「海外FXでロットという言葉をよく聞くけど、これって何の単位?」
「海外FX初心者は、結局のところ何ロットから取引を始めればいいの?」
このような悩みを抱えていませんか?
「ロット(lot)」とは、取引通貨量をあらわす単位のことをいいます。
海外FXでは「1ロット=10万通貨」が基本ですが、中には例外もあり、「1ロット=1,000通貨」の口座タイプを用意している業者も存在します。
また、FX取引をする際は「どの通貨ペアを何ロット注文するのか」決めなければなりませんが、1ロットの通貨量や取引可能な最小ロット数・最大ロット数は口座タイプによって異なります。
そのため海外FXで取引をする際は、① 1ロットあたりの通貨量、② 取引最小ロット数、③ 取引最大ロット数を、必ず確認しなければなりません。
また、海外FXでは1度の取引でかなり多くの通貨量を取引できますが、初心者がいきなり大量の取引をするのは非常に危険です。
例えば、[米ドル/円]を10ロット取引した場合、1ドルあたりわずか1円の値下りで100万円の損失が発生してしまいます。
こういった事態を避けるためにはまず、まずは、口座に預託している資金の2%程度の通貨量から取引することをおすすめします。
取引ロット数が少なければ、損失を最小限にとどめられるからです。
では、主要な海外FX業者における取引最小ロット・最大ロットはどのようになっているのでしょうか。
また、特定のロット数取引する場合に必要な資金は、どのように算出すればいいのでしょうか。
この記事では、海外FXにおける「ロット」に関する下記のようなポイントについて、わかりやすくご説明します。
この記事のポイント |
・ 海外FXの「ロット」に関して知っておくべき基礎知識を解説 ・ 海外FX初心者は何ロットから取引を始めるべきなのか ・ 海外FXにおいて特定のロット数取引する場合に必要な資金の計算方法 ・ 予算をもとに海外FXで取引可能なロット数を計算する方法 ・ 海外FXで取引ロット数を増やす際に注意すべきポイント |
この記事を最後までお読みいただければ、海外FXで何ロット取引するのか、自信をもって決められるようになるでしょう。
目次
1.【基礎知識】海外FXの取引単位「ロット」とは
海外FXの「ロット(lot)」は、取引通貨量をあらわす単位です。
FX取引をする際は、「どの通貨ペアを何ロット注文するのか」、必ず決めなければなりません。
海外FXでは1ロット=10万通貨が基本ですが、口座タイプによっては1ロットあたりの通貨量が異なる場合があるため、取引をする口座のコントラクトサイズ(1ロットあたりの通貨量)を、正確に把握しておくことが大切です。
海外FXの「ロット」について理解するために必要な3つのポイント |
① 海外FXのロットとは取引通貨量をあらわす単位 ② 1ロット=10万通貨が基本だが、口座タイプによって異なる場合がある ③ 海外FX業者、口座タイプによって取引最大ロットと取引最小ロットが異なる |
上記3つのポイントさえ押さえておけば、海外FXのロットについて正しく理解できるはずです。
海外FXでの取引をスムーズに始めるためにも、ロットとは何なのか、詳しく見ていきましょう。
1-1.海外FXは1ロット=10万通貨が基本
冒頭でお伝えした通り、ロット(Lot)とは、海外FXにおける取引通貨量をあらわす単位です。
例えば、卵は10個で1パック、またビールであれば12本で1ダースと表現しますが、海外FXでもこれと同じように、まとまった通貨量を表す単位として「ロット(lot)」を利用します。
海外FXではほとんどの業者が、1lot = 100,000 通貨に設定しています。
1通貨は一般的な通貨の単位を表します。例えばドルであれば1通貨=1ドル、ユーロであれば1通貨=1ユーロです。
ドル円の取引を行う場合、1ロット=10万ドルとなります。
【注意】国内FXは「1ロット=1万通貨」が基本 海外FX業者が「1ロット=10万通貨」を基本としているのに対し、国内FX業者のほとんどは「1ロット=1万通貨」を基本としています。 そのため、国内FXの認識(1ロット=1万通貨)で海外FXでの取引をすると、取引したい通貨量の10倍の注文をしてしまうことになりかねません。 注文するロット数を誤ると大きな損失を被るリスクがありますので、国内FXの経験がある方が海外FXにチャレンジする場合は、注文するロット数に十分注意しましょう。 |
1-2.口座タイプによって1ロットの通貨量が異なる場合あり
海外FXでは「1ロット=10万通貨」が基本ですが、口座タイプによっては1ロットあたりの通貨量が異なる場合があるため、注意が必要です。
【各海外FX業者の口座タイプ別|1ロットあたりの通貨量一覧】
海外FX業者 | 口座タイプ | 1lotあたりの通貨量 |
XM | スタンダード口座 KIWAMI極口座 ゼロ口座 | 10万通貨 |
マイクロ口座 | 1,000通貨 | |
FBS | スタンダード口座 マイクロ口座 ゼロスプレッド口座 ECN口座 | 10万通貨 |
セント口座 | 1,000通貨 | |
AXIORY | スタンダード口座 マックス口座 | 10万通貨 |
TitanFX | スタンダード口座 ブレード口座 | 10万通貨 |
マイクロ口座 | 1,000通貨 | |
iFOREX | スタンダード口座 | 100,000通貨 |
IS6FX | スタンダード口座 プロゼロ口座 レバレッジ6666倍口座 EX口座 | 10万通貨 |
マイクロ口座 | 1,000通貨 |
主要な海外FXでいうと、XMのマイクロ口座、FBSのセント口座、TitanFXのマイクロ口座、IS6FXのマイクロ口座は1ロット=1,000通貨となっています。
これらの口座タイプを利用して取引する際は、注文するロット数を間違えないよう注意しましょう。
XMのマイクロ口座について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:XMのマイクロ口座を徹底解説|少額取引をしたい人におすすめの口座
1-3.海外FX業者別|取引最小ロット・取引最大ロット一覧表
海外FX業者では、一度の取引で注文可能な最小ロット数と最大ロット数が、口座タイプごとに決められています。
下表は、海外FX業者における取引最小ロットと最大ロットを、口座タイプ別にまとめたものです。
【海外FX業者別|取引最大ロット・最小ロット一覧表】
海外FX業者 | 口座タイプ | 取引最小ロット数 | 取引最大ロット数 |
XM | スタンダード口座 | 0.01lot (1,000通貨) | 50lot (500万通貨) |
KIWAMI極口座 | 0.01lot (1,000通貨) | 50lot (500万通貨) | |
ゼロ口座 | 0.01lot (1,000通貨) | 50lot (500万通貨) | |
マイクロ口座 (1ロット=1,000通貨) | 0.01lot(MT4)/0.1lot(MT5) (10通貨/100通貨) | 100lot (10万通貨) | |
FBS | スタンダード口座 | 0.01lot (1,000通貨) | 500lot (5,000万通貨) |
マイクロ口座 | 0.01lot (1,000通貨) | 500lot (5,000万通貨) | |
ゼロスプレッド口座 | 0.01lot (1,000通貨) | 500lot (5,000万通貨) | |
ECN口座 | 0.1lot (1万通貨) | 無制限 | |
セント口座 (1ロット=1,000通貨) | 0.01lot (10通貨) | 1,000lot (1万通貨) | |
AXIORY | スタンダード口座 | 0.01lot (1万通貨) | 1,000lot (1億通貨) |
マックス口座 | 0.01lot (1万通貨) | 1,000lot (1億通貨) | |
TitanFX | スタンダード口座 | 0.01lot (1万通貨) | 100lot (1,000万通貨) |
ブレード口座 | 0.01lot (1万通貨) | 100lot (1,000万通貨) | |
マイクロ口座 (1ロット=1,000通貨) | 0.1lot (100通貨) | 100lot (1,000万通貨) | |
iFOREX | スタンダード口座 | 0.01lot (1万通貨) | 50lot (500万通貨) |
IS6FX | スタンダード口座 | 0.01lot (1万通貨) | 30lot (300万通貨) |
プロゼロ口座 | 0.01lot (1万通貨) | 50lot (500万通貨) | |
レバレッジ6666倍口座 | 0.01lot (1万通貨) | 30lot (300万通貨) | |
EX口座 | 0.01lot (1万通貨) | 30lot (300万通貨) | |
マイクロ口座 (1ロット=1,000通貨) | 0.05lot (50通貨) | 100lot (1,000万通貨) |
※記載がないものについては、1ロット=10万通貨。
※2024年4月時点。
上の表を見ると、ほとんどの海外FX業者が取引最小ロットを「0.01lot」としていることがわかります。
ただし、一部例外はありますので取引をする前に必ず確認しましょう。
また、1ロットあたりの通貨量が異なれば、取引通貨量も当然異なります。
例えば、XMではスタンダード口座・マイクロ口座ともに取引最小ロットを「0.01ロット」としていますが、1ロットあたりの通貨量が異なるため、同じロット数でも実際に取引をする通貨量には下記のような違いが生じます。
【口座タイプ別|XMにおける各ロット数あたりの通貨量】
口座タイプ | 1ロットあたりの通貨量 | 0.01ロット取引する場合の通貨量 |
スタンダード口座 | 10万通貨 | 1,000通貨 |
マイクロ口座 | 1,000通貨 | 10通貨 |
また、取引最大ロット数は、海外FX業者によってはもちろん、同じ業者であっても口座タイプによって大きく異なります。
取引するロット数と通貨量を正確に把握することは、FXの基本です。
勘違いによる損失を避けるためにも、海外FXで取引をする際は、
① 1ロットあたりの通貨量
② 1回の取引で注文可能なロット数
上記2点を必ず確認しましょう。
2.【海外FX初心者向け】安全に取引するためのロット数はどのくらい?
海外FX初心者の中には、「最初は何ロットくらいから取引を始めればいいのだろうか」と悩む方が少なくありません。
最初から多くのロット数を注文するのは不安ですし、なにより、”莫大な損失によりFX市場から一発退場”といった事態だけは絶対に避けたいですよね。
海外FXで資金をショートさせないためには、少ないロット数で取引することをおすすめします。
では、「少ないロット数」とは具体的に何ロットなのでしょうか。
また、小ロット取引をする場合、どのような海外FX口座を利用すればいいのでしょうか。
自信をもって海外FXでの取引を始めるためにも、これら2つの疑問点について1つずつ解決していきましょう。
2-1.海外FX初心者におすすめの取引通貨量は投資資金×2%
海外FXでの取引に慣れるまでの間は、ロット数を少なく抑えましょう。
具体的には、【投資資金×2%】にあたる通貨量をおすすめします。
例えば、口座に投資資金が100万円ある場合、その2%にあたる2万通貨を取引する、というイメージです。
1ロット=10万通貨の口座を利用するのであれば、0.2ロット取引する形になります。
トレードの損益は、[ロット数(取引通貨量)×為替差損益]によって決まります。
そのため、取引ロット数を少なく抑えれば、トレードによる損失を安く抑えられます。
具体的に、シミュレーションしてみましょう。
【シミュレーション】口座資金100万円で[米ドル/円]を0.2ロット取引する場合
【試算条件】 ・ レバレッジ…1倍 ・ 取引通貨量…0.2ロット(2万通貨) ・ 1ドル=150円として試算 |
上の条件で[米ドル/円]の取引をする場合、1回の取引で100pipsのマイナス(1ドルあたり1円の損失)が生じたとしても、損失は2万円です。
そうすると、口座資金を失うにはこの取引を繰り返して50連敗しなければなりませんが、そんなことは現実的に考えてまず起こらないでしょう。
【シミュレーション】口座資金100万円で[米ドル/円]を1ロット取引する場合
【試算条件】 ・ レバレッジ…1倍 ・ 取引通貨量…1ロット(1万通貨) ・ 1ドル=150円として試算 |
上の条件で[米ドル/円]の取引をする場合、1回の取引で100pipsのマイナスが生じると、被る損失は10万円です。
すると、取引に10連敗した時点で全ての口座資金を失ってしまいます。
このようにFXでは、1回の取引量を少なく抑えることで損失を最小限にとどめ、大切な投資資金を守ることができます。
資金に余裕がない方は特に、小ロットでの取引から始めましょう。
少額からFXを始める方法について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:FXは少額から取引可能!初心者におすすめの理由と注意点を解説
2-2.おすすめ!小ロットから取引できる海外FX業者
FX初心者の方はもちろん、資金にあまり余裕がない方には、小ロットから取引できる下記3つの海外FX口座をおすすめします。
① XM「マイクロ口座」
出典:XM公式ページ
海外FXでは1ロット=10万通貨が基本ですが、XMのマイクロ口座は1ロット=1,000通貨となっています。
この口座タイプの取引最小ロットは0.01ロットですので、10通貨から取引可能です。
【XM「マイクロ口座」の主な特徴】
1lotあたりの通貨量 | 1,000通貨 |
取引最小ロット | 0.01lot(10通貨) |
最低入金額 | 5ドル |
最大レバレッジ | 1,000倍 |
※MT5を利用する場合の取引最小ロットは0.1ロット(100通貨)
口座への最低入金額も5ドル(約750円)とかなり少額の設定になっていますので、投資資金にあまり余裕がない方でも、気軽に海外FXを始められるでしょう。
ただし、10通貨から取引できるのは、MT4を利用するユーザーに限られます。
MT5を利用する場合は0.1ロット(100通貨)からの取引になりますので、どうしても少ない通貨量で取引したい方は後述する2つの口座タイプをご検討ください。
XMは日本語サポートが手厚いことでも人気の海外FX業者ですので、初心者の方でも安心してご利用いただけます。
② FBSセント口座
出典:FBS公式サイト
FBSのセント口座も、コントラクトサイズが1ロット=1,000通貨となっており、最小0.01ロット(10通貨)から取引を始められます。
最低入金額はXMのマイクロ口座よりもさらに少ない1ドルとなっていますので、最低150円入金すれば取引を始められるのも魅力的なポイントです。
【FBS「セント口座」の主な特徴】
1lotあたりの通貨量 | 1,000通貨 |
最小取引ロット | 0.01 lot (10 通貨) |
最小入金額 | 1ドル |
最大レバレッジ | 1,000倍 |
最大レバレッジ3,000倍で取引できる他の口座タイプと比較すると多少見劣りしますが、セント口座でも最大1,000倍での取引が可能ですので、大きな問題はないでしょう。
ただ、FBSの公式HPには日本語が不自然な部分が多く、トラブル時にスムーズなコミュニケーションを取れるかどうか、不安に感じるかもしれません。
とはいえ、FBSには日本人スタッフが在籍していますし、日本語によるライブチャットやメールにも対応していますので、そこまで神経質に考える必要はないでしょう。
③ IS6FX「マイクロ口座」
出典:IS6FX公式ページ
上記2つの口座タイプほどではありませんが、IS6FXの「マイクロ口座」も、小ロットから取引できることで人気の口座タイプです。
この口座のコントラクトサイズは1ロット=1,000通貨で、最小0.05ロット(50通貨)からFX取引を始められます。
【IS6FX「マイクロ口座」の主な特徴】
1lotあたりの通貨量 | 1,000通貨 |
最小取引ロット | 0.05 lot(50 通貨) |
最小入金額 | 50ドル |
レバレッジ倍率 | 1000倍(口座残高$20,000以下の場合) |
最大レバレッジも1,000倍と十分な値ですし、365日24時間日本語チャット対応で、困ったことがあればすぐに日本語で質問できるのも嬉しいポイントです。
ただし、この口座タイプはボーナス付与の対象外であり、スプレッドの他の口座タイプに比べてやや広いため、これらの点について考慮したうえで利用するかどうか判断しましょう。
海外FX業者の選び方について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:
【海外FX】初心者が知るべきメリット・デメリットと業者の選び方
おすすめ海外FX15選!プロから初心者まで使える業者を徹底比較
3.海外FXで〇〇ロット取引する場合に必要な資金の計算方法
海外FXで取引する場合に必要な証拠金(資金)は、下記計算式で簡単に算出できます。
上記計算式を用いて、実際に計算してみましょう。
例)[米ドル/円]をレバレッジ100倍で1ロット(10万通貨)取引する場合
1ドル=150として計算すると、この取引をする場合に必要な証拠金は15万円となります。
150円×1ロット(10万通貨)÷100=15万円 |
FX取引では、口座の証拠金維持率が約定の割合を下回ると、ロスカットが執行(ポジションの強制決済)されてしまいます。
そのためトレードをする際は、
① 口座に預託してある資金がいくらなのか
② 取引をするために必要な資金はいくらなのか
という2点について正確に把握し、 口座の証拠金維持率を高く保たなければなりません。
〇〇ロット取引する場合に必要な証拠金の計算方法について理解しておくと、資金的に無理のない取引をしやすくなりますので、ぜひ覚えておいてください。
XMが提供している計算ツールについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:XMの1ロット(通貨単位)はいくら?戦略構築に役立つ計算ツール
4.予算をもとに海外FXで取引可能なロット数を計算する方法
次は、投資資金をもとに何ロット取引できるのか、算出する方法について見ていきましょう。
口座にある資金から「どのくらいのロット数を取引できるのか」知りたい場合は、下記計算式を使います。
実際に、計算してみましょう。
例)10万円の資金で[米ドル/円]を何ロット取引できるのか知りたい
【試算条件】 ・ コントラクトサイズ…1ロット=10万通貨 ・ レバレッジ…100倍 ・ 為替レート…1ドル=150円 |
「3.海外FXで〇〇ロット取引する場合に必要な資金の計算方法」でご説明した計算式をもとに算出すると、[米ドル/円]をレバレッジ100倍で1ロット取引する場合に必要な資金は15万円です。
150円×1ロット(10万通貨)÷100=15万円 |
この計算結果をもとに、10万円の資金で[米ドル/円]を何ロット取引できるのか、計算してみましょう。
10万円÷15万円=0.67ロット |
今回のケースでは、最大0.67ロット取引できることがわかりました。
口座にある資金で何ロット取引できるのか算出できると、資金量に見合った取引量を決められます。
また、口座にある資金のうち「いくら使って」「何ロット取引するのか」、自分で算出できると、トレード戦略を練りやすくなります。
海外FXをする際は、
① 1ロット取引する場合に必要な資金
② 用意した資金で取引できるロット数
を算出し、取引戦略を立ててみてはいかがでしょうか。
5.海外FXで取引ロット数を増やす際に注意すべきポイント
小ロットでの取引に慣れてきたら、取引ロット数を少しずつ増やしていきましょう。
ただし、海外FXで取引ロット数を増やす際には、下記3つの点に注意する必要があります。
「取引ロット数を増やしたら想定外のことが起きて損をしてしまった」といったことがないよう、取引量を増やす際は何に注意しなければならないのか、詳しく見ていきましょう。
5-1.ロットを増やすと損失も増える
FX取引の損益は、取引ロット数に比例します。
ロット数を増やすと取引損失も増えますので、注意しましょう。
下表は、[米ドル/円]のトレードをした場合の損失額を取引ロット数別にまとめたものです。
【米ドル/円の取引で100pips(1ドルあたり1円)のマイナスが発生した場合の損失額】
取引ロット数 | 損失額 |
0.01ロット(1,000通貨) | 1,000円 |
0.1ロット(1万通貨) | 1万円 |
1ロット(10万通貨) | 10万円 |
※コントラクトサイズを1ロット=10万通貨として試算
同じ条件における取引でも、ロット数が増えるにつれて損失額が大きくなっていることがわかります。
一般に、1ロット(10万通貨)のFXトレードは、「ミドルリスク」に分類される取引です。
冷静かつ計画的な取引をしなければ、数十万、数百万円単位の損失につながるリスクもあります。
取引ロット数を増やす際は、いくら損失が発生した時点で損切りをするのか(損切りライン)、予め決めておきましょう。
■ 「2%ルール」を守って大きな損失を防ごう!
大きな損失を防ぐには、「2%ルール」の徹底をおすすめします。
これは、「自己資金の2%にあたる損失が発生した時点で損切りをする」というものです。
例えば、自己資金が10万円ある場合、その2%にあたる2,000円の損失が発生した時点で損切りをします。
この2%ルールを徹底すれば、大きな損失をだしてFX市場から一発退場、といった事態は防げるでしょう。
5-2.保有できるロット数とポジション数の上限に注意
海外FX業者では、口座タイプごとに保有できるポジション数に上限を儲けている場合があります。
保有ポジション数に上限がある場合、[保有最大ポジション数×1取引あたりの最大ロット数]が、その口座で保有できるポジション数の上限となります。
【海外FX業者別|取引最大ロット・最小ロット一覧表】
海外FX業者 | 口座タイプ | 保有最大ポジション数 | 保有最大ロット数 |
XM | スタンダード口座 | 200 | 1万lot (10億通貨) |
KIWAMI極口座 | 200 | 1万lot (10億通貨) | |
ゼロ口座 | 200 | 1万lot (10億通貨) | |
マイクロ口座 (1ロット=1,000通貨) | 200 | 2万lot (2,000万通貨) | |
FBS | スタンダード口座 | 200 | 10万lot (10億万通貨) |
マイクロ口座 | 200 | 10万lot (10億通貨) | |
ゼロスプレッド口座 | 200 | 10万lot (10億通貨) | |
ECN口座 | 無制限 | 無制限 | |
セント口座 (1ロット=1,000通貨) | 200 | 20万lot (2億通貨) | |
AXIORY | スタンダード口座 | 無制限 | 無制限 |
マックス口座 | 無制限 | 無制限 | |
TitanFX | スタンダード口座 | 200 | 2万lot (20億通貨) |
ブレード口座 | 200 | 2万lot (20億万通貨) | |
マイクロ口座 (1ロット=1,000通貨) | 200 | 2万lot (20億万通貨) | |
iFOREX | スタンダード口座 | 無制限 | 無制限 |
IS6FX | スタンダード口座 | 30 | 900lot (9,000万通貨) |
プロゼロ口座 | 50 | 1,500lot (1億5,000万通貨) | |
レバレッジ6666倍口座 | 30 | 900lot (9,000万通貨) | |
EX口座 | 30 | 900lot (9,000万通貨) | |
マイクロ口座 (1ロット=1,000通貨) | 100 | 3,000lot (300万通貨) |
※記載がないものについては、1ロット=10万通貨。
※2024年4月時点。
投資資金がよほど豊富にある方でない限り、保有最大ロット数ギリギリまで取引することはないでしょうが、取引前に年のため、口座タイプごとの最大保有ロット数を確認しておきましょう。
5-3.保有ロット数が増えるとレバレッジを制限される場合がある
海外FXの魅力であるハイレバレッジ取引ですが、保有ロット数が増えるとレバレッジを制限される場合があるため、注意が必要です。
というのも保有ロット数を増やすには、口座にそれなりの資金を預託しておかなければなりません。
保有中のポジションの含み益が増えれば、口座の有効証拠金はさらに増えるでしょう。
そうすると、口座の有効証拠金額に応じたレバレッジ制限に注意する必要がでてきます。
海外FX業者の中には、口座の有効証拠金に応じて最大レバレッジを制限しているところがあるからです。
【海外FX業者別|有効証拠金額に応じた最大レバレッジ制限の概要】
海外FX業者 | 有効証拠金 | 最大レバレッジ |
XM | 5ドル~4万ドル | 1,000倍 |
4万ドル超~8万ドル | 500倍 | |
8万ドル超~20万ドル | 200倍 | |
20万ドル超 | 100倍 | |
FBS | 1ドル~200ドル | 3,000倍 ※セント口座は1,000倍 |
200ドル超~2,000ドル | 2,000倍 ※セント口座は1,000倍 | |
2,000ドル超~3万ドル | 1,000倍 | |
3万ドル超~15万ドル | 500倍 | |
15万ドル超 | 200倍 | |
AXIORY | ~15万ドル | 400倍 |
15万ドル超~29万ドル | 300倍 | |
29万ドル超~43万ドル | 200倍 | |
43万ドル超~74万ドル | 100倍 | |
74万ドル超 | 50倍 | |
IS6FX | 2万ドル未満 | 1,000倍 |
2万ドル~5万ドル未満 | 500倍 | |
5万ドル~10万ドル未満 | 200倍 | |
10万ドル以上 | 100倍 |
※2024年4月時点。
FBSは最大3,000倍の超ハイレバレッジ取引ができることで人気の海外FX業者でが、口座の有効証拠金額が15万ドルを超えた時点で最大レバレッジが200倍に制限されてしまいます。
レバレッジ制限について知らないまま取引を始めると、「取引ロットを増やし、ハイレバ取引で勝負しようと思ったらレバレッジを制限されてしまって戦略が崩れた」といったことになりかねません。
海外FXで取引をする際は、有効証拠金額がいくら以上になるとどのくらいのレバレッジ制限を受けるのか、必ず確認しておきましょう。
海外FXのレバレッジについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考記事:
【徹底解説】FXのレバレッジとは?|絶対抑えておきたいFXの基本
FXのレバレッジ取引をするときの4つのリスクと回避方法を解説
FXのレバレッジ計算方法は?証拠金維持率や利益の計算も併せて解説
まとめ
「ロット(lot)」とは、取引通貨量の単位をあらわす用語です。
海外FXでは「1ロット=10万通貨」が基本ですが、口座タイプによっては1ロットあたりの通貨量が異なる場合がありますので、利用する口座のコントラクトサイズ(1ロットの価値)がいくらなのか、取引前に必ず確認しましょう。
取引可能な最小ロット数・最大ロット数は海外FX業者や口座タイプによって異なりますが、その範囲内であれば取引ロット数を自由に選べます。
ただし、海外FXでの取引に慣れるまでの間は、少ないロット数で取引することをおすすめします。
具体的には、口座に預託している投資資金×2%程度の通貨量がいいでしょう。
海外FXにおいて特定のロット数を取引する場合に必要な資金は、下記計算式を用いて簡単に算出できます。
口座にある資金のうち「いくらを使って」「何ロット取引するのか」算出できると、トレード戦略を立てやすくなります。
まずは、取引したい通貨ペアと予算をもとに、どのくらいのロット数を取引するか、検討することから始めてみてはいかがでしょうか。
そして、海外FXでの取引にある程度慣れてきたら、取引ロット数を少しずつ増やしていきましょう。
ただし、取引ロット数を増やす際は下記3つのポイントに十分注意する必要があります。
海外FX業者の中にはわずか10通貨から取引できるところもあります。
まずはそういった業者で口座を開設し、少ない資金と小ロットでの取引から始めてみるのもおすすめです。
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