「FXの取引は借金を抱えることになりそうで怖い!」
「もし損失が拡大したら自己資金だけは払いきれなくなりそう」
確かにFX取引が原因でトレーダーが借金を抱えるという状況は日常的にある話です。
FX取引は利益と損失を繰り返しながらトータルで利益を上げることを目指す投資手法です。そのため取引は常に大きな損失を出す可能性があり、そのような状況に陥れば借金をせざるを得ないケースになることも少なくありません。
FX取引で発生する借金は予想外に大きくなることもあり、最悪の場合は借金を返すことができず自己破産もありえます。
このため、事前にどのような状況で借金を抱えることになるのかを知り、そして借金を抱えない安全な取引方法を実践することは欠かせません。
そこで今回は
- FXで借金をしてしまう2つのケースと対処法一覧
- FXで借金をしないための7つの方法
- 絶対に借金をしたくないなら海外FXも選択肢の一つ
について、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたも借金しない安全なFX取引を実践することができるようになります。
目次
2021年10月30日に情報を見直し修正しました。
1.FXで借金をしてしまう2つのケースと対処法一覧
FXトレードで借金が発生するケースは大きく分けて2つあり、また借金を抱えないために実践すべき7つの対策があります。
まずこの章では、借金が発生する2つのケースについて詳しく見ていきましょう。一つずつ解説します。
1-1.取引に必要な運用資金を借金する
FX投資では取引前に証拠金を入金し、その証拠金の金額に応じて取引できる金額も設定されます。
もちろん証拠金の金額が大きければ、取引できる金額も大きくなり、それに応じて利益やリターンも大きくなります。つまり効率的に利益を上げる上ではできるだけ多く確保することが重要であるということです。
このため、取引開始時に自己資金が不足している人の中には借金して運用資金を用立てようと考える人も少なくありません。
借入金で運用資金を賄った場合、借金を返済しないといけないというプレッシャーが取引に影響し、冷静な取引ができなくなるという傾向もあります。
焦って取引をして損失を出せば、手元には借金だけが残ることになります。
1-2.追加証拠金(追証)の発生
FX取引では、口座に入金した証拠金が減少し、一定の割合を下回ると追加で証拠金を入金しなくてはいけません。これが追加証拠金(追証)です。
FXには追証が発生する前に、一定の損失が出るとポジションを強制的に決済するロスカットというシステムがありますが、相場が急激に変動する場合はこのロスカットが間に合わず、大きな損失を被ることになります。
このような状況で発生した追加証拠金は、想定外に大きな金額となるケースが多く、借金をしなくては追証を解消できないというケースも珍しくはありません。
そしてもちろん追証を解消できない場合口座は凍結され、この場合も借金だけが残ることになります。
追証が発生するのは多くの場合、以下の3つのケースです。
①相場に関わる大きなアクシデントが報道された場合
テロや災害、また経済指標に関わる突然の発表や事件など、相場に大きなインパクトを及ぼす報道がでると、相場は急激に変動します。この時にポジションを持っていると、ロスカットが間に合わずに追証が発生するケースがあります。
②週をまたいでポジションを保有した場合
経済指標の発表や要人の発言は、市場が閉じている週末に行われることが多く、市場がクローズする週末と市場が開く週明けで、大きな相場の変動が起こることがあります。この時にポジションを持っていると追証が発生する可能性が生じます。
③FX口座のシステム障害によって取引ができなかった場合
相場が大きく変動する際には注文が殺到するため、稀にサーバーダウンが発生することもあり、これによってロスカットが行われず追証が発生するというケースもあります。ただし、システム障害による損害の場合は、FX業社に損害賠償を請求することもできます。
FX取引で発生する追証については以下のページでも詳しく解説しています。興味のある方はぜひこちらもご確認ください。
FXの追証とは?発生する4つのケースと知るべき追証のリスクを解説
では実際にFXで借金をしないためにはどのような方法があるのでしょうか。次章からは借金をしないための具体的な7つの方法を詳しく解説していきます。
2.【FXで借金しない方法①】余剰金でトレードする
FXで借金をしないための大前提として守るべきことは借金でトレードをしないことです。
FXトレードには以下のような特徴があります。
- 取引によって原資が極端に目減りする可能性がある
- 相場の急変によって証拠金を大きく上回る損失が発生するリスクがある
もちろん証拠金を十分に入金し証拠金率を高めていても、入金した証拠金がなくなってしまうほどの損失を出してしまう可能性も0ではありません。
借金でトレードをして大きな損失をだせば、原資の借金と損失による借金を二重に背負うことになり、
生活資金にも困窮する状況にもなりかねません。
FXの取引は、まず生活資金を確保した上で貯金などの余剰金を利用して行うことを心がけるようにしましょう。
3.【FXで借金しない方法②】初心者のうちは少額取引を心がける
FXを初めてすぐに大きく利益を上げることができる人はそうはいません。特に初心者のうちは、相場を読み違えたり損切りができなかったり、様々なミスにより損失を出してしまう可能性も多くあります。もちろん損失が拡大すれば借金に陥る危険性も高まります。
そのため不本意に損失が拡大することを防ぐ意味でも、初心者のうちはできるだけ取引の通貨単位「Lot(ロット)」を小さくすることが大切です。
通貨単位(ロット)とは、FXでトレードを行う上での通貨の数量の単位のことです。
1ロットあたりの取引数量は利用するFX会社によって様々ですが、一般的には1Lotあたり10,000通貨単位とされています。例えば米ドルであれば
1ロット=10,000通貨単位=10,000ドル=およそ100万円
と、1ロットで100万円程度の取引規模ということになります。FX業者では最低取引単位を0.1ロットとしているケースが多く、この場合、一度の取引でトレードする金額は10万円程度です。0.1ロットの取引であれば、損失も小さく、深刻な事態に陥ることはまずありません。
特にFXを初めて数ヶ月の間は、できれば0.1ロット程度の取引を重ねて経験を積みゆっくりと取引量を増やしていくことをお勧めします。
4.【FXで借金しない方法③】レバレッジの高いトレードは控える
取引の通貨単位を小さくすることと合わせて心がけたいのは、必要以上にレバレッジの高い取引を控えることです。
国内FXであればレバレッジは25倍までかけることはできますが、レバレッジが高ければ当然取引のリスクは高まります。
例えば米ドル1Lotを2倍のレバレッジで取引すれば、取引金額はおよそ200万円
これに対して最大レバレッジである25倍の倍率で取引を行えば、取引金額は2500万円になります。
この場合取引金額は10倍以上の開きがありますが、もちろんこれによって生じる利益も損失も10倍以上です。
つまり大きな利益を夢見て高いレバレッジの取引を行うと予想外の損失によって追証が発生するほどの損失を招く可能性もあります。
特に1章で解説したような相場の急激な変動に巻き込まれてしまえば、損失は打つ手のない状況まで拡大し、借金を抱える事態に陥りかねません。
もしそのような状況に巻き込まれても、持っているポジションのレバレッジ倍率が低ければ、損失が拡大する速度は遅く、追証発生を食い止めることが出来る可能性も高まります。
5.【FXで借金しない方法④】一定の損失が出たら必ず損切りする
特に初心者の取引で多いのが、損失が出ているにもかかわらず損切りができず、さらに大きな損失を出してしまうケースです。
FX取引は利益と損失を繰り返しながらトータルで利益を出す投資手法です。
しかしこれが頭では理解できていても、損失が積み上げられていくと反転するのではないか、という気持ちから、どうしても損切りができず損失を広げてしまいます。もちろんポジションの損切りができず損失が拡大しロスカットということになると損失は甚大です。
これを回避するために必要なのは、一定の損失が出たら損切りをするというルールをあらかじめ決めておくことです。
そしてこれを実践するためにFX取引でよく言われているのが2%ルールと呼ばれているものです。
2%ルールは単純明快に「自己資金の2%の損失が出たら損切りする」というルールです。
例えば証拠金10万円でトレードする場合、
100000 × 2% = 2000円
ですので2000円以上の損失がでたら必ず決済をすることになります。
この2%ルールを徹底して取引ができれば大きな損失を被ることはまずありません。
6.【FXで借金しない方法⑤】逆指値注文を入れる
逆指値注文もFXトレードで損失の拡大を防ぐ上でたいへん有効です。
逆指値注文とは損失が一定の大きさに達したら約定するように値段をあらかじめ指定して注文する方法です。
例えば1ドル105円で買いのポジションを持つ時に、100円の逆指値注文を出しておきます。このようにしておけば100円に下がった段階で自動的に約定されるため、それ以上に損失が拡大することがありません。
実際のFXトレードでは、損失を確定する損切りはどうしても躊躇してしまうという状況が起こりがちです。逆指値はあらかじめ損切りの価格を決めて注文を出すことで、損切りのタイミングを逃すことを防ぐための、より確実な方法であるということができます。
7.【FXで借金しない方法⑥】土日の為替変動を避ける
1章でもお伝えした通り、為替相場に影響を及ぼすニュースが市場が開かれていない土日に発表されると、週明けの為替の価格が先週末から大きく変動することがあります。このような状況のことを「窓開け」と言います。
このためFX取引では週末にポジションを持ち越すことは大変リスクが高いと言われています。
もちろん窓開けのタイミングでポジションを持つことは大きなリターンを得る可能性もありますが、損失は予想以上に大きくなり、窓開けのタイミングでロスカット水準を大きく上回る損失を出し、週明け早々に強制ロスカットという事態にもなりかねません。
もちろん追証が発生する可能性が高いのもこのタイミングです。窓開けで生じる損失は予想外に大きくなるケースもあるため、借金をしないためには、基本的に週をまたいだポジションを保持しないことが何より大切です。
8.【FXで借金しない方法⑦】デモトレードでトレーニングする
FX未経験の人が、突然FXトレードを始めてもなかなか思うように取引で利益を上げることはできません。
早々に大きな損失を出して入金した証拠金がなくなってしまうということもよくあることです。
そこでおすすめなのがデモトレードです。
FX業者はそれぞれ、仮想で取引を練習できるデモ口座を無料で提供しています。
デモ口座の利用には
- リスクのない環境で取引の練習ができる
- 取引会社によって違う取引ツールを事前に試すことができる
- 取引ツールを使い比べたあとで利用する業者を選ぶことができる
などのメリットがあります。
特に国内FX業者では業者によって取引ツールが異なるため、はじめのうちはツールに慣れずに注文や約定のタイミングを逃し、損失を出すというケースも少なくありません。この意味でもデモトレードは大変有効です。
しかしデモトレードには実際に損をしないためリアルな取引の緊張感を体験できないというデメリットも存在します。デモ口座とリアルな口座との間には違いもあることを忘れないようにしましょう。
9.絶対に借金をしたくないなら海外FXも選択肢の一つ
国内FXの取引で借金をしてしまう最大の理由は追証の発生です。そして残念ながら、国内FXで追証の発生を完全に防ぐ方法はありません。
どんなに取引の経験を重ねていても、突然やってくる急激な価格の変動から身を守ることは難しく、万が一その変動で損失を被るポジションを持っていれば、想像以上の大きな損失を被ることは避けられません。
もちろん証拠金を十分に積み、取引規模に気をつけながら取引を行えば、ほとんどの場合、安全に取引をすることができますが、追証の制度がある以上、理論的には追証の発生する可能性をゼロにすることはできず、借金をしなくてはいけない状況に陥る危険性は常に残されています。
どうしても借金を避けたい場合、海外FXを利用することも一つの方法です。なぜなら海外FXでは、追証が発生しないゼロカットシステムを採用しているからです。
ゼロカットシステムとは、FXトレードで大きな損失を出して残高がマイナスになった場合、その残高を0にリセットする制度です。
このためゼロカットシステムを採用する海外FXの取引では、どれだけ大きな損失を出しても絶対に証拠金以上の損失が発生することはありません。
海外FXのハイレバレッジ取引のリスクの高さを心配する人もいますが、損失を限定することができるという点で考えれば、むしろ国内FXよりも低いリスクでFX取引ができるということが言えるでしょう。
これらの点から考えれば、少なくとも借金を抱える可能性という点から考えれば、海外FXのほうが安全であるということは事実です。
海外FXのゼロカットシステムについては以下のページでも詳しく解説しています。詳しく知りたい方は、こちらのページもぜひご確認ください。
海外FXのゼロカットとは?仕組みとメリット・デメリットを解説
まとめ
今回はFXで借金をしない方法について詳しく解説しました。
借金をしてしまうケースとしては以下の2つがあります。
- 追加証拠金(追証)の発生
- 取引に必要な運用資金を借金する
また海外FXでできるだけ借金をしないために対処するべき対策としては以下の7つがあります。
- 余剰金でトレードする
- 初心者のうちは少額取引を心がける
- レバレッジの高いトレードは控える
- 一定の損失が出たら必ず損切りする
- 逆指値注文を入れる
- 土日の為替変動を避ける
- デモトレードでトレーニングする
残念ながらFXトレードで借金を抱える最大の原因である追証の発生を100%防ぐ方法はありません。FXトレードを行う際は、常に損失が拡大する可能性があることを考慮し、十分な証拠金維持率を確保しつつ安全に取引を行うことをオススメします。
どうしても借金の発生が心配であるという方は、ゼロカットシステムを備え、絶対に追証が発生しない海外FXの利用を検討してもいいかもしれません。