「fxのエリオット波動について詳しく知りたい」
「エリオット波動という言葉を聞いたことはあるけど、どのようなものか分からない」
このようにお悩みではありませんか?
fxのエリオット波動とは、ラルフ・ネルソン・エリオットによって提唱されたテクニカル分析手法の1つです。エリオット波動理論では、「相場は一定のサイクルを繰り返しながら変動している」とされています。
サイクルは推進5波・調整3波の計8波で構成されており、エリオット波動が描く値動きの周期性から相場の動きを予測することができます。エリオット波動を活用すれば、エントリーのタイミング、売却のタイミングを理論に基づいて導き出すことが可能です。
下記の図は上昇トレンドにおけるエリオット波動を表しています。
上記のように推進5波・調整3波からなる波動がエリオット波動です。上昇トレンドでは「上昇5波・下降3波」、下降トレンドでは「下降5波・上昇3波」と言うこともあります。
また、エリオット波動には次の3つの原則があります。
エリオット波動には「エクステンション」と呼ばれる変形型もあります。変形型になると一見原則を満たしていないように見えたり、8波以上から構成されたりするパターンも見られます。(※詳細は記事中にて解説)
エリオット波動を正しく理解することで、価格の上下が予測できるようになり、損切りや利益確定にも役立つでしょう。
この記事では、エリオット波動の具体的な特徴や使い方について詳しく解説していきます。
- 5分で分かる!fxのエリオット波動【基本編】【応用編】
- fxでエリオット波動を活用したおすすめの取引方法3つ
- fxチャートからエリオット波動を簡単に見つける方法
この記事をお読みいただくことで、fx取引に必要なエリオット波動の基礎知識を網羅することができます。ぜひこの記事を参考に、エリオット波動について学んでいただき、実際のfx取引の参考にしていただけますと幸いです。
目次
1. 5分でわかる!fxのエリオット波動とは?
ここではエリオット波動の特徴について、【基本編】と【応用編】に分けて紹介していきます。
取引に活かしたい場合は、本章の応用編までしっかりと理解しておく必要があります。
1-1. 【基本編】エリオット波動を理解するための要点2つ
冒頭でもお伝えした通り、エリオット波動の基本的な特徴には次の2つがあります。
- 基本形は推進5波・調整3波の合計8波
- 3つの基本原則を満たしている
それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。
1-1-1. 基本形は推進5波・調整3波の合計8波
エリオット波動の基本的な形は次の図の通りです。
- トレンド方向に向かう5つの推進波(1~5波)
- トレンドの終了を表す3つの調整波(A~C波)
計8つの波による波動の形をエリオット波動と言います。
エリオット波動を用いた分析では「推進波を見つけて買いからエントリーして利益を出す方法」が一般的ですが、「調整波を見つけて売りから入る方法」もあります。
1-1-2. 3つの基本原則を満たしている
エリオット波動を理解するうえで重要なもう1つの要点は、「エリオット波動は3つの基本原則を満たしている」ということです。
上記の3つの原則を図で解説すると下記の通りです。
推進波のうち、3波が最も短い場合はエリオット波動の条件を満たさないので基本的にはエリオット波動ではないと判断します。
推進波のうち、2波が1波よりも安値をつけている場合もエリオット波動の原則を満たさないので、エリオット波動からは外れます。
推進波のうち、4波が1波の高値を割り込む上記のような場合も、エリオット波動の原則を満たしません。基本的にはエリオット波動ではないと判断します。
ここまでがエリオット波動の基礎的な知識です。
1-2. 【応用編】取引するなら知っておきたい!エリオット波動のお役立ち情報
本章では、エリオット波動を使ううえで知っておきたい、お役立ち情報についてお伝えしていきます。
- 8波以上になるイレギュラーもある(エクステンション)
- 「フィボナッチリトレースメント」と相性が良い
エリオット波動を用いて取引をする場合にはどちらも必須となる知識です。トレードに活用したいという方は必ず押さえておきましょう。
1-2-1. 8波以上になるイレギュラーもある(エクステンション)
エリオット波動には基本形から外れた変形型があります。その変形型のことを「エクステンション」と言います。
エクステンションでは、波動が8つ以上の波から形成されていたり、エリオット波動の基本形とは異なる形に見えたりすることがあります。
推進波のうち、トレンド方向に動く波(1波・3波・5波)が変形するケースが多いです。
上記のように、基本的には変形した波のなかに、更に5つの波が含まれています。
3波・5波の順に変形することが多いです。1波が変形することもありますが、後からでなければ見分けることができません。ごく稀に複数の波でエクステンションが起きることもあります。
エクステンションが起こっている波を1つの波と考えることで、前述の基本原則を満たします。
1-2-2. 「フィボナッチリトレースメント」と相性が良い
エリオット波動はフィボナッチリトレースメントというテクニカル指標との相性が非常に良いです。
エリオット波動を実際のトレードで使う時は、価格が反転するポイントを予測する必要があります。波が反転したポイントを事前に予測する際に、フィボナッチリトレースメントを合わせて活用しましょう。
フィボナッチリトレースメントとは、押し目や戻り目で価格が反発するポイントを予測できるテクニカル指標を指します。(※「押し目」:上昇トレンド中の一時的な下落。「戻り目」:下降トレンド中の一時的な上昇。)
強いトレンドでは38.2%前後、弱いトレンドでは61.8%前後のラインで価格が反発することが多いです。50%のラインも補助的に見ると使いやすいです。
これらのラインを目安に価格の反発を予測することで取引に役立てることができます。
更に詳しい情報を知りたい方は「fxのフィボナッチリトレースメント|押し目で利食いを狙える指標」こちらも合わせてお読みください。
エリオット波動上の1波から2波、2波から3波など、上昇と下降が切り替わるタイミングの目安としてフィボナッチリトレースメントを使うとよいでしょう。
エリオット波動をフィボナッチリトレースメントと合わせて活用することで、予測の確度が上がります。
2. fxでエリオット波動を活用したおすすめの取引方法3つ
エリオット波動を活用したおすすめの取引方法は大きく分けて3つあります。今回は上昇トレンドにおける取引方法を例に3つ紹介します。
- 1.推進3波に乗って買いエントリー
- 2.調整C波に乗って売りエントリー
- 3.推進1波と同じ値幅で売り決済
逆エントリー、逆決済に読み替えることで、下降トレンドでも応用が可能です。これらのエントリー・決済方法を知っておくことで、保有商品の損切りや利益確定に活用できます。
では1つずつ解説していきます。
2-1. 推進3波に乗って買いエントリー
1つ目のおすすめ取引方法は、推進3波(上昇3波)に乗って買いエントリーをする方法です。3波は最も値幅が大きくなりやすく、初心者でも利益を狙いやすいです。
上図にあるように、1波・2波の高値を超えたポイントが具体的なエントリーのタイミングとなります。決済は5波が3波・4波の高値を超えたタイミングがベストです。
ただし、5波は突然下降トレンドに転換します。買いエントリーをするタイミングで、合わせて利益確定や損切りの決済注文も事前に入れておくと安心です。
2-2. 調整C波に乗って売りエントリー
2つ目のおすすめ取引方法は、調整C波(下降C波)に乗って売りエントリーをする方法です。
C波はトレンドの終了を意味します。このC波の始点で売りエントリーができることで、短い期間で大きく利益を得られる可能性が高いのです。
上昇トレンド中に買いから入った人たちがこのタイミングで一気に売り決済(主に損切り)をするからです。他の人の損切り注文が増えるタイミングと一緒に売りから入ることで、早く大きく利益を得やすいのです。
タイミングとしては、A波・B波の安値を下回ったときがおすすめです。C波の途中で価格の揉み合いがある場合、揉み合いが確認できたタイミングでエントリーをして、揉み合い後の値下がりを狙うことも可能です。
下降トレンド(上図の青線)に切り替わった後は、少しずつ価格が下がっていきますが、C波はエリオット波動のなかでも特に勢いよく価格が下がる傾向にあります。C波が発見できたら売りエントリーをして、短期間で効率よく利益獲得を狙いましょう。
2-3. 推進1波と同じ値幅で売り決済
3つ目のおすすめ取引方法は、推進1波(上昇1波)と同じ値幅で売り決済をする方法です。エリオット波動に早く気が付くことができれば、安定して利益を得やすい方法です。
こちらもフィボナッチリトレースメントを使いますが、これまでの使い方とは少し異なります。下の図を見てください。
まずは1波の安値と高値を使ってフィボナッチリトレースメントを適用させます。このときのポイントは1波の高値を50%に設定することです。(※通常なら高値を0%に設定する。)
その後、価格が0%のラインに到達したタイミングで売り注文を入れましょう。そうすることで推進1波と同じ値幅で決済することができます。1波が最も長くなったり、エクスパンションしたりすることは少ないです。そのため、1波と同じ値幅で決済すると利益を得られる確率が上がるのです。
エントリーは、推進波中の早い段階でエリオット波動を発見したタイミングで行います。発見が遅れるとこの方法は使えない、もしくは利益が少なくなります。
エリオット波動の推進1波をいち早く見つける方法は「3. fxチャートからエリオット波動を簡単に見つける方法2つ」こちらで解説していますので、参考にしてください。
(上昇トレンドの場合、)2波・4波など、トレンドに対して反発する波で売りから入る取引方法もあります。上記3つの取引方法と合わせて実行することで、効率よく利益を上げられます。
具体的には1波・3波が下降へと転換したタイミングで売り注文をし、それぞれ3波・5波が来る前に決済してしまいます。
ただし推進2波・4波はトレンドとは逆方向に反発する波であり、値幅が小さいです。取引には素早い判断が必要です。エリオット波動を初めて取引に使う方は上記3つをまずは試してみるのがおすすめです。
3. fxチャートからエリオット波動を簡単に見つける方法
fxを始めたばかりの人のなかには「理論は分かっているものの、エリオット波動をなかなか見つけられずに取引に活用できてない」という方も多いです。
結論としては、エリオット波動を見つけようとするのではなく、まずは押し安値・戻り高値を見つけましょう。押し安値・戻り高値を超えた波が、エリオット波動の推進1波となることが非常に多いです。
とはいえ言葉だけで理解するのは難しいでしょう。上昇波から始まるエリオット波動の見つけ方を例に、図解を交えて解説していきます。
以下の画像では、「下降トレンドが終わった後、戻り高値がついている」のが分かりますね。
戻り高値を超えて高値をつけた波を探すことで、上昇から始まるエリオット波動の始点、および推進1波を見つけやすいです。
上図では、
- 戻り高値①を超えた波が推進3波
- 戻り高値②を超えた波が推進1波
となっています。
下降トレンドから始まるエリオット波動を見つけたい場合は、押し安値をまずは見つけたあとに、更に安値を更新する波を探しましょう。その波が下降トレンドから始まるエリオット波動の推進1波であるケースが多いです。
なお、戻り高値を上抜けたり、押し安値を下抜けたりしたからといって、必ずエリオット波動になるとは限りません。レンジ相場になるパターン、下降・上昇が継続するパターンがあることも覚えておきましょう。
インジケーターの適用で押さえるべきポイントを可視化しよう!
FX取引・分析ツールMT4・MT5では、「ZigZag」というインジケーターが設定できます。これにより、押さえるべき安値・高値を自動でピックアップし、波の形を自動で抽象化することが可能です。
【ZigZag設定前】
【ZigZag設定後】自動で赤色の線が表示される
押し目や戻り目も視覚的に判断しやすくなるので、エリオット波動を活用して取引を行いたい方は事前にチャート上に表示させておくのがおすすめです。
■ZigZagの表示・設定方法
上部ツールバーの「挿入」→「インディケータ」→「カスタム」→「ZigZag」を選択。
数値は基本設定のままでOK
4.「fxでエリオット波動は使えない」は本当なのか
ここまではエリオット波動の意味や使い方について解説をしてきました。
しかし一方で、「fxではエリオット波動は使えない」という声もあります。これには「エリオット波動は後付けでどうとでも解釈ができる」という理由があります。
たしかに、「今はエリオット波動のどの部分か?」ということだけを考えながら取引をしようとすると、型通りの波形が出ない場合は使いにくいでしょう。
結論としては、エリオット波動理論はあくまでも判断材料の1つであると考えましょう。本記事でも紹介したフィボナッチリトレースメント等、他の指標と合わせて活用することができれば実際の取引にも活用可能です。
多角的な分析から、総合的に判断して取引の根拠を増やすことが大切です。当サイトでは、エリオット波動以外にもあらゆるテクニカル分析について解説をしています。よければ参考にしてください。
5. まとめ
以上この記事では、エリオット波動の具体的な特徴や使い方について詳しく解説してきました。
- 5分で分かる!fxのエリオット波動【基本編】【応用編】
- fxでエリオット波動を活用したおすすめの取引方法3つ
- fxチャートからエリオット波動を簡単に見つける方法
この記事をお読みいただくことで、fx取引に必要なエリオット波動の基礎知識を網羅することができたのではないでしょうか。ぜひこの記事を参考にエリオット波動について学んでいただき、実際のfx取引にフル活用していただけますと幸いです。
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