海外FXコラム 国内FXの追証とは?追証なしにできない理由と海外FXとの違いを解説

国内FXの追証とは?追証なしにできない理由と海外FXとの違いを解説

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FX取引をする投資家にとって大きな懸念事項である、追証。

日本では、すべてのFX業者が追証制度を採用しています。

追証とは、FX業者が定める証拠金維持率を下回った場合に、あるいは、口座残高がマイナスになった場合に発生するものです。

追証は投資家の債務であり、これを払えない場合、訴訟や財産の差押えといった法的措置を講じられます。

つまり、国内FX取引をする投資家は、常に借金のリスクを抱えているのです。

一方、多くの海外FX業者には、追証制度がありません。

投資家は、どれだけ大きな取引損失を出したとしても、口座に預けている証拠金以上の損失を被ることはないのです。

そのため、追証なしで取引したいのであれば、海外FX業者をおすすめします。

ただし、国内FX業者と海外FX業者にはそれぞれに異なる特徴があり、中には、追証ありの国内FX業者の方が向いている人もいます。

では、国内FXの追証とはどのような制度で、多くの海外FX業者が採用するゼロカットシステムとはどのような違いがあるのでしょうか。

また、追証ありの国内FXと追証なしの海外FXは、それぞれどのような人に向いているのでしょうか。

この記事では、以下のような点について詳しく解説します。

この記事のポイント
・ 国内FXの追証制度について解説
・ 海外FXのゼロカットシステムについて解説
・ 追証ありの国内FX業者と追証なしの海外FX業者の特徴を徹底比較
・ 追証ありの国内FX業者をおすすめする人、追証なしの海外FX業者をおすすめする人

この記事が、国内FXの追証制度について知りたいあなたのお役に立てれば幸いです。

目次

1. 国内FXの追証制度を徹底解説

国内FXの取引には、「追証」が発生するリスクがあります。

追証とは、預けている証拠金が「証拠金維持率」を下回った場合や、相場の急変動などにより口座残高がマイナスになった場合に、FX業者が投資家に請求する追加の証拠金のことをいいます

追証が発生した場合、顧客は、証拠金維持率の回復に必要な、あるいは、マイナスを補填するために必要な証拠金を入金しなければなりません。

追証制度は全ての国内FX業者において採用されており、投資家は常に、追証のリスクを背負ってトレードすることになります

1-1. 国内FX業者が「追証なし」にできない理由とは

すべての国内FX業者が追証制度を採用している理由は、『金融商品取引法』の存在にあります。

第四十二条の二

金融商品取引業者等は、その行う投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。(中略)六 運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の損失の全部若しくは一部を補塡し、又は運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の利益に追加するため、当該権利者又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させること(事故による損失又は当該権利者と金融商品取引業者等との間で行われる有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的としてその受益権が取得され、若しくは保有されるものとして内閣府令で定める投資信託の元本に生じた損失の全部又は一部を補塡する場合を除く。)。

引用:金融商品取引法

金融商品取引法第42条の2の6号は、国内FX業者に対し、顧客の「損失の補填」を禁じています。

FX取引により顧客の口座残高がマイナスになった場合に、FX業者がこれを帳消しにすることは「損失の補填」にあたり、違法行為となります。

つまり、この規定がある以上、国内FX業者が「追証なし」のゼロカットシステムを採用することは不可能なのです。

1-2. 国内FXで追証が発生するのはどんな場合?

国内FXで追証が発生する可能性があるのは、下記2つのケースです。

ここでは、どのような場合に追証が発生するのか、詳しく見ていきましょう。

1-2-1. 証拠金維持率を下回る可能性がある場合

FXは、証拠金を担保にして取引をする「証拠金取引」です。
FX業者では、この証拠金に関して独自の「証拠金維持率」を定めていますが、これには2つの意味があります。

① ロスカットを回避するための証拠金維持率と、② ロスカットになる証拠金維持率です。

FX業者は、取引損失などによって有効証拠金が「ロスカットの証拠金維持率」を下回った場合、ロスカットを実行し、その顧客が保有しているポジションを強制決済します。

しかし、FX業者の中には、取引を維持するために必要な証拠金を期限内に追加入金すれば、ロスカットをせず、その取引を継続できる仕組みを取り入れているところがあります

要は、「このままではロスカットになってしまうから、足りない証拠金を期限内に追加入金してね」ということです。

この、追加入金を求められる基準となるのが「ロスカット回避の証拠金維持率」であり、これにより顧客が支払うのが、「証拠金維持率を下回る可能性がある場合の追証」です。

これは、あくまでもロスカットを「避ける」ための追証であり、証拠金維持率がロスカット水準を下回ってしまえば、追加入金をしてもロスカットを回避することはできません。

1-2-2. 口座残高がマイナスになった場合

追証は、取引損失により口座残高がマイナスになった場合にも発生します

取引損失により、口座の証拠金が「ロスカットの証拠金維持率」を下回った場合、通常であればロスカットが実行され、その時点で保有しているポジションが強制決済されます。

これにより、投資家は、預けている証拠金以上の損失を出さずに済みます。

ところが、為替相場が急激に変動した場合、ロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになる可能性があります。

FX業者は、全口座の証拠金維持率を一定間隔ごと(数十秒ごとなど)に監視していますが、その監視間隔の狭間で急激な相場変動が生じた場合、ロスカットが間に合いません。

ロスカットが間に合わなければ保有しているポジションは強制決済されませんので、口座残高がマイナスになることがあります

そして、口座残高がマイナスになった場合、そのマイナス分については投資家の「債務」として扱われ、後日、FX業者から支払を求められます

これが、口座残高がマイナスになった場合に発生する「追証」です。

1-3. 追証なしの国内FX業者は本当に存在しない?

投資家にとって、借金を抱えるリスクもある「追証制度」の存在。できれば、追証のリスクを抱えず安心して取引をしたいですよね。

では、追証なしの国内FX業者は本当に存在しないのでしょうか。

口座残高がマイナスになった場合に発生する追証を「なし」にしてくれるFX業者は、国内には存在しません。

これに対して、「ロスカットを回避するための追証」という意味での追証制度がない国内FX業者は、日本に数社、存在します。

1-3-1. マイナス残高の時の追証がない国内FX業者は存在しない

取引損失によって口座残高がマイナスになった場合に生じる追証を「なし」とする国内FX業者は、存在しません

その理由は、『金融商品取引法』の存在です。

この法律では国内FX業者に対し、「顧客の損失を補填」することを禁止しています。

口座残高のマイナスは投資家の「負債」であり、これを帳消しにすることは「損失の補填」にあたります。

そのため、国内FX業者では、顧客の口座残高がマイナスになった場合、そのマイナス分を負債として扱い、投資家に対して証拠金の入金を求めるしかないのです。

金融商品取引法による規制については、「1-1. 国内FX業者が「追証なし」にできない理由とは」でも詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

1-3-2. ロスカット回避のための追証がない国内FX業者は存在する

マイナス残高を帳消しにしてくれる国内FX業者が存在しないのに対し、ロスカット回避のための追証制度がないFX業者は、国内にも存在します

例えば、「ヒロセ通商」のHPでは、追証制度について下記のような説明がされています。

ロスカット値に達した後、追加で保証金を入金すればロスカットを回避できる「追加証拠金(追証)制度」はありません。

尚、万が一、口座残高以上の損失が発生し取引口座に不足金が発生した場合は、不足金額をご入金いただく必要があります。

引用:よくある質問Q&A|ヒロセ通商

他にも、ロスカット回避のための追証制度がない国内FX業者には、下記のようなところがあります。

ロスカット回避のための追証制度がない国内FX業者一覧
ヒロセ通商
みんなのFX
外為オンライン
LINE証券
外為どっとコム
FXTF
岡三オンライン証券

ここでご紹介しているのは、あくまでも「ロスカット回避のための追証制度」がない国内FX業者です。

口座残高がマイナスになった場合には追証が発生しますので、混同しないよう注意しましょう。

1-4. 追証を払えないとどうなる?

追証が発生し、これを期日内に支払えなかった場合、どうなるのでしょうか。

それは、追証の種類によって異なります。

1-4-1. ロスカット回避のための追証を払えなかった場合

ロスカット回避のための追証が発生した場合、FX業者が指定する期日までに追証を入金すれば、保有しているポジションをそのまま維持することができます。

これに対して、期日までに追証を払えなかった場合、FX業者により保有している全ポジションを強制決済されます。

強制決済により追証を解消できれば問題ありませんが、損失が大きい場合、全ポジションの決済によっても、追証を解消できないことがあります。

この場合、投資家は、FX業者から損失分の一括返済を求められます。

この損失については投資家の「債務」となりますので、払えなかった場合は、財産の差し押さえなど厳しい法的措置を受けることになります。

1-4-2. マイナス残高時の追証を払えなかった場合

相場の急変動によりロスカットが間に合わなかった場合、口座残高がマイナスになることがあります。

このマイナス分については投資家の「債務」として扱われ、FX業者から一括返済を求められます(追証の請求)。

マイナス残高時の追証が払えなかった場合、投資家の債務不履行として扱われ、FX業者から財産の差し押さえなどの法的措置を講じられることがあります

1-5. 追証が投資家に与える影響は甚大!?実際の事例をもとに検証!

追証は、投資家にとって大きなリスクになるものです。

では、国内FX取引ではどのくらいの追証が発生していて、それによる投資家への影響はどれほどのものなのでしょうか。

1-5-1. 追証の発生頻度はどのくらい?

過去1年間における国内FXの追証発生状況は、下記の通りです。

出典:一般社団法人金融先物取引協会『ロスカット等未収金発生口座数(月次・速報)』をもとに作成

トルコリラ/円の為替相場変動が生じた2021年3月には、多額の追証が発生しています。

ただ、追証が発生しても1人あたりの追証金額は数万円程度であったり、追証が発生していない月の方が多かったりすると、「そこまで心配する必要はないのでは?」と思えるかもしれません。

しかし、過去には急激な相場変動により、多額の追証が発生した事例がいくつかあります。

1-5-2. 相場の急変動により多額の追証が発生することも

過去に起きた、相場の急変動による追証発生事例は、下記の通りです。

出典:一般社団法人金融先物取引協会『ロスカット等未収金発生口座数(速報値)』をもとに作成

2015年に起きたスイスフランの相場急変動では、1人あたり約171万円もの追証が発生しています。

もちろん、これはあくまでも平均値ですので、レバレッジや取引通貨量によっては、さらに多額の追証を請求される可能性もあります。

1-5-3. 国内FXでは追証により多額の負債を背負う可能性がある

国内FX取引において追証が発生する頻度は、さほど高いわけではありません。

実際、過去1年間で追証が発生したのは2020年の9月と2021年の3月、6月、7月、8月だけですし、残りの月は1件も発生していません。

しかし、過去の事例からもわかるように、相場が急変動した場合、多額の追証が発生する可能性があります。

追証制度がある業者で取引をする以上、状況によっては多額の負債を背負う可能性がある、ということを覚悟しておきましょう

2. 追証なしで運用したいなら海外FX業者がおすすめ!

追証のリスクを抱えずFX取引をしたいなら、海外FX業者をおすすめします。

国内には「追証なし」のFX業者が存在しないのに対し、海外では、多くのFX業者が追証なしの「ゼロカットシステム」を採用しているのです。

2-1. 海外FX業者はゼロカットシステムがスタンダード

FX取引をする投資家にとって最大の懸念事項といっても過言ではないのが、「追証」の存在でしょう。

口座に預けている証拠金を全て失うだけならまだしも、借金まで背負ってしまうような事態だけは、なんとしても避けたいはずです。

そこでおすすめしたいのが、海外FX業者です。

海外では、多くのFX業者が「ゼロカットシステム」を採用しています

ゼロカットシステムとは、顧客に対して追証を請求しない仕組みのことで、「1-2. 国内FXで追証が発生するのはどんな場合?」で解説した2種類の追証のうち、① ロスカットを回避するための追証はもちろん、② 口座残高がマイナスになった場合の追証を請求されることもありません。

2-2. 海外FX業者が採用するゼロカットシステムの仕組みとは

ゼロカットシステムを採用している海外FX業者では、取引損失によって口座残高がマイナスになったとしても、その損失分を請求されることはありません。業者側が損失分を補填し、口座残高を「ゼロ」にリセットしてくれるのです

例えば、口座に証拠金50万円を預けている状態で、相場が急変動し、80万円の損失が発生したと仮定します。

国内FX業者で取引をした場合、投資家はマイナス残高分30万円を、追証として支払わなければなりません。

これに対して、ゼロカットシステムを採用している海外FX業者で取引をした場合、マイナス残高については業者側が補填し、口座残高をゼロにリセットしてくれます。

したがって、投資家が証拠金以上の損失を負うことはありません。

これが、多くの海外FX業者で採用されている「ゼロカットシステム」の仕組みです。

2-3. 海外FX業者がゼロカットシステムを採用できる理由

顧客のマイナスを補填すれば、海外FX業者はその分だけ損をするはずです。

では、海外FX業者が損をしてまでゼロカットシステムを採用するのは、どうしてなのでしょうか。

その主な理由は、次の2つです。

ここでは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

2-3-1. 【理由1】取引量が増えることで海外FX業者の利益も増える

海外FX業者がゼロカットシステムを採用する最大の目的は、顧客の取引量を増やし、手数料による利益を増やすことにあります。

というのも、多くの海外FX業者は、「NDD方式(No Dealing Desk方式)」を採用しています。

これは、投資家の注文をそのまま市場で実行する取引方式で、取引が発生するたびに、FX業者へ手数料が入ります。

つまり、NDD方式を採用するFX業者の利益は、取引量に比例するのです。

確かに、顧客のマイナス分を補填することは、FX業者にとって「損失」となります。

実際、日本でも多額の追証が発生したスイスフランショックでは、経営破綻してしまった海外FX業者も存在します。

しかし、「追証のリスクを抱えずFX取引ができる」ことは投資家にとって非常に大きな安心材料であり、これによって顧客を獲得し、取引量を増やすことは、ゼロカットによる損失を被ること以上に大きなメリットがあるのです。

NDD方式については、「FXのNDD方式とは?NDD採用の国内・海外業者一覧も紹介」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2-3-2. 【理由2】訴訟などにかかる費用を節約できる

海外FX業者がゼロカットシステムを採用するのは、訴訟などにかかる費用を節約するためでもあります。

「追証あり」のFX業者では、追証が発生する度に顧客に対して支払を求めなければなりませんし、顧客が支払に応じない場合、訴訟や差押えなどの法的措置を講じなければなりません。

法的手続きには相応の費用がかかりますし、追証を払えない顧客が数多くいると、追証の請求にかかる費用の総額ははかり知れません。

海外FX業者が追証なしのゼロカットシステムを採用しているのは、こういった訴訟費用を節約し、経営の安定をはかるためでもあるのです。

3. 【徹底比較】追証ありの国内FXと追証なしの海外FX

これからFXを始めるなら、追証ありの国内FX業者と追証なしの海外FX業者、どちらを選べばいいのでしょうか。

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを比較してみたいと思います。

3-1. 追証ありの国内FX業者で取引するメリット・デメリット

追証ありの国内FX業者での取引には、次のようなメリット・デメリットがあります。

国内FX業者の魅力はやはり、信頼性の高さでしょう。日本の法律が適用される「国内の業者である」ということは、FX初心者にとって大きな安心材料になるはずです。

ただし、国内 FX業者には追証制度があるため、証拠金以上の損失が発生した場合、借金を抱える可能性があります。

3-1-1. 追証ありの国内FX業者で取引するメリット

追証ありの国内FX業者での取引には、次のようなメリットがあります。

① 信託保全が万全で信頼性が高い

国内FX業者には、法律により信託保全が義務付けられています。
そのため、万一業者が破綻した場合は、預けている証拠金を返還してもえます。

また、日本国内でFX業者を運営するには、日本の法律が定める条件をクリアしなければなりません。
日本の規制は世界的にみてもかなり厳しい水準となっていますので、「国内業者」というだけで一定の信頼性があります。

② スプレッドが狭く取引コストが安い

国内FX業者は海外の業者に比べ、スプレッドが狭い傾向にあります。
「スプレッド」とは売値と買値の価格差のことで、為替手数料と呼ばれることもあるものです。
スプレッドが狭ければその分だけ取引にかかるコストが安くなりますので、取引を有利に進められます。

③ 分離課税で税率が一律20.315%

国内FX業者で取引をして得た利益は、分離課税の対象となり、課される税率は「一律20.315%」です。
一方、海外FXで得た利益は総合課税の対象となりますので、稼いだ金額によっては、最高55%の税率を課されます。

海外FXの税金については、「【海外FXの税金】支払う必要はある?納税手順・節税対策まで全解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3-1-2. 追証ありの国内FX業者で取引するデメリット

追証ありの国内FX業者での取引には、次のようなデメリットがあります。

① 追証が払えないと借金を負うことになる

国内FX業者で取引をする最大のデメリットは、やはり「追証」の存在でしょう。
取引損失により証拠金以上のマイナスが発生した場合、追証を払わなければなりません。
そして、追証は投資家の「債務」ですので、これが払えなかった場合は「借金」として扱われます。

頻度は高くないものの、国内FX業者での取引には借金のリスクが伴うことを理解しておきましょう。

② レバレッジ規制があり最高25倍までしか設定できない

国内FX業者は、法律により、設定できるレバレッジ倍率が規制されています。
海外FX業者では数百倍、数千倍のハイレバレッジ取引ができるのに対し、国内FX業者では、レバレッジを最大25倍までしか設定できません。

少ない資金で大きなリターンを狙いたい方には、国内FX業者は向いていないでしょう。

国内FXのレバレッジについては、「国内FXのレバレッジとは?最大レバレッジや取引のポイントを解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

③ 業者によって取引に使うソフトが異なる

国内FX業者では、取引に使うソフトが各社異なります。
そのため、複数社を利用する場合、ソフトの使い方を理解し、操作に慣れるまでに多少の時間を要します。

この点、海外FX業者はその多くが「MT4」というソフトを採用していますので、一度覚えてしまえば、どの業者でも同じ操作で取引を進められます。

3-2. 追証なしの海外FX業者で取引するメリット・デメリット

ゼロカットシステムを採用する海外FX業者での取引には、次のようなメリット・デメリットがあります。

海外FX業者の魅力はやはり、ゼロカットシステムにより証拠金以上の損失を負う可能性がないことでしょう。

借金のリスクがないというのは、投資家にとって大きな安心材料になるのではないでしょうか。
ただし、海外FX業者の中には信頼性に欠けるところもあるため、業者選びは慎重に進める必要があります。

3-2-1. 追証なしの海外FX業者で取引するメリット

追証なしの海外FX業者での取引には、次のようなメリットがあります。

① 追証なしのゼロカットシステムにより借金のリスクがない

多くの海外FX業者は、ゼロカットシステムを採用しています。

ゼロカットシステムがあれば、証拠金以上の損失が発生して口座残高がマイナスになったとしても、FX業者がその損失を補填してくれます。

つまり、ゼロカットシステムを採用している海外FX業者ならば、借金のリスクを背負わずFX取引ができるのです。

② ハイレバレッジ取引ができる

海外FX業者には、国内FX業者のようなレバレッジ倍率に対する規制がありません。

設定できるレバレッジの最高倍率は各社異なりますが、数百倍、数千倍でのハイレバレッジ取引が可能なところも存在します。

レバレッジを高く設定すれば、少ない資金で大きなリターンを得ることも夢ではありません。

レバレッジについては、「【徹底解説】FXのレバレッジとは?|絶対抑えておきたいFXの基本」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

③ 取引可能な通貨ペア数が多い

海外FX業者は国内FX業者に比べ、取引可能な通貨ペアの種類が多い傾向にあります。

マイナーな通貨ペアでの取引をしてみたい方、取引する通貨ペアにこだわりのある方は、海外FX業者を検討してみてはいかがでしょうか。

3-2-2. 追証なしの海外FX業者で取引するデメリット

追証なしの海外FX業者での取引には、次のようなデメリットがあります。

① 信頼性に欠ける業者も存在する

海外FX業者の中には、金融ライセンスを取得していなかったり、資産の保証制度がなかったりと、信頼性に欠ける業者も存在します。

また、金融ライセンスにも様々な種類があり、中にはペーパーカンパニーでも取得可能なものもあります。

海外FX業者を選ぶ際は、金融ライセンスや資産保証制度などについてよく調べ、信頼性について慎重に判断することが大切です。

信頼性の高い業者を見極めるためのポイントについては、「海外FXでトラブルを回避!優良業者を見極める3つのポイントを解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

② スプレッドが広めで取引コストが高い

海外FX業者は国内FX業者に比べ、スプレッドが広く取引コストが高い傾向にあります。

中には、低スプレッド口座を用意している業者もありますが、別途手数料を取られるなど、取引にかかるコストは安くありません。

③入出金にかかるコストが高い
海外FX業者の中には、FX口座への入金方法が限定されているところがあります。

また、取引により得た利益を出金する際は海外送金をする必要があるため、国内で取引をする場合に比べてコストがかかります。

3-3. 追証で比較するなら海外FX業者に軍配か

国内FX業者と海外FX業者の特徴を比較すると、次のようになります。

FX取引において追証発生のリスクは、投資家にとって大きな脅威でしょう。

追証がなく借金のリスクがない、という意味では、海外FX業者に軍配が上がりそうです。

また、ハイレバ取引により、少ない資金で大きなリターンを狙えるのも、海外FX取引の魅力でしょう。

ただし、国内FX業者にも、信頼性が高いことやスプレッドが狭いこと、税制面での優遇を受けられることなど、様々なメリットがあります。

FX業者選びでは、追証の有無だけにとらわれず、他の面も比較して総合的に判断することが大切です。

4. 追証ありの国内FXをおすすめする人・追証なしの海外FXをおすすめする人

国内FX、海外FXともに、誰にでも向いているわけではありません。

どちらを選ぶべきであるかは、FX取引において「何を重視するのか」によって変わってきます。

では、国内FX業者と海外FX業者は、それぞれどのような人に向いているのでしょうか。

4-1. 追証ありの国内FX業者をおすすめする人

追証ありの国内FX業者をおすすめするのは、次のような方です。

① 業者の信頼性を最重要視する人

FX取引において業者の信頼性を何よりも重視する人や、万一業者が破綻した場合に預けている証拠金をできるだけ確実に返金してもらいたい人には、国内FX業者をおすすめします。

国内FX業者は金融商品取引法など日本の法律が設ける厳しい基準をクリアしており、顧客資産の信託保全体制も万全だからです。

② FX取引で大きな資金を動かす予定のある人

FX取引で大きな資金を動かす場合、レバレッジを高く設定する必要はありません。

ハイレバレッジ取引は、少ない証拠金で大きなリターンを狙いたい場合に有効な取引手法であり、潤沢な資金を使えるのであれば、レバレッジ倍率が規制されている国内FX業者でも問題なく取引できるからです。

もちろん、追証のリスクはありますが、大金を預けるならば信頼性の高い国内FX業者に、というのも選択肢のひとつではあるでしょう。

4-2. 追証なしの海外FX業者をおすすめする人

追証なしの海外FX業者をおすすめするのは、次のような方です。

① 借金のリスクを抱えずFX取引をしたい人

追証や借金のリスクを抱えずFX取引をしたい人には、海外FX業者をおすすめします。

追証は投資家にとって大きなリスクであり、損失の規模によっては借金を背負うリスクもあります。

この点、海外FX業者は追証なしのゼロカットシステムを採用しているところが多く、取引損失が生じても、預けている証拠金以上の損失を被ることはありません。

口座残高がマイナスになった場合はFX業者がこれを補填してくれるため、追証を払う必要がないのです。

FX取引による借金のリスクを回避したい方は、海外FX業者の利用を検討してはいかがでしょうか。

② ハイレバレッジ取引をしたい人

海外FX業者は、ハイレバレッジ取引をしたい方にもおすすめです。

レバレッジを高く設定すると、少ない資金で多くの通貨量をトレードできます。

海外取引業者の中には、2,000倍、3,000倍といった超ハイレバレッジでの取引が可能なところもあり、そのような超ハイレバレッジ取引では、ほんの数百円で大きな利益を得られる可能性もあります。

③ FX取引に使える資金が少ない人

FX取引に使える資金が少ない人にも、海外FX業者をおすすめします。

海外FX業者ではハイレバレッジ取引が可能であるうえ、業者によっては口座開設ボーナスを得られるところがあり、このボーナスを使ってトレードをすることもできるからです。

FXをしてみたいけれど手持ちの資金が少なく、追証が発生しても支払えないかもしれない、という方は、海外FX業者での取引を検討してみてはいかがでしょうか。

おすすめの海外FX業者については、「おすすめ海外FX業者の比較ランキングTOP10!目的別にベストな業者が選べる」で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

金融商品取引法の規制により、国内FX業者では追証なしのゼロカットシステムを採用することができません。

国内FXの追証には、次の2種類があります。

これらのうち、「① ロスカットを回避するための追証」制度がない国内FX業者は存在しますが、「② 口座残高がマイナスになった場合の追証」制度がない国内FX業者は存在しません

国内では、金融商品取引法により、FX業者が顧客の損失を補填することが禁止されているからです。

追証は「債務」として扱われますので、これを払えない場合、投資家は借金を抱えることになります。

これに対して海外FX業者の多くは、ゼロカットシステムを採用しています

そのため、取引損失が生じても、口座に預けている証拠金以上の損失を被ることはありません。

つまり、海外FX業者ならば、借金のリスクを抱えることなくトレードをできるのです。

FX取引における追証のリスクを回避したい方には、海外FX業者をおすすめします。

ただし、国内FX業者と海外FX業者には、それぞれにメリット・デメリットがあります。

業者選びでは「追証の有無」だけにとらわれず、業者の信頼性や取引スペック、取引コスト、レバレッジなどを総合的に判断し、自分に合った業者を利用することが大切です。

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