FXのパラボリックは、相場の転換点を把握し、エントリーのタイミングを見定める際に用いられるテクニカル指標です。
基本的な使い方はとてもシンプルで、FX初心者からプロのトレーダーまで、多くの人がパラボリックを活用しています。
ただ、パラボリックについて知らなかったり、これまでテクニカル指標を使った経験がなかったりすると、
「パラボリックって、本当に信頼できるテクニカル指標なの?」
「パラボリックを使ってみたいけれど、使い方がよくわからないし、なんだか難しそう…」
というように、不安に思われますよね。
パラボリックからは下記のようなことがわかるため、これらの情報をもとに、エントリーのタイミングを見極めることができます。
また、その使い方は意外と簡単で、FX初心者の方でもすぐにトレードに活用することができます。
では、パラボリックとは具体的にどのようなテクニカル指標で、実際のトレードでは、これをどのように使えばいいのでしょうか。
この記事では、パラボリックに関する下記のようなポイントについて、わかりやすくご説明します。
- 【基礎知識】FXのパラボリックとは
- FXにおけるパラボリックの使い方
- FXでパラボリックを使うメリット
- FXでパラボリックを使う際に注意すべきポイント
- パラボリックのダマシを避けるためにおすすめの対策
- パラボリックとの併用をおすすめするテクニカル指標
- MT4/MT5にパラボリックを表示させる方法
この記事を最後までお読みいただければ、パラボリックの基本的な使い方について理解を深め、トレードにご活用いただけるかと思います。
目次
1. 【基礎知識】FXのパラボリックとは?
パラボリックは、J.W.ワイルダー氏によって開発された、テクニカル指標です。
では、パラボリックとは具体的にどのようなテクニカル指標で、これを使うと、何がわかるのでしょうか。
ここでは、FXのパラボリックとはどういうものなのか、詳しくご説明します。
1-1. FXのパラボリックとは
「パラボリック」は、トレンドフォロー型のテクニカル指標で、「SAR(ストップ・アンド・リバース)」と呼ばれる点を、放物線状に描きます。
パラボリックは主に、トレンドの転換点を探りたいときに用いられます。
トレンドの転換点を示してドテンを繰り返し、利益を重ねることが、パラボリックの主な目的だからです。
■ ドテン(途転)とは?
上述のようにパラボリックは、ドテンで利益を得ることを主な目的として作られたテクニカル指標です。パラボリックを使いこなすためにはドテンについて理解しておく必要がありますので、ここではまず、ドテンとは何なのか、簡単にご説明します。
「ドテン」とは、保有するポジションの「買い」と「売り」を正反対にするトレード手法のことをいいます。
例えば、買いポジションを保有している場合、すべて決済したあとすぐに、これを売りポジションに変えます。
この手法を「ドテン売り越し」と呼び、反対に、売りポジションから買いポジションに変えることを、「ドテン買い越し」と呼びます。
例えば、下のチャートのように価格が一定幅で上がったり下がったりするボックス相場の場合、ドテンを繰り返すことで、利益を重ねられる可能性があります。
こういった相場状況では、価格が下がった段階で新規買いエントリーをし、
① 価格が上がったら「決済+売りポジションに変える(ドテン売り」
② 価格が下がったら「決済+買いポジションに変える(ドテン買い)」
というように、ドテンを繰り返します。
これによって利益を重ねていくのが、ドテンの狙いです。
これだけを見ると、ドテンはとても魅力的なトレード手法なのですが、ここで問題になるのが、エントリーのタイミングです。
ドテンで利益を出すには相場の方向や転換点を正確に把握し、トレンドに乗り遅れることなく売買しなければなりません。
タイミングを見誤ると、狙い通りに利益を得られなくなってしまうからです。
そこで活用したいのが、パラボリックです。
パラボリックを使うと、トレンドの転換点を予測しやすくなるため、ドテンをする際、エントリーのタイミングを掴みやすくなります。
では、FXにおいてパラボリックを使う場合、具体的にどのように扱えばいいのでしょうか。
ここで話しをパラボリックに戻して、その基本的な扱い方について、ご説明したいと思います。
1-2. パラボリックの基本的な見方
パラボリックを活用すると、下記3つの点について知ることができます。
ここでは、これらの点について知るにはパラボリックをどのように見ればいいのか、わかりやすくご説明します。
1-2-1. SARと価格が交差したポイントがトレンドの転換点
パラボリックでは、SARと価格が交差するポイントを、トレンドの転換点と分析します。
上のチャートを見ると、放物線を描くSARのラインが、ある一定のポイントからローソク足の反対側に移っています。
そして、この部分をもう少し注意して見ると、SARが上下入れ替わる際、ローソク足がSARと交差していることがわかります。
パラボリックでは、この、SARと価格(ローソク足)が交差するポイントを「トレンドの転換点」と捉え、エントリーのタイミングを決める際の参考にします。
1-2-2. SARとローソク足の位置関係でトレンドの向きを判断する
パラボリックでは、SARがローソク足の下にある場合を「上昇トレンド」、下にある場合を「下降トレンド」と分析します。
SARは、上昇トレンドのときはローソク足の下に、下降トレンドのときはローソク足の上に表示されます。
つまりパラボリックを使えば、SARとローソク足の位置関係を見るだけで、トレンドの向きを判断することができるのです。
1-2-3. SAR同士の間隔からトレンドの勢いを判断する
パラボリックでは、SAR同士の間隔が広ければ広いほど、「トレンドの勢いが強い」と分析します。
上のチャートを見ると、最初はSARの点が密集して描かれていますが、途中からかくっと曲がり、その辺りからSAR同士の(点同士の)間隔が広くなっていることがわかります。
パラボリックにおいて、SAR同士の間隔はトレンドの勢いをあらわしますので、SAR同士の間隔が広くなったら、「トレンドの勢いが強くなったのだな」と分析します。
2. FXにおけるパラボリックの使い方
パラボリックの基本的な見方について理解したら、早速、FXのトレードに、パラボリックを使った分析を取り入れてみましょう。
ここでは、FXトレードにおけるパラボリックの基本的な使い方について、わかりやすくご説明します。
2-1. SARとローソク足の交差ポイントで売買のタイミングを判断
「1-2-1. SARと価格が交差したポイントがトレンドの転換点」でご説明したように、パラボリックでは、SARとローソク足が交差するポイントを、トレンドの転換点と分析します。
そして、この論理をFXトレードに取り入れると、売買のタイミングを判断することができます。
考え方は、とてもシンプルです。
上昇SARが下降ローソク足と交差したら「下降トレンド転換=売りサイン」、下降SARが上昇ローソク足と交差したら「上昇トレンド転換=買いサイン」と判断します。
■ 上昇トレンドから下降トレンドへの転換
「1-2-2. SARとローソク足の位置関係でトレンドの向きを判断する」でご説明したように、上昇トレンドの場合、SARはローソク足の下に表示されます。
そして、パラボリックでは、SARとローソク足が交差したポイントを「相場の転換点」と分析します。
そうすると、上昇SARと下降ローソク足が交差するポイントを下降トレンドへの転換点と捉え、「売りサイン」と判断することができます。
■ 下降トレンドから上昇トレンドへの転換
下降トレンドの場合、SARはローソク足の上に表示されます。
そして、こちらも同じく、SARとローソク足が交差したポイントを「相場の転換点」と捉えます。
そうすると、下降SARと上昇ローソク足が交差するポイントが上昇トレンドへの転換点となりますので、これを「買いサイン」と判断することができます。
ドテンで利益を得るには、エントリーポイントを正確に見極めることが重要です。
パラボリックは相場の転換点がひと目でわかりますので、売りサインと買いサインを見逃さなければ、ドテンでの勝率UPが期待できるでしょう。
2-2. 【実践】パラボリックを使ってドテンを繰り返してみよう
上でご紹介した知識をもとに、ドテンをする場合のエントリーポイントをどう判断すればいいのか、実践してみましょう。
下のチャートを見ると、SARとローソク足の交差ポイントが見てとれます。
ドテンをする際は、この交差ポイントを「買いサイン」あるいは「売りサイン」と捉え、エントリーポイントを見定めていきます。
① 下降トレンドで新規売りポジションを持つ
それでは、ドテンを始めましょう。
まずは、下降トレンドに乗り、新規売りポジションを持ちます。
② 上昇相場に転換したら、売りポジションを決済して買いポジションを持つ
しばらくすると、下降SARと上昇ローソク足が、交差しました。
これは、相場が上昇トレンドに転換した、つまり、「買いサインが出た」ということです。
そこで、売りポジションを決済し、すぐに、買い注文を入れます(ドテン買い)。
これにより、投資家はポジションを「高く売って安く変えた」ので、その差額が利益となります。
③ 下降相場に転換したら、買いポジションを決済して売りポジションを持つ
またしばらくすると、上昇SARが下降ローソク足と交差しました。
これは、相場が下降トレンドに転換した、つまり、「売りサインが出た」ということです。
そこで、買いポジションを決済して、すぐに、売り注文を入れます(ドテン売り)。
これにより、投資家はポジションを「安く買って高く売れた」ので、その差額を利益として得られることになります。
④、⑤についても基本的な考え方は同じで、ドテンは、②~③の繰り返しです。
「高く売って、安く買う」「安く買って、高く売る」を繰り返すことにより、利益を積み重ねていくのです。
パラボリックは、ひと目で相場の状況を分析できるうえ、その使い方も非常にシンプルです。
これまでテクニカル指標を使ったことがない方やFX初心者の方でも簡単に使えますので、ぜひ実践してみてくださいね。
3. FXでパラボリックを使うメリット
FXでパラボリックを使うことには、下記のようなメリットがあります。
この章では、パラボリックを使うことにはどのようなメリットがあるのか、詳しくご説明します。
3-1. FX初心者でも売買のタイミングをひと目で判断できる
パラボリックを使えば、FX初心者の方でも、売買のタイミングをひと目で判断することができます。
FX初心者の方がトレードをするにあたって最初にぶつかるのが、「どのタイミングで売買をすればいいのか判断できない」という問題です。
トレードの経験が浅いと、エントリーのタイミングを見逃しがちですし、エントリーしたとしても、「本当にこれで良いのだろうか」と不安になってしまいますよね。
「2. FXにおけるパラボリックの使い方」でご説明したように、パラボリックは、チャートに描かれたSARとローソク足の交差点を見るだけで、売買のタイミングを判断することができます。
SARとローソク足が交差するポイントだけ見ておけばいいのであれば、FX初心者の方でも安心して活用できるでしょう。
3-2. あらゆる観点からトレンドの状況を分析できる
「1-2. パラボリックの基本的な見方」でご説明したように、パラボリックでは、下記3つの観点からトレンドの状況を分析することができます。
① トレンドの転換点
② トレンドの向き
③ トレンドの勢い
これらを1つのテクニカル指標で判断できるのは、パラボリックを使う大きなメリットと言えます。
売買のタイミングを見極めるには、トレンドの状況をなるべく正確に把握することが大切です。
偏った情報で間違った判断をすると、トレードに負けて大損してしまう可能性があるからです。
この点、パラボリックはSARとローソク足の動きや位置関係を見るだけで、3つの観点からトレンドの分析をすることができます。
これは、FX初心者の方にとってはもちろん、投資経験のある方にとっても、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
4. FXでパラボリックを使う際に注意すべきポイント
パラボリックは、ドテンをする際にひと目で売買のタイミングを見極められたり、FX初心者でも簡単に使えたり、というようにとても魅力的なテクニカル指標です。
ただ、パラボリックも万能なわけではなく、FXでこれを使う際には、下記のようなポイントに注意する必要があります。
テクニカル指標はその使い方を誤ると、大きな損失を発生させてしまうリスクがあります。
そういった事態に陥らないためにも、パラボリックを使う際にはどのような点に注意しなければならないのか、詳しく見ていきましょう。
4-1. 相場の状況によってはダマシが発生しやすい
パラボリックは、トレンドを追いかけていくタイプのテクニカル指標です。
そのため、長期的なトレンドが発生するような相場や、大きなスイングが続くような相場では高い効果を発揮するのですが、短期間で価格が上下するレンジ相場などでは、ダマシが発生しやすい傾向にあります。
ダマシとは、テクニカル指標が、相場の動きとは反対のシグナルを発してしまう状態のことをいいます。
例えば、下記のように大きなスイングが続く相場では、パラボリックは正常に機能します。
これに対して、短期間で価格が上下する以下のような相場では、ダマシが発生し、パラボリックが正常に機能していません。
上のチャートを見ると、赤丸で囲んでいる部分において、SARがローソク足とは反対の動きをしている、つまり、ダマシが発生していることがわかります。
ダマシと気付かずパラボリックが示すシグナル通りに売買をすると、思わぬ損失を被ってしまう恐れがあります。
短期間で価格が上下するような相場では特に、パラボリックのダマシに引っかからないよう注意しましょう。
ダマシを避けるための対策については「5. パラボリックのダマシを避けるためにおすすめの対策3つ」でご説明していますので、併せてご参照ください。
4-2. 設定値を変えすぎると上手く機能しなくなる
SARの算出には、「AF(加速因子)」と「EP(最大値)」という2つの値を使います。
これら2つの値の初期設定値は「AF=0.02」「EP=0.2」となっており、基本的に、数値を変える必要はありません。
ただ、これらの設定値を変えることには、一定のメリットがあるのも事実です。
特に影響が大きいのはAF(加速因子)で、この設定値を大きくすると、パラボリックが価格の変動に、より強く反応するようになります。
また、AFの設定値を下げるとパラボリックの感度が下がり、ダマシが発生しにくくなります。
しかし、AFの値を大きくしすぎると感度がよくなり過ぎてダマシが生じやすくなりますし、小さくしすぎると感度が鈍って売買のタイミングを逃してしまう恐れがあります。
そのためパラボリックの扱いに慣れるまでは、AFとEPの値を下手にいじらず、初期設定値のまま使用することをおすすめします。
また、設定値を変更する際もいきなり大幅に変えるのではなく、少しずつ上げ下げして、パラボリックの反応がどう変化するのかしっかり検証してから、トレードに使うようにしましょう。
5. パラボリックのダマシを避けるためにおすすめの対策3つ
パラボリックを使ううえで悩ましいのが、「ダマシが発生することがある」という問題です。
「4-1. 相場の状況によってはダマシが発生しやすい」でご説明したように、パラボリックは短期間で価格が上下するような相場に弱く、そういった場面ではダマシが生じやすい傾向にあります。
そこで実践したいのが、下記3つの対策です。
この章では、パラボリックのダマシを避けるうえで効果的な対策について、わかりやすくご説明します。
5-1. 点(SAR)が3~4個表示されるまで待つ
ダマシを回避するには、1個や2個の点(SAR)ですぐに、「トレンドが転換した」と判断せず、最低でも3~4個表示されるまで待つことをおすすめします。
パラボリックでは、点が1~3個ほど表示された後すぐに、反対方向に点があらわれることがあります。
下のチャートの赤丸で囲んでいる部分がまさにそれで、点が2、3個表示されたすぐ後に、SARが反対方向に向かって伸びています。
SARが1個や2個の場合h、価格が一時的に逆行しているだけ、という可能性もあります。
そういった場面は、決済やドテン売り・買いにふさわしいタイミングではありません。
SARの向きが変わったからといって慌ててエントリーせず、「SARが3個~4個そろってからエントリーをする」ようにすれば、ダマシにかかりにくくなるでしょう。
5-2. ローソク足が2~3本出るまで待つ
パラボリックのダマシを避けるには、ローソク足が2~3本程度出てからエントリーをする、という対策も効果的です。
トレンドが転換した後、ローソク足が2~3本出るのを待ち、これがSARの動きと同じであることを確認してから、売買のエントリーをするのです。
パラボリックで相場の転換点を見つけつつ、実際の値動きを表すローソク足の動きを確認しておけば、より確かな根拠をもって、エントリーポイントを見極められるでしょう。
5-3. SAR同士の間隔が広くなるまで待つ
パラボリックのダマシを避けるには、SAR同士の間隔が広くなってからエントリーする、という対策も有効です。
「1-2-3. SAR同士の間隔からトレンドの勢いを判断する」でご説明したように、パラボリックではSAR同士の間隔が広ければ広いほど、トレンドの勢いが強いと分析します。
SAR同士の間隔が広がるということは、それだけトレンドの勢いが強くなっているということですので、ダマシに引っかかるリスクが低くなります。
ただし、SAR同士の間隔が広がるのを待ちすぎるとトレンドに乗り遅れ、トレードに負けてしまうかもしれません。
また、この対策を行うとエントリーのタイミングが遅くなってしまうため、得られる利益は少なくなってしまいます。
そのためこの対策を実践する際はトレンドに乗り遅れないよう、「SAR同士の間隔が少し広がったらすぐにエントリーする」というように、自分なりのルールを決めておくことをおすすめします。
6. パラボリックとの併用をおすすめするテクニカル指標
パラボリックは、下記のようなテクニカル指標を併用することで、より確かな根拠をもってエントリーのタイミングを決めることができます。
ここでは、パラボリックとこれらのテクニカル指標をどのように併用するのか、わかりやすくご説明します。
6-1. DMIとパラボリックを併用してエントリーするかどうか見極める
「DMI」は、価格の変動幅をもとに、トレンドの有無や強さを分析するテクニカル指標です。
DMAは3本のラインで構成されているのですが、パラボリックと併用する際に注目すべきは、「ADX」というラインです。
「ADX」は、トレンドの強さを数値化して示したものです。
トレンドの向きに関係なく、ラインが上昇しているときは「トレンドが強い」、ラインが下降しているときは「トレンドが弱い」と分析します。
「トレンドが強い」と判断するADXの基準値については諸説ありますが、「レベル25を超えていればトレンドが強い」と考えるのが一般的です。
■ パラボリックとDMIを併用する方法
パラボリックとDMIを併用する場合、下記2つの条件がそろったタイミングで売買をするのが有効とされています。
- ① ADXが上昇している(最低でもレベル25以上)
- ② パラボリックで売買のサインが出ている
下のチャートを見ると、パラボリックで売買のサインが出たタイミングで、DMIのADXラインが上昇し、レベル25を突き抜け、レベル40を超えていることがわかります。
つまり、上記2つの条件がそろったということですので、パラボリックとDMIから出ている2つのシグナルを信じて、エントリーに踏み切ります。
より信頼度を高めたい方は、「トレンドの勢いが強まった」と判断する数値を「30」ないし「40」に上げるといいでしょう。
パラボリックとDMIの併用は、パラボリックの考案者であるJ.W.ワイルダー氏も推奨している手法です。
ADXラインの読み方はとても簡単ですので、パラボリックの扱いに慣れてきたら、DMIを併用してみてはいかがでしょうか。
6-2. MACD
「MACD」は、移動平均線を応用したテクニカル指標です。
「MACDライン」と「シグナルライン」という2本のラインで構成されており、これらの動きをもとに、エントリーポイントを見極めます。
パラボリックとMACDを併用する際に注目すべきは、MACDラインとシグナルラインが交差するポイントです。
MACDラインがシグナルラインを上抜いた場合は「買いサイン」、下抜いた場合は「売りサイン」と判断します。
■ パラボリックとMACDを併用する方法
パラボリックとMACDを併用する場合、両方のテクニカル指標で「買いサイン」あるいは「売りサイン」が出ていれば、エントリーに踏み切ります。
例えば上のチャートを見ると、パラボリックとMACD、それぞれで売買のサインがでていることがわかります。
2つのテクニカル指標から同じサインが出ていれば、より強い根拠を持って売買のエントリーができるでしょう。
7. MT4にパラボリックを表示させる方法
パラボリックは、簡単な手順で、MT4およびMT5に表示させることができます。
MT4・MT5の基本的な操作方法は同じですので、ここでは、MT4の画面を見ながら、パラボリックを表示させる方法についてご説明します。
7-1. インディケータ一覧を表示する
MT4の画面左下にある「ナビゲーター」内に表示されている、「インディケータ」をクリックしましょう。
すると、インディケータ一覧が表示されます。
7-2. 「Parabolic SAR」をドラッグ&ドロップ
インディケータ一覧に表示されている「トレンド」というカテゴリをクリックすると、トレンドに関連するインディケータが一覧表示されます。
その中に「Parabolic SAR」がありますので、これを、パラボリックを表示させたいチャートにドラッグ&ドロップしましょう。
以上で、パラボリックを表示させるための操作は完了です。
まとめ
パラボリックは、ドテンを繰り返し利益を重ねることを主な目的として考案されたテクニカル指標です。
この指標を使うと、下記3つの観点からトレンドの状況を把握し、エントリーポイントを見極めることができます。
パラボリックはその使い方がとてもシンプルで、基本的に、SARとローソク足の動きを見ておけば、トレンドの転換点や売買のサインを把握することができます。
これまでテクニカル指標を使ったことがない方でも簡単に扱えるツールですので、トレードをする際、活用してみてはいかがでしょうか。
ただし、パラボリックは短期間で価格が上下するレンジ相場のような場面に弱く、こういった相場状況ではダマシが生じやすい傾向にあります。
そのため、パラボリックを使う際はダマシを避けるべく、下記のような対策を行うことをおすすめします。
- 点(SAR)が3~4個表示されるまで待つ
- ローソク足が2~3本出るまで待つ
- SAR同士の間隔が広くなってからエントリーする
より強い根拠を持ってトレードの戦略を立てたい場合は、DMIやMACDといった、他のテクニカル指標を併用するのもおすすめです。
パラボリックはとても簡単な操作でMT4およびMT5に表示させられますので、まずはパラボリックを実際に見て、その使い心地を体感してみてはいかがでしょうか。