「FXの平均足ってなに?」
「ローソク足とは違うの」
あなたは今、FXトレードの「平均足」について詳しく知りたいと思っていますね。
「平均足」とはFXトレードにおいて、ローソク足よりも相場のトレンドを明確に捉えることができることから多くのFXトレーダーに利用されているチャートです。
一般的なローソク足に比べ、陽線や陰線が連続して出現する傾向が強いことから、相場の動きや転換点が一目瞭然に、視覚的に把握することができるため、日本だけでなく海外のFXトレーダーにも多くの愛用者が存在します。
この平均足を利用すればFXトレードの知識や経験が乏しい初心者でも適切に為替のトレンドを把握することが可能になります。
価格のトレンドを的確に把握できれば都度の売買の判断に迷うこともありません。売買の判断が迅速かつ正確であれば、FXトレードの利益は自然に積み上がっていくでしょう。
ただしこの平均足には
- 一般的なローソク足に生じる「窓」がない
- 平均足のヒゲはローソク足と意味が異なる
など、一般的なローソク足とは異なる特徴があるため、平均足をトレードで有効に活用するためには、平均足の基本的な見方を正しく把握しておくことも大切です。
そこで今回は
- FXの平均足とは?3つのポイントで解説
- 平均足のメリット・デメリット
- 平均足の基本的な見方 3つのポイント
- 平均足を実際の売買の判断に活用!4つの具体的ポイント
- MT4・MT5で平均足を表示する方法
について詳しく解説していきます。
この記事を読めばあなたも、FXの平均足を上手に活用してトレードで利益を上げることができます。
目次
1.FXの平均足とは?3つのポイントで解説
まずはFXの平均足について、以下の3つのポイントから詳しく解説しましょう。
一つずつ解説します。
1-1.平均足はトレンドをより明確に確認するための指標
平均足とは為替市場のトレンドを視覚的に把握しやすくするために、従来のローソク足の作成ルールに変更を加えたチャートのことを言います。
この特徴は、ローソク足と平均足を比較してみれば一目瞭然です。
下に示す2つのチャートは同じ時間の為替の値動きをローソク足、平均足でそれぞれに示しています。オレンジの丸で示した部分を比較してみてください。
上に示す従来のローソク足のチャートでは、上昇局面においても加工局面においても、価格の上昇を示す青いローソクと、加工を示す赤いローソクが常に混在していることがわかります。
これに対して下に表示している平均足では上昇局面では青いローソクが、下降局面では赤いローソクが連続して現れており、上昇トレンドと下降トレンドが青と赤の色分けで明快に区別されていることがわかります。
平均足では陽線や陰線がより連続して出現する傾向が強くなるため平均足を使えば、現在が上昇局面なのか下降局面なのか、そしてトレンドの変換点がチャートを見るだけで一目瞭然なのです。
価格のトレンドを適切に把握することがFXトレードで利益を上げる上で欠かせない要素であることは、いうまでもありません。
そして平均足はこの価格のトレンドを直感的に把握することができるたいへん便利なチャート表示方法なのです。
1-2.平均足とローソク足の算出方法の違い
平均足とローソク足の違いは、ローソクを表示するルールの違いによって生じます。
従来のローソク足は、ローソクが示す期間の始値・終値・高値・安値の4つの価格によって表示されます。
これに対して平均足の場合、高値と安値がローソクのヒゲを形成するのは変わりませんが、始値は直前の平均足の始値と終値の平均値、終値は期間中の始値・高値・安値・終値の平均値で表現されます。
例えば日足のローソク足なら、前日始値が145円、終値が147円であれば、平均足の場合の当日の始値は平均値となる146円です。
また終値は始値・高値・安値・終値の平均値になりますので、例えば始値147円、高値149円、安値146円、終値148円の4つの平均である47円50銭ということになります。
この状況をそれぞれ、ローソク足、平均足でそれぞれに表すと、ローソクの形は以下のように以下のような視覚的な違いを表現します。
平均足はこのような表示ルールを適用することによって、値動きのムラを取り除き、陰線や陽線が連続して表示されやすい状況を作ります。
また後ほどさらに詳しく解説しますが、この表示ルールの違いによって、平均足には一般的なローソク足で発生する「窓」が発生しないなどの特徴も現れます。
「窓」とは、週末の終値と翌週の始値との間に生じる大きな価格差のことで、平均足の場合、算出方法の違いからこの「窓」が表示されないため、よりトレンドを把握しやすいチャートを形成します。
これについては4-1.平均足には「窓」がないでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
1-3.平均足は海外のトレーダーにも人気
トレンドを正確に把握し安い平均足は、実は日本よりも海外のトレーダーに人気のあるチャートとしても知られています。
平均足は「コマ足」、「平均コマ足」などとも呼ばれ、日本で発明されたものとされています。平均足の作者は生糸相場で王莽消した相場師であるとも言われていますが、実際に商品相場を中心に日本では古くから利用されてきました。
この平均足が現在、「Heiken-Ashi」という日本語そのままの名称で海外トレーダーから高い評価を得ているのです。
海外トレーダーからの評価は、為替相場のトレンドを把握する上で、平均足がたいへん有効に機能することを示す指標であるとも言えるでしょう。
2.【平均足のメリット】トレンドを視覚的に認識できる
冒頭でもお伝えしましたが、平均足の最大のメリットはチャート上で為替のトレンドの流れを視覚的に把握できるという点にあります。
下に示す図は、為替の上昇局面のローソク足と平均足の違いを表しています。
実際の為替の値動きは、細かい上下動を繰り返しながら上昇や下降のトレンドを作りますが、ローソク足の場合、この細かい価格の変動をそのまま拾ってしまうため、陽線の中に陰線が混ざります。
このため一般的なローソク足を用いて為替のトレンドを正しく把握するためには、FXトレードに対するある程度の知識や経験が必要になります。
これに対して、右に示されている平均足の場合、トレンドに従順に反応するため、陽線が連続して表示されているのがわかります。
このように平均足は価格変動を一目瞭然で視覚的に認識できるため、FXトレードの知識や経験が乏しい初心者でも適切に為替のトレンドを把握できるのです。
トレンドの把握が適切であれば売買の判断に迷うことは少なくなっていきます。
もちろん売買の判断が迅速かつ正確であることはFXトレードではたいへんな強みです。この点で平均足の利用は、FXトレードの成績を上げる大きなきっかけとなる可能性もあります。
3.【平均足のデメリット】リアルタイムの細かい値動きは把握しづらい
平均足を利用する場合にデメリットとして知っておきたいのが、細かい値動きを正確に把握しにくいという特徴です。
平均足はそもそも価格を平均化して表示してしまうため、その時点での正確な価格を表示していません。
実際のローソク足であれば、始値と終値は正しく表示されているため、ローソク足を見るだけで正確な価格推移を知ることができますが、平均足の場合はそうはいきません。
このため平均足は、特に細かい値動きを正確に把握しなければいけないスキャルピングなどの超短期取引での利用には向いていません。
4.平均足の基本的な見方 3つのポイント
平均足を利用してトレードをするなら、以下に示す平均足の基本的見方における3つのポイントを正しく理解しておくことをおすすめします。
いずれのポイントも平均足を利用する上では欠かせない特徴ばかりです。
一つずつ確認しましょう。
4-1.平均足には「窓」がない
平均足の最も大きな特徴としてあげられるのが、一般的なローソク足で発生する「窓」がないということです。
「窓」とは、週末金曜日の終値と翌週の月曜日の始値との間にできる価格ギャップのことを言います。
FXトレードでは、週末発表される経済ニュースなどの影響で、週明けの為替相場が大きく変動することがあり、一般的なローソク足の場合「窓」がしばしば発生します。
しかし平均足のローソクの場合、一つ前のローソク、つまり月曜日最初のローソクの場合は、週末金曜日の最後のローソクを元にして作られるため、チャートに「窓」が発生することがないのです。
上の図でも示す通り、ローソク足で窓が発生した場合、価格の大きな変動がそのまま記録されてしまいますが、右に示す平均足では、窓が発生せず、価格のトレンドがよりわかりやすく表示されていることがわかります。
4-2.平均足の実体の長さはトレンドの強弱を示す
平均足の実体の長さはトレンドの強さを視覚的に示しています。
「実体」とは表示されているローソクの太い部分のことを言いますが、平均足の場合、この実体の長さが長ければ長いほど、そのトレンドが強いことを示します。
このため実体の長い陽線のローソク足が続く場合、価格上昇のトレンドが強く、引き続き上昇する可能性が高いことを示します。
また反対に、平均足のローソクの実体が短くなってきた場合、トレンド転換の兆候であるということが言えます。
4-3.平均足のヒゲはトレンドの方向と強さを示す
平均足ではヒゲの方向でトレンドを簡単に把握することができます。
平均足のヒゲは上昇局面では上ヒゲ、下降局面では下ヒゲが連続する傾向にあります。
ヒゲの長さが強い上昇、下降の強さを示すため、ヒゲの長さが長いほど上昇・下降のトレンドは継続する傾向にあります。
これは長いヒゲがトレンド転換を示す兆候となる一般的なローソク足の特徴とは正反対です。
平均足のヒゲも上ヒゲが高値、下ヒゲが安値という点は従来のローソク足とは変わりません。しかし実体の位置が異なるため、ヒゲの出方はローソク足と平均足で大きく異なってきます。
この点を読み間違えると平均足のメリットを生かすことができないため注意が必要です。
次章ではこれらの基本的特徴を踏まえ、実際にトレードで利用する際の具体的な注意ポイントについて確認していきましょう。
5.平均足を実際の売買の判断に活用!4つの具体的ポイント
前章で確認した平均足の基本的な見方を踏まえ、さらにトレードの判断に直結する平均足の4つの具体的なポイントについて確認しましょう。
これら4つのポイントを押さえるだけで、より簡単に為替のトレンドを捉えることができ、トレードでも余裕を持って売買のタイミングを判断することができるようになります。
一つずつ解説します。
5-1.上ヒゲ陽線が続く場合は上昇トレンドを示す
平均足では、上ヒゲが伸びる陽線の連続が生じた場合、強い上昇トレンドが生じていることを示します。
平均足では陽線・陰線が連続して出現する傾向があり、さらにヒゲはトレンドの方向に伸びる傾向があります。
このため上の図のように、上ヒゲが長く伸びる陽線が連続して出現する場合、強い上昇トレンドの局面にあると判断できるというわけです
5-2.下ヒゲ陰線が続く場合は下降トレンド示す
上昇局面とは反対に、平均足で下ヒゲの陰線が連続する場合は、強い下降トレンドの局面にあることを示します。
平均足の下降局面では陰線が連続して出現する傾向がより強く、またヒゲも下向きに伸びる傾向があるため、このようなチャートが確認できる場面では、強い下降トレンドであることがわかります。
5-3.上ヒゲ陰線は買い転換の兆候を示す
陰線が連続する下降局面で上ヒゲが伸びる陰線が生じた場合、トレンドが買いへ転換する可能性が高いことを示します。
平均足の場合、下降トレンドの陰線ではヒゲも下に伸びる傾向にありますが、トレンドの転換点が近づくと、陰線のローソクに上ヒゲが生じる可能性が高まります。
トレンド転換点で実体の幅が狭くなるのは平均足も一般的なローソク足も変わりませんが、平均足の場合、これに加えて、トレンドに逆行して伸びるヒゲがトレンドの転換点を見きわめる指標になるというわけです。
5-4.下ヒゲ陽線は売り転換の兆候を示す
また同様に、陽線に下ヒゲが出現した場合、相場は下落に転換する可能性を示唆します。
これまでお伝えした通り平均足ではトレンドの方向にヒゲが伸びる傾向が強いため、上昇局面では陽線+上ヒゲがセットで連続することになります。
そしてこのトレンドが終わるタイミングで、上の図のように下ヒゲが伸びる陽線が出現します。
このため平均足の場合、下ヒゲ陽線の出現が買い空売りへトレンドが変化する指標となるわけです。
6.MT4・MT5で平均足を表示する方法
最後に海外FXなどで一般的な取引ツールであるMT4やMT5で平均足を表示する方法について紹介しましょう。
基本的にはMT4を利用している方もMT5を利用している方も以下の2つの手順を踏むことで簡単に平均足を表示することができます。
では一つずつ確認しましょう。
6-1.【ステップ1】「Heiken-Ashi」を表示する
まずはMT4・MT5のチャート画面上に「Heiken-Ashi」を表示していきます。
MT4やMT5の画面に平均足を表示したい通貨ペアのチャートを表示した状態で、ナビゲーター画面を開き、「Heiken-Ashi」の表示をチャート画面上にドラッグ&ドロップしてください。
ナビゲーター画面の中の「Heiken-Ashi」の位置はMT4とMT5で若干異なります。それぞれ以下の場所で確認できます。
MT4の場合:ナビゲーター画面上の「インディケータ」フォルダをクリックして展開し、下にスクロールすると「Heiken Ashi」の表示を確認できる。
MT5の場合:ナビゲーター画面上の「指標」フォルダを展開し、さらに「Examples」フォルダを展開ののち、下にスクロールすると「Heiken Ashi」の表示を確認できる。
設定画面が表示されたら、平均足チャートの色と表示選択の設定を行い、「OK」ボタンをクリックします。
チャートの色と表示選択の設定はデフォルトのままでも問題ありません。
6-2.【ステップ2】チャートプロパティで表示設定を変更する
次にチャートのプロパティ画面で表示設定の変更を行っていきます。
ステップ1の手順では、ローソク足チャートの上に平均足チャートが重ねて表示された状態となるため、ローソク足の方を非表示に設定し、チャート画面上に平均足だけが表示されている状態に修正していきます。
まずチャート画面上で右クリックし、表示されたメニューから「プロパティ」を選択してください。
プロパティ画面が表示されたら、上に示す5つの表示を全て「None」に設定し、最後にOKをクリックしてください。
これで平均足のみを表示するチャートが完成します。
まとめ
今回はFXの平均足について詳しく解説しました。
「平均足」とはFXトレードにおいてローソク足よりも相場のトレンドを明確に捉えることができることができるチャートの表示方法のことを言います。
一般的なローソク足に比べ、陽線や陰線が連続して出現する傾向が強いことから、相場の動きや転換点が一目瞭然に、視覚的に把握することができるため、日本だけでなく海外のFXトレーダーにも多くの愛用者が存在します。
この平均足を利用すればFXトレードの知識や経験が乏しい初心者でも適切に為替のトレンドを把握することが可能になり、余裕を持って取引の判断ができるようになります。
本文ではFXの平均足の特徴について、以下の3つのポイントから詳しく解説しました。
- 平均足はトレンドをより明確に確認するための指標
- 平均足とローソク足の算出方法の違い
- 平均足は海外のトレーダーにも人気
特に平均足のFX取引におけるメリットとして挙げられるのが以下のポイントです。
- トレンドを視覚的に認識できる
平均足は陽線や陰線がトレンドに従順にはっきりと現れるため、価格変動を一目瞭然で視覚的に認識できるため、FXトレードの知識や経験が乏しい初心者でも適切に為替のトレンドを把握できるのです。
一方でデメリットとして挙げられるのが以下のポイントです。
- リアルタイムの細かい値動きは把握しづらい
平均足は価格を平均化して表示してしまうため、その時点での正確な価格を表示していません。
このため細かい値動きを正確に把握しにくいという特徴があり、この点でスキャルピングなどの超短期取引での利用には向いていません。
また平均足には一般的なローソク足とは異なる見方をする必要もあります。平均足を利用する場合は以下の3つの基本的な見方を把握しておくことをおすすめします。
- 平均足には「窓」がない
- 平均足の実体の長さはトレンドの強弱を示す
- 平均足のヒゲはトレンドの方向と強さを示す
また、この基本的な味方を踏まえた上で、取引においてはチャート上に生じる以下の4つのポイントについても押さえておくことをおすすめします。
- 上ヒゲ陽線が続く場合は上昇トレンドを示す
- 下ヒゲ陰線が続く場合は下降トレンド示す
- 上ヒゲ陰線は買い転換の兆候を示す
- 下ヒゲ陽線は売り転換の兆候を示す
この記事があなたのFXトレードの収益アップに役立つことを願っています。