「レンジ相場って、取引した方がいいの?それとも待つべき?」
「ポジションを保有したままレンジ相場に突入してしまったけれど、どのように対処すればいいのだろう…。」
このような悩みを抱えていませんか?
レンジ相場とは、一定幅内で価格が小刻みに上下を繰り返す相場状況のことをいいます。
FXは、レンジ相場が7割、トレンド相場が3割と言われています。
そのため、レンジ相場の特徴を理解し、各種インジケーターをフル活用して取引戦略を練れば、FXの勝率UPが期待できます。
では、そもそもレンジ相場とは、具体的にどのような状況のことをいうのでしょうか。
そして、レンジ相場を攻略するには、どうすればいいのでしょうか。
この記事では、レンジ相場に関する下記のようなポイントについて、詳しくご説明します。
- FXにおけるレンジ相場の主な特徴
- インジケーターを使ってFXのレンジ相場を見極める方法
- レンジ相場に直面したらどう対処すればいい?
- レンジ相場におけるおすすめの取引手法
- レンジ相場になりやすい通貨ペア
- レンジ相場でFX取引をする際に注意すべきポイント
この記事を最後までお読みいただければ、レンジ相場の特徴について理解を深め、レンジ相場における取引に対する苦手意識を払拭できるはずです。
目次
1. FXのレンジ相場とは?主な特徴3つ
一定幅の間で通貨の価格が上がったり下がったりを繰り返す、FXのレンジ相場。
レンジ相場には、以下のような特徴があります。
FX取引においてレンジ相場に直面した場合に慌てないためにも、まずは、レンジ相場とはどういうものなのか、詳しく見ていきましょう。
1-1. 価格が一定幅内で上下を繰り返す
レンジ相場とは、一定幅内で価格が上下を繰り返す相場状況のことをいいます。
レンジ相場の最も特徴的な点は、レジスタンスラインとサポートラインの間で、価格が上がったり下がったりを繰り返すところです。
レジスタンスラインとは、上値抵抗線とも呼ばれるもので、「価格がそのラインよりも上昇しない」と予想される水準のことをいいます。
これに対してサポートラインとは、下値支持線とも呼ばれるもので、「価格がそのラインよりも下落しない」と予想される水準のことをいいます。
レンジ相場では価格がこの2つのラインの間を行ったり来たりし、どちらかのラインを抜ける(=レンジブレイクする)までは価格が大きく動きません。
そのためレンジ相場におけるトレードは、1回の取引で大きな利益を狙うことが難しい傾向にあります。
1-2. レンジ相場はいつか終わる
レンジ相場が永遠に続くことは、ありません。
いずれは、価格がレジスタンスラインかサポートラインのいずれかを突き抜ける、「レンジブレイク」が発生します。
レンジブレイクがいつ起きるのかを正確に予測することは、できません。
ただ、一般論としては、重要な経済指標の発表や要人の発言など、相場に大きな影響を及ぼすイベントがあったときに起きやすいと言われています。
レンジ相場は、相場の先行きが不透明なときや、相場のトレンドに影響を及ぼす材料がない時に起きやすいからです。
1-3. レンジブレイク後は価格が大きく変動する
レンジブレイク後は、価格が大きく動きやすい傾向にあります。
上述のように、レンジ相場では価格の変動幅が小さく、大きな利益を狙うことは難しいです。
これに対して、レンジブレイクが発生し価格がレンジ相場を抜けた後は、大きな利益を狙いやすいため注文が殺到し、値動きが大きくなりやすいのです。
例えば、価格がレジスタンスラインを突き抜けた場合、投資家は上昇トレンド発生を期待し、大量の買い注文を入れます。
市場で買い注文が増えれば、価格は自ずと急上昇するでしょう。
このように、ひとたびレンジブレイクが発生すると、それまで小康状態だった価格が大きく動き、一気にトレンド相場に転換するのが一般的です。
2. インジケーターを使ってFXのレンジ相場を見分ける方法
FXにおいて、レジン相場になっているかどうかを見分けるには、以下のようなインジケーターを使うことをおすすめします。
価格の動きを見る際、各種インジケーターを活用することで、より精度の高い分析ができるからです。
この章では、インジケーターを使ってレジン相場を見分ける方法をご説明します。
2-1. 移動平均線を使って見分ける方法
移動平均線は、一定期間における価格の平均値をグラフであらわすインジケーターです。
FXでは、移動平均線の向きや角度を見て、相場の方向性やトレンドの強さを予測します。
下図のように、移動平均線が横ばいで推移している場合、「レンジ相場」だと判断します。
反対に、移動平均線が急角度で上下いずれかの方向に推移している場合は、「レンジブレイクが起きトレンド相場に入った」と判断します。
2-2. ボリンジャーバンドを使って見分ける方法
ボリンジャーバンドは、上でご紹介した移動平均線と、その上下にある標準偏差で構成されるインジケーターです。
線の収縮と拡大を見ることで、トレンドの方向性を判断します。
価格がレンジ相場に入った場合、ボリンジャーバンドを構成する線の幅が収縮し、かつ、平行に近い形で推移します。
ボリンジャーバンドが上図のような動きを見せた場合、「レンジ相場だ」と判断できるでしょう。
また、平行に推移していたボリンジャーバンドの幅が急に広がった場合は、レンジブレイクが起き、トレンド相場に入ったと予測できます。
2-3. RSIを使って見分ける方法
RSIは、値動きの勢い(強さ)をあらわすインジケーターです。
この指標は0%~100%の間で動き、これが30%以上の場合は売られすぎ(=下降トレンド)、70%以上の場合は買われすぎ(=上昇トレンド)と判断します。
下図のように、RSIが30%~70%の範囲で推移している場合、レンジ相場と判断します。
RSIは、レンジブレイクを見極める際にも、活用できます。
30%~70%ラインの範囲内で推移していた価格が30%ラインもしくは70%ラインを突き抜けた場合は、トレンド発生(=レンジブレイク)と判断します。
3.レンジ相場に直面したらどうすればいいのか
レンジ相場に直面した場合の対処法は、大きく分けて以下の2パターンです。
FXは、レンジ相場が7割、トレンド相場が3割といわれています。
FXをする以上、いずれはレンジ相場に直面すると思いますので、そうなったときに慌てないよう、どのように対処すればいいのか事前に考えておきましょう。
3-1. 取引を控え相場に方向性がでるのを待つ
レンジ相場に直面した場合、相場に方向性が出るまで待つ、というのも一つの戦略です。
「1-1. 価格が一定幅内で上下を繰り返す」でご説明したように、レンジ相場では価格が、小刻みに上げ下げを繰り返します。
レンジブレイクまで大きな値動きは見せませんし、レンジ相場がどのくらい続くのかも決まっていません。
価格が小刻みに動くうえ、相場に方向性がない。しかも、その状況がいつ終わるのか予測できない…。
このような状況でやみくもに取引をすると、損失が膨らみかねません。
FXの経験が浅い方や根拠をもってエントリーポイントを見極められない方は、「潔く待つ」というのも戦略のひとつです。
レンジ相場は、いつか終わります。
そのタイミングまで待ちトレンド相場になれば、相場に方向性が出ますので、エントリーポイントを見極めやすくなるでしょう。
3-2. レンジ相場でトレードをして細かく利益を重ねる
レンジブレイクを待たず取引をする場合は、何度もトレードをして細かく利益を重ねていくことをおすすめします。
「1. FXのレンジ相場とは?主な特徴3つ」でご説明したように、レンジ相場では価格が小刻みにしか動かないため、1度の取引で大きな利益を狙うことはできません。
しかしそ反面、何度も上下を繰り返す価格変動の波に乗ってトレードを繰り返せば、その都度プラスを出し、結果的にある程度まとまった金額の利益を得られる可能性があります。
レンジ相場で取引をする場合はトレードを何度も行い、小さな値幅で細かい利益をコツコツと積み上げていきましょう。
※詳しくは次章でご説明しておりますので、併せてご参照ください。
4. レンジ相場におけるおすすめのFX取引手法
レンジ相場で取引をする場合、インジケーターを活用し、分析と判断の精度を高く保ちながら戦略を立てることをおすすめします。
例えば、以下のような取引手法はいかがでしょうか。
この章では、レンジ相場におけるおすすめの取引手法をご紹介します。
4-1. ボリンジャーバンドを使いレンジ相場で逆張り
レンジ相場内で取引する場合におすすめの手法としてまずご紹介したいのが、ボリンジャーバンドを使いレンジ相場で逆張りをする、という戦略です。
用語解説:逆張りとは?
逆張りとは、相場が下落したときに「買い注文」を、上昇したときに「売り注文」を入れる投資手法のことをいいます。
「3-2. レンジ相場でトレードをして細かく利益を重ねる」でご説明したように、レジン相場内でFX取引をする場合、トレードを何度も繰り返し、小さい利益をコツコツ積み重ねていく取引手法が効果的です。
ただ、ここで問題になるのが、エントリーのタイミングです。
レンジ相場では価格が小刻みに上下するため、エントリーポイントの判断を誤ると、価格変動の波に乗れず全戦全敗、といった結果に陥りかねません。
レンジ相場で取引を繰り返して利益を得るには、エントリーポイントを正確に見極める必要があります。
そこで活用したいのが、ボリンジャーバンドです。
レンジ相場でスキャルピングをする場合におけるボリンジャーバンドの使い方はとても簡単で、
- 価格が+2σにタッチしたら売り
- 価格が-2σにタッチしたら買い
と判断します。
上の画像は、米ドル/円のチャートに、ボリンジャーバンドを重ねたものです。
ボリンジャーバンドの幅が狭く平行に推移していることから、価格がレンジ相場に入っていることがわかります。
そして、ボリンジャーバンドの標準偏差+2σ(いちばん上のライン)と標準偏差-2σ(いちばん下のライン)に着目すると、これらのラインに価格がタッチする瞬間があります。
このときがエントリーポイントで、価格がボリンジャーバンドの+2σにタッチしたら「売りエントリー」、-2σにタッチしたら「買いエントリー」を仕掛けましょう。
4-2. RSIを使いレンジ相場で逆張り
レンジ相場では、RSIを使ってエントリーポイントを見極め、逆張りするのもおすすめです。
RSIは値動きの強さを示すインジケーターで、RSIが30%ラインを下抜けると「売られすぎ」、70%ラインを上抜けると「買われすぎ」と判断します。
そして、RSIが30%~70%の間を推移していると、「レジン相場」と判断できます。
これをつかってレジン相場でトレードする場合、
- 30%ラインに接近したら(30%シグナル)、買いエントリー
- 70%ラインに接近したら(70%シグナル)、売りエントリー
と考えます。
例えば上の図は、米ドル/円のチャートとRSIを組み合わせたものです。
30%シグナルは「売られすぎ」のサインで、価格が下がりきった後はその反動で、上昇することが予想されます。
そこで、買い注文でエントリーします。
反対に、70%シグナルは「買われすぎ」のサインで、価格が上がりきった後はその反動で、下落することが予想されます。
そこで、売り注文でエントリーします。
RSIはFX初心者の方でも使いこなしやすいインジケーターですので、ぜひ活用してみてくださいね。
4-3. RSIを使いレジンブレイクのタイミングで順張り
レンジブレイクが起きてレンジ相場が終わると、上昇トレンドか下降トレンドのいずれかが発生する可能性が高いです。
このタイミングを狙って取引をすれば、1度のトレードで大きな利益を得られる可能性があります。
そこでご紹介したいのが、RSIを使ってレンジブレイクと相場の方向性を見極め、エントリーポイントを判断する手法です。
考え方はとてもシンプルで、
- RSIが70%ラインを上抜け=上昇トレンド発生=買い注文で順張り
- RSIが30%ラインを下抜け=下降トレンド発生=売り注文で順張り
と判断します。
例えば上の図は、米ドル/円のチャートとRSIを組み合わせたものです。
RSIが70%ラインを勢いよく上抜いたタイミングでレンジブレイクが起き、勢いのいい上昇トレンドが発生していることがわかります。
このタイミングで買い注文をエントリーし、価格がさらに上がったタイミングで決済すれば、大きな利益を得られる可能性があるでしょう。
「レンジ相場では下手に動かず、トレンドが発生してから勝負を仕掛けたい」という方は、ぜひこの手法を試してみてください。
5. レンジ相場になりやすい通貨ペア
レンジ相場になりやすいのは、下記のような通貨ペアです。
レンジ相場を狙って取引してみたいという方は、これらの通貨ペアでトレードしてはいかがでしょうか。
5-1. レンジ相場になりやすい通貨ペア・なりにくい通貨ペア
レンジ相場になりやすいのは、下記のような通貨ペアです。
- 米ドル/円
- ユーロ/米ドル
- 豪ドル/NZドル
- ユーロ/ポンド
米ドル/円、ユーロ/米ドルといった先進国同士の通貨ペアは、通貨の取引量が安定していることから、レンジ相場になりやすいと言われています。
また、豪ドル/NZドルやユーロ/ポンドは両国の経済圏が隣接しており、経済環境が似ていることから、レンジ相場になりやすいと考えられています。
■ レンジ相場になりにくい通貨ペア
下記のような新興国通貨が含まれる通貨ペアは、レンジ相場になりにくい傾向があります。
- トルコリラ
- 南アフリカランド
- ブラジルレアル
- メキシコペソ
新興国通貨は流通量が安定しておらず、また、新興国は情勢が不安定であることから、値動きの幅が大きい傾向にあります。
そのため、上記のような通貨を含む通貨ペアは、レンジ相場になりにくいと言われています。
レンジ相場を狙って取引をしたい方は、これらの通貨を避けてトレードすることをおすすめします。
5-2. レンジ相場になりやすい通貨ペアは大きな損をするリスクが低い!
上でご紹介したレンジ相場になりやすい通貨ペアは、大きな損をするリスクが低い傾向にあります。
レンジ相場では価格が小刻みに上下を繰り返すため、値動きの幅が小さく、大きな利益を狙うことはできません。
ということは裏を返せば、トレードに負けても大きく損をする可能性は低いのです。
またレンジ相場は、上値に近づいたら「売り」、下値に近づいたら「買い」、というようにエントリーポイントを見極めやすい相場でもあります。
FXにある程度慣れてきた方ならば、エントリーポイントを容易に見極めつつ、リスクを抑えたトレードを楽しめるでしょう。
6. レンジ相場でFX取引をする場合に注意すべきポイント
レンジ相場におけるFX取引は、値動きの幅が少なく損失のリスクを押さえやすい反面、レンジブレイクがいつ起きるかわからず、トレンド相場に移行した場合は大きく損をする可能性があります。
そこで注意したいのが、下記3つのポイントです。
この章では、レンジ相場でFX取引をする場合に注意すべきポイントについて、ご説明します。
6-1. 複数のインジケーターを併用してダマシを回避する
レンジ相場では、レンジブレイクが起きたと思いきや、再びレンジ相場に戻ってしまう、いわゆる”ダマシ”が起きることがあります。
”ダマシ”に引っかかり、レンジブレイクだと判断して勝負を仕掛けると、大損しかねません。
そこでおすすめしたいのが、複数のインジケーターを併用してダマシを回避する、という対策です。
例えば「2-2. ボリンジャーバンドを使って見分ける方法」でご紹介したボリンジャーバンドと「2-3. RSIを使って見分ける方法」でご紹介したRSIを併用する方法は、いかがでしょうか。
例1)ボリンジャーバンドとRSIを併用してダマシを回避できた例
上の図は、米ドル/円のチャートにボリンジャーバンドを重ね、さらにその下にRSIを表示したものです。
図の中央あたりで、RSIが30%ラインを下抜けていますよね。
RSIだけを見ると「30%ラインを下抜けたから、レンジブレイクが起きてトレンド相場に転換するかもしれない」と考えられます。
しかし、ボリンジャーバンドを見ると、ラインの幅が狭いまま推移しているため、「これはダマシの可能性がある」と、冷静になれます。
実際、その後のチャートを見ると、RSIが30%ラインを下抜けてからもしばらくレンジ相場が続いていることがわかります。
このように、複数のインジケーターを併用すれば、ダマシに遭うリスクを軽減することが可能です。
例2)ボリンジャーバンドとRSIを併用し、レンジブレイクを見極められた例
上の図を見ると、RSIが70%ラインを上抜けています。
ここでまず、「レンジブレイクが起きたかもしれない…」と予測します。
ただ、これだけでは不安なので、ボリンジャーバンドも見てみましょう。
すると、同じタイミングでラインが勢いよく上向きに推移し、かつ、ライン同士の幅が広がり、トレンド相場に移行する兆候を見せています。
実際、チャートの動きを見ると、価格がレンジ相場を抜けて勢いよく上昇し、トレンド相場に移っていることがわかります。
今回は”ダマシ”ではなく、本当にレンジブレイクが起きました。
このように、2つのインジケーターを併用すれば、ダマシを回避できるのはもちろん、本当にレンジブレイクが起きた場合も、自信をもって取引に挑めます。
FXで勝つには、チャートをよく観察し、根拠のある分析をもとに戦略を練ることが大切です。
FX初心者の方はダマシに遭いやすい傾向なありますので、レンジブレイクを狙って取引する場合は特に、複数のインジケーターを併用しましょう。
また、複数のインジケーターを併用してもレンジブレイクが起きると判断しかねる場合は、「しばらく待ってみる」というのも選択肢のひとつです。
6-2. 損切りラインを決めておく
レンジ相場で取引をする際は必ず、損切りラインを決めておきましょう。
レンジ相場は一定幅内で価格が上下するため、価格がレジスタンスラインに近づいたら売り注文、サポートラインに近づいたら買い注文、というように逆張りをするのが定石です。
ただ、「1-2. レンジ相場はいつか終わる」でご説明したように、レンジ相場は、いつ終わるかわかりません。
予期せぬタイミングでレンジブレイクが起きトレンド相場に転換すると、損失が急速に拡大し、大損をしてしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにも、レンジ相場における取引では、損切りラインを必ず決めておきましょう。
■ 損切りラインはレンジの上限と下限がおすすめ!
レンジ相場で取引する場合の損切りラインは、レンジの「上限」と「下限」に設定することをおすすめします。
例えば、米ドル/円のレンジ相場において価格が1ドル=143.0円~1ドル145.0円の間で変動している場合、売りポジションの損切りラインを1ドル=145.0円に、買いポジションの損切りラインを1ドル=143.0円に設定します。
この状態でレンジブレイクが起き、1ドル=144.5円でエントリーした売りポジション1万通貨が1ドル=147.5円になった場合、投資家が被る損失は本来、3万円です(1ドルあたりの差額3円×1万通貨=3万円)。
しかし、1ドル=145円になった時点で損切りしておけば、投資家が被る損失は5.000円で済みます(1ドルあたりの差額0.5円×1万通貨=5000円)。
このように、予め損切りラインを設定しておけば、予期せぬタイミングでレンジブレイクが起きたとしても、損失を一定の範囲内に抑えられるのです。
チャートを常に監視できない方や、自分で損切りできる自信がない方は、価格が予め指定した値段に達すると自動的に損切りしてくれる「指値注文」をしておくと安心でしょう。
※指値注文については「【徹底解説】XMの指値注文|注文種類別にやり方と使い分けを解説」で詳しくご説明していますので、併せてご参照ください。
6-3. レバレッジを高く設定しすぎない
レンジ相場における取引では、レバレッジを高く設定しすぎないことをおすすめします。
レンジ相場では価格が小刻みにしか動かないため、1回のトレードでより多くの利益を得るには、レバレッジを高く設定する方法が効果的です。
しかし、トレードによる損失が発生した場合、レバレッジが高ければ高いほど、被る損失も大きくなります。
下表は、取引資金10万円で米ドル/円の取引をし、1ドルあたり-10pips(-0.1円)のマイナスが生じた場合の損失額をまとめたものです。
▼レバレッジ別|1ドルあたり-10pipsのマイナスが生じた場合の損失額一覧
レバレッジ | 取引通貨量 | 1ドルあたり-10pipsのマイナスが生じた場合の損失額 |
---|---|---|
1倍 | 714通貨 | -71.4円 |
100倍 | 7万1,428通貨 | -7,143円 |
500倍 | 35万7,143通貨 | -3万5,714円 |
1,000倍 | 71万4,286通貨 | -7万1,429円 |
※1ドル=140円として算出。
価格変動幅は同じでも、レバレッジによって被る損失にかなり大きな違いが生じることがわかります。
FX初心者の方や、口座に預託している資金が少ない方、大きな損失を回避したい方がレンジ相場で取引する場合は、レバレッジを100倍以内に設定することをおすすめします。
まとめ
レンジ相場とは、一定幅内で価格が小刻みに上下を繰り返す相場状況のことをいいます。
価格の動きが小さいため1度の取引で大きな利益を得ることは難しいですが、その分、損失を少なく抑えられるというメリットがあります。
また、レンジ相場はいつまでも続くわけではなく、いずれ、価格が動いてトレンド相場に移行する、レンジブレイクが起きます。
レンジブレイク時は価格が大きく動くことが多く、このタイミングを狙って勝負を仕掛けると、大きな利益を得られるかもしれません。
FX取引をしていてレンジ相場に直面した場合、下記2つの選択肢があります。
いずれの選択をするにしても重要なのは、相場状況を冷静かつ正確に分析する、ということです。
そこでぜひ活用していただきたいのが、下記3つのインジケーターです。
これらは単体で使ってもいいのですが、可能であれば、複数のインジケーターを組み合わせて使うことをおすすめします。
複数の視点で相場を分析することで、エントリーポイントや勝負を仕掛けるタイミングについて、より精度の高い判断ができるからです。
レンジ相場における取引手法はとてもシンプルで、基本的には、価格がレジスタンスラインに近づいたら売り注文を、サポートラインに近づいたら買い注文を入れます。
レンジ相場は、FX初心者の方でも比較的容易にエントリーポイントを見極められますので、必要以上に警戒せず、トレードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ただし、レンジ相場で取引をする際は、下記のようなポイントに注意する必要があります。
どうしても不安な方は、デモ口座でレンジ相場の取引を体験してから、実際の取引に挑むといいでしょう。