「スキャルピングをするなら、レバレッジは何倍にすべき?」
「ハイレバレッジのスキャルピングなら、効率よく稼げる?」
スキャルピングをやってみようと考えている方なら、一度はこのような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
スキャルピングは、資金効率のいい取引手法である反面、ハイリスクな側面もあります。
そのため、初心者がスキャルピングをする場合、レバレッジの設定は慎重に行わなければなりません。
いきなりハイレバレッジでのスキャルピングに手を出すと、大損をしてしまう可能性があるからです。
では、スキャルピングをする際、レバレッジは何倍にすればいいのでしょうか。
また、スキャルピングで勝つには、何に注意すればいいのでしょうか。
この記事では、下記のポイントについて詳しくご紹介します。
・ スキャルピングとは?
・ スキャルピングによって得られる利益は、レバレッジによってどのくらい変わるのか
・ スキャルピングはハイリスクな取引手法である理由
・ スキャルピングのレバレッジは何倍に設定すべき?
・ スキャルピングをする際に重要なポイントとは
・ ハイレバレッジのスキャルピングをする際に注意すべきポイントとは
・ ハイレバレッジのスキャルピングにおすすめの海外FX業者
この記事が、スキャルピングに興味をもつあなたのお役に立てれば幸いです。
目次
1. スキャルピングとは?レバレッジを上げるとどのくらい儲かる?
数秒、数分単位での取引を何度も繰り返し、利益を積み重ねていくスキャルピング。
FXのスキャルピングでは、設定するレバレッジによって得られる利益が大きく変化します。
では、スキャルピングをする際、レバレッジはどのくらいに設定すればいいのでしょうか。
この章ではまず、スキャルピングのレバレッジを決めるにあたって知っておきたい基礎知識について、わかりやすく解説します。
・ FXのスキャルピングとは?
・ スキャルピングによる儲けはレバレッジでどのくらい変わるのか
・ スキャルピングがハイリスクな取引手法である理由
1-1. FXのスキャルピングとは?
スキャルピングとは、数秒~数分単位の短時間で通貨の売買を繰り返す取引手法のことをいいます。
1回の取引で狙う利幅は1pips(数銭)~数十pips(数十銭)とごくわずかですが、これを何度も繰り返すことにより、利益を積み重ねていきます。
FXの取引手法は、通貨の売買にかける期間によって、① スキャルピング、② デイトレード、③ スイングトレード、④ 長期保有、の4種類に分けられます。
その中でもスキャルピングは、通貨の買い注文から売り注文までにかける期間が最も短い取引手法として知られています。
1-2. スキャルピングによる儲けはレバレッジでどのくらい変わる?
一般に、スキャルピングは、ハイレバレッジ取引との相性が良い取引手法であると言われています。
では、レバレッジが変わると、スキャルピングによって得られる利益にどのくらいの差が生じるのでしょうか。
下記試算条件のもと、シミュレーションしてみましょう。
【試算条件】
・ 通貨ペア:米ドル/円
・ 買い注文時の為替レート:1ドル=100円
・ 売り注文時の為替レート:1ドル=100.2円
・ 取引資金:1万円
・ 取引条件:設定レバレッジのもと、1万円の資金で可能な限り通貨を購入
※スプレッドについては、考慮しない。
① レバレッジ1倍の場合
レバレッジ1倍で取引する場合、1万円で取引可能な通貨量は、下記計算式により100通貨(100ドル)となります。
取引通貨量(100通貨)=取引資金(1万円)÷為替レート(100円)×レバレッジ(1倍)
次に、1ドル=100.2円になったタイミングで、売り注文を出したとます。
この売買により得られる利益は、下記計算式により20円となります。
取引損益(20円)=取引通貨量(100通貨)×{(売りレート=100.2円)-(買いレート=100円)
つまり、レバレッジ1倍でスキャルピングをした場合、1回の売買で得られる利益は20円ということになります。
② レバレッジ25倍の場合
レバレッジを25倍に引き上げてシミュレーションしてみましょう。
レバレッジ25倍で取引する場合、1万円で取引可能な通貨量は、下記計算式により2,500通貨(2,500ドル)となります。
取引通貨量(2,500通貨)=取引資金(1万円)÷為替レート(100円)×レバレッジ(25倍)
次に、1ドル=100.2円になったタイミングで、売り注文を出したとます。
この売買により得られる利益は、下記計算式により500円となります。
取引損益(500円)=取引通貨量(2,500通貨)×{(売りレート=100.2円)-(買いレート=100円)
つまり、レバレッジ25倍でスキャルピングをした場合、1回の売買で得られる利益は500円ということになります。
③ レバレッジ1,000倍の場合
では、レバレッジ1,000倍で取引すると、どうなるでしょうか。
レバレッジ1,000倍で取引する場合、1万円で取引可能な通貨量は、下記計算式により10万通貨(10万ドル)となります。
取引通貨量(10万通貨)=取引資金(1万円)÷為替レート(100円)×レバレッジ(1,000倍)
次に、1ドル=100.2円になったタイミングで、売り注文を出したとます。
この売買により得られる利益は、下記計算式により2万円となります。
取引損益(2万円)=取引通貨量(10万通貨)×{(売りレート=100.2円)-(買いレート=100円)
つまり、レバレッジ1,000倍でスキャルピングをした場合、1回の売買で得られる利益は2万円ということになります。
上記試算結果を、まとめてみましょう。
レバレッジ | 取引通貨量 | 1回の売買で得られる利益 |
---|---|---|
1倍 | 100通貨 | 20円 |
25倍 | 2,500通貨 | 500円 |
1,000倍 | 10万通貨 | 2万円 |
同額の資金で取引する場合、レバレッジが高くなればなるほど取引可能な通貨量が増えるため、1回の売買で得られる利益が大きくなることがわかります。
このように、スキャルピングによって得られる利益は、レバレッジの高さに比例するのです。
これが、「スキャルピングはハイレバレッジ取引との相性が良い」と言われる所以です。
1-3. スキャルピングはハイリスクな取引手法!レバレッジ設定は慎重に
スキャルピングは、資金効率がよく、ハイレバレッジ取引との相性が良い取引手法である反面、ハイリスクな取引手法でもあります。
そのため、FX初心者がスキャルピングをする際は、いきなり高いレバレッジを設定するのではなく、自身の能力に応じて、段階的にレバレッジを引き上げていくことが大切です。
① スキャルピングで勝つには取引回数を重ね能力を習得する必要が!
スキャルピングで利益を得るには、下記の能力が求められます。
・ チャートを読む能力
・ 数秒、数分単位における為替相場の小さな値動きを予想する能力
・ 買い注文、売り注文を出すタイミングを瞬間的に判断する能力
天性の才能がある人でない限り、これらの能力を一朝一夕で身に着けることは困難です。
チャートを読む能力や値動きを予想する能力は、取引回数を重ねる中で、身に着けていくしかありません。
特に、スキャルピングでは数秒、数分といった短時間における小さな値動きを予想する能力が求められるところ、FX初心者がその能力を習得するには、相応の取引回数と時間を要します。
買い注文・売り注文を出すタイミングの瞬間的な判断力の習得にも、経験と時間が必要でしょう。
トレードに勝ち利益を得るには、取引回数を重ねる中で、スキャルピングに必要な能力を身に着けることが大切なのです。
② 大損をする可能性も!スキャルピングのレバレッジ設定は慎重に
トレーダーの中には、ギャンブル的な感覚でスキャルピングをする人もいます。
しかし、ギャンブル的感覚で行うスキャルピングの単純な勝率は「相場が上がるか下がるか」の50%ですし、トレードにはコスト(スプレッドなどの手数料)がかかるため、取引を重ねれば重ねるほど、損失が増えてしまいます。
特に、ハイレバレッジや大きな資金を動かすスキャルピングでは、わずかな値動きで損失が広がり、大損をする可能性もあります。
思わぬ損失を被る事態を避けるためにも、FX初心者がスキャルピングをする際は、少額の取引から始めるとともに、レバレッジ設定を慎重に行うようにしましょう。
※スキャルピングのレバレッジについては、次章「2. スキャルピングのレバレッジは何倍にすべき?レベル別に解説」で詳しく解説します。
2. スキャルピングのレバレッジは何倍にすべき?レベル別に解説
スキャルピングのレバレッジは、トレーダーとしての能力やスキャルピングの習熟度に応じて設定することをおすすめします。
ここでは、スキャルピングのレバレッジを何倍にすべきなのか、レベル別に見ていきましょう。
2-1. 【初心者】まずはレバレッジ1倍~5倍でスキャルピングを知ろう
FX初心者やスキャルピングの経験がない方は、1倍~5倍程度の低レバレッジから、スキャルピングを始めることをおすすめします。
FX初心者や、スキャルピングの経験がない方は、下記のようなミスをしがちです。
・ 通貨を売り買いするタイミングを上手くつかめない
・ トレンド(相場の方向性)を読み間違える
・ どのタイミングで通貨を得るか、判断できない
初心者ゆえのミスにより含み損が拡大しても、レバレッジ1~5倍ならば取引損失を少なく抑えられます。
具体的に、シミュレーションしてみましょう。
【試算条件】
・ 通貨ペア:米ドル/円
・ 買い注文時の為替レート:1ドル=100円
・ 取引資金:1万円
・ 取引条件:設定レバレッジのもと、1万円の資金で可能な限り通貨を購入
※スプレッドについては、考慮しない。
上記試算条件のもと、レバレッジ5倍で取引する場合、1万円で取引可能な通貨量は下記計算式により、500通貨(500ドル)となります。
取引通貨量(500通貨)=取引資金(1万円)÷為替レート(100円)×レバレッジ(5倍)
かなり極端な例ではありますが、相場の値動きの予想を誤り、1ドル=99円になったタイミングで売り注文を出してしまったとします。
この時、取引損益がどうなるのか計算してみましょう。
取引損益(-500円)=取引通貨量(500通貨)×{(売りレート=99円)-(買いレート=100円) }
上記計算式により、この売買における取引損益は-500円となります。
このように、レバレッジを低く設定しておけば、相場が大幅に逆行してしまった場合でも、取引損失を数百円程度に抑えられるのです。
スキャルピングの経験がない方は、1~5倍の低レバレッジでリスクを抑えつつ、取引回数を重ねることで、「スキャルピングがどのような取引手法なのか」体感してみてはいかがでしょうか。
2-2. 【中級者】習熟度に応じてレバレッジを25倍まで段階的に高く
スキャルピングによるトレードをある程度経験したら、習熟度に応じてレバレッジを25倍まで、段階的に引き上げていきましょう。
■ 【スキャルピング歴3~6ヵ月】レバレッジ6~10倍
スキャルピングにある程度慣れてきたら、レバレッジを6~10倍に引き上げてみましょう。
スキャルピングを3~6ヵ月ほど繰り返していると、この取引手法自体にはある程度慣れてくるはずです。
また、為替の値動きを予想する力も、少しずつ習得できてくるでしょう。
ただし、この段階ではまだ、突発的な値動きに対して適切な動きができなかったり、通貨を売買するタイミングの判断を誤ったりする可能性があります。
トレードに慣れてくると、レバレッジを高く設定してみたくなるでしょうが、ここは堪えて、6~10倍で取引してみましょう。
まずは、レバレッジを高くすると、1~5倍で取引する場合に比べて損益にどのような違いがでるのか、体感してみることが大切です。
■ 【スキャルピング歴6ヵ月~9か月】レバレッジ11~20倍
スキャルピング歴が半年以上になると、この取引手法に慣れるのはもちろん、大きな失敗をすることも減ってくるはずです。
少額かつ低レバレッジのスキャルピングを繰り返していれば、手堅く利益を積み重ねていけるでしょう。
そこでチャレンジしたいのが、レバレッジ11~20倍での取引です。
もちろん、レバレッジを高くすると、トレードに負けた場合の損失は大きくなります。
ただ、スキャルピングの習熟度が高まるにつれトレードの勝率が上がってきますので、レバレッジを引き上げたとしても、取引にかかる負担はさほど大きくないはずです。
例えば、下記試算条件のもと、スキャルピングを20回繰り返すとして、13勝7敗(勝率65%)だった場合の取引損益がどうなるのか、シミュレーションしてみましょう。
【試算条件】
・ 通貨ペア:米ドル/円
・ 為替レート:1ドル=100円
・ レバレッジ:20倍
・ 取引通貨量:1万通貨
・1回のトレードにおける為替相場の値動きの平均値:1ドルあたり±0.2円
※スプレッドについては、考慮しない。
まず、スキャルピング20回のうち、トレードに勝った13回の取引によって得られる利益を算出します。
取引損益(2万6,000円)=取引通貨量(1万通貨)×{(売りレート=100.2円)-(買いレート=100円) }×取引回数(13回)
この売買における取引損益は、2万6,000円となります。
次に、スキャルピング20回のうち、トレードに負けた7回の取引による損失を算出します。
取引損益(-1万4,000円)=取引通貨量(1万通貨)×{(売りレート=99.8円)-(買いレート=100円) }×取引回数(7回)
この売買における取引損益は、-1万4,000円となります。
以上の計算により、今回のスキャルピング20回(13勝7敗)では、1万2,000円の利益を得られることがわかりました。
勝率65%でも、それなりの利益を出せていることがわかります。
このように、スキャルピングに必要な能力を習得して勝率が上がってくれば、大きな損失を出さず着実に利益を重ねていくことが期待できるのです。
■【スキャルピング歴9か月~1年】 レバレッジ21~25倍
スキャルピングを始めて9か月~1年ほど経つと、勝率がさらに上がり、手堅く利益を重ねられるようになってくるでしょう。
FX初心者だった頃に比べると、相場の値動きを読む能力や瞬間的な判断力も、かなり高くなっているはずです。
そこでチャレンジしたいのが、レバレッジ21~25倍でのスキャルピングです。
レバレッジを高く設定すれば、1回のトレードによる損益は大きくなります。
低資金で大きな利益を狙うことができる反面、トレードに負けた場合の損失額も大きくなります。
ただし、1万円前後の低資金で取引する場合、レバレッジ25倍ならば、勝負に負けたとしても被る損失はさほど大きくありません。
下記の試算条件で、シミュレーションしてみましょう。
【試算条件】
・ 通貨ペア:米ドル/円
・ 為替レート:1ドル=100円
・ レバレッジ:25倍
・ 取引通貨量:2,500通貨
※スプレッドについては、考慮しない。
相場を読み間違え、1ドル=99円になったタイミングで売り注文を出してしまった場合に、取引損益がどうなるのか、計算してみます。
取引損益(-2,500円)=取引通貨量(2,500通貨)×{(売りレート=99円)-(買いレート=100円) }
この売買における取引損益は、-2,500円となります。
この程度の損失であれば、心理的な負担も少なくて済むのではないでしょうか。
■ スキャルピングの習熟度に応じたおすすめレバレッジまとめ
スキャルピングの習熟度に応じたレバレッジの設定方法をまとめると、下記のようになります。
スキャルピング歴 | レバレッジ | 理由 |
---|---|---|
0~3か月 | 1~5倍 | ・ 初心者ゆえ、トレンドを読み間違えやすい ・ 通貨を売買するタイミングを瞬間的に判断できない ・まずは、リスクを抑えつつスキャルピングを学ぶべき |
3~6ヵ月 | 6~10倍 | ・ スキャルピングに少しずつ慣れてくる頃 ・ 突発的なチャートの動きには、まだ適切な対応ができない ・ レバレッジを低めに設定し、リスクを抑えるべき |
6~9か月 | 11~20倍 | ・ スキャルピングで、大きな失敗をすることが減る ・ レバレッジを段階的に引き上げ、手堅く利益を重ねる ・ 勝率が上がれば、レバレッジを上げても大きな損失を被るリスクが低い |
9か月~1年 | 21~25倍 | ・ スキャルピングの勝率がさらに上がってくる時期 ・ レバレッジを引き上げ、着実に利益を重ねる ・ 25倍程度ならば、損失が出たときの心理的負担が軽い |
スキャルピングのレバレッジは、いきなり高く設定するのではなく、自身の能力に応じて段階的に引き上げていくことが大切です。
また、ここでご紹介したスキャルピング歴はあくまでも目安であり、この期間にどのくらいの取引を行ったのかによって、習熟度は変わってきます。
短い期間でも沢山の取引をすれば習熟度が上がってくるでしょうし、スキャルピング歴が長くても取引回数が少なければ、取引スキルは身につきません。
スキャルピングのレバレッジは、スキャルピングレジに加え、自身にどのくらいの能力が身についているか熟慮したうえで、慎重に設定しましょう。
2-3. 【上級者】ハイレバレッジでのスキャルピングにチャレンジ
スキャルピングに必要な能力を習得し、勝率も安定してきたら、海外FXでハイレバレッジのスキャルピングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
確かに、ハイレバレッジのスキャルピングは、リスクの高い取引手法です。
ただ、スキャルピング上級者になると、トレードの勝率が上がるのはもちろん、損切りのタイミングについても的確に判断できるようになるでしょう。
十分な経験と能力を持つトレーダーならば、リスクがあることを覚悟したうえで、ハイレバレッジのスキャルピングにチャレンジしてみても良いのではないでしょうか。
■ ハイレバレッジのスキャルピングなら低資金で大きなリターンを狙える!「1-2. スキャルピングによる儲けはレバレッジでどのくらい変わる?」でシミュレーションしたように、スキャルピングにより得られる利益は、レバレッジに比例して大きくなります。
レバレッジ | 取引通貨量 | 1回の売買で得られる利益 |
---|---|---|
1倍 | 100通貨 | 20円 |
25倍 | 2,500通貨 | 500円 |
1,000倍 | 10万通貨 | 2万円 |
ハイレバレッジのスキャルピングならば、低資金で大きなリターンを狙うことも、夢ではないでしょう。
用語解説:損切りとは?
損切りとは、含み損が発生している状態で保有している通貨を売却することをいいます。 相場の回復が見込めない場合や、含み損が広がり続けそうな場合、保有する通貨を売却して自ら損失を確定させることで、損失のさらなる拡大を防ぐことができます。
■ 海外FXならトレードに負けても追証なし!
海外FX業者は、そのほとんどが追証なしのゼロカットシステムを採用しています。
そのため、取引損失により口座残高がマイナスになったとしても追証請求されず、預託証拠金以上の損失を被ることはありません。
ハイレバレッジのスキャルピングにチャレンジしてみたい方は、海外FXで、少ない証拠金から取引してはいかがでしょうか。
※海外FX業者が採用する追証なしのゼロカットシステムについては、「海外FXで借金の心配は無用!追証が発生しないゼロカットシステムを解説」で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3. スキャルピングで重要なポイント3つ
スキャルピングで利益を得るには、レバレッジの設定以外に、下記のようなポイントにも注意する必要があります。
この章では、スキャルピングで重要な3つのポイントについて、詳しくご紹介します。
3-1. スプレッドが狭い環境で取引する
スキャルピングを行うにあたり必ず意識しなければならないのが、スプレッドが狭い環境で取引をする、ということです。
スプレッドとは、通貨の買値と売値の差額のことをいい、取引にかかるコストの大きさをあらわします。
買値と売値の差額が大きいことを「スプレッドが広い」と表現し、スプレッドが広くなればなるほど、取引にかかるコストが高くなります。
スキャルピングは1日に何度もトレードを行う取引手法であるため、スプレッドが広い環境で取引をすると、多くのコストがかかってしまいます。
スプレッドが狭い環境(=取引コストが安い環境)で取引をすることが、スキャルピングの絶対条件といっても過言ではありません。
例えば、下記条件で取引を行う場合、取引手法によってトレードにかかるコストに以下のような違いがあります。
【取引条件】通貨ペア:米ドル/円、スプレッド:1pips(0.01円)
取引手法 | 取引頻度 | 30日間の取引回数 | 30日間の取引コスト |
---|---|---|---|
スキャルピング | 1日100回 | 3,000回 | 30円(3,000pips) |
デイトレード | 1日1回 | 30回 | 0.3円(30pips) |
スイングトレード | 10日に1回 | 3回 | 0.03円(3pips) |
1日に数百回の取引をするスキャルピングは、他の取引手法に比べて取引にかかるコストが高いことがわかります。
トレードに勝っても、取引にコストがかかりすぎて思うように利益を得られなくては、意味がありません。
スキャルピングをする際は、FX業者ごとのスプレッドを必ず確認し、よりスプレッドの狭い環境で取引することをおすすめします。
※FX業者のスプレッドについては「海外FX11社の最新の公表スプレッド比較表とおすすめ業者ランキング」で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3-2. 取引が活発な時間帯・通貨ペアを把握
数秒単位、数分単位といった短時間で何度も取引を繰り返すスキャルピングは、取引が活発な時間帯に、よく動く通貨ペアで行うことをおすすめします。
■ 取引が活発な時間帯を狙ってスキャルピング!
取引が活発な時間帯にスキャルピングをすると、より効率的に利益を狙うことができます。
「取引が活発」ということは、「為替相場の値動きが活発になる」、ということでもあります。
スキャルピングは短時間の売買を繰り返す取引手法ですので、相場の値動きが活発になると、その分だけ取引のチャンスが増えます。
取引のチャンスが増えれば、一定時間内に沢山の取引を繰り返し、効率よく利益を重ねられるでしょう。
一般に、取引が活発になるのは「世界三大市場」と呼ばれる① 東京市場、② ニューヨーク市場、③ ロンドン市場が開場する時間帯であるといわれています。
各市場の開場時間帯は下記の通りですので、スキャルピングをするなら、このタイミングを狙いましょう。
世界三大市場の開場時間帯 | |
---|---|
東京市場 | 8時30分~10時頃 |
ニューヨーク市場 | 22時~24時頃 |
ロンドン市場 | 17時~19時頃 |
■ 取引が活発な通貨ペアでスキャルピング
スキャルピングで効率よく利益を重ねていくには、取引が活発な通貨ペアを選ぶことも大切です。
取引が活発な通貨ペアは為替相場の値動きが活発であるため、取引のチャンスが多く訪れるからです。
取引が活発な通貨ペアには下記のような組み合わせがありますので、スキャルピングをする際はぜひ参考にしてください。
・ 米ドル/円
・ ユーロ/円
・ ポンド/円
・ ユーロ/米ドル
・ ポンド/米ドル
3-2. 利確・損切りのルールをつくる
スキャルピングでは、予め、利益確定・損切りに関するルールを作り、これを厳守することも大切です。
数秒、数分単位の売買を繰り返すスキャルピングでは、通貨を売買するタイミングに関して、瞬時の判断力が求められます。
ただ、チャートを読みつつ、相場の値動きを予想しながら売買のタイミングについても判断するのは、トレードに慣れてきた投資家にとってもかなりハードルが高いでしょう。
そこで、予め「利確・損切りのルール」を作っておき、そのルールに従い取引を実行するのです。
チャートの読解と値動きの予想に集中しつつ、利確・損切りのルールに基づいた素早い決済を繰り返していれば、勝率UPも期待できるでしょう。
■ 利益確定ルールの作り方
利益確定のルールでは、相場がどのくらい上昇したら決済するのかを決めます。
米ドル/円、ユーロ/米ドル、といった通貨ペアの場合、5~10pipsほどの値動きがあった時点で利益確定させるのが一般的です。
■ 損切りルールの作り方
損切りのルールでは、相場がどのくらい逆行したら決済するのかを決めます。
一般に、損切り幅は利益確定幅の1/2~1/3程度が望ましいと言われています。
例えば、「10pipsの値動きで利益確定」というルールを作るのであれば、損切りのルールは「3~5pipsの値動きで損切り」としましょう。
4. ハイレバレッジでのスキャルピングをする際の注意点
「1-2. スキャルピングによる儲けはレバレッジでどのくらい変わる?」で解説したように、スキャルピングはハイレバレッジ取引との相性が抜群です。
ただし、スキャルピングもハイレバレッジ取引もリスクの高い取引形態であるため、下記のような点に注意しましょう。
ここでは、これら3つの注意点について、詳しく解説します。
4-1. スキャルピングを禁止している海外FX業者に注意!
国内FXではレバレッジの上限が25倍までに制限されているため、それを超えるハイレバレッジ取引をするならば、海外FX業者を利用する必要があります。
ここで注意しなければならないのが、取引をする業者選びです。
というのも、海外FX業者の中には、スキャルピングを禁止していたり、スキャルピングを一部制限していたりするところが存在するのです。
下記の海外FX業者では、スキャルピングが禁止、あるいは一部制限されていますので、注意しましょう。
海外FX業者 | スキャルピング | 禁止・制限内容 |
---|---|---|
iFOREX | 禁止 | 「許可されない取引行為」として、全面的に禁止 |
GEMFOREX | 一部制限 | サーバーに支障をきたす取引は制限される場合あり |
is6com | 一部制限 | 取引量が膨大で、注文の執行能力に支障をきたす取引は制限される可能性あり |
LAND-FX | 一部制限 | 下記のスキャルピングを禁止 ・ 経済指標発表時のスキャルピング ・ システムを利用したスキャルピング ・ サーバーに支障をきたすスキャルピング |
スキャルピングを禁止・制限している海外FX業者で当該取引をすると、取引停止になったり、口座を凍結されたりする可能性があります。
トラブルを避けるためにも、海外FX業者がスキャルピングを禁止していないかどうか、必ず確認しておきましょう。
4-2. 経済指標発表前後の取引は避ける
ハイレバレッジのスキャルピングは、経済指標発表前後を避けて行うことをおすすめします。
というのも、経済指標発表前後は、相場が乱高下しやすい傾向にあります。
そのため、わずかな値動きで大きな損失が生じる可能性のあるハイレバレッジ取引をするには、リスクが高すぎるのです。
また、相場が乱高下している状況下では、値動きの仕方が通常時と異なります。
スキャルピングでは数秒・数分といった短期間における値動きを予想する必要がありますが、こういった状況では、値動きの予想が外れて大損をする可能性もあるでしょう。
・ 景気に関する指標(GDP,景況感調査、消費動向)
・ 雇用に関する指標(雇用統計)
・ 金利に関する指標(政策金利)
・ 貿易に関する指標(貿易赤字)
・ 物価に関する指標(物価上昇率)
ハイレバレッジでのスキャルピングは、これらの指標の発表前後を避けて行いましょう。
4-3. 資金管理を徹底する
ハイレバレッジでスキャルピングをする際は、資金管理を徹底することも大切です。
スキャルピングの基本は、短時間でのトレードを何度も繰り返し、小さな利益をコツコツ積み重ねていくことにあります。
そのため、1度の取引で大きな損失を出すと、それが原因で基本の取引スタイルが破綻しかねません。
ハイレバレッジ取引で大きな利益を得ると、「取引額を増やしてトレードしてみようか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ハイレバレッジ取引ではわずかな値動きで大きな損失を被るリスクがあるため、無計画に取引額を増やすのは危険です。
ハイレバレッジのスキャルピングをする際は、取引額を一律に保つよう心がけましょう。
スキャルピングでは、自分が決めた投資ルールをしっかり守り、1回の取引により得られる利益は少なくても、取引回数を重ねて堅実に利益を積み重ねていくことが大切です。
5. ハイレバレッジのスキャルピングにおすすめの海外FX業者
ハイレバレッジのスキャルピングをするなら、下記4つの条件を満たす海外FX業者をおすすめします。
スキャルピングが禁止されていないこと、ハイレバレッジ取引が可能であることは当然のこととして、スキャルピングで効率よく利益を出すには、スプレッドが狭い業者を利用することが大切です。
また、狙い通りに取引を成立させるためにも、約定力(=注文価格で取引を成立させる力)が高い海外FX業者を選びましょう。
今回ご紹介するのは、下記3つの海外FX業者です。
どの業者にもそれぞれ異なる特徴がありますので、自分に合った業者を選んでくださいね!
5-1. 業者選びに迷ったらXMがおすすめ!
出典:XM
ハイレバレッジのスキャルピングをする海外FX業者選びに悩んでいるなら、XMをおすすめします。
XMは海外FX業者の中でも信頼性が高く、日本語サポートが充実していることでも知られ、初心者でも安心です。
スプレッドはやや広めな印象ですが、スキャルピングに関する規制がないこと、最高レバレッジが高いこと、約定力が高いことを考慮すれば、全体的にバランスの取れた業者であると言えるでしょう。
▼XM「スタンダード口座」の特徴一覧
評価 | 詳細 | |
---|---|---|
スキャルピング規制 | ◎ | ・ 規制なし ・ 自動売買、裁量トレードも可能 |
最高レバレッジ | ◎ | 1000倍 |
スプレッド | △ | 平均スプレッド(取引ごとの手数料1pipsを加味) ・ 米ドル/円=1.1pips ・ ユーロ/円=1.6pips ・ 豪ドル/円=1.8pips ・ ユーロ/米ドル=1.1pips |
約定力 | ◎ | ・ 全注文の99.35%を1秒以下で執行 ・ 執行率100%(注文拒否なし) |
5-2. 約定力で選ぶならTitan FXの「Zeroブレード口座」!
出典:Titan FX
約定力の高さを重視するなら、Titan FXの「Zeroブレード口座」をおすすめします。
Titan FXでは、強固なネットワーク環境を整備することにより、1/1000秒単位の超高速決済を実現しています。
また、スキャルピングに関する規制がなく、超短期売買に使われる自動売買ソフトの利用も可能です。
平均スプレッドも他の業者に比べると狭めの設定になっていますので、ハイレバレッジのスキャルピングをとことん勝負したい、という方はTitan FXの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
▼Titan FX「Zeroブレード口座」の特徴一覧
評価 | 詳細 | |
---|---|---|
スキャルピング規制 | ◎ | ・ 規制なし ・ 超短期売買用の自動売買ソフトも使用可能 |
最高レバレッジ | 〇 | 500倍 |
スプレッド | 〇 | 平均スプレッド(取引ごとの手数料0.7pipsを加味) ・ 米ドル/円=1.03pips ・ ユーロ/円=1.44pips ・ 豪ドル/円=1.82pips ・ ユーロ/米ドル=0.9pips |
約定力 | 〇 | ・ 1/1000秒単位の約定スピード |
5-3. 取引コストを抑えたいならAXIORYがおすすめ!
出典:AXIORY
取引にかかるコストの低さを重視するならば、AXIORYをおすすめします。
AXIORYは他業者に比べてスプレッドが狭く、取引にかかるコストを抑えられます。
最大レバレッジが400倍となっており、XMやTitan FXに比べるとやや低めな印象ですが、約定力の高さを考慮すると、ハイレバレッジのスキャルピングに向いた業者と言えるでしょう。
また、AXIORYは日本語サポートが充実していますので、海外FXの経験がない方でも安心です。
▼AXIORYの特徴一覧
評価 | 詳細 | |
---|---|---|
スキャルピング規制 | ◎ | ・ 規制なし ・ 自動売買、裁量トレードも可能 |
最高レバレッジ | 〇 | 400倍 |
スプレッド | ◎ | 平均スプレッド(取引ごとの手数料0.6pipsを加味) ・ 米ドル/円=1pips ・ ユーロ/円=1pips ・ 豪ドル/円=1.2pips ・ ユーロ/米ドル= 0.8pips |
約定力 | ◎ | ・ 約定率99.99% ・ 約定スピード0.001秒 ・ 注文拒否なし |
※スキャルピングにおすすめの海外FX業者については、「スキャルピングにおすすめの海外FXランキングTOP4!禁止業者も紹介」で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
スキャルピングは、数秒、数分単位の短時間におけるトレードを何度も繰り返し、利益を積み重ねていくFXの取引手法です。
スキャルピングでは、わずかは利幅を狙ってトレードをするため、1回の取引で得られる利益はごくわずかです。
そのため、レバレッジを高く設定して取引すれば、効率よく利益を重ねられます。
ただし、スキャルピングはハイリスクな取引手法でもあり、FX初心者がいきなり高いレバレッジで取引をするのは危険です。
FX初心者には、相場の値動きを予想したり、売買のタイミングを瞬時に判断したりすることが難しく、ちょっとしたミスが重なって大きな損失を被る可能性があるからです。
スキャルピングのレバレッジは、自身の経験と能力に応じて、下表のように段階的に引き上げていきましょう。
スキャルピング歴 | レバレッジ | 理由 |
---|---|---|
0~3か月 | 1~5倍 | ・ 初心者ゆえ、トレンドを読み間違えやすい ・ 通貨を売買するタイミングを瞬間的に判断できない ・まずは、リスクを抑えつつスキャルピングを学ぶべき |
3~6ヵ月 | 6~10倍 | ・ スキャルピングに少しずつ慣れてくる頃 ・ 突発的なチャートの動きには、まだ適切な対応ができない ・ レバレッジを低めに設定し、リスクを抑えるべき |
6~9か月 | 11~20倍 | ・ スキャルピングで、大きな失敗をすることが減る ・ レバレッジを段階的に引き上げ、手堅く利益を重ねる ・ 勝率が上がれば、レバレッジを上げても大きな損失を被るリスクが低い |
9か月~1年 | 21~25倍 | ・ スキャルピングの勝率がさらに上がってくる時期 ・ レバレッジを引き上げ、着実に利益を重ねる ・ 25倍程度ならば、損失が出たときの心理的負担が軽い |
また、スキャルピングをするにあたっては、下記のような点にも注意が必要です。
スキャルピングは、資金効率のいい取引手法で、利益をコツコツ重ねていけば、低資金で大きな利益を狙うことも可能です。
まずは、スキャルピング用のFX口座を開設し、低レバレッジ・低資金での取引から始めてみてはいかがでしょうか。
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