海外FXコラム FXの移動平均線とは|トレンドやタイミングを分析して勝率アップ

FXの移動平均線とは|トレンドやタイミングを分析して勝率アップ

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「FXの移動平均線ってどんなもの?」

「移動平均線って、FX取引でどうやって活用したらいいの?」と思ったことはありませんか。

移動平均線とは、決められた期間の終値の平均を結んでできる線のことを指し、売買タイミングや相場の値動きを予測するために用いられています。

しかし、移動平均線は1本だけでは正確な予測が難しいため、複数を組み合わせて使うのが効果的です。複数の移動平均線を使ってFX取引の売買タイミングを分析する手法には、以下のようなものがあります。

・ゴールデンクロスとデッドクロス
・グランビルの法則

この記事では、以下についてお伝えしていきます。

本記事でわかること
  • 移動平均線とはなにか
  • 売買タイミングを把握しやすい指数平滑移動平均線について
  • ゴールデンクロスとデッドクロスについて
  • グランビルの法則について
  • 移動平均線の3つの使い方と期間設定について

本記事で移動平均線について理解し、ゴールデンクロスやデッドクロス、グランビルの法則を活用してFX取引で勝率をあげていきましょう。

1. FXにおける移動平均線とは

FX取引では、相場の値動きを確認し、売買タイミングを見極めるために、さまざまなテクニカル分析が用いられています。

なかでもFX初心者から上級者まで幅広く使われているのが、移動平均線です。

以下で、FXにおける移動平均線とはどんなものか、移動平均線をチャート上に表示させるとわかることについて解説していきます。

1-1. FXにおける移動平均線とは

FXにおける移動平均線とは、決められた期間の終値の平均を結んでできる線のことです。

5日間などの短期間を表す移動平均線もあれば、200日間などの長期間を表す移動平均線もあり、デイトレードや中長期トレードなど、FX相場のトレンドを把握するために利用されます。

1本だけで利用するよりも、複数の線を組み合わせて使うことで、売買タイミングや相場の値動きをより正確に予測できるのが特徴です。

1-2. 移動平均線でわかること

移動平均線をチャート上に表示させると、以下のようにFX相場のトレンドを把握できます。

・線が上向きの場合:上昇トレンド
・線が下向きの場合:下降トレンド
・線が上向きでも下向きでもない場合:レンジ相場

相場は、一瞬下がったように見えてもすぐに上がる場合があります。本当に下降トレンドなのかどうか判断するためには、中長期の移動平均線を見て過去から今に至る大きな流れを把握することが大切です。

もし、今のレートが移動平均線と比べて大きくかけ離れている場合、一時的に下落しただけですぐに上昇するかもしれないと判断することができます。

2. 移動平均線で分かる2つの売買サイン

短期の移動平均線と長期の移動平均線が交わるタイミングによって、「買いサイン」や「売りサイン」を判断する方法があり、次のように呼ばれています。

・買いサイン:ゴールデンクロス
・売りサイン:デッドクロス

以下で、それぞれの特徴やサインの見極め方について解説していきます。

2-1. ゴールデンクロスとデッドクロスとは

ゴールデンクロス、デッドクロスとも、2本の移動平均線が以下のように交差したタイミングで、価格の上昇や下落が起こると判断します。

ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が中・長期の移動平均線を下から上へ突き抜けたタイミングで、デッドクロスは短期の移動平均線が中・長期の移動平均線を上から下へ突き抜けたタイミングで、それぞれ「買いサイン(ゴールデンクロス)」「売りサイン(デッドクロス)」と判断します。

もちろん、確実に価格が上昇あるいは下落するとは限らず、反対に動いてしまう場合もありますが、売買のタイミングを判断するためによく使われる方法です。

2-2. 複数の時間軸でチェックし交差の角度に注目する

移動平均線を見てゴールデンクロスとデッドクロスを判断する際には、以下の2点に注意してください。

  • 移動平均線は複数の時間軸でチェックする
  • 交差の角度に注目する

移動平均線を表示させる際に、1分足や5分足といった短期足を使っている場合は、ゴールデンクロスやデッドクロスだと判断したのにそうならなかったということが起こりがちです。

チャートの種足が短いと、頻繁にゴールデンクロスやデッドクロスが発生する可能性があるため、15分足など複数の時間軸をチェックして分析していきましょう。

また、2本の移動平均線が交わる際の角度にも注目してください。ゆるやかに交差している場合は、上昇あるいは下落が弱い可能性を示しているため、あまり信頼性は高くありません。

一方で、交差の角度が急であればあるほど、上昇あるいは下落が強いサインとなり、信頼性は高くなります。

3. 移動平均線は指数平滑移動平均線をマスターすればOK

移動平均線には以下の3種類がありますが、FX取引にあたっては、利用者の多い指数平滑移動平均線をマスターしましょう。

  • 単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)
  • 指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)
  • 加重移動平均線(WMA:Weighted Moving Average)

3-1. 指数平滑移動平均線とは

指数平滑移動平均線は、一定期間の終値を平均した数値を結んだものですが、直近のレートを2回使って計算します。

直近価格のほうが過去の価格に比べて影響が大きいという考え方から、直近レートに比重を置いて計算するのが特徴です。

FXチャートソフトでは、設定すれば自動的に指数平滑移動平均線をチャート上に表示してくれます。そのため、計算方法を暗記する必要はありませんが、どのような考え方に基づいた指標なのかということは理解しておきましょう。

◎単純移動平均線と加重移動平均線との違い

単純移動平均、加重移動平均とも、一定期間の終値を足して日数で割るのみで、最新の終値を足すことはありません。そのため、指数平滑移動平均のように直近の値動きが強く反映されないのが特徴です。

単純移動平均線は初心者をはじめ利用しているトレーダーも多いですが、加重移動平均線はそれほどメジャーな分析方法ではありません。

3-2. 指数平滑移動平均線がFXで利用される理由

指数平滑移動平均線は、単純移動平均線と比べると直近の値動きに敏感に反応するため、多くのトレーダーが利用しています。

直近の価格をより強く反映する形で平均線が形成されるため、単純移動平均線と比べると相場の急変などトレンドの変化に気づきやすく、売買のタイミングを逃さずキャッチしやすくなるのが特徴です。

FXにおいて「ここから上がるのか?下がるのか?」という方向性をいち早く察知し、売買を行いたい場合は、指数平滑移動平均線を積極的に使っていきましょう。

4. 移動平均線の主な3つの使い方

チャート上に表示される移動平均線の使い方としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 移動平均線の傾きでトレンドの勢いを判断する
  • 移動平均線とローソク足の位置関係からトレンドを判断する
  • 乖離率を計算して売買のタイミングを判断する

以下で、ひとつずつ解説していきます。

4-1. 移動平均線の傾きでトレンドの勢いを判断する

移動平均線の傾きに着目すると、トレンドの勢いを判断できます。移動平均線の角度が大きければ大きいほどトレンドの勢いが強く、角度がゆるやかであれば、トレンドの勢いが弱いことがわかります。

FX相場は永遠に上昇し続ける、あるいは下落し続けるということはあり得ません。常に上がったり下がったりを繰り返し、移動平均線は波形になります。

そのため、移動平均線の角度がゆるやかになってきたら、「そろそろトレンドが切り替わる頃合いかもしれない」と判断することができるのです。

4-2. 移動平均線とローソク足の位置関係からトレンドを判断する

移動平均線とローソク足との位置関係を把握することで、以下のようにトレンドが判断できます。

  • ローソク足が移動平均線より上にある場合:上昇トレンド
  • ローソク足が移動平均線より下にある場合:下降トレンド

上昇トレンドの場合、移動平均線は為替レートよりも遅れて上がっていきます。そのため、移動平均線の上にローソク足があるということは、すでに上昇トレンドがスタートしていると読み取れるわけです。

下がるときも同様で、移動平均線は為替レートよりも遅れて下がっていくため、ローソク足が移動平均線より下にある場合は、すでに下降トレンドに入っていると判断できます。

はっきりした位置関係ではなく、ローソク足が移動平均線の上下を行ったり来たりする場合は、トレンドが発生していないレンジ相場と考えて良いでしょう。

4-3. 乖離率を計算して売買のタイミングを判断する

乖離率とは、チャート上に表示された移動平均線から価格がどのくらい離れているかを示すものです。

移動平均線から価格が離れすぎるとトレンドが転換する傾向があるため、どのくらい離れているかを計算することで、売買のタイミングが判断しやすくなります。
具体的には、移動平均線に表示されている数値よりも、5%以上価格が離れると相場が調整局面に入ると言われており、10%以上離れるとトレンドが転換すると言われています。

たとえば終値が100円で、移動平均線の価格が90円の場合、乖離率は10%です。この場合、10%以上価格がプラス方向に離れているため、「そろそろ下降トレンドに転換する頃合いなので、これ以上は上昇しないだろう」と判断して、売りサインと考えることができます。

5. 移動平均線の期間設定

移動平均線をチャート上に表示させる際は、期間設定が必要です。

以下で、3種類の期間設定と、トレード方法によって期間設定を使い分ける大切さについて解説していきます。

5-1. 3種類の期間設定

期間設定は、以下のように短期線、中期線、長期線の3種類に分かれています。

  • 短期線:5日、6日、10日、12日など
  • 中期線:20日、25日、50日、75日、89日など
  • 長期線:100日、144日、200日、233日など

それぞれの線の中で何日に設定したら良いかと迷うかもしれませんが、5の倍数にあたる以下がよく利用されています。

  • 短期線:5日、10日
  • 中期線:20日、75日
  • 長期線:100日、200日

FXは土日の取引はできないため、平日5日間を基準に考えると、5の倍数を使うことで「何週間分の期間設定」だと感覚的に理解できるでしょう。

「前回までは長期線を100日で見ていたけれど、今回からは200日で設定してみよう」といった具合に検証を重ねながら、一番しっくり来る期間を探していってください。

5-2. トレード方法によって異なる期間設定

期間設定は、トレード方法によって変えていくようにしましょう。

たとえば、数秒あるいは数分単位で取引を行うスキャルピングの場合、100日や200日の長期線を見てもほとんど参考になりません。スキャルピングの場合は、基本的に5日の短期線をメインとして、20日の中期線を組み合わせていくような形が理想的です。

このように、値動きを分析するためには、できるだけ短期線と中期あるいは長期線を組み合わせて判断していきます。

実際の期間設定はトレーダーによってまちまちですが、トレード方法別にまとめると、以下のような設定がおすすめです。

  • スキャルピング:短期線(5日)と中期線(20日)
  • デイトレード:短期線(5日〜10日)と中期線(20日〜75日)
  • 長期トレード:短期線(10日)もしくは中期線(20日)と長期線(100日〜200日)

6. 移動平均線と合わせて使うと効果的なグランビルの法則

グランビルの法則とは、アメリカ人のジョゼフ・グランビルが考案したもので、ゴールデンクロスやデッドクロスよりも、より精密な分析ができると言われています。

売買のタイミングが「買い4つ、売り4つ」の合計8パターンに分類されており、移動平均線に為替レートが近づいたり離れたり、交わった時に発動されるのが特徴です。

以下で、買いパターンと売りパターンについて、ひとつずつ解説していきます。

6-1. 4つの買いパターン

グランビルの法則には、以下の4つの買いパターンがあります。

「1. 乖離」は、下向きの移動平均線の下に価格が大きく乖離したタイミングを指します。

価格は移動平均線の方に近づこうという性質があるため、大きく価格が乖離したら、そろそろ値上がりするであろうと読み取れます。その結果、買い注文を出すトレーダーが増え、実際に相場が上がっていくのです。

「2. 上抜け」は、移動平均線が上向きまたは横ばいのときに、価格が下から上へ抜けたタイミングを指します。

価格が移動平均線を突き抜けたということで、「これから値上がりしそう」という期待感から買い注文を出す人が増え、ますます相場が上がっていく流れです。

「3. 下抜け」は、「2. 上抜け」のタイミングで買い注文を出した人が利益を確定して売り始めることで、価格が下落します。

ここで重要なのは、価格は下落しているものの、移動平均線は上向きです。つまり、これから再度上昇するであろうと判断できるため、価格が安いうちに買っておこうと注文が増えていきます。

「4. 下抜けず再上昇」は、移動平均線の近くまで価格が下落したものの、下抜けすることなく再び価格が上昇したタイミングを指します。

売るトレーダーもいれば買うトレーダーもいるため、相場は上がったり下がったりを繰り返しますが、下抜けしないということは、上昇の勢いが強いと判断できます。そのため、買いポイントと判断できるのです。

6-2. 4つの売りパターン

グランビルの法則には、以下の4つの売りパターンがあります。

「1. 乖離」は、移動平均線の上に価格が大きく乖離したタイミングを指します。

前述したように、価格は移動平均線の方に近づこうという性質があります。そのため、大きく価格が乖離したら、そろそろ値下がりするだろうと読み取れるため、売りタイミングと判断できるのです。

「2. 下抜け」は、移動平均線が下向きまたは横ばいのときに、価格が上から下へ抜けたタイミングを指します。

移動平均線が下向きもしくは横ばいということは、上昇の可能性は低いわけです。そのタイミングで価格が移動平均線を突き抜けたということで、相場は下落していくと判断できるでしょう。

「3. 上抜け」は、移動平均線が下向きのときに、価格が下から上へ抜けたタイミングを指します。

価格は上がっていますが、移動平均線が下向きということは、今後の上昇の見込みは薄いです。そのため、持ち続けずに売るタイミングといえます。

「4. 上抜けず再下降」は、移動平均線の近くまで価格が上昇したものの、上抜けすることなく再び価格が下落したタイミングを指します。

移動平均線が依然として下向きのため、いったん上がっても上抜けしないということは、まだ下落傾向だと判断できます。そのため、いったんポジションを決済するトレーダーが増えるといえるでしょう。

7. 移動平均線を活用する際はダマシに注意

ここまで、ゴールデンクロスやデッドクロス、グランビルの法則などについて解説してきましたが、売買サイン通りにFX相場が動かず、逆方向に動くことがあります。これを「ダマシ」と呼びます。

ダマシを100%回避することは難しいですが、取引のタイミングをより正確に見極めるためには、以下の点に注意してください。

  • 売買サインが出ても、すぐに売り買いしない
  • 値動きが落ち着いてから注文する
  • 複数の移動平均線を組み合わせて売買タイミングを判断する

移動平均線でゴールデンクロスやデッドクロスが現れた際は、すぐに売り買いするのではなく、少し様子を見てから取引することが大切です。

また、移動平均線は1本だけではなく、必ず2本を組み合わせて判断するようにしてください。たとえば5日の短期線と20日の中期線を組み合わせることで、片方で買いサインが出ていたとしても、本当に今買ってよいのかどうかを判断できます。

8. まとめ

本記事では、FXにおける移動平均線について解説しました。

◎移動平均線とは、決められた期間の終値の平均を結んでできる線を指します。

短期線、中期線、長期線の3種類に分かれており、短期線と中期もしくは長期線を組み合わせて2本表示させることが多いです。

◎移動平均線をチャート上に表示させると、相場がどの方向に動いているのかがわかります。

・線が上向きの場合:上昇トレンド
・線が下向きの場合:下降トレンド
・線が上向きでも下向きでもない場合:レンジ相場

◎2本の移動平均線が以下のように交差したタイミングで、価格の上昇や下落が起こると判断し、それぞれ「ゴールデンクロス」「デッドクロス」と呼ばれます。

ゴールデンクロスとデッドクロスを判断する際には、交差の交わり以外に、以下の2点に注意してください。

  • 移動平均線は複数の時間軸でチェックする
  • 交差の角度に注目する

◎ゴールデンクロスやデッドクロスよりも、より精密な分析ができるといわれている「グランビルの法則」では、売買のタイミングを「買い4つ、売り4つ」の合計8パターンに分類しています。

◎移動平均線には以下の3種類がありますが、FX取引にあたっては、利用者の多い指数平滑移動平均線をマスターすることが大切です。

  • 単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)
  • 指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)
  • 加重移動平均線(WMA:Weighted Moving Average)

指数平滑移動平均線は直近の値動きに敏感に反応するため、多くのトレーダーに利用されています。

直近の価格をより強く反映する形で平均線が形成されるため、相場の急変などトレンドの変化に気づきやすく、売買のタイミングを逃さずキャッチしやすくなるのが特徴です。

◎移動平均線は、主に以下の3つの使い方があります。

  • 移動平均線の傾きでトレンドの勢いを判断する
  • 移動平均線とローソク足の位置関係からトレンドを判断する
  • 乖離率を計算して売買のタイミングを判断する

売買のタイミングを決める際に重要な指標になりますので、理解しておきましょう。

◎ゴールデンクロスやデッドクロス、グランビルの法則などを活用しても、売買サイン通りに相場が動かず、逆方向に動くことを「ダマシ」と呼びます。

ダマシをできるだけ回避するためには、以下の点に注意してください。

  • 売買サインが出ても、すぐに売り買いしない
  • 値動きが落ち着いてから注文する
  • 複数の移動平均線を組み合わせて売買タイミングを判断する

本記事が、移動平均線を活用してFX取引の勝率を上げていく参考になりましたら幸いです。

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