「海外FXは自動売買にすれば自分で取引をしなくても儲かる?」
「自動売買を早速試してみたいけど、どうやって始めたらいい?」
海外FXの自動売買とは、EA(エキスパートアドバイザー)という自動売買プログラムが、文字通り自動的にFXトレードを行ってくれる仕組みです。
トレーダーはこのEAを最初に設定するだけで、その後の取引は全てEAがやってくれるというわけです。
EAをうまく活用すれば、トレーダーは取引のために多くの時間を拘束されることがなくなります。それどころか、何もしなくても資産が自動的に増えていくということも夢ではありません。
ただし、自動売買を始めるだけで、誰でも簡単に儲けることができるわけではありません。
自動売買プログラムは稼働前の設定や選択によって、成績が大きく異なります。また、以下の点にも注意が必要です。
- EAは無数にあり、全てのEAが利益を上げられるわけでない
- 相場の急激な変動によって、思わぬ大きな損失が生じるリスクがある
このため、適切なEAを選択し、損失リスクにも備えた上で、自動売買を始めることが重要なのです。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
- 海外FXの自動売買とは
- 海外FXの自動売買プログラム(EA)の種類
- 海外FXの自動売買が向いている人・向いてない人
- 海外FXの自動売買の始め方
- 海外FXで自動売買を行うメリット・デメリット
- 優秀なEA(自動売買ツール)の見極め方
- 初心者はまず無料のEAを少額で試すのがおすすめ
この記事を読めば、あなたも海外FXの自動売買を安全に始めることができるようになりますよ。
気になり始めた方も、早速試してみたい方もぜひご覧ください。
目次
1.海外FXの自動売買とは
まずは海外FXの自動売買について、以下の基本的な情報を解説してきましょう。
一つずつ解説します。
1-1.海外FXの自動売買とはプログラムを用いて自動で取引する手法
冒頭でもお伝えした通り、海外FXの自動売買とは、様々な自動売買プログラム(EA)を駆使して、トレーダーの手を介さずに自動でFXトレードを行う取引手法の一つです。
あらかじめEA(エキスパートアドバイザー)をセットし、このプログラムに取引を任せることで、トレーダー自身は自ら取引を行う必要はなく、FXトレードの収益を積み重ねることができます。
つまり自動売買なら、トレーダーに必要なトレードのテクニックは一切必要なくなります。
自分で何もしなくても勝手に資産が増えていくわけですから、トレーダーにとっては夢のような仕組みであると言えますね。
しかし、全てがそう簡単にうまくいくわけではありません。実際には、
- どのようなEAを選ぶか
- EAにどのような取引の指示(設定)を行うか
によって、トレーダーの損益は大きく変わってきます。
つまり、トレーダーはトレードを行う時間も技術も必要なくなる代わりに、EAをうまく取り扱うための別の技術や知識が必要になるということを理解しましょう。
1-2.売買プログラムは無数にあり状況に応じて使い分ける必要がある
自動売買で儲けるために重要なのは、複数のEAを状況に応じて使い分けることです。
EA自体は無数にあり、それぞれに性格や長所、短所があるため、同じEAが常に利益を上げられるわけではありません。
例えば、
- レンジ相場に適している
- 乱高下する相場で利益を上げやすい
などの性格があり、取引の状況に応じて適切なEAを選択することが重要です。
もちろん、同じEAでも設定次第で大きな利益を得ることも可能ですが、同時に損失を被る可能性もあります。
このため、安定的に儲けるためには、常に複数のEAを同時運用し、為替市場の動向を予測して設定を変更したり、稼働するEAを交換したりする必要があるのです。
【Point!EAによる自動取引は「監督」業だと考えよう】 EAを利用して行う海外FXの自動売買は、サッカーや野球のチームを率いる監督業にも似ています。 トレーダーは監督で、EA(自動売買プログラム)はプレイヤーです。トレーダーはEAにうまく指示を出して活用する必要があります。自分で手を下していなかったとしても、その成績の責任はトレーダーにあるのです。 このため、トレーダーはEAの特徴を正しく把握し、適材適所でEAを使い分けて活用することが求められるというイメージで考えてみてください。 |
2.海外FXの自動売買プログラム(EA)4つの種類
海外FXの自動売買プログラム(EA)は、大きく以下の4種類に分けられます。
これらの種類は、基本的に取引手法が異なるため、それぞれにあるメリットやデメリットも把握して自分に合ったものを選ぶようにしてください。
一つずつ見ていきましょう。
2-1.リピート型
リピート型は、一定の条件に基づいて同じ売買を繰り返すプログラムが設定されたEAです。
【リピート型の特徴】 ・設定が簡単で初心者でも扱いやすい ・レンジ相場に強い |
例えば、以下のように、あらかじめ指定された条件に従って自動的に売買を繰り返します。
- ドルが150円を超えたら売り、149円以下になったら買う
- 直近の高値から1円下がったら売り、一定の価格に戻したら買い戻す
このように、基本的に同じ取引を延々と繰り返すため、価格が一定の幅を繰り返すレンジ相場に強いのが特徴です。
FXは相場の7割がレンジ相場であると言われているため、リピート型は相対的にも利益を上げやすいEAと言えるでしょう。
また、売買価格や値幅を設定するだけで利用でき、設定も簡単なため、自動売買初心者におすすめです。
代表的なリピート型のEAは「トラリピ」というものがあるので、気になった方はぜひ以下の記事を詳しくご覧ください。
参考記事:海外FXでトラリピを活用する5つのメリット|トラリピがおすすめな人
2-2.ストラテジー選択型
ストラテジー選択型は、あらかじめ専門家によって用意された、トレードの戦略(ストラテジー)が実装されたEAです。
【ストラテジー選択型の特徴】 ・複雑な設定が不要なため初心者でも簡単に利用できる ・EAによって得意な相場環境が異なる |
このEAは、実際には複雑なストラテジーが用意されていますが、トレーダーはこれらを選択するだけで楽に利用できます。複雑な設定が不要なため、初心者でも簡単に利用できるのが特徴です。
ただし、ストラテジー選択型EAは、レンジ相場に強いものや、上昇・下降局面に強いものなど、得意な相場環境が大きく異なります。
このため、相場の状況に応じてEAを適切に選択して使い分けるのが、利益を上げる上でのコツです。このあたりの判断は、慣れてみないとわからない部分もあるでしょう。
2-3.設定型
設定型は、トレーダーが自ら売買のプログラムを細かく設定してトレードを行うEAです。
【設定型の特徴】 ・カスタマイズの幅が広く、トレーダーが売買プログラムを自由に設定できる ・FXトレードに関わる深い知識が必要となるため、上級者向け |
設定型のEAは、リピート型やストラテジー選択型に比べて、設定項目が多く、トレーダーがカスタマイズできるため取引の自由度が高いという特徴があります。
自分の取引スタイルに合わせて、細かい設定の調整ができるのは大きなメリットと言えますが、使いこなすためにはFXトレードに関わる深い知識が必要になります。
このため、設定型はFXトレード初心者には扱いが難しく、上級者向けの自動売買プログラムであると言えるでしょう。
2-4.コピートレード
コピートレードは、プログラムによる売買ではなく、実際に取引しているプロのトレードをそのままコピーして自動的に取引する手法です。(「ミラートレード」とも呼ばれます。)
トレーダーが自分で取引を行わない「自動売買」に含まれるため、ここでご紹介します。
【コピートレードの特徴】 ・プロトレーダーの取引をそのまま実践できる ・FXトレードに関わる深い知識が必要なため、上級者向け |
コピートレードの場合、実際に取引を行うのは経験豊富なプロトレーダーです。そのため、海外FXの全くの初心者でも、高度な分析やテクニックを駆使したプロのトレードをそのまま再現できるという大きなメリットを得られます。
ただし、コピートレードによって利益が生じた場合、その一部が実際にトレードを行なっているプロトレーダーに支払われるため、取引の都度、手数料が発生するという点はデメリットとして覚えておきましょう。
3.海外FXの自動売買に向いている人・向いてない人の特徴
海外FXの自動売買は、自分で取引を行わなくてもよくなるのが魅力的ですが、誰でも稼げる万能ツールではありません。
実際には、目指す取引のスタイルによって、自動売買が向いている人、向いていない人に分かれます。
海外FXFXの自動売買が向いている人 | 海外FXFXの自動売買が向いていない人 |
・取引に十分な時間が取れない人 ・取引結果に一喜一憂してしまう人 | ・長期トレードを行いたい人 ・プロトレーダーを目指す人 |
海外FXの自動売買は、特にサラリーマンなど、本職を持ち、FX取引に時間を十分に確保できない方には最適な取引手法と言えるでしょう。
また、取引の損益に一喜一憂してしまい、冷静に取引するのが難しいという方にもおすすめです。
これらの方々は、取引時間がかからず、取引を自分で行わないという自動売買の長所をうまく生かすことができる可能性が高いです。
一方で、スイングトレードやポジショントレードのように、同じポジションを数週間、数ヶ月と、長期間持ち続ける取引スタイルを持つ方には向いていません。
これらの取引は、同じポジションを長期にわたって保有し、取引回数自体が少なくなります。そのため、自動売買を活かしにくいのです。
また、プロトレーダーを目指す人にとっても、自動売買はあまり有効な手法ではありません。プロトレーダーとしての成長には、実際の取引経験が極めて重要です。自動売買では取引を自ら体験することができないため、プロトレーダーを目指す方には適していないと言えます。
このような特徴にあてはまる方は、自分が海外FX取引において自動売買にするべきかどうか、いまいちど考えてみてください。
4.海外FXで自動売買を始めるまでの4つのステップ
海外FXで自動売買取引を始める場合は、以下の4つのステップに沿って用意しましょう。
基本的には、海外FXの取引経験がない方でも、自動売買取引は簡単に始められます。
一つずつ順に確認していきましょう。
4-1.【ステップ1】海外FX業者の口座開設を行う
まずは、自動売買を行うために、海外FX業者に口座開設を行います。
この際に、自動売買を行うなら約定力が高くスプレッドが狭い海外FX業者がおすすめです。
EAは条件さえ整えば、何度でも同じ取引を高速かつ機械的に繰り返し、利益を積み重ねることができます。そのように多数の取引で利益を上げるためには、価格が滑らない取引環境と、都度の取引で利益を上げやすい環境が必要です。
そのため、約定力が高くスプレッドの狭い海外FX業者が適しています。
この点を考慮した結果、おすすめする口座は以下の3つです。
- AXIORY ナノ口座
- XM Trading KIWAMI口座
- TITAN FX ブレード口座
これらの業者は、約定力に定評があり、スプレッドの狭さでも他の業者に比べて優れています。
それぞれの業者について、以下の記事でも詳しく解説しているので、口座選びの参考にしてみてください。
参考記事:
AXIORYの評判は?口コミ調査で判明したリアルな評判を徹底解説
タイタンFX|初心者向けにメリット・デメリットまで全てを網羅解説
XMのKIWAMI極口座|知らないともったいない5つのメリット
4-2.【ステップ2】VPSサーバーを用意する
次に、VPSサーバーを用意します。
自動売買プログラム(EA)による取引では、海外FXの取引ツールであるMT4またはMT5を、24時間連続稼働する必要があります。
しかし、実際に自分のパソコンをサーバーのように24時間連続稼働するのは大変ですよね。そこで重要になるのが、VPSサーバーです。
【VPSサーバーとは?】 VPSサーバー(Virtual Private Server バーチャルプライベートサーバー)とは、個人用の仮装サーバーのことを言います。FXトレードでは、24時間稼働が可能な仮想のデスクトップとして利用することができます。 MT4やMT5をVPSに導入することで、24時間休みなく自動取引を行うことが可能になります。 |
VPSサーバーを用意するのであれば、通常は別途VPSサーバーのサービスを契約する必要がありますが、海外FX業者がVPSサーバーを提供している場合もあります。
さらに、一部の業者では特定の条件を満たせば無料で利用できることもあります。
【VPSサーバーの2つの選択肢】
特徴・料金の目安 | |
①有料のVPSを契約する | ・FX用のVPSサービスを契約する ・月額2,000円〜3,000円程度が一般的 |
②海外FX業者が提供しているVPSを利用する | ・XMなど海外FX業者が提供しているVPSを利用する ・利用頻度や口座残高に応じて無料で利用できることもある |
例えば、XMの場合、有効証拠金5,000ドル以上の入金および月50万通貨以上の取引がある場合、VPSサービスを無料で利用できますよ。(2024年4月現在)
参考:XMTradingの無料VPS
4-3.【ステップ3】自動売買プログラム(EA)を入手する
次に、自動売買プログラムであるEA(エキスパートアドバイザー)を入手します。
EAは、様々なウェブサイトで配布や販売が行われており、これらの中から自分の取引スタイルに適したEAを選んでダウンロードします。
EAには無料のものから有料のものまでさざまな種類があり、中には高額な金額で販売されているものもあります。
初心者の方は、まず無料のEAを利用して自動売買を体験してみることをおすすめします。そこで、以下におすすめのダウンロードサイトを2つ紹介しましょう。
4-3-1.EAダウンロードサイト①「TRADERS-pro」
出典:TRADERS-pro
TRADERS-pro(トレイダーズプロ)は、200種類以上の無料EAをダウンロードできる会員制のサイトです。会員になる前から人気ランキングやEA一覧を見ることができるので、どんなEAがダウンロードできるか一度ご覧になってみると良いでしょう。
一般的なダウンロードサイトでは、無料でダウンロードできる代わりに特定のFX口座開設が必要となる場合があります。しかし、TRADERS-proでは7つの有名な海外FX業者から選ぶことができるため、ハードルが低くなっています。
XMやTitanFXなどの口座を開設し、口座に1,000ドルまたは10万円を入金すれば、無料EAをダウンロードして利用することができます。「まずはEAを試してみたい」という方におすすめです。
特徴・料金の目安 | |
EA(自動売買ソフト)の数 | 200種類以上 |
利用するための条件 | ①下記のいずれかの海外FX業者の口座開設 XMTrading・TitanFX・Traderstrust・Tradeview・MyFX Markets・Bigboss・FXDD ②口座に1,000ドルまたは10万円を入金 |
4-3-2.EAダウンロードサイト②「EA-BANK」
出典:EA-BANK
EA-BANKは、MT4のEAソフトを無料で使い放題できる会員制のサイトです。EA-BANK経由で8種類のいずれかの海外FX業者の口座を開設し、10万円または1,000ドルを入金することで、EAをダウンロードできます。
2024年4月現在で、91種類の無料EAをダウンロード可能です。登録していなくてもEA一覧から各EAの特徴や成績を見ることが可能なので、ぜひ確認してみてください。
特徴・料金の目安 | |
EA(自動売買ソフト)の数 | 91種類 |
利用するための条件 | ①下記のいずれかの海外FX業者の口座開設 TitanFX・Tradeview・Traderstrust・XMTrading・Bigboss・MyFX Markets・is6FX ②10万円または1,000ドルを入金 |
4-4.【ステップ4】EAをMT4・MT5に設定し稼働させる
次に、EAをVPSサーバー上に設置したMT4・MT5に設定します。設定自体はとても簡単です。
MT4へEAを設定する手順で解説しましょう。
4-4-1.EAを設定する
まず、MT4を起動して、「ファイル」タブから「データフォルダを開く」をクリックします。
次にデータフォルダに表示された「MQL4」をクリックします。
次画面で「Experts」フォルダをクリックします。
Expartsフォルダが開いたら、このフォルダの中にダウンロードしたEAをコピーしましょう。
EAのダウンロード、インストールが終わったら、MT4上部の「ツール」タブから「オプション」をクリックします。
以下のようなオプションの画面が表示されます。
この画面で、
①「エキスパートアドバイザ」タブをクリック ②「自動売買を許可する」をチェック ③「DLLの使用を許可する」 ④「OK」ボタンをクリック |
の順で設定を行なってください。
次に、MT4の右に表示されているナビゲーター画面の中にある「エキスパートアドバイザ」に、インストールしたEAが表示されていることを確認し、これをクリックします。
インストールしたEAがない場合は、エキスパートアドバイザ を右クリックし、「更新」 を選択してください。
4-4-2.EAを稼働させる
まず、MT4画面上に取引したい通貨ペアのチャートを表示します。
チャートの表示を確認したら、エキスパートアドバイザの中にEAをクリックしてください。
EAをクリックすると、パラメーターの入力画面が表示されます。
パラメーター画面の内容は、基本的にはデフォルト設定が推奨設定になっており、そのまま利用することができます。
これらの設定を確認しOKをクリックすれば、自動売買がスタートします。
5.海外FXで自動売買を行う3つのメリット
自動売買をするかどうか迷う場合は、これまで説明したように、無料で実際に試してみるのが確実ですが、ここからは実際の検討ポイントをお伝えします。
海外FXの自動売買は、まずは主に以下3つの点で大きなメリットを期待できます。
一つずつ解説しましょう。
5-1.取引に時間を取られない
海外FXの自動売買の最大のメリットは、取引のために時間を取られなくなることです。
通常、海外FXトレードをトレーダーが自ら行う場合、どうしてもトレードに多くの時間を割かなければなりません。
例えば、数十秒単位のトレードを繰り返すスキャルピングなどの超短期トレードでは、トレーダーは1日中チャートを見つめ続ける必要があります。
しかし、サラリーマンの方など、取引時間を十分に確保できない人々にとって、これは難しいことです。
自動売買では、これらの問題が解消されます。取引が完全に自動化されているため、取引時間に拘束されることはなくなります。また、自動売買は24時間連続で取引が可能なため、トレーダーが疲労することもなくなります。
自動売買なら、どんなに忙しい方でも海外FXトレードを思う存分に行うことができるのです。この点は、トレーダーの自己取引では絶対に実現できない大きな魅力です。
5-2.トレーダーの感情に左右されずにFX取引ができる
自動売買の利点としてもう一つ挙げられるのは、取引が機械的に行われ、感情に左右されないことです。そのため、不用意な損失が生じにくくなります。
海外FXトレードは、常に冷静な判断が求められるものです。中でも特に難しいのが損切りの局面でしょう。
実際のトレードでは、損失が拡大して、損切りのラインを超えて価格が上昇・下降した局面でも、「取引で損をするのが怖い……」「もう少ししたら価格が戻るかも」といった気持ちから、損切りの確定を躊躇してしまうケースが多くあります。
そして、これが海外FXトレードにおける損失拡大の最大の原因になります。
自動取引ではこうした感情が生じません。つまり、自動取引を利用すれば、誰もが常に冷静に取引し、利益を合理的に追求することができるのです。
5-3.トレードの知識や経験がない人でも利益を上げることができる
自動売買のさらにもう一つの大きなメリットは、FXトレードの取引経験が不要であるため、FX初心者でも利益を上げることができる点です。
実際にFXトレードで安定的に利益を上げるには、チャートの分析を行い、ローソク足の動きから価格変動を見極める取引経験が必要です。初心者の場合、これらのスキルを習得することが難しいとされています。
しかし自動売買では、トレーダーが自ら取引を行うわけではないため、実際の取引経験は必要ありません。
ただし、「1-2.売買プログラムは無数にあり状況に応じて使い分ける必要がある」でもお伝えした通り、EAで利益を上げるには、EAを扱う知識とセンスが必要になるという点は念頭に置いておきましょう。
6.海外FXの自動売買で知っておくべき3つのデメリット
海外FXの自動売買を行う場合、デメリットも把握しておきましょう。
特に、以下の3つの点は、あらかじめ知っておくことで、トラブルにも冷静に対処しやすくなるでしょう。
一つずつ確認していきます。
6-1.突発的な価格変動で損失を出すリスクがある
EAは基本的に、平時での取引を想定しているため、突然の大きな値動きには対処が難しいというデメリットがあります。
政治経済に関わる有事や、予想せぬ経済ニュースの発表などによって市場が急変した場合、大きな損失を被るリスクがあります。
【Point! 急激な価格変動に備えることが大切】 自動売買を行う場合、相場の急変リスクを想定して取引を行いましょう。 例えば、 ・重要な指標発表前にはあらかじめEAを止めておく ・ロスカットが発動されても損失が拡大しないように、複数の口座を利用して取引を行う など、市場が急変した際に最低限の損失で乗り切るための準備をきちんとしておくことが大切です。 |
6-2.EAの購入や利用にお金がかかる
自動売買プログラム(EA)は、無料で提供されるものも多いですが、有料のEAも多く存在し、これらを利用する場合は初期投資が必要です。
有料のEAの価格は一般的に1万円〜5万円程度ですが、高額なものでは10万円を超えるEAもあります。しかし、高額であるからといって必ずしも稼げる保証はなく、中には詐欺EAも存在します。
※Twitterなどでは「稼げるEAあります!」といった情報が溢れていますが、詐欺サイトも多く存在し、高額な有料EAを直ちに購入することは推奨されません。
他にも、コピートレードの場合、利益が出た場合には成功報酬を数%〜数十%支払う必要があります。
こうしたEAの選定は難しいため、無料のEAでは満足できなくなった方にとって金額はネックになるでしょう。
6-3.優秀な自動売買ツールを見つけるのが大変
お伝えしてきたように、EAには多種多様なものがあり、その中から優れたEAを見極めることはなかなか困難です。
さらに、EAは上昇相場で利益を上げやすいものや、レンジ相場に適したものなど、それぞれ特性が異なります。したがって、利用する相場状況に応じて適切なEAを選ぶ必要があります。
良いEAを見つけたとしても、ある日突然勝てなくなる可能性もあります。
全ての状況に対応できる汎用的な自動売買プログラムは存在しないことは前提の上で、あなたに合った優秀な自動売買ツールを見つけるのが大変ということは覚悟しておきましょう。
7.優秀なEA(自動売買プログラム)を見極める4つの方法
前章でお伝えしたように、EAは無料で提供されるものから高額で販売されるものまで様々であり、優れたEAを見つけることは容易ではありません。
このような状況で、優れたEAを見極めるためには、特に以下の4つの方法を実践することが重要です。
もちろん、これらの方法を遵守しても必ずしも利益を保証するものではありません。しかし、これらの方法から得られるポイントを基準にすることで、利益を得る可能性を格段に高められます。
一つずつ確認していきましょう。
7-1.バックテスト・フォワードテストで成績を確認する
EAを選ぶ際に、まず確認しておきたいのが、バックテストとフォワードテストの結果です。
【バックテストとは?】 過去の一定期間チャートを用いて、その期間中にEAが利益を上げられたかどうかを検証するテスト 【フォワードテストとは?】 EAを実際にデモ口座やリアル口座で稼働させ、その成績を検証するテスト |
気になるEAがあった場合、まずバックテストで、過去の一定期間に利益を上げられたかどうかを確認します。
その後、良い成績が確認できた場合、さらにデモ口座や少額のリアル口座を使用して、1週間ほどEAを稼働させて成績を確認しましょう。
このプロセスを経て、あなたが望む成績を残すことができていれば、本格的な運用を検討してもいいでしょう。
7-2.PF(プロフィットファクター)を見極める
自動売買ソフトを選ぶ際には、プロフィットファクターを計算して見極めることも重要です。
【PF(プロフィットファクター)とは?】 プロフィットファクターとは、自動売買のこれまでの総利益と総損失の割合を、以下の計算式で割り出したものです。 プロフィットファクター(PF)= 総利益 ÷ 総損失 PFの数値なら1以上であれば、そのEAは利益が出ている状態であることを示します。 |
例えば、総利益が150万円で総損失が100万円であれば、
150万円 ÷ 100万円 = 1.5
となり、PFは1.5です。この数値は1.3以上が望ましいとされています。
7-3.最大ドローダウンが小さいEAを探す
最大ドローダウンも、EAを選ぶ際の指標として有効です。
【最大ドローダウンとは?】 最大ドローダウンとは、EAを運用し始めた初期の資産と、損失によって資産が減少し、最も落ち込んだ時点の資産の価格を比べて算出する数値です。 バックテストの結果から算出することができ、この割合が大きければ大きいほど、EAはリスクが高い取引を行なっているとされます。 |
例えば、資産100万円で一定期間のバックテストを行い、テスト中に資産が80万円まで減ったとしましょう。
この場合、資産は100万円から80万円となって2割減なので、最大ドローダウンは20%となります。
最大ドローダウンは10%程度以下であれば良好なEAと言えるでしょう。
7-4.総取引数が多く勝率が高いEAを選ぶ
バックテストを行い、取引数が十分であるかどうか、また取引の勝率が高いかどうかについても確認しましょう。
実際には、1年程度の期間でのバックテストを行い、総取引回数が100回、勝率6割以上のEAを選ぶことをおすすめします。
反対に、どちらかの値が低いEAは以下の理由からおすすめできません。
- 勝率を示す結果の信憑性が低い可能性がある
- 取引回数が少ない場合、勝率が高くても利益が少ない可能性がある
このため、総取引数と勝率の両方がバランスの取れた数値であることが重要です。
8.初心者はまず無料のEAを少額で試すのがおすすめ
ここまで読んで、「これから海外FXで自動売買を始めたい」と考えた方は、まず無料のEAを試すことから始めることをおすすめします。
インターネット上には無数のEAが出回っており、中には非常に高額なEAも存在します。しかし、高額なEAであったとしても、必ずしも高い利益を得られるとは限りません。
また、詐欺サイトもあるため、初めから高価なEAを購入することにはリスクが伴います。
その上で、初心者が最初からEAを用いて高額な取引を行うことにも慎重になるべきなのです。
バックテストで成績が良くても、実際に利益を上げられるかどうかは別の問題です。これまで良い成績を収めていたEAでも、相場環境の変化によって利益を得られなくなることがあります。
このため、まずは少額の取引でしばらく様子を見つつ、そのEAの特性を理解していくと良いでしょう。
十分な時間をかけてEAを検証し、信頼できるEAであると確信が持てたら、徐々に取引の規模を拡大していきましょう。
有料のEAを試すのは、その後でも遅くありません。
まとめ
この記事では、海外FXの自動売買について詳しく解説しました。
海外FXの自動売買とは、様々な売買プログラム(EA)を用いて、トレーダーの手を介さずに自動でFXトレードを行う取引手法の一つです。
EA(自動売買プログラム)を事前にセットし、このプログラムに取引を任せることで、トレーダーは自ら取引を行う必要はなくなり、FXトレードの収益を積み重ねることができます。
自動売買プログラム(EA)には、大きく分けて4つの種類があります。
- リピート型
- ストラテジー選択型
- 設定型
- コピートレード
自動売買を始める場合は、以下の4つのステップに沿って準備をしましょう。
ステップ1:海外FX業者の口座開設を行う ステップ2:VPSサーバーを用意する ステップ3:自動売買プログラム(EA)を入手する ステップ4:EAをMT4・MT5に設定し稼働させる |
EAを選ぶ際には、優秀なEAを見極め、適切なタイミングで使用することが重要です。そのために、以下の4つの方法が役立ちます。
- バックテスト・フォワードテストで成績を確認する
- PF(プロフィットファクター)を見極める
- 最大ドローダウンが小さいEAを探す
- 総取引数が多く勝率が高いEAを選ぶ
自動売買初心者の方は、こららのポイントを踏まえて、まずは無料のEAを試すところから始めてみてください。
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