!それでも節税する方法3つを解説
4.事前に知っておくべき海外FX法人化の4つのデメリット
海外FXで法人化するのであれば、デメリットについても詳しく知っておく必要があります。
法人化のデメリットとしては以下の4つが挙げられます。
1つずつ見ていきましょう。
4-1.法人設立に費用がかかる
海外FXトレーダーが法人化するためには、文字通り会社を設立する必要がありますが、これにかかる手間と経費が法人化にあたっての第一の障害となります。
会社を設立するためにはまず定款(会社のルールを定めた書類)を作成し、これを法務局に提出し法人登記を行いますが、法人登記には最低限、以下の費用が発生します。
以下の表に示す金額は、会社を設立するにあたって最低限必要になる経費です。
【株式会社の場合】
経費の種類 | 金額 |
定款に貼る収入印紙の代金 | 4万円(電子承認を行う場合は不要) |
定款の認証にかかる手数料 | 5万円 |
定款の謄本手数料 | 2,000円 |
法人設立にかかる登録免許税 | 15万円(または資本金✕0.7%) |
合計 | 24万2,000円 (電子承認を行う場合は20万2,000円) |
この金額は法人登記に発生する最低の金額で、実際には定款の作成や登記は、司法書士へ依頼する必要もあるため、さらに司法書士へ支払う手数料なども発生することになります。
司法書士へ依頼する場合の手数料は安くても5〜10万円程度、必要となるため、法人登記にかかる費用は少なく見積もっても30万円程度を考えると良いでしょう。
4-2.赤字でも申告を行う必要があり税金も発生する
個人の場合は年間の海外FXの通算損益が赤字であれば、確定申告の必要はありません。しかし法人化した場合は赤字であっても決算を行い、税金を納める必要があります。
法人の場合、赤字でも法人住民税(年間7万円)が発生します。この税金は会社の赤字額がどんなに大きくても支払わなければいけません。
また法人になると厚生年金や健康保険に加入することになり、この保険料も必ず支払う必要があります。
4-3.利益を自由に使うことができない
法人化した場合、自分が代表取締役であっても、そのお金を自由に使うことはできません。
稼いだお金は全て法人のものであって、個人のものではないからです。
法人化した後の利益を自由に使いたい場合は、一旦法人の利益として法人の口座に入れた上で、取締役への「役員報酬」として個人に支払うことで、自由に使うことができるお金となります。
もしこの手順をふまえずにお金を使ってしまうと会社のお金を横領(=犯罪)したことになってしまうので注意が必要です。
また「役員報酬」には以下のような制約もあります。
- 原則として毎月同じ金額を支払う必要がある
- 金額は期首から3ヶ月以内に決める必要がある
多くの利益を得ても自由に使うことはできないため、注意が必要です。
4-4.税理士やと顧問契約を結ぶ必要がある
法人化した場合、個人に比べて会計処理の業務が複雑化するため、経理業務や帳簿作成などの手間が増大するため、税理士と顧問契約を結び、対応してもらうのが一般的です。
専門家に依頼することで、契約料金として費用が発生することになります。顧問契約料金は一般的には30万円用意しておく必要があるでしょう。
最近では法人用の会計ソフトなども増えており自分で行う方もいますが、実際には素人による法人会計処理はデメリットが大きいです。
法人会計処理を自分で行う危険性 |
・税務処理にかける時間が長時間に及びトレードをする時間が大きく損なわれる ・節税の知識が不十分で結果的に税金が高くなる ・会計処理の不備があった場合、税務署から追徴課税などのペナルティがある |
結果的に損失が発生する恐れがあることから、プロである税理士に依頼するのが普通です。
税理士に依頼した場合、節税対策や経営方針などのアドバイスを受けることもでき、メリットも大きいという側面もあります。
とはいえ、顧問契約料金は個人の場合は必要のない出費であり、法人化した場合の大きな出費であることに変わりありません。
5.【結論】海外FXで法人化は慎重に判断すべき
年間所得900万円以上の場合、法人化によって大きく税金を減らすことができる可能性があります。
ただし、インターネット上の情報だけで判断することはおすすめしません。最終的な判断は税理士へ相談することをおすすめします。
というのも、条件を満たしている場合でも実際に法人化によってメリットを享受できるかどうかは、それぞれのトレーダーの状況によっても変わってきます。
法人化によって業務も煩雑になるため、そもそも自分が法人化に向いているかどうか、という点についても冷静に判断する必要があるでしょう。
そもそも法人化は個人トレーダーが誰の助けも借りずに行うことができるものではありません。法人化をすると決めた後も、以下のタイミングで専門家の助けが必要になります。
- 法人の登記
- 法人として取引を行うための法人口座の作成
- 決算や会計処理
海外FXトレーダーの法人化についての案件を扱う専門の税理士は存在しており、相談することで個人トレーダーが知らない有益な情報が得られる可能性もあります。
これらの点から考えても、法人化を決定する前に、法人化は自分にメリットがあるのか、また法人化を行う場合どのような手順を踏む必要があるのかなどについて、専門の税理士に相談することをオススメします。
法人化したら“法人口座”の開設が必要! 法人化した場合は、法人化したトレーダー向けに海外FX業者が提供する法人用の口座を開設する必要があります。 法人口座と個人口座の間に取引条件の違いはありません。レバレッジ倍率やスプレッド幅、取得できるボーナスなどは、個人口座も法人口座もほぼ同じです。 この口座を開設することによって、以下のことができるようになります。 ・法人としてトレードを行うことができる ・法人名義の銀行口座からの入出金が可能になる 取引履歴や入出金履歴を法人名義で残すことができるため、法人会計処理や決算を円滑に行うことができるようになるというわけです。 ただし法人口座の作成は、個人口座とは違う法人関連の書類の準備なども必要になるため注意が必要です。 法人口座については以下のページでも詳しく解説していますので参考にしてください。 参考記事:海外FXのおすすめ法人口座5選|見るべきは業者の特徴! |
6.法人化する前にできる海外FXの節税対策
海外FXの節税対策の1つとして法人化がありますが、法人化をする前にできる節税対策はあります。
それは、確定申告の際に以下3つの費用を申告する、という方法です。
1つずつ解説します。
6-1.経費を計上する
確定申告時に取引にかかった経費を申告することで、課税所得を減額することができます。
認められる費用は法人よりも少ないですが、節税の効果は大きいと言えるでしょう。
経費として認められるものは以下の費用があります。
- 海外FX関連の書籍の購入費
- 海外FXのセミナーや勉強会の参加費(会場までの交通費を含む)
- パソコンや携帯電話、周辺機器などの料金や修理、メンテナンス費用
- 椅子や机などの購入資金
- 通信費
- 文房具や事務用品代金
など
また、専業トレーダーの場合、取引を行なっている部屋の家賃や光熱費の一部が経費として認められるケースもあります。
その経費が申告できるかどうか、また家賃などの金額のいくらまでが経費とできるかなど、経費の計上で不明な点がある場合には、最寄りの税務署に確認することをおすすめします。
経費を申告するためには、領収書など、経費を支払ったことができる証明書があることが条件になるため、普段からレシートなど保管しておきましょう。
また、申告で利用した領収書は、最低5年間は手元に保管しておく必要があるため、申告が終わったからといって、すぐに廃棄することがないよう注意しましょう。
6-2.控除を申告する
確定申告の際、控除を申告することも節税に有効です。
控除は所得から差し引きされるため、課税所得を下げ、納税額を減額する効果があるからです。
控除には以下のような様々な種類があります。
社会保険料控除 | ・国民年金や厚生年金、健康保険料などを支払っている場合はその全ての合計金額が控除の対象になる |
配偶者控除 配偶者特別控除 | ・配偶者がいる場合は控除を受けることができる。ただし配偶者の収入が133万円を超えないことが条件 |
扶養控除 | ・両親や子供など、一緒に住んでいる人がいる場合に認められる ・両親などに所得がある場合は、生計が同一の場合は34万円、生計が別の場合は103万円まで控除が認められる ・両親などへの仕送りを行なっている場合も扶養控除として申告できる。一緒に住んでいる人の場合、その人の所得が48万円以下、生計が別の場合はその人の給与所得103万円以下の場合、控除が認められる |
住宅ローン控除 | ・10年以上の住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に控除を受けることができる ・年末のローン残高の1%に当たる金額が所得税から控除される |
iDeCo(個人型確定拠出年金) | ・毎月の積立金が控除の対象になる |
生命保険料控除 地震保険料控除 | ・1年間に支払った全ての保険料が控除対象となる |
医療費控除 | ・1年間に自分や家族のために支払った全ての医療費の合計が10万円を超えた場合を超えた場合、控除を申請することができる |
ふるさと納税 | ・寄付額から2,000円を差し引いた金額が所得税から控除される |
該当するものは確定申告の際に申告し、控除を適用させてください。
6-3.損益を合算する
海外FXの収益以外にも雑所得がある場合は、損益を合算して申告することも減税効果が働きます。
そもそも海外FXの所得は、確定申告では「雑所得」という項目に分類されますが、この雑所得は損益を通算して申告ができるという特徴があります。
例えば、以下のような雑所得は、海外FXの損益と合算することができます。
- 仮想通貨取引や海外先物取引の損益
- アフィリエイトやオークションの損益
- 印税や講師料などの副業の損益
「海外FXの取引で利益(100万円)が出ているが、仮想通貨取引で損失(50万円)が出ている」という状況であれば、雑所得の利益は50万円として申告ができるのです。
他の損益と合算することで支払う税金を減らすことができるため、海外FX以外にも雑所得がある場合は活用することをおすすめします。
海外FXでできる節税対策について、こちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXで出来る節税方法・節税対策6選を徹底解説!
まとめ
今回は海外FXトレーダーの法人化について詳しく解説しました。
「法人化」とは、会社を設立し、文字通り法人として海外FXの取引を行うことです。年間所得900万円以上の海外FXトレーダーが法人化すれば、支払う税金を大きく引き下げることが期待できます。
しかし、法人化を行うためには多額な費用がかかるうえ、手間も増えます。メリット・デメリットを見極めて、判断する慎重な姿勢は必要です。
法人化によるメリット・デメリットは以下の通りです。
法人設立費用や法人維持など法人化にかかるコストは法人の規模によって大きく変動することはありません。これに対して、法人化によって節税ができる総額は、収益の規模に比例して大きくなります。
このため、一定以上の利益があれば法人化にはメリットがあり、そのメリットは利益の大きさに応じて増大するということです。このため、以下の2つの条件に合致するトレーダーは、法人化によって税金を下げることができる可能性があります。
法人化を検討すべき海外FXトレーダーの条件 |
年間所得が900万円以上ある |
今後も長期間にわたって安定した利益を継続して出し続けられる |
また、これらの条件を満たしている場合でも実際に法人化によってメリットを享受できるかどうかは、それぞれのトレーダーの状況によっても変わってきます。
このため法人化を行うべきかどうかの最終的な判断は専門の税理士へ相談することをお勧めします。
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