「一目均衡表って複雑そうだけど、FX初心者の私でも使えるのだろうか」
「一目均衡表を使ってみたいけれど、失敗してしまうのではないかと不安だ…」
このようにお考えではないでしょうか?
一目均衡表は、相場を分析したり、売買のタイミングを見極めたりする際に用いられるテクニカル指標です。
現在、多くの投資家が一目均衡表を利用していますが、これを初めて知った方にとっては、かなり複雑な指標に思えるかもしれません。
一目均衡表は数あるテクニカル指標の中でも「いつ」という時間軸に重きを置く珍しいツールで、これを上手に活用すると、下記のようなことが可能になります。
- いつ、相場が転換するのか予測する
- いつ、トレンドが発生するのか予測する
- いつ、エントリーをするのか、トレードの戦略を立てる
では、一目均衡表とは具体的にどのようなもので、FXのトレードでこれを活用する場合、どのように使えばいいのでしょうか。
この記事では一目均衡表に関する下記のようなポイントについて、わかりやすく解説します。
- FXの一目均衡表とは
- 【基本】一目均衡表を構成する線と雲の見方
- 【初心者向け】FXトレードにおける一目均衡表の基本的な使い方
- 【応用編】一目均衡表を使ってトレードの戦略を立てる方法
- FXで一目均衡表を使う際に注意すべきポイント
- MT4/MT5に一目均衡表を表示させる方法
この記事を最後まで読めば、FX初心者の方でも、一目均衡表を使ってトレードの戦略を立てられるようになるでしょう。
目次
1. FXの一目均衡表とは
一目均衡表は、売買のタイミングを判断したり、相場の転換点を予測したりする際に用いられるテクニカル指標です。
これは、とても奥が深い指標で、一目均衡表を完璧に使いこなせる投資家は日本に数人しかいない、と言う専門家も存在します。
ただ、基本的な使い方は意外とシンプルで、FX初心者やテクニカル指標を使ったことがない方でも、トレードに活用することは十分に可能です。
そこでこの章では、一目均衡表とはどういうものなのか、その基本的なポイントについて解説します。
1-1. 一目均衡表は日本生まれのテクニカル指標
「一目均衡表」は、都新聞の商況部長を勤めていた細田悟一氏によって発表された、”日本生まれ”のテクニカル指標です。
約2,000人のスタッフとともに7年の歳月をかけて生み出された一目均衡表はとても奥が深く、現在、日本のみならず世界中の投資家が、これを利用しています。
一目均衡表は、「売り手」と「買い手」の均衡(パワーバランス)を見ることによって相場の方向性を分析し、下記のようなことを予測します。
① いつ、相場が転換するのか
② いつ、目標値が達成されるのか
一目均衡表の最も大きな特徴は、「いつ」という時間軸に重点を置いて相場の動向を予測する点です。
例えば、移動平均線やMACDといったテクニカル指標は、「価格」や「相場の流れ」に重点を置き、「いつ」という時間軸については二次的なものとして扱います。
これに対して一目均衡表は、「いつ」という時間軸を主体として分析し、「価格」を二次的な要素として扱います。
つまり一目均衡表は、「いくら」になるのかではなく、「いつ」なのかを分析することに特化したテクニカル指標なのです。
一目均衡表を使って「いつ」トレードをすればいいのかを判断できるようになるためには、一目均衡表を構成する5つの線と雲がどのような意味を持つのか、理解しておく必要があります。
そこでまずは、一目均衡表を構成する5つの線と雲がどのようなものなのか、わかりやすくご説明します。
また、一目均衡表の見方については「2. 【基本】一目均衡表を構成する線と雲の見方」でご説明していきますので、併せてご参照ください。
1-2. 一目均衡表の基礎知識|5つの線と雲について
一目均衡表は、「5つの線」と「雲」で構成されており、これらの特性を覚えることで、トレードをする際、様々な戦略を立てられるようになります。
▼一目均衡表を構成する5つの線と雲
これら5つの線と雲にはそれぞれ、下記のような意味があります。
名称 | 概要 |
---|---|
基準線 | ・中期的なトレンド(相場の方向性)をあらわす ・過去26日間における、最高値と最安値の中心値を結んだ線 |
転換線 | ・短期的なトレンド(相場の方向性)をあらわす ・過去9日間における、最高値と最安値の中心地を結んだ線 |
遅行スパン | ・現在の価格と過去の価格を比較する際に用いる ・現在の終値を、26日前にずらして記入したもの |
先行スパン1 | ・短中期的なトレンドを示し、未来の値動きを分析する際に用いる ・基準線と転換線の平均値を、26日後にずらして記入したもの |
先行スパン2 | ・長期的なトレンドを示し、未来の値動きを分析する際に用いる ・過去52日間における最高値と最安値の中心値を、26日先にずらして記入 |
雲 | ・未来の値動きを分析する際に用いる ・先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分 |
① 基準線とは
基準線は、過去26日間における「最高値」と「最安値」の中心となる値を結んだ線です。
例えば、ドル・円相場の過去26日間における最高値が140円、最安値が120円であった場合、基準値は130円となります。
基準線からは、相場の中期的な方向性(トレンド)を読み取ることができます。
② 転換線とは
転換線は、過去9日間における「最高値」と「最安値」の中心となる値を結んだ線です。
この線からは、相場の短期的な方向性(トレンド)を読み取ることができます。
③ 遅行スパンとは
遅行スパンは、当日の終値を、26日前にずらして記入したものです。
例えば、ドル・円相場における12月30日(当日)の終値が140円であった場合、その値を、26日前である12月4日のところにずらして記入します。
一目均衡表の中で「最重要」とされているのがこの線で、現在と過去の値動きを比較する際に用いられます。
④ 先行スパン1とは
先行スパン1は、基準線と転換線の平均値を、26日先にずらして記入したものです。
例えば、12月4日のドル・円相場における基準線と転換線の平均値が130円であった場合、その値を26日先である12月30日のところにずらして、記入します。
先行スパン1は、短中期的なトレンドを示すもので、未来の値動きを分析する際に用いられます。
⑤ 先行スパン2とは
先行スパン2は、過去52日間における「最高値」と「最安値」の中心となる値を、26日先にずらして記入したものです。
例えば、12月4日から過去52日間における最高値が140円、最安値が120円であった場合、その中心値である130円を、26日先のである12月30日のところにずらして、記入します。
先行スパン2は、長期的なトレンドを示すもので、未来の値動きを分析する際に用いられます。
また、先行スパン2は「52日間」という長いスパンで価格の動きを見るため、先行スパン1に比べてかなり緩やかなラインになるのが特徴です。
⑥ 雲とは
先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分のことを、「雲」と呼びます。
これは、「抵抗帯」と呼ばれることもあるもので、雲の厚さや、雲とローソク足の位置関係などから、未来の値動きを予測します。
2. 【基本】一目均衡表を構成する線と雲の見方
一目均衡表は、様々な要素が絡みあった、奥の深いテクニカル指標です。
そのため、これを使いこなすには、一目均衡表を構成する5本の線と雲の見方について、理解しておく必要があります。
そこでこの章では、一目均衡表の基本的な見方について、わかりやすくご説明します。
2-1. 基準線と転換線の見方
一目均衡表の基準線からは中期的なトレンドを、転換線からは短期的なトレンドを読み取ります。
これら2本の線の見方は基本的に同じで、線が「上向きならば強い上昇傾向」、「下向きならば強い下落傾向」と判断します。
基準線と転換線の見方をまとめると、下記のようになります。
一目均衡表の基準線と転換線に着目すれば、これらの線がどちらに向かって伸びているのかを見るだけで、相場の方向性を判断できるのです。
2-2. 遅行スパンの見方
一目均衡表では、遅行スパンとローソク足の位置関係を見ることで、当日の価格と過去(26日前)の価格の動きを、比較することができます。
また、遅行スパンを使えば、26日前に売買をした投資家の損益状態を把握することも可能です。
例えば、ドル・円相場における当日(12月30日)の価格が140円、26日前(12月4日)の価格が130円であったとしましょう。
この場合、遅行スパンを見ることで、「12月4日買い注文をして、12月30日に決済した投資家は、1ドルあたり10円の利益を出した」ことがわかります。
2-3. 先行スパン1・先行スパン2・雲の見方
先行スパン1と先行スパン2を使う際に注目するのは、これら2本の線に囲まれた「雲」の部分です。
雲とローソク足の位置関係を見ることで、トレンドがどちらに傾いているのか、判断することができます。
価格を示すローソク足が雲よりも価格が上にある場合は「上昇トレンド(買い優勢)」、下にある場合は「下落トレンド(売り優勢)」と判断します。
3. 【初心者向け】FXトレードにおける一目均衡表の基本的な使い方
一目均衡表を構成する5本の線と雲の見方について理解できたら、次はこの知識を、トレードに活用してみましょう。
まずは、テクニカル指標を使ったことがない初心者の方でも実践しやすい、下記3つの基本的な使い方をご紹介します。
- ① 【手法①】雲とローソク足の位置関係からFXトレードの戦略を立てる
- ② 【手法②】基準線と転換線を組み合わせてFXトレードの戦略を立てる
- ③ 【手法③】遅行スパンとローソク足の位置関係からFXトレードの戦略を立てる
これらの手法を使うとどのような戦略を立てられるのか、さっそく見ていきましょう。
3-1. 【手法①】雲とローソク足の位置関係からFXトレードの戦略を立てる
まずは、一目均衡表の「雲」と価格をあらわす「ローソク足」の位置関係に着目した、シンプルな戦略の立て方から見ていきましょう。
考え方は、とてもシンプルです。
「2-3. 先行スパン1・先行スパン2・雲の見方」でもご説明したように、ローソク足が雲よりも上にある場合、「上昇トレンド」であると判断します。
反対に、ローソク足が雲よりも下にある場合、「下降トレンド」であると判断します。
そして、ローソク足が雲を上抜け・下抜けした場合は、トレンドの流れにしたがって順張りをするのが定石です。
具体的には、下記のように考えます。
ローソク足が雲より上にある場合は「上昇トレンド」が来ていますので、その流れに乗って、「買いポジション」でエントリーしましょう。
あとは、さらに価格が上昇したタイミングで決済(売り注文)すればOKです。
反対に、ローソク足が雲より下にある場合、「下落トレンド」が来ていますので、その流れに乗って「売りポジション」でエントリーしましょう。
あとは、さらに価格が下落したタイミングで決済(買い注文)すればOKです。
用語解説:順張りとは?
順張りとは、相場のトレンドに乗って行う投資スタイルのことをいいます。
上昇トレンド(買い優勢)の時には買い注文で、下落トレンド(売り優勢)のときには売り注文でエントリーし、利益を狙います。
【実践】雲とローソク足の位置関係から順張りの戦略を立ててみよう!
上記の知識をもとに、トレードの戦略を立ててみましょう。
上のチャートを見ると、ローソク足が雲よりも下の位置に来ています。
「ローソク足が雲の下」ということは「下落トレンド」が発生していますので、売り優勢の流れに乗り、「売り注文」で順張りします。
あとは、価格の推移を監視し、エントリー時点よりもさらに価格が下がった時点で決済をして、利確しましょう。
3-2. 【手法②】基準線と転換線を組み合わせてFXトレードの戦略を立てる
基準線と転換線を組み合わせると、相場の転換点を把握し、エントリーポイントを見極めることができます。
一目均衡表では、基準線と転換線がクロスするポイントを、「相場転換」の目安と考えます。
上図を見ると、基準線と転換線が、いくつかのポイントでクロスしていることがわかります。
このときの、2本の線の交わり方を見ることで、「売り」または「買い」、どちらでエントリーすべきなのかを判断することができます。
■ ゴールデンクロス(買いシグナル)とデッドクロス(売りシグナル)
基準線と転換線のクロスポイントは、その交わり方によって「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」の2種類に分けられます。
転換線が基準線を上抜く現象を、「ゴールデンクロス」と呼びます。
ゴールデンクロスは、相場が上向きに転換するサインで、この現象が起きた場合は「買いシグナル」と判断します。
反対に、転換線が基準線を下抜く現象を、「デッドクロス」と呼びます。
デッドクロスは、相場が下向きに転換するサインで、この現象が起きた場合は「売りシグナル」と判断します。
【実践】転換線と基準線に注目して、トレードの戦略を立ててみよう!
下のチャートを見ると、転換線が基準線を上抜いている、つまり、ゴールデンクロスが発生していることがわかります。
ゴールデンクロスは「相場好転」のサインですので、こういった場面では「買い優勢」の流れに乗って、買い注文でエントリー(順張り)します。
あとは、さらに価格が上がったタイミングで決済(売り注文)をして、利確すればOKです。
3-3. 【手法③】遅行スパンとローソク足の位置関係からFXトレードの戦略を立てる
遅行スパンとローソク足の位置関係からは、「売り」「買い」のサインを読み取ることができます。
遅行スパンは、当日の終値を26日前にずらして記したもので、これがローソク足を上抜けた場合は「上昇相場」に転換、下抜けた場合は「下落相場」に転換、と判断します。
遅行スパンがローソク足を下から上に突き抜けた場合、上昇相場、つまり買い優勢の相場に転換すると予測し、これを「買いサイン」と判断します。
反対に、遅行スパンがローソク足を上から下に突き抜けた場合、下落相場、つまり売り優勢の相場に転換すると予測し、これを「売りサイン」と判断します。
相場が上昇・下落、いずれかの方向に転換した場合、順張りでトレードするのが定石です。
そこで、遅行スパンがローソク足を上抜きしたとき、つまり、上昇相場に転換したときはこれを「買いサイン」と捉え、買い注文でエントリーしましょう。
あとは、さらに価格が上がったタイミングで決済(売り)をし、利確すればOKです。
反対に、遅行スパンがローソク足を下抜きしたとき、つまり、下落相場に転換したときはこれを「売りサイン」と捉え、売り注文でエントリーしましょう。
あとは、さらに価格が下がったタイミングで決済(買い)をし、利確すればOKです。
【実践】遅行スパンとローソク足の位置関係からトレードの戦略を立ててみよう
下のチャートでは、遅行スパンが上から下に、ローソク足を突き抜けています。
遅行スパンがローソク足を下抜きした場合、下落相場に転換すると予測されます。
順張りではトレンドの流れにそった戦略を立てますので、この場合はこれを「売りサイン」と捉え、売り注文でエントリーします。
この章でご紹介した一目均衡表の使い方はどれも、とてもシンプルな論理に基づくものです。
これまでテクニカル指標を使ったことがない方も、こういった方法であれば実践しやすいかと思いますので、試しにトレードの戦略を立ててみてはいかがでしょうか。
4. 【応用編】一目均衡表を使ってFXトレードの戦略を立てる方法
一目均衡表の基本的な使い方について理解したら、これを応用して、より戦略的なトレードをしてみましょう。
この章では、一目均衡表の下記のような使い方について、わかりやすく解説します。
- 一目均衡表を使って「三役好転」を狙う方法
- 一目均衡表を使って「三役逆転」を狙う方法
- 一目均衡表をMACDを組み合わせてトレンドの転換点を見つける方法
「応用編」とはいってもその使い方は意外とシンプルですので、ぜひ実践してみてくださいね。
4-1. 一目均衡表を使って三役好転を狙う方法
一目均衡表で下記3つの条件がそろっている状態を、「三役好転」と呼びます。
▼三役好転の3条件
- ① 転換線が基準線を上抜いている
- ② 遅行スパンがローソク足を上抜いている
- ③ ローソク足が雲の上にある
※①のシグナルについては「3-2. 基準線と転換線を組み合わせてFXトレードの戦略を立てる方法」、②のシグナルについては「3-3. 遅行スパンとローソク足の位置関係からFXトレードの戦略を立てる方法」、③のシグナルについては「3-1. 雲とローソク足の位置関係からFXトレードの戦略を立てる手法」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
上記3つの条件がそろう「三役好転」が起きると、「上昇相場が続きやすい」と言われています。
これは「非常に強力な買いシグナル」で、三役好転が起きたときは買い注文で順張りするのが定石です。
トレンドの流れに乗って買い注文でエントリーしたら、さらに価格が上がったタイミングで決済(売り注文)をして、利確します。
4-2. 一目均衡表を使って三役逆転を狙う方法
一目均衡表で下記3つの条件がそろっている状態を、「三役逆転」と呼びます。
▼三役逆転の3条件
- ① 転換線が基準線を下抜いている
- ② 遅行スパンがローソク足を下抜いている
- ③ ローソク足が雲の下にある
上でご紹介した「三役好転」の逆バージョンが、「三役逆転」です。
上記3つの条件がそろう「三役逆転」が起きると、「下落相場が続きやすい」と予想されます。
これは「非常に強力な売りシグナル」で、三役逆転が起きたときは売り注文で順張りするのが定石です。
トレンドの流れに乗って売りエントリーをしたら、さらに価格が下がったタイミングで決済(買い注文)をして、利確します。
■ トレンドの流れに乗り損ねないための対策
三役好転、三役逆転の3条件がそろうのを待ってからトレードをすると、トレンドに乗り損ねてしまうリスクがあります。
そのため、3つのうち2つの条件がそろった段階でトレードに踏み切るのも、選択肢のひとつです。
ただ、ここで注意しなければならないのが、「ダマシ」の可能性です。
ダマシとは、テクニカル指標が相場の動きとは反対のシグナルを発してしまう現象のことをいいます。
トレンドが生まれそうな場面ではダマシが発生しやすく、ダマシにかかると、狙い通りに利益を得られません。
3つの条件がそろう前に「三役好転」「三役逆転」がくるだろうと予測してトレードをする場合は、ダマシにかからないよう、十分注意しましょう。
具体的には、下記のような対策が効果的です。
▼ダマシにかからないための対策
- 遅行スパンと雲の距離を見る(距離が遠いと、ダマシの可能性が高い)
- 別のテクニカル指標を組み合わせて相場を分析する
別のテクニカル指標を組み合わせた相場分析の方法については、次でご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
4-3. 一目均衡表とMACDを組み合わせてエントリーポイントを見極める方法
上でご紹介した「三役好転」や「三役逆転」は投資家にとって大きなチャンスですので、ダマシに注意しつつも、より早く売買のタイミングを推しはかりたいですよね。
そこでおすすめしたいのが、「一目均衡表」と「MACD」を組み合わせてエントリーポイントを見極める、という方法です。
用語解説:MACDとは?
MACDは、移動平均線を応用したテクニカル指標です。
「MADCライン」と「シグナルライン」という2本の線を使って、相場の動向を予測します。
MACDが役立つのはトレンド形成時で、2本のラインの動きを見ることで、トレンドの発生や一時的逆行の初動を把握することができます。
■ 一目均衡表とMACDを併用してエントリーポイントを見極める方法
下のチャートにある一目均衡表を見ると、① 転換線が基準線を上抜き、② ローソク足が雲の上にきています。
つまり、三役好転の3条件のうち2つの条件がそろっているのですが、遅行スパンがローソク足を上抜くまで待っていると、トレンドに乗り遅れてしまうかもしれません。
よって、3つめの条件がそろうのを待たずにエントリーすることを検討するのですが、ここで不安なのが、「ダマシ」の可能性です。
これら2つの現象がダマシである場合、見切り発車でトレードをすると、思わぬ損失を被ってしまうかもしれません。
そこで注目したいのが、その下に表示されているMACDです。
これを見ると、MACDラインがゼロラインよりも上にあり、上向きに推移しています。
これは「トレンドが上昇中で、かつ、勢いもある」サインですので、上昇トレンドが発生していると判断します。
まとめると、この時点で下記3つのことが言えます。
① 転換線が基準線を上抜いている(買いサイン)
② ローソク足が雲の上にある(買いサイン)
③ 上昇トレンドが発生している(買いサイン)
一目均衡表とMACDを合わせて3つの買いサインが出ていれば、三役好転の3条件がそろっていなくても、自信をもってエントリーすることができるでしょう。
このように一目均衡表とMACDを併用すれば、トレンドに乗り遅れるのを防ぎつつ、より強い根拠を持ってエントリーポイントを決めることができます。
5. FXで一目均衡表を使う際に注意すべきポイント
ここまで解説してきたように、一目均衡表は、エントリーポイントを見極めたり、相場の転換点を判断したりするうえで、とても有効なテクニカル指標です。
ただし、一目均衡表も万能なわけではなく、FXでこれを使う際は、下記のようなポイントに注意する必要があります。
テクニカル指標はその使い方を誤ると、FXで大きな損失を被ってしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにも、一目均衡表を使う際にはどのような点に注意しなければならないのか、詳しく見ていきましょう。
5-1. 一目均衡表は必ず勝てる魔法のツールではない
これは、すべてのテクニカル指標に共通することですが、一目均衡表は”必ず勝てる魔法のツール”ではありません。
ここまでご説明してきたように、一目均衡表は、エントリーポイントを見極めたり相場を分析したりするうえで、とても有益なツールです。
実際、一目均衡表を活用したトレードは、多くの投資家が利用している人気の手法です。
ただ、一目均衡表も万能なわけではなく、「勢いのあるトレンドが発生している」「強い買いサイン、売りサインが出た」と思ったら実は”ダマシ”だった、ということは少なくありません。
一目均衡表の使い方を完璧にマスターしたとしても、必ず利益を出せるとは限らないのです。
FXでトレードをする際は一目均衡表だけを見るのではなく、他のテクニカル指標を併用し、総合的な判断をすることが大切です。
一目均衡表との併用をおすすめするテクニカル指標には、下記のようなものがあります。
▼一目均衡表との併用をおすすめするテクニカル指標
- MACD
- ボリンジャーバンド
- 移動平均線
なお、一目均衡表とMACDを併用する方法については「4-3. 一目均衡表とMACDを組み合わせてエントリーポイントを見極める方法」でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
5-2. 雲がねじれているときはトレードを控える
一目均衡表の「雲」がねじれているときは、トレードを控えることをおすすめします。
上のチャートを見ると、雲がねじれていることがわかります。
こういった日は、トレンドが変化しやすく、予想外の激しい値動きが生じる可能性があります。
FX初心者の方は、思わぬ損失を避けるためにも、こういった状況でのトレードはなるべく避けましょう。
■ スキャルピングをする人も注意が必要
雲がねじれているときは、レンジ相場になりやすい傾向があります。
レンジ相場とは、価格が一定幅で上がったり下がったりを繰り返す相場のことで、「往来相場」や「ボックス相場」と呼ばれることもあります。
一目均衡表の雲がねじれている時は、5分足や10分足といった短い時間足で、レンジ相場が発生することも少なくありません。
こういった相場状況で価格の推移を予測するのは非常に困難ですので、FX初心者の方がトレードを控えるべきなのはもちろん、スキャルピングをする方も十分注意しましょう。
6. MT4/MT5に一目均衡表を表示する方法
一目均衡表は、下記の手順で、MT4およびMT5に表示させることができます。
MT4・MT5の操作方法は基本的に同じですので、ここでは、MT4の画面をもとに、一目均衡表を表示させる手順について、解説します。
6-1. インディケータ一覧を表示する
まずは、MT4の画面左下にある「ナビゲーター」内の「インディケータ」をクリックしましょう。
すると、インディケータ一覧が表示されます。
6-2. 「Ichimoku Kinko Hyo」をドラッグ&ドロップ
インディケータ一覧に「トレンド」というカテゴリがありますので、そこをクリックします。
すると、トレンドに関連するインディケータが表示されます。
一覧の中に「Ichimoku Kinko Hyo」がありますので、これを、一目均衡表を表示させたいチャートにドラッグ&ドロップしましょう。
以上で、一目均衡表を表示させるための操作は完了です。
まとめ
一目均衡表は、トレンドの転換点を予測したり、エントリーポイント(売買のタイミング)を見極めたりする際に活用できる、とても有益なテクニカル指標です。
初見の方にとっては複雑に感じるかもしれませんが、基本的な使い方は意外とシンプルで、FX初心者の方でもトレードに活用することができます。
- いつ、相場が転換するのか予測する
- いつ、トレンドが発生するのか予測する
- いつ、エントリーをするのか、トレードの戦略を立てる
FXのテクニカル指標には非常に多くの種類がありますが、一目均衡表はその中でも珍しく、「いつ」という時間軸に重きを置いて相場を分析できる仕様になっています。
使い慣れてくれば、あなたの強い味方になってくれるはずですので、まずは、一目均衡表の扱いに慣れるべく、簡単な使い方からトライしてみることをおすすめします。
ただし、FXで一目均衡表を使う際は、下記2つのポイントに注意しましょう。
- 一目均衡表だけに頼りすぎない
- 雲がねじれているときはトレードを控える
一目均衡表は、とても簡単な操作でMT4およびMT5に表示させることができます。
まずは、お使いの取引プラットフォームに一目均衡表を表示して、これがどういうものなのか、実際に体感してみてはいかがでしょうか。