FXのDD方式とは、簡単に言うとトレーダーとインターバンク市場の間にFX業者のディーラーが介入し仲介を行う取引のことです。
国内FX業者で主流となっている取引方法で、レーダーとFX業者のディーラーは一対一でやり取りをします。FX取引にFX業者のディーラーが深く関わっているため透明性が低く、リクオートや約定拒否などの操作が行われる可能性があります。
一方で、スプレッドが低いなどのメリットもあるので、メリットとデメリットを正しく把握し自分のトレードスタイルに合っているか判断することが大切です。
そこで、この記事ではDD方式の特徴やメリット、デメリットからNDD方式との比較までを全解説していきます。
- DD方式とは
- DD方式の3つの特徴
- DD方式のメリットとデメリット
- NDD方式との違い
- DD方式を選ぶべき人の特徴
この記事を最後まで読めばDD方式とはどのようなものか把握でき、自分のトレードスタイルに合っているのか判断できるはずです。
FX取引で納得のいく結果を出すためにも、自分に合う取引方法かどうかチェックしてみましょう。
1.DD方式とは
冒頭でも述べたようにDD方式(Dealing Desk)とは、簡単に言うとトレーダーとインターバンク市場の間にFX業者のディーラーが介入し仲介を行う取引のことです。相対取引とも呼ばれており、トレーダーとFX業者のディーラーは一対一でやり取りをします。
取引の仕組みを詳しく解説すると、トレーダーの注文はまずFX業者に渡り、ディーラーは一旦呑んで注文を完結させます。その後、この注文をカバー先のインターバンク市場に流すべきかどうかを判断をします。つまり、トレーダーはFX業者に注文を出していることになり、トレーダーの注文をどのように処理するのかはFX業者のディーラーの裁量等で決まるのです。
次の章で詳しく解説しますが、トレーダーの注文をFX業者のディーラーが一度完結させることでトレーダーとFX業者は利益相反の関係となります。トレーダーが利益をあげ続けてしまうとFX業者は損失が大きくなり潰れてしまうことになるので、トレーダーの注文をどのように処理するのか調整を行っているのです。
後ほど詳しく説明しますがDD方式は国内FXの主流の取引方法でスプレッドが狭く取引コストが低いというメリットがある一方、ディーラーが仲介していることで不透明な部分が多くなるデメリットがあります。
DD方式とはどのようなものか概要が把握できたところで、次の章ではDD方式の特徴を詳しく解説していきます。
2.DD方式の特徴
DD方式を理解するうえで
・顧客とFX業者は利益相反の関係となる
・リクオートの可能性がある
という2つが大きなポイントとなります。それぞれどのような特徴となるのか、詳しく解説していきます。
2-1.顧客とFX業者は利益相反の関係となる
第1章で解説したとおり、トレーダーとFX業者は利益相反の関係となります。
DD方式の場合、FX業者とトレーダーが互いに取引相手となるので
FX業者が儲かる=トレーダーが損する
トレーダーが儲かる=FX業者が損する
という取引関係となるのです。
そのため、トレーダーが利益をあげ続けてしまうとFX業者は損失が大きくなり、潰れてしまうことになります。もちろん正当な取引ができるFX業者もありますが、なかには
・ノミ行為(インターバンク市場に注文を取次しない)
・複数のトレーダーからのオーダーを組み合わせて損益を相殺する
などの行為を行って、利益をFX業者側で調整をしていることもあるようです。
FX初心者の9割は収支をプラス化できすに、1年以内にFX市場を撤退すると言われています。そのマイナス分の多くは、FX業者の利益になっているとも言えます。DD方式で取引をする場合は、トレーダーとFX業者の利益が相反することを念頭に置いておきましょう。
2-2.リクオートの可能性がある
DD方式では、リクオートがよく起こると言われています。リクオートとは、トレーダーが希望する価格で取引することを拒否し、FX業者側から改めて価格を提示してくる状況のことです。
本来はトレーダーを守るためのものでよりよい条件を提示するものなのですが、実際にはトレーダーが提示した価格よりも不利な条件で再提示をすることが多いのが現状です。
例えば、100円が103円になった瞬間に売り注文を入れると、3円の利益が確定するとしましょう。リクオートの場合は、103円の売り注文の約定ができずに100円、99円など他の価格が再提示されてしまいます。思ったように利益を確定できず、大きな損失につながる可能性があるのです。
リクオートは、価格変動が激しいタイミングに起こりやすいと言われています。このタイミングはFX業者側にとって不利益を被る可能性があるからです。DD方式で取引をする場合は、リクオートが起こりやすいこともあらかじめ把握しておきましょう。
3.DD方式の2つのメリット
DD方式には
・スプレッドが狭く取引コストを抑えられる
・レートが安定している
というメリットがあります。それぞれFX取引をするときにどのようなメリットとなるのか、具体的に解説していきます。
3-1.スプレッドが狭い
DD方式は、スプレッドが狭いところが大きなメリットです。DD方式はインターバンク市場の為替レートを参考に、FX業者が各自自由にレート設定を行います。そのため、スプレッドが狭く設定できます。
また先ほどから解説しているように、DD方式ではトレーダーとインターバンク市場の間にFX業者ディーラーが介入しています。FX業者にとって有利となる調整がしやすいので、わざわざスプレッドで利益を得ようとする必要がないのです。
例えば、DD方式を採用しているiFOREXのスプレッドは下記のようになっています。
iFOREXのスプレッド | |
---|---|
USD/JPY ドル/円 |
0.7pips |
EUR/JPY ユーロ/ドル |
1.2pips |
GBP/JPY ポンド/ドル |
2.3pips |
AUD/JPY 豪/円 |
3.0pips |
とくに、USD/JPYでは0.7pipsとスプレッドが狭いことが分かります。スプレッドは取引毎にかかるコストなので、低いに越したことはありません。DD方式はスプレッドが狭く取引コストが抑えられるので、正当な取引がされていれば利益が高められる状態だと言えるでしょう。
3-2.レートが安定している
DD方式は、レートを固定することができます。先ほどご紹介したiFOREXのレートも固定式となっており、改訂等がない限り変動することはありません。
一方で、通常のスプレッドはインターバンク市場の為替レートの変動に合わせて変わります。常に変動しているので、スプレッドにある程度の広がりがあり取引コストが均一だとは限りません。
スプレッドが変動すると、同じ金額の取引をしても手元に残る利益に差が生まれてしまいます。DD方式ならトレーダーが取引コストを把握しやすく、効率よく利益を獲得できます。
4.DD方式のデメリット
DD方式のメリットが把握できたところで、気になるのがデメリットです。DD方式のデメリットとしては
・約定拒否の可能性がある
・取引の透明性が低い
・スキャルピングができない
という3つがあります。それぞれどのような点がデメリットとなるのか、事前に把握しておきましょう。
4-1.約定拒否の可能性がある
DD方式の場合、FX業者が大きな損失を受ける可能性があるときに約定拒否が起こりやすくなります。「2-1.顧客とFX業者は利益相反の関係となる」でも解説したように、トレーダーが大きな利益を得るとFX業者の損失が大きくなりダメージを受けることになります。
そのため、FX業者が「この注文が約定したら損失が大きい」と判断した場合に、約定拒否をして注文が成り立たないようにするのです。約定拒否が起こると得られるはずだった利益を逃してしまい、機会損失につながります。
トレーダーとFX業者の利益が相反関係にある以上、約定拒否が起こる可能性があることは大きなデメリットだと言えるでしょう。
4-2.取引の透明性が低い
DD方式はトレーダーとインターバンク市場の間にFX業者が入り仲介をしているので、どうしても不透明なことが起こりやすくなります。
大きな要因は、やはりトレーダーとFX業者の利益が相反関係にあることです。トレーダーが勝ち続けてしまうとFX業者の損失は膨らみ、最悪の場合には廃業に追い込まれてしまうでしょう。そうならないために取引をコントロールしようとし、下記のようなことが起こる可能性があります。
DD方式の取引で起こりうること | |
---|---|
リクオート | トレーダーが希望する価格で取引することを拒否し、FX業者側から改めて価格を提示してくる状況のこと |
レートずらし | インターバンク市場で提示されているレートとトレーダーに提示するレートをずらし、損益を調整する |
ノミ行為 | トレーダーからの注文をインターバンク市場に取次しないで、FX業者内で成立させてしまうこと |
スリッページ | トレーダーの注文した価格とは異なる価格で約定させること |
ストップ狩り | 意図的にレートを動かし、ストップロス注文を約定させるよう動くこと |
故意のシステムダウン | FX取引のシステムをダウンさせて、取引ができない状況にする |
このような操作はFX業者側で行えてしまうので、FX業者が仲介していない取引方法と比較すると不透明なことが起こりやすくなります。FX業者の判断でトレーダーが不利となる状況が作れてしまうのは、DD方式のデメリットの一つです。
4-3.スキャルピングができない
スキャルピングとは、極端に短い時間に売買を繰り返し利益を積み重ねる手法です。DD方式でスキャルピングをすると、FX業者が注文をカバーしきれずに大きな損失につながる可能性があります。
そのため、スキャルピング自体を禁止している場合が多いです。実際に、国内FX業者では約款の中に下記のような注意書きがされています。
解約
取引の方法の如何にかかわらず、当社が、短時間における連続した取引、インターバンク市場の混乱を招く取引、当社のカバー取引に影響を及ぼす取引、または過度な取引等不適切な取引であると判断したとき。
禁止事項
短時間での注文を繰り返し行う行為
楽天FXとDMM FXともにスキャルピングは禁止行為で、行った場合は解約となるようです。スキャルピングでの取引を望む場合は、そもそもDD方式を選べないことを念頭に置いておきましょう。
5.DD方式とNDD方式を徹底比較
DD方式が理解できたところで、気になるのはFXのもう一つの取引方式となるNDD方式ではないでしょうか。
どちらの方式も理解できていないと、トレードのスタイルや戦略、考え方に合わせてどちらが向いているのか判断できません。そこでここからは、DD方式とNDD方式を徹底比較していきます。
どちらの方式が向いてるのか把握するためにも、ぜひチェックしてみてください。
5-1.NDD方式とは
NDD方式(None Dealing Desk)とは、FX業者のディーラーを介在せずトレーダーが直接インターバンク市場と取引する方式です。インターバンク直結方式とも呼ばれ、海外FX業者の主流となっています。
トレーダーがFX業者に注文をするとインターバンク市場に直接注文が流れるので、透明性の高い取引が可能です。下の図を見ても分かるようにFX業者のディーラーが関与していないため、取引にFX業者の思惑や意志が反映されません。
また、NDD方式ではFX業者がトレーダーからの注文を完結させないので、相反関係が成立しません。FX業者の利益はスプレッドや取引手数料となるので、トレーダーが利益を出して取引量を増やしてくれるほうがFX業者の利益となるのです。
NDD方式について詳しく知りたい場合は、「FXのNDD方式とは?NDD採用の国内・海外業者一覧も紹介」も参考にしてみてください。
5-2.D方式とNDD方式の違い
DD方式とNDD方式の違いが把握できたところで、両者の違いを詳しく見ていきましょう。DD方式とNDD方式には下記の表のような違いがあります。
DD方式 | NDD方式 | |
---|---|---|
FX業者による操作の可能性 | あり |
なし |
取引の透明性 | 低い |
高い |
スプレッド | 狭い |
広い |
スキャルピング | できない |
できる業者がある |
約定拒否 | 可能性はある |
ほぼない |
約定までのスピード | 差がある |
基本的に速い |
FX業者の利益の根源 | トレーダーの損失 | スプレッドや取引手数料 |
採用しているFX業者 | 国内FX業者で多い | 海外FX業者で多い |
中でもFXの取引をするときに気になる
・取引の透明性
・スプレッドの広さ
・約定拒否の確率
・約定のスピード
という4つに焦点を充てて、両者を詳しく比較していきます。
5-2-1.取引の透明性
NDD方式のほうが取引の透明性が高い
取引の透明性は、NDD方式のほうが高いです。DD方式はFX業者のディーラーを介して取引をしますが、NDD方式ではFX業者のディーラーは介在しません。そのため、FX業者の思惑や意志が反映されず透明性の高い取引ができるのです。
また、FX業者とトレーダーの利益の獲得方法も取引の透明性に大きく関わっています。DD方式の場合は、FX業者とトレーダーの利益が相反関係にあります。トレーダーが勝ち続けるとFX業者の損失が膨らみ経営自体が難しくなるため、約定拒否やノミ行為などを行ってでも阻止する可能性も考えられます。
一方で、NDD方式の場合はFX業者の利益はスプレッドや取引手数料です。トレーダーが利益を出して取引量を増やしてくれるほうがFX業者の利益となるので、わざわざ不正な行為をする必要がありません。
このように、
・DD方式はFX業者のディーラーを介して取引をする
・DD方式はトレーダーとFX業者が相反関係にあるため、悪質な行為が行われる可能性がある
という側面から、NDD方式のほうが透明性の高い取引ができると言えるでしょう。
5-2-2.スプレッドの広さ
DD方式のほうがスプレッドが狭い
スプレッドは、DD方式のほうが狭い傾向があります。「3-1.スプレッドが狭い」でも解説しましたが、DD方式はインターバンク市場の為替レートを参考にFX業者が自由にレート設定しています。そのため、スプレッドを比較的狭く設定でき取引にかかるコストを抑えられます。
一方で、NDD方式はFX業者の利益がスプレッドや取引手数料となるので、スプレッド幅を極端に狭くしてしまうと利益が得られません。NDD方式にはSTP口座とECN口座の2種類がありますが、STP口座のほうがスプレッドが広くなります。(STP口座とECN口座について詳しく知りたい場合は、「ECN口座とは?メリットやSTP口座との違い、おすすめ業者を解説」も参考にしてみてください)
実際にDD方式のFX口座とNDD方式のSTP口座のスプレッドを比較すると、DD方式のほうがスプレッドが狭いレートが多いことが分かります。とくに、USD/JPYでは0.7pipsと1.4pipsとなっており、大きな差があります。
レバレッジの比較 | ||
---|---|---|
iFOREX | AXIORY「スタンダード口座」 | |
USD/JPY ドル/円 |
0.7pips | 1.4pips |
EUR/JPY ユーロ/ドル |
1.2pips | 1.6pips |
GBP/JPY ポンド/ドル |
2.3pips | 2.3pips |
また、DD方式はスプレッドが固定されている場合が多いので大きな変動もありません。取引コストを抑えたい場合は、DD方式のほうが有利でしょう。
5-2-3.約定拒否の確率
NDD方式のほうが約定拒否をされる可能性が低い
約定拒否をされると注文通りのレートが成立せず、トレーダーの利益の減少や機会損失につながります。約定拒否は少ないに越したことはありません。
DD方式が主流となっている国内FX業者とNDD方式が主流となっている海外FX業者の約定率を比較すると、海外FX業者のほうが約定率が高いことが分かります。
国内FX業者 (DD方式が主流) |
・約定率は高くても80%程度 ・約定拒否率7~9%程度 |
---|---|
海外FX業者 (NDD方式が主流) |
・約定率が99.7~99.9%など高い ・約定拒否はほとんどない |
DD方式は約定拒否率は7~9%程度と言われており、10回~15回の取引に1回は約定拒否が起こる可能性があるのです。
約定拒否による機会損失を避けたい場合には、NDD方式を選ぶことをおすすめします。約定力について詳しく知りたい場合は「海外FXで約定力が重要な理由と約定力ランキングTOP5を紹介」も参考にしてみてください。
5-2-4.約定にかかる時間
NDD方式のほうがスピード感のある取引ができる
約定までにかかる時間は、NDD方式のほうが短いです。FX業者のディーラーを介さずトレーダーが直接インターバンク市場と取引をするので、タイムラグの少ない取引が実現します。NDD方式の場合はスキャルピングができるFX業者もあり、スピード感のある戦略的な取引も可能です。
一方で、DD方式の場合は、FX業者のディーラーを介して取引をするのでどうしてもスピードが落ちます。とくに、故意的な操作をしている場合はタイムラグが発生しやすいでしょう。
約定にかかる時間が長いと、希望のレートで取引できなくなるなどの損失につながります。速度にこだわった取引をしたい場合は、NDD方式がおすすめです。
6.DD方式を選ぶべき人とは?2つの特徴
DD方式とNDD方式には一長一短があり、一概に「こちらの方式がいい」とは言えません。トレードのスタイルや戦略、考え方によってどちらが向いているのか変わるからです。この章では、どのような場合にDD方式を選ぶべきなのか、詳しく解説していきます。
6-1.取引にかかるコストを抑えたい人
DD方式は、取引にかかるコストを抑えたい人に向いています。DD方式はインターバンク市場の為替レートを参考にFX業者が自由にレート設定できるので、スプレッドが狭い傾向があります。
国内のDD方式のFX業者と国内、国外のNDD方式のFX業者のスプレッドを比較してみると、下記のようにDD方式の国内FX業者が最も狭いです。
米ドル円のスプレッド | |
---|---|
DD方式の国内FX業者 | 0.1銭〜0.2銭程度 |
NDD方式の国内FX業者 | 0.3銭~0.4銭程度 |
NDD方式の海外FX業者 | 0.3pips〜2.0pips程度 |
また、DD方式はスプレッドが固定されていることが多いのでレートが安定しており、取引コストが把握しやすい一面もあります。
FX業者の約定力や約定のスピード感をそこまで重視する必要がない少額での取引なら、取引コストを削減したほうが利益につながる可能性があります。
・FXの取引コストを少しでも抑えたい
・取引する金額や回数が少なく大きな利益を狙うよりも取引コストを重視したい
という場合は、DD方式を検討してみてもいいかもしれません。
6-2.FXの初心者である人
FXの初心者で少額での取引をする場合は、DD方式が向いています。DD方式=悪徳業者というわけではなく、もちろん正当な取引をしてくれるFX業者もいます。
少し古いデータにはなりますが2010年4月に金融庁が実施した「外国為替証拠金取引業者に対する一斉調査」では、国内FX業者の80%は自動的にカバー取引をしています。
カバー取引の執行基準 | |
---|---|
自動的に執行 | 業者の判断で執行 |
80% | 20% |
つまり、国内FX取引の80%では、トレーダーの注文をしっかりとカバー先のインターバンク市場に反映されているということです。
これはあくまでも国内FX業者のデータなので海外FX業者のDD方式も踏まえると状況は変わるかと思いますが、少額の取引なら約定拒否やノミ行為などのリスクを考えるよりも手堅く取引コストを収えて取引をしていくという考え方もできます。
また、初心者の場合はスキャルピングができないといった影響も受けにくいでしょう。
まだFXを始めたばかりの初心者が取引コストを抑えながらFX取引に慣れていくという面では、DD方式を利用してみるのも一つの方法です。
7.まとめ
いかがでしたか?DD方式とはどのようなものか理解でき、自分のトレードのスタイルや戦略、考え方に合っているのか判断できたかと思います。
最後に、この記事の内容をまとめてみると
◎DD方式とはトレーダーとインターバンク市場の間にFX業者のディーラーが介入し仲介を行う取引のこと
◎DD方式の特徴は次の2つ
1)トレーダーとFX業者は利益相反の関係となる
2)トレーダーが希望する価格で取引することを拒否し、FX業者側から改めて価格を提示してくるリクオートの発生率が高い
◎DD方式のメリットは次の2つ
1)スプレッドが利益に直結しないのでスプレッドが狭い
2)レートの固定ができるのでレートが安定している
◎DD方式のデメリットは次の3つ
1)約定拒否が起きる可能性がある
2)FX業者の利益を確保するためノミ行為やレートずらしなどが起こる可能性があり、取引の透明性が低い
3)ほとんどのDD方式でスキャルピングを禁止している
◎DD方式と比較されるNDD方式とはFX業者のディーラーを介在せずトレーダーが直接インターバンク市場と取引する方式のこと
◎DD方式とNDD方式の比較は下記のとおり
DD方式 | NDD方式 | |
---|---|---|
FX業者による操作の可能性 | あり |
なし |
取引の透明性 | 低い |
高い |
スプレッド | 狭い |
広い |
スキャルピング | できない |
できる業者がある |
約定拒否 | 可能性はある |
ほぼない |
約定までのスピード | 差がある |
基本的に速い |
FX業者の利益の根源 | トレーダーの損失 | スプレッドや取引手数料 |
採用しているFX業者 | 国内FX業者で多い | 海外FX業者で多い |
1)取引の透明性:FX業者のディーラーを介さないので、NDD方式のほうが透明性が高い
2)スプレッドの広さ:DD方式のほうがスプレッドが狭く取引コストを抑えられる
3)約定拒否の確率:DD方式では7~9%程度の確率で約定拒否される
4)約定にかかる時間:NDD方式はFX業者のディーラーを介さないため、スピード感のある取引ができる
◎DD方式に向いているケースは次の2つ
1)スプレッドが狭いため取引にかかるコストを抑えたい人
2)取引額が少額でこれからFXを習得していきたい初心者の人
この記事を参考にDD方式とはどのような取引方法なのか把握でき、利用すべきか判断できるようになることを願っています。
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