「海外FXは法人口座にした方が節税できるの?」
「海外FXで稼げるようになったけど、法人口座にするのはどのタイミングがおすすめ?」
海外FXである程度稼げるようになったら、このような疑問がでてきますよね。
資金効率を高め、より多くの利益を得るためにも、なるべく節税したいと考えるようになるでしょう。
海外FXで法人口座を開設すれば、非常に大きな節税効果を得られます。
海外FXで法人口座を開設することで得られる節税効果 |
・ 年間所得が800万円を超えたらどれだけ稼いでも税率が上がらない ・ 個人口座に比べて経費に算入できる範囲が広い ・ 損益通算、損失繰越ができる |
ただ、たまたま大きく稼げたからといって安易に法人化すると、税金は安くできてもそれ以上にコストがかかり、「個人口座のまま取引していた方がマシだった…」といった事態に陥りかねません。
というのも、法人の設立や維持には、様々なコストが発生するのです。
そのため、海外FXでの法人口座開設を検討するにあたっては、メリット・デメリットをよく理解したうえで、慎重な判断をすることが大切です。
そこでこの記事では、法人化するかどうか悩んでいる方に向けて、下記のようなポイントについてご説明します。
この記事のポイント |
・ 海外FXの法人口座と個人口座の違いをわかりやすく整理 ・ 海外FXで法人口座を開設すべきタイミングを具体的に説明 ・ 海外FXで法人口座を開設するメリット、デメリットを開設 ・ 法人口座を開設したい方におすすめの海外FX業者を紹介 |
この記事を最後までお読みいただければ、いつ、どの海外FX業者で法人口座を開設すべきなのか決断できるはずです。
目次
1.海外FX|法人口座と個人口座の違い
海外FXで安定して一定以上の利益を得ているならば、法人口座の開設をおすすめします。
法人口座を開設すれば、税金面で様々な優遇を受けられるからです。
下表は、法人口座と個人口座の主な違いをまとめたものです。
【法人口座と個人口座の主な違い】
個人口座 | 法人口座 | |
名義 | 個人名義 | 法人名義 |
税率 | 15%~55% ※住民税を含む | 22.4%~36.8% ※地方税、住民税などを含む |
経費に算入できる項目 | 少ない | 多い |
損益通算・損失繰越 | 不可 | 可 |
口座開設に必要なコスト | なし | 法人設立費用など |
法人口座を開設するにはその特徴について理解しておく必要がありますので、まずは、法人口座と個人口座では何が異なるのか、一つずつ見ていきましょう。
1-1.口座名義
海外FXの法人口座とは、口座名義が法人(会社名)になっている口座のことをいいます。
例えば、「山田太郎」さんが既に個人名義の海外FX口座を保有している状態で、新たに「株式会社山田」を設立し、海外FXで法人口座を開設したとします。
この法人口座の名義は「株式会社山田」であり、山田太郎さん個人の財産とは分けて管理することにまります。
ちなみに、個人事業主は法人に含まれませんので、法人口座を開設することはできません。
海外FXで法人口座を開設するには、法人(株式会社や合名会社など)を設立する必要があります。
1-2.適用される税率
海外FXの法人口座と個人口座で最も大きく異なるのが、適用される税率です。
適用される税率は所得額によって異なりますが、個人口座に適用される最大税率が55%であるのに対し、法人口座に適用される最大税率は36.8%です。
そのため、所得が多い人は法人口座を開設することで、節税の恩恵を受けられます。
【口座種別|適用される税率の違い】
個人口座 | 法人口座 | |
所得税 | 5%~45% | 15%~23.2% |
住民税 | 10% | 1.05%~1.62% |
法人地方税 | - | 1.55%~2.39% |
事業税 | - | 3.5%~7% |
特別法人事業税 | - | 1.3%~2.59% |
総合税率 | 15%~55% | 22.4%~36.8% |
■ 海外FXの個人口座に適用される税率
まずは、個人口座に適用される税率から見ていきましょう。
個人口座には、「所得税」と「住民税」という、2種類の税金が課せられます。
住民税は一律10%で、所得税の税率は、所得金額に応じて7段階に区分されます。
【年間所得金額別|海外FXの個人口座に適用される税率】
年間所得金額 | 税率(所得税+住民税) | 控除額 |
195万円未満 | 15% | 0円 |
195万円~330万円未満 | 20% | 9万7,500円 |
330万円~695万円未満 | 30% | 42万7,000円 |
695万円~900万円未満 | 33% | 63万6,000円 |
900万円~1,800万円未満 | 43% | 153万6,000円 |
1,800万円~4,000万円未満 | 50% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 55% | 479万6,000円 |
例えば、年間所得金額が800万円の方の場合、適用される税率は所得税率23%に住民税10%を合わせた30%ですので、納めるべき税額は下記計算式により200万4,000円となります。
年間所得800万円×(23%+10%)-所得税額控除(63万6,000円)=200万4,000円 |
海外FXで稼いだ雑所得に対する課税ルールについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXで稼いだ雑所得の課税ルール|おすすめの節税対策8選
■ 海外FXの法人口座に適用される税率
法人が納めるべき税金は個人よりも多く、「法人税」「法人住民税」「法人事業税」の3種類に分けられます。
そしてこれらの税額を算出する際に適用される税率は、所得に応じて下記3段階に区分されます。
【所得別|法人に適用される税率】
400万円以下 | 400万円超~800万円以下 | 800万円超 | |
法人税 | 15% | 15% | 23.2% |
法人地方税 | 1.55% | 1.55% | 2.39% |
法人住民税(都道府県) | 0.15% | 0.15% | 0.23% |
法人住民税(区市町村) | 0.9% | 0.9% | 1.39% |
法人事業税 | 3.5% | 5.3% | 7% |
特別法人事業税 | 1.3% | 1.96% | 2.59% |
総合税率 | 22.4% | 24.86% | 36.8% |
例えば、年間所得が800万円である場合、この法人が支払うべき税額は下記計算式により198万8,800円となります。
年間所得(800万円)×税率(24.86%)=198万8,800円 |
適用される最大税率は法人の方が低いため、海外FXで多くの利益を出している場合、法人口座を利用したほうが税金を安く抑えられます。
ただし、年間所得によっては個人の方が税額が少なくなるケースもあるため、法人と個人、どちらで経理処理をすべきかは所得に応じて慎重に見極めなければなりません。
「2.海外FXで法人口座を開設するのにベストなタイミングはいつ?」ではどのタイミングで法人口座を開設すべきか詳しくご説明していますので、併せてご参照ください。
1-3.経費の範囲
法人口座と個人口座では、経費に算入できる範囲も大きく異なります。
個人の場合、海外FXで利益を出すために直接必要なものしか経費に算入できませんが、法人の場合は役員報酬や退職金、生命保険料まで経費に算入できます。
【項目別|経費への算入可否一覧】
項目 | 個人口座 | 法人口座 |
パソコン代、スマホ代 | 〇 | 〇 |
インターネット利用料 | 〇 | 〇 |
家賃・光熱費 | 〇 | 〇 |
役員報酬 | × | 〇 |
生命保険料 | × | 〇 |
退職金 | × | 〇 |
法人口座は経費に算入できるものが個人口座よりも圧倒的に多いため、上手に活用すれば大きな節税効果を得られるでしょう。
1-4.損益通算・損失繰越の可否
海外FXの個人口座は損益通算・損益繰越いずれもできませんが、法人口座であればこれらが可能です。
【法人口座と個人口座|損益通算と損失繰越可否の違い】
個人口座 | 法人口座 | |
損益通算 | × | 〇 |
損失繰越 | × | 〇 |
損益通算と損失繰越、それぞれの仕組みについてご説明します。
■ 損益通算について
損益通算とは、同じ会計年度における利益と損失を相殺できる制度のことをいいます。
海外FXの法人口座における利益は益金に算入され、他事業の損益と通算が可能です。
事業こそ異なるものの同じ「益金」に算入される損益であれば、これを通算しても問題はありません。
一方、個人口座の場合、海外FXの所得は雑所得に、事業による所得は事業所得に算入されます。
日本の法律は雑所得と事業所得の損益通算を認めていませんので、他事業で損失が出たとしても、これと海外FX個人口座の収益とを通算することはできません。
例えば、A法人が飲食業、販売業、海外FXをしており、当期利益が下記のようになったとします。
このケースにおいてA法人の課税対象金額は、海外FXによる利益とた事業の損失を「通算」して算出した1,200万円となります。
法人の場合、海外FXで大きく稼いでも他事業で損失が発生していればこれを差し引けるため、課税される金額を少なく抑えられるのです。
海外FXの損益通算について詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXで損益通算はできる!損益通算の3つのルール
■ 損失繰越について
海外FXの法人口座では、10年間の損失繰越も認められています。
損失繰越とは、ある会計年度に損失が出た場合に、その損失を翌年以降、最長10年間繰り越せる仕組みのことをいいます。
例えば、ある年度において1,000万円の赤字が出たとします。
法人は次年以降、最大10年まで上図のように、損失の繰越が可能です。
一方、個人口座の場合は海外FXで損失が出ても雑所得の範囲内でしか損失繰越できませんし、その期間も3年となっており法人よりもかなり短く設定されています。
海外FXの損失繰越について詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:海外FXで損失繰越はできない!ただし不可でも損益通算で節税できる
1-5.口座開設にあたり発生するコスト
海外FXの法人口座と個人口座では、口座の開設や運営にあたって発生するコスト(投資資金以外)にも、違いがあります。
【法人口座と個人口座|口座の開設・運営に必要なコストの違い】
個人口座 | 法人口座 | |
口座開設に必要なコスト | なし | 法人設立費 ※20万~30万円 |
口座運営に必要なコスト | なし | 税理士費用 ※30万円~100万円 |
海外FXで法人口座を開設するにあたって新たに法人を設立する場合、登記費用なども含めて20万~30万円程度の費用がかかります。
また、法人の決算は非常に複雑ですので、知識がない方が自力で行うのは難しいでしょう。
そうすると、税理士費用も別途発生します。
税理士費用は契約内容や法人の規模などによって異なるため一概には言えませんが、最低でも年間30万円、会社の規模が大きくなれば100万円程度はかかると覚悟しておきましょう。
2.海外FXで法人口座を開設するのにベストなタイミングはいつ?
海外FXで法人口座を開設するタイミングについて検討する際の損益分岐点は、「年間所得900万円」です。
ただ、年間所得900万円を超えたらすぐに法人化すべきかというと、そうとも言い切れません。
では、どのくらいの所得がどれくらいの期間続けば、法人化した方がいいのでしょうか。
具体的な数値を見ながら、考察してみましょう。
2-1.損益分岐点は900万円
海外FXで法人口座を開設するかどうか検討する際、ひとつの基準となる損益分岐点は「年間所得900万円」です。
下表をご覧ください。
【年間所得別|適用される税率一覧】
年間所得 | 個人口座に適用される税率 | 法人口座に適用される税率 |
900万円超 | 43% | 36.8% |
1,000万円超 | 43% | 36.8% |
1,800万円超 | 50% | 36.8% |
4,000万円超 | 55% | 36.8% |
個人口座の場合は年間所得に応じて最大55%まで税率が上がりますが、法人口座の場合、年間所得が800万円を超えれば、どれだけ稼いでも適用される税率は36.8%のまま変わりません。
海外FXの年間所得が800万円を超えて900万円に近づいてきたら、法人化を検討し始めましょう。
2-2.コンスタントに1,200万円以上の利益が出ているなら法人化すべき
上述のように、税金面における個人口座と法人口座の損益分岐点は、900万円です。
ただ、年間所得900万円をギリギリ超える程度である、たまたまその年度だけ沢山稼げただけ、といった場合は、安易に法人化すべきではありません。
詳しくは「4.海外FXで法人口座を開設するデメリット」でご説明しますが、法人の設立や維持には多くのコストがかかるため、年間所得900万円程度では法人の維持が難しくなる可能性があるのです。
法人の設立や維持にかかるコストを考えた場合、5年以上コンスタントに1,200万円以上稼げているのであれば、法人化(=法人口座の開設)をおすすめします。
海外FXで法人化すべきタイミングについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:【徹底解説】海外FX法人化で節税効果があるタイミングと条件
3.海外FXで法人口座を開設するメリット|具体例で解説
海外FXで法人口座を開設するメリットは「税金面で優遇を受けられる」ことで、中でも重要なのは下記5つのポイントです。
法人口座の開設を検討している方は、法人として海外FXで取引をすると税務上どのような優遇を受けられるのか、一つずつ確認していきましょう。
3-1.法人口座なら800万円超はどれだけ稼いでも税率が上がらない
海外FXで法人口座を開設する最大のメリットは、800万円超はどれだけ稼いでも適用される税率が上がらない、という点です。
海外FXで年間900万円以上の利益を出している場合、法人口座にした方が支払うべき税額を安く抑えられます。
下表をご覧ください。
【年間所得別|適用される税率一覧】
年間所得 | 個人口座に適用される税率 | 法人口座に適用される税率 |
800万円超 | 33% | 36.8% |
900万円超 | 43% | 36.8% |
1,000万円超 | 43% | 36.8% |
1,800万円超 | 50% | 36.8% |
4,000万円超 | 55% | 36.8% |
海外FXの個人口座に適用される税率は、年間所得に応じて最大55%まで上がります。
これに対して法人口座の場合、年間収益が800万円を超えたらどれだけ収益が増えても、適用される税率は36.8%のままです。
例)海外FXで年間3,000万円の利益を得た場合 海外FXで年間3,000万円の利益を得た場合、個人口座と法人口座では支払うべき税額に下記のような違いが生じます。 | |||
個人口座 | 法人口座 | ||
1,220万4,000円 ※税率50%、税額控除279万6,000円 | 1,104万円 ※税率36.8% | ||
年間所得は同じ金額でも、個人口座と法人口座では支払うべき税額に100万円以上の差が生じていることがわかります。 |
「2-1.損益分岐点は900万円」でご説明したように、年間所得が900万円を超えると法人口座にした方が税率が低くなりますので、そのタイミングで法人化を検討し始めてはいかがでしょうか。
3-2.個人口座に比べて経費に算入できる範囲が広い
海外FXの法人口座には、個人口座に比べて経費に算入できる範囲が広く節税しやすい、というメリットもあります。
【項目別|経費への算入可否一覧】
項目 | 個人口座 | 法人口座 |
パソコン代、スマホ代 | 〇 | 〇 |
インターネット利用料 | 〇 | 〇 |
家賃・光熱費 | 〇 | 〇 |
役員報酬 | × | 〇 |
生命保険料 | × | 〇 |
退職金 | × | 〇 |
個人口座の場合、トレードの収益は「雑所得」に分類されるため、FX取引に直接関連する費用しか経費に算入できません。
例えば、生命保険料や代表者の報酬等については、経費に算入できないのです。
これに対して法人口座では、役員報酬や生命保険料、退職金まで経費への算入が認められています。
■ 具体例をもとに考察
FXによる年間収益が2,000万円、FX関連費が150万円、役員報酬・生命保険料などが800万円だったとします。
個人口座の場合、経費に算入できるのはFX関連費のみですので、年間所得2,000万円からFX関連費150万円を差し引いた1,850万円が課税対象額となります。
この場合に適用される税率は50%、税額控除は279万6,000円ですので、支払うべき税額は下記計算式により645万4,000円です。
課税対象額(1,850万円)×税率(50%)-税額控除(279万6,000円)=645万4,000円 |
一方、法人口座ではFX関連費150万円に加え役員報酬や生命保険料なども経費に算入できますので、課税対象額は年間所得2,000万円からこれらの経費を差し引いた1,050万円です。
そして、この場合に適用される法人税率は36.8%ですので、支払うべき税額は下記計算式により、386万4,000円となります。
課税対象額(1,050万円)×税率(36.8%)=386万4,000円 |
FXによる収益が同じ金額でも、算入できる経費の範囲と適用される税率が変われば、支払うべき税額に倍近くの差が生じるのです。
このように海外FXので法人口座を開設すれば、算入できる経費の範囲が広くなることにより課税対象額が圧縮され、多大な節税効果を得られます。
3-3.他事業との損益通算ができる
海外FXの法人口座には、他事業との損益通算ができる、というメリットもあります。
「1-4.損益通算・損失繰越の可否」でご説明したように、法人が他事業で損失を出した場合、この損失と海外FXの収益を通算することが認められています。
■ 具体例をもとに考察
例えば、海外FXで3,000万円の利益を得たとします。その一方で、他事業による損失が1,800万円あったとしましょう。
個人口座の場合、海外FXの収益と他事業の損失を通算できませんので、課税対象額は3,000万円になります。
一方、法人口座の場合は海外FXの収益と他事業の損失を通算できますので、課税対象額は1,200万円まで下がります。
実際の年間収支は同じでも、個人口座か法人口座かによって、課税対象額にかなりの違いが生じるのですね。
このように、損益通算をすることで税額を安く抑えられることも、海外FXで法人口座を開設する大きなメリットと言えるでしょう。
3-4.赤字になっても10年間は損失繰越できる
海外FXの法人口座には、年間収益がマイナスになっても10年間は損失繰越できる、というメリットもあります。
「1-4.損益通算・損失繰越の可否」でご説明したように、海外FXの個人口座では、年間収益がマイナスになってもその損失を翌年に繰越すことはできません。
これに対して法人口座では、損失を最大10年間繰越すことが可能です。
■ 具体例をもとに考察
下記のようなケースについて、税額がどのように変化するか考察してみましょう。
海外FXで損失が生じて1,000万円の赤字決算になったとします。
① 1年目~4年目
法人の赤字は最大10年まで繰越できますので、1年目~4年目までは収益と損失が相殺され、年間所得ゼロ、つまり税金が発生しない状態が続きます。
② 5年目
5年目は前年からの繰越損失が150万円、利益が1,150万円ですので、これらを相殺した1,000万円が課税対象額になります。
ちなみに、個人口座は損失繰越できませんので、前年に損失を出したかどうかに関係なく、その年の所得に対して課税されます。
以上のように法人口座を開設すれば、損失繰越をすることで課税対象額を圧縮し、支払うべき税額を少なく抑えられます。
これも、海外FXで法人口座を開設する大きなメリットと言えるでしょう。
3-5.海外FXで得た利益を別事業に投資できる
海外FXで法人口座を開設すれば、トレードで得た利益を別事業に投資しつつ節税をすることも可能です。
海外FXで稼いだ利益の運用例 |
・ 別事業の立ち上げ資金に使う ・ 不動産の購入資金に使う ・ 有望な事業に投資、出資する ・ 高配当の株式への投資資金に充てる |
海外FXで得た利益を別事業に投資すれば、利益をさらに大きくしていけるかもしれません。
同一の法人内であれば損益通算や損失繰越も可能ですので、節税しつつ新たな事業に投資する、ということも可能です。
海外FXで稼いだ資金を投資することで利益拡大を狙いつつ、投資資金を経費に算入することで節税効果を得られるということは、法人だからこそ享受できるメリットと言えます。
4.海外FXで法人口座を開設するデメリット
海外FXで法人口座を開設すると、税金面で様々な優遇を受けられます。
ただし、その陰には下記のようなデメリットがあることを理解しておかなければなりません。
安易に法人を設立して「こんなはずではなかった」と後悔する事態に陥らないよう、海外FXで法人口座を開設することにはどのようなデメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
4-1.収支が赤字でも税金が発生する
法人として海外FXをしてる中で、決算が赤字になる年があるかもしれません。
個人の場合、利益が出ていなければ税金を支払う必要はありませんが、法人の場合、決算が赤字でも「法人住民税」を支払う必要があります。
法人住民税は、
- 資本金1,000万円以下…7万円
- 資本金1,000万円超…18万円
となり、この金額は法人の損益がどのような状態であろうと、必ず納付しなければなりません。
法人化は、安定的に利益を出せるようになってから検討することをおすすめします。
4-2.法人設立や税理士費用など取引資金以外のコストが発生する
海外FXで法人口座を開設する場合、投資資金とは別に下記のようなコストが発生します。
海外FXで法人口座を開設・維持するためにかかるコスト |
・ 法人設立費用…20万~30万円 ・ 税理士費用…30万~100万円 |
個人口座の場合は投資資金だけ用意すればすぐに海外FXを始められますが、法人口座の場合は投資資金とは別に、上記のような費用を用意しなければなりません。
特に、税理士費用は法人を続けるかぎりずっと発生するものです。
海外FXの法人口座開設にあたっては、単純に税率の低さだけを考えるのではなく、これらのコストが発生することも考慮したうえで慎重に判断しましょう。
4-3.個人口座のように自由に出金することはできない
海外FXの法人口座からは、個人口座のように自由に出金できません。
法人口座に入っているお金は個人のものではなく、法人のお金だからです。
法人口座のお金を個人で使いたい場合、法人から個人へ「給与」ないし「役員報酬」という形で支払いをする必要があります。
そしてこの給与や役員報酬には、社会保険料や源泉所得税などが伴います。
また、社長を含めた役員の報酬は事業年度開始から3か月以内に決めなければならず、これを年度途中で変更することは、原則として認められません。
現在、法人化を検討している方は、法人口座にするとこれまでのように自由に出金できなくなる、という点についてしっかり理解しておきましょう。
4-4.含み益も課税対象になる
海外FXの法人口座は、含み益も課税対象になります。
個人口座の場合、含み益は課税対象にならないため利確しないことで納税のタイミングを先延ばしにできますが、法人の場合、そういったことはできません。
法人口座を開設する場合は、含み益にかかる税額も考慮したうえで、法人を運営していく必要があります。
4-5.法人を廃業する際にもコストが発生する
法人は、設立・維持だけでなく廃業する際にもコストが発生します。
廃業の手続きは経営者自身が行うことも可能ですが、その場合も最低7万円程度は必要です。
司法書士や税理士に手続きを依頼する場合、さらに多くの費用が必要になるでしょう。
「なんとなく」で安易に法人化すると、コストがかかりすぎて後悔することになりかねません。
法人化は、ここでご紹介したデメリットや注意点をよく考えたうえで、慎重に判断しましょう。
5.法人口座開設におすすめの海外FX業者3選
法人口座の開設をご検討中の方には、下記の海外FX業者をおすすめします。
海外FX業者 | おすすめポイント |
AXIORY | 完全信託保全なので安心して資産を預けられる |
FXGT | 法人でも豪華なボーナスを受け取れる |
TitanFX | 口座残高や保有ポジションによるレバレッジ制限がない |
ここでは、上記3社のおすすめポイントや基本的な取引スペック、信頼性などについてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
5-1.AXIORY|完全信託保全で法人口座に最適
出典:AXIORY
「法人として取引をするならば、信頼性が高い海外FX業者を利用したい」という方にぜひおすすめしたいのがAXIORYです。
AXIORYでは完全信託保全制度を導入しているため、万一業者が破綻することがあっても預託資産を確実に返還してもらえます。
信託保全について詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:信託保全を行う2つの海外FX業者!分別管理との違いを解説
法人口座は数百万、数千万円単位の資産を預託することが多いので、万一の事態に備えた補償体制が整っているというのは、非常に魅力的なポイントでしょう。
【AXIORYの主な特徴】
取引スペック | 概要 |
最大レバレッジ | 1,000倍 |
取引コスト | ◎ |
ボーナス | △ |
業者の信頼性 | ◎ |
取扱銘柄 | FX・貴金属・エネルギー・株式・指数・現物株式 |
AXIORYは数ある海外FX業者の中でも取引コストが安く、取扱い銘柄も多いため、プロトレーダーに多く利用されています。
海外FX業者としては珍しく、現物株式の取引も可能ですので、コストを抑えつつ色々な銘柄の取引をしたい方にもおすすめですよ!
AXIORYでの法人口座開設をおすすめする人 |
・ 万一の場合は預託資産が確実に補償される海外FX業者で安心して取引をしたい ・ 取引コストをなるべく安く抑えたい ・ 現物株式の取引をしたい |
上記に該当する方は、AXIORYでの口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
AXIORYについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:AXIORYとは|トレーダーから評価の高い15の特徴
5-2.FXGT|法人でもボーナスを受け取れてお得に取引できる
出典:FXGT
「ボーナスを活用してお得に取引を始めたい」という方には、FXGTをおすすめします。
海外FX業者といえば豪華なボーナスが魅力的ですが、法人口座はボーナス獲得の対象外になっているところが多いのが現状です。
しかしFXGTでは法人口座でもボーナスの獲得が可能で、新たに法人口座を開設した場合、下記のようなボーナスを受け取れます。
【FXGTで獲得できるボーナス】
- 1万5,000円の口座開設ボーナス
- 最大8万円の100%入金ボーナス(初回入金が対象)
- 最大15万円の50%入金ボーナス(2回目の入金が対象)
例えば、FXGTで法人口座を開設し、1回目に8万円、2回目に30万円入金した場合、合計24万5,000円分のボーナスを獲得できます。
これから法人口座を開設しようとしている方にとって、これはかなり魅力的なポイントですよね。
FXGTの主な特徴は、下表の通りです。
【FXGTの主な特徴】
取引スペック | 概要 |
最大レバレッジ | 1,000倍 |
取引コスト | △ |
ボーナス | ◎ |
業者の信頼性 | 〇 |
取扱銘柄 | FX・仮想通貨・貴金属・エネルギー・株式・指数 |
FXGTは海外FX業者の中でも珍しく、仮想通貨に関してレバレッジの制限を設けていません。
他社は、最大レバレッジ数千倍を謳いながら仮想通貨に関しては100倍、200倍程度に制限しているところが多いのですが、FXGTでは最大レバレッジ1,000倍での仮想通貨取引が可能です。
FXGTでの法人口座開設をおすすめする人 |
・ ボーナスを獲得してお得に取引したい ・ 仮想通貨を高いレバレッジで取引したい |
上記に該当する方は、FXGTでの法人口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
5-3.TitanFX|レバレッジ制限がなく大口取引に最適
出典:TitanFX
「口座残高や保有ポジションを気にすることなくハイレバ取引をしたい」という方には、TitanFXをおすすめします。
数百倍、数千倍のハイレバレッジ取引ができることで知られる海外FX業者ですが、口座残高や保有ポジションによって最大レバレッジが制限される業者がほとんどです。
この点、TitanFXではレバレッジを制限されませんので、口座残高や保有ポジションがどれだけ多くなっても、ハイレバレッジ取引をすることが可能です。
【TitanFXの主な特徴】
取引スペック | 概要 |
最大レバレッジ | 1,000倍 |
取引コスト | ◎ |
ボーナス | × |
業者の信頼性 | 〇 |
取扱銘柄 | FX・仮想通貨・貴金属・エネルギー・コモディティ・株式・指数 |
TitanFXではFX通貨ペアだけでなく、貴金属も最大レバレッジ1,000倍での取引が可能です。
また、エネルギー商品も最大レバレッジ500倍で取引できますので、ハイレバ取引を主なトレードスタイルとする方にはこの海外FX業者をおすすめします。
TitanFXでの法人口座開設をおすすめする人 |
・ 口座残高や保有ポジションを気にすることなくハイレバレッジ取引をしたい ・ 貴金属やエネルギー商品のハイレバレッジ取引をしたい |
上記に該当する方は、TitanFXでの法人口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
TitanFXについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:タイタンFX|初心者向けにメリット・デメリットまで全てを網羅解説
まとめ
海外FXで法人口座を開設すると、税金面で下記のようなメリットを享受できます。
個人口座に適用される税率は年間所得に応じて最大55%まで上がりますが、法人口座の場合、年間収益がどれだけ増えても36.8%以上にはなりません。
海外FXによる年間所得が900万円に近づいてきた方は、法人化を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、「税金が安いから」と安易に法人化するのは危険です。
というのも海外FXで法人口座を開設することには、コスト面において下記のようなデメリットがあるからです。
法人化を検討している方は、これらの点についてよく理解しうえで慎重に判断しましょう。
海外FXでコンスタントに利益を出しており、次のステップとして法人化したいとお考えの方は、法人口座を開設する海外FX業者選びから始めてみてはいかがでしょうか。
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