「FXを始めてみたいけれど、借金地獄に陥るのが怖い」
そんな風に不安を感じている方がいるかも知れませんが、実のところ、FXは借金地獄に陥りにくい投資方法であることはご存じでしょうか。
特に、ゼロカットシステムのある海外FXでは、FX口座に預けている以上の損失が出ることは無いため、借金が発生する可能性はゼロです。(※金融機関で借金した資金を自らFX口座につぎ込んだ場合は別です。)
それではなぜ、FXで借金地獄に陥ってしまったケースを耳にすることがあるのでしょうか。実は、FXで借金地獄に陥ってしまう原因はたった2つのケースしかありません。
今回は、FXでは借金が発生しない原因や、それでも借金地獄に陥ってしまう2つのケースを紹介した後、実際にFXで借金地獄を経験した人の事例も詳しく紹介していきます。
- ◆FXは基本的に借金が発生しない仕組みなので、借金地獄に陥るケースは稀である
- ◆FXで借金地獄に陥ってしまうには、以下の2つのケースがある
①借金して用意したお金を、FXトレード資金に投入してしまう
②相場の急変などでロスカット発動が間に合わず、追証が発生してしまった - ◆FXで借金地獄に陥ってしまった場合、任意整理・個人再生・自己破産の手続きを取ることができる
- ◆絶対に借金したくないならば、ゼロカットシステムがある海外FXの方が安全!
この記事を読み終わる頃には、FXが決して危険なものではないことを理解でき、借金を負わないために必要な知識を身に着けることができます。ぜひ最後までお読みください。
目次
1. FXでは基本的に借金地獄に陥る可能性は低い
冒頭でも述べた通り、FXは失敗したとしても借金が発生しにくい投資です。特に、海外FXの場合は、借金が発生する可能性はほぼゼロです。
その理由は、①ゼロカットシステム(海外FXのみ)+②ロスカットという2つの仕組みが存在しているからです。
投資家を守る仕組み | 国内FX | 海外FX |
---|---|---|
ゼロカットシステム | ||
ロスカット |
この3つの仕組みは、投資家を守るためのセーフティーネットのような役割を持っています。
1-1. ゼロカットシステムなら追証は一切発生しない
海外FXには、国内FXには無い「ゼロカットシステム」という仕組みがあります。簡単に言うと、口座に預けている証拠金以上の損失が発生しない仕組みで、口座残高がマイナスにならないので、どれだけ負けたとしても追証は発生しません。
もしもマイナス分が発生した場合は、海外FX業者がそのマイナス分を負担してくれて、口座残高をマイナスからゼロに戻してくれるのです。
追証を払うために借金する事態は起こりえないため、急な相場変動があったとしても、借金を負う可能性はゼロです。口座に預けている証拠金以上の損失は起こりえないのです。
ただし、この素晴らしいゼロカットシステムは海外FXのみで採用されている仕組みです。国内FX業者は採用していないため注意してください。
ゼロカットシステムについてもっと詳しく知りたい方は、「海外FXのゼロカットとは?仕組みとメリット・デメリットを解説」の記事をぜひ参考にしてください。
1-2. ロスカットがあるため追証は発生しにくい
ロスカットは国内FXでも海外FXでも導入されている仕組みです。簡単に言うと、証拠金維持率が一定の割合(業者ごとに異なる)を下回った場合に、それ以上の損失を防ぐために強制決済される仕組みを言います。
例えば「みんなのFX」の場合、証拠金維持率が100%を下回ると強制ロスカットが発動し、持っているポジションが強制決済されて損失が確定します。なぜこのような仕組みがあるかというと、トレーダーの損失が膨らみ過ぎることを防ぐためです。
ロスカットが無ければ損失はどんどん膨らんでいき、場合によっては口座残高がマイナスになる危険性があります。口座残高がマイナスになってしまうと、マイナス分を借金してFX会社に返さなければならなくなります。
しかしロスカットがあることで、損失がマイナスになる前に強制決済されるため、入金した残高以上の損失は出ないようになっているのです。
ただし、一点注意点があります。ほとんどの国内FX業者では、既定の証拠金維持率を下回った場合に自動的にロスカット(強制決済)が発動します。しかし中には、証拠金維持率を下回った場合に、当日以内に追証を追加入金することでポジションを継続できるFX業者があります(DMM FX、YJFX!、GMOクリック証券など)。できなければ持っているポジションが強制決済されます。
この場合、ポジション継続を選ぶには追証を支払う必要があるため、借金を負う可能性が出てくる点に注意しましょう。
ロスカットについてもっと詳しく知りたい方は、「XMのロスカットの仕組みを解説!ロスカットされない方法が初心者でも分かる」の記事も参考にしてみてください。
2. FXで借金地獄に陥ってしまう2つの原因
1章では、FXは借金地獄どころか借金が発生しづらいと解説しました。それではなぜFXで借金地獄に陥ってしまう人がいるのか、解説していきます。
先ほど説明した通り、FXは基本的に借金が発生しない仕組みとなっています。それでも借金が発生してしまうケースには、以下の2つの原因が考えられます。
- ◆借金して用意した資金を、FXトレードに投じてしまった場合
- ◆ロスカット発動が間に合わず、追証(追加証拠金)が発生した場合
それぞれのケースについて詳しく解説していきます。
2-1. 原因①借金して用意した資金を投じてしまう
FXトレードで借金地獄に陥る一番の原因は、取引に必要な資金を借金で用意して投じてしまうのが原因です。
例えば、FXを始めた当初に100万円の利益を出したトレーダーAさんが、ある時損失を出して残高がゼロになったとします。最初に良い思いをしているAさんは「資金さえ用意すればまた利益を出せる」と思い込み、借金をして用意した50万円をFX口座に入金してトレードを始めてしまいます。その50万円を失ってしまったとしたら、Aさんの手元には50万円の借金が残ります。またその負けを取り返そうと借金を繰り返せば、借金地獄に陥ってしまいます。
手元の自己資金が足りないからと言って借金でFX資金を用意してしまうと、どんどん借金が膨らんでいく一方です。また、負けを取り返そうと借金を重ねることで、気付いたら借金地獄に陥ってしまうケースがあります。
その他、手元の余剰資金だけではなく生活費を使い込んでしまった場合は、次の給料日までに生活費が足りなくなり、結果的に借金する羽目になってしまうこともあるでしょう。
2-2. 原因②ロスカット発動が間に合わず追証が発生
先ほどから解説している通り、FXには追証(追加証拠金)が発生しないためのロスカットという仕組みが用意されています。基本的にはロスカットの仕組みがある限り、追証は発生せず、借金は発生しません。
しかし急な相場変動などでロスカットが間に合わない事態が発生した場合、追証が発生してしまう可能性があります。
- ◆相場に関わる大きなアクシデントが報道された場合
- ◆週をまたいでポジションを保有した場合
- ◆FX口座のシステム障害によって取引ができなかった場合
追加証拠金が想定外に大きな金額となった場合は、借金地獄に陥る可能性もゼロではないのです。
なお、ゼロカットシステムを採用している海外FX業者でトレードした場合は、追証が発生することは一切ありません。そういう意味では、国内FX業者よりも安心と言えるかもしれません。
このように、借金が発生しづらいFXトレードで借金地獄に陥ってしまうのは、ある意味特殊な例と言えます。急な相場変動が予測される場面にはトレードしない、借金してまで口座に入金しないなどのルールを徹底すれば防げる事態なので、むやみに心配する必要はありません。
失敗しないためのポイントは、この後「5. FXで借金しないための7つの対策」で詳しく解説します。
3. FXで借金地獄に?FXで多額の損失を出した人の失敗事例
2章で解説した通り、基本的には借金を背負いにくいものの、多額の借金を抱えるケースがゼロではないのがFXです。ここからは、実際にFXで多額の損失を被ったトレーダーの失敗事例を3つ紹介していきます。
3-1. FXと仮想通貨で1,900万円負けた高橋さんの事例
出典:DIAMOND online>FX・仮想通貨にハマり借金も…1900万円負けた37歳の「マイルド貧困」
大学を卒業してIT企業に就職した高橋さんは、2003年頃に株式投資を始めて、一時は2,700万円ほどまで資産を増やしたそうです。しかしライブドアショックの直撃を受けて一気に資産が減少。その頃にFXにハマり、レバレッジ50倍や100倍といったハイレバレッジでのトレードにのめりこんでいきました。
生活費以外の給料を全てFXに投じていた高橋さんですが、なかなか勝てない時期が続いたそうです。それでも株で2,700万円まで資金を増やした成功体験があったため、投資の才能があると思い込んでいた高橋さん。国内FXのレバレッジが25倍に規制された影響で投資資金が足りなくなったタイミングで、ついに借金に手を出してしまったそうです。
32歳で初めてカードローンで150万円借り、その後もクレジットカードのキャッシングや消費者金融からも借り、最大650万円を集めたそうです。投資で儲かった時にはその利益を返済に充てて、全額返し終わった時期もあるそうです。しかし、完済後にまた新たに借りるなどを繰り返していった結果、借金の総額はなんと1,000万円近くになってしまいました。
このケースでは、借金でFX投資資金を準備したことが、借金地獄に陥った原因となっています。詳しくは後述しますが、手元にある余剰資金でトレードする大切さが分かりますね。
3-2. 年明けの相場急落で2,450万円の損失が発生
年が明けて間もない1月3日の早朝、ドル円相場が4円も動く大きな相場変動がありました。その最中にトレードしていた「プルート」さんは、強制ロスカットを受けて、なんと2,450万円もの損失額を出してしまったそうです。
ただし、この方は投資で年収2.3億円稼いでいる方で、この2019年も最終的には9,730万円の利益を出しています。こうした損失額を出しながらも、借金地獄に陥ったわけではなさそうです。
しかし、もしこの資金の元手が借金で得たものだったなら…と想像すると冷汗が出てしまいます。
3-3. 負けを取り戻そうとして気付けば借金地獄に陥った事例
こちらのツイート主さんは、奨学金を早期返済する目標のためにFXトレードを始めて、当初は10万円を80万円に増やすなど、順調に利益を出したようです。
しかしその後はなかなか上手く行かず、損失を取り戻すために借金をして、FXに投じてしまったそうです。気付いた時には借金地獄に陥っていたという典型的なパターンです。
その後は、アカウント名にあるように、自己破産を決意して弁護士や破産管財人と手続きを進めているようです。
4. FXで借金地獄に陥った場合の債務整理方法
FXで失敗して借金地獄に陥ってしまった場合、その返済が難しければ「債務整理」を行う必要があります。債務整理とは、支払えなくなった借金を減額してもらったり免除してもらったりすることをいいます。
債務整理には、①任意整理、②個人再生、③自己破産の3種類があります。
4-1. 任意整理
任意整理は、裁判所の手続きを取らずに直接債権者(お金を借りた相手)と交渉して、月々の返済を軽くしてもらう方法です。
具体的には、返済にかかる利息分を免除してもらったり、3~5年などの長期分割にしてもらったりして、返済計画の立て直しを交渉していきます。借金の金額がそれほど多くなく一定の収入が見込める場合などには、任意整理をおすすめします。
4-2. 個人再生
個人再生とは、裁判所を通じて、借金額をを5分の1~10分の1程度にまで減額する債務整理方法です。借金を大幅ダウンできるとともに、住宅などの財産を処分しなくて済むメリットがあります。
自己破産では財産を全て処分して白紙の状態に戻さなければならないため、財産を残しつつ借金を減らしたい方におすすめの方法です。
4-3. 自己破産
自己破産は、全ての借金をゼロにすることが可能な手続きで、債務整理方法の中でも最終手段と言われるものです。
ただし、自宅や車などの財産は基本残せないこと、一定の期間中に職業や資格の制限を受けること、クレジットカードやローンなどを5~10年利用できなくなるなどのデメリットがあります。
ここで紹介した3つの方法のうち最適な方法を判断するためには、まずは弁護士や司法書士に相談してみるのがおすすめです。
5. FXで借金地獄に陥らないための7つの対策方法
FXで借金地獄に陥りたくないならば、そうならないための対策方法を学び、それらをしっかりと守っていくことが大切です。具体的には、以下の7つの対策方法を必ず守るようにしましょう。
- ❶余剰金でトレードする
- ❷初心者のうちは少額取引を心がける
- ❸レバレッジの高いトレードは控える
- ❹一定の損失が出たら必ず損切りする
- ❺逆指値注文を入れる
- ❻土日の為替変動を避ける
- ❼デモトレードでトレーニングする
それぞれの対策方法についてさらに詳しく知りたい方は、「FXで借金しない方法!借金が発生する2つのケースと7つの対策」の記事をぜひご覧ください。
6. 絶対に借金したくないなら海外FXがおすすめ
ここまで解説したように、FXはそもそも借金が発生しにくい仕組みとなっています。それでも借金を背負ってしまうのは、借金を元手に取引してしまうケースか、ロスカット発動が間に合わないケースのどちらかです。
前者はトレーダー自身が「借金しない」というルールを守っていれば起こりえません。しかし、ロスカット発動が間に合わないケースは、気を付けていたとしても、起こる可能性がゼロではありません。
ロスカットが間に合わずに借金(追証)を背負う事態を避けたいならば、国内FXではなく海外FXを選択することがおすすめです。なぜならば、ゼロカットシステムがある海外FXでは、ロスカットが間に合わなくて口座残高がマイナスになったとしても、マイナス分をFX業者が補填してゼロに戻してくれるからです。
ゼロカットシステムがあれば追証は発生しないため、不測の事態で借金を負ってしまう可能性はゼロです。
さらに、国内では最大25倍のレバレッジが海外FXなら1000倍や1,000倍、口座開設だけでもらえるボーナスが豪華などのメリットもあります。今まで「FXやるなら安心な国内で」と考えていた方も、海外FXを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
「ゼロカットシステムがある」「借金を負うリスクが無い」という点で考えると、国内FXよりも安心してトレードできる環境が整っているのが海外FXです。
➡海外FXのメリットや国内FXとの違いを知りたい方は、「海外FXのメリット7つとデメリット5つ|国内FXとの違い・向いている人が分かる」の記事もぜひお読みください。
まとめ
この記事では、FXで借金地獄に陥ってしまうケースについてさまざまな情報をお届けしてきました。
基本的にはFXが原因で借金地獄にまで発展してしまうのはかなり稀なケースであることが理解できたでしょうか。「FXって怖い」という感覚を少しでも払拭できたなら嬉しく思います。
とはいっても、FXトレードは、借金に陥らないまでも多くの損失を出す可能性はあります。かならず損切をする、相場変動が激しい時間帯にはトレードしないなど、損失が拡大しないためのルールを守って取引を進めていきましょう。