「XMで両建てをしたいけれど、そもそも、認められているの?」
「XMで両建てをすると口座凍結をされるって、本当?」
XMで両建てをしてみたいけれど、ルールがよくわからなかったり、悪い噂を聞いたりしたことで不安に思い、まだ実践できないでいる…という方は、少なくありません。
XMでは、同一口座内における両建てのみ許可されており、それ以外の方法による両建ては、一切禁止されています。
下記のような方法で両建てをした場合、出金拒否や口座凍結など、かなり厳しいペナルティを受ける可能性があります。
- 複数口座を利用した両建て
- XMと他業者間での両建て
- 複数人による組織的な両建て
- 特定通貨のヘッジ狙いで、異なる通貨ペアを大量に保有する行為
- EAが偶然行った、複数口座間での両建て
両建てのルールについて理解しないままXMで取引をすると、うっかり禁止行為をしてしまって口座凍結されてしまった…といった事態に陥りかねません。
安全に両建てをして着実に利益を重ねるには、XMの両建てルールについて、正しく理解しておくことが大切です。
そこでこの記事では、XMでの両建てに関する、下記のようなポイントについてご説明します。
- XMの両建てルール
- 【注意】XMで禁止されている両建て
- XMで両建てをするメリット
- XMで両建てをするデメリット
- XMで両建てをする際に注意すべきポイント
- XMで両建てする方法
XMで両建てをしたいと考えている方、XMの両建てルールについて調べている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. XMの両建てルール
XMでは、両建てに関して様々な制約を設けています。
これを知らないまま規約に反する両建てをすると、出金拒否や口座凍結など、厳しいペナルティを科せられる恐れがあります。
損失やトラブルを回避するためには、両建てのルールについてきちんと理解しておくことが大切です。
この章ではまず、XMの両建てに関する基本的なルールについて、わかりやすくご説明します。
※両建てについては「海外FXの両建ては初心者に不向き?基礎知識と禁止行為の基準を解説」で詳しくご説明していますので、ぜひご参照ください。
1-1. XMは同一口座内に限り両建て可能
XMでは、「同一口座内に限り、両建てが可能」です。
XMでは、最大8口座まで保有できますが、両建てが認められるのは「同一口座内」に限ります。
XMで2つの口座を持っている方が、口座①で買いポジションを、口座②で売りポジションを持つ、というように、複数の口座を使った両建ては禁止されていますので、注意しましょう。
1-2.XMが両建てを制約する理由
XMが同一口座内での両建てしか認めず、他の方法による両建てを一切禁止する理由は、ゼロカットシステムの悪用を防ぐことにあります。
用語解説:ゼロカットシステムとは?
ゼロカットシステムとは、顧客の口座残高がマイナスになった場合に、そのマイナス分を帳消しにするサービスのことをいいます。XMでは、相場の急変などによって含み損が拡大し、口座残高を上回る損失が発生した場合、XM側がそのマイナス分を補填してくれます。
■ ゼロカットシステムを悪用した両建てとは?
XMで2つの口座を持っている人が、複数口座間で両建てした場合について、考察してみましょう。
相場の変動によって、買いポジションの利益と、売りポジションの損失が拡大したとします。
この場合、買いポジションの利益は、上限なく拡大していきます。
一方、売りポジションの損失は口座残高分のみとなり、マイナス分はゼロカットシステムにより、XMが補填してくれます。
つまり、複数口座間で両建てをしてゼロカットシステムを悪用すれば、投資家は、ほぼノーリスクで利益を獲得することが可能になってしまうのです。
XMではこのように、FX業者側が理不尽に一方的な不利益を被る事態を回避すべく、「同一口座内の両建て」以外の方法による両建てを、固く禁止しています。
■ 同一口座内での両建てならば損益が相殺されるため問題なし!
では、XMはなぜ、同一口座内での両建てを認めているのでしょうか。
同一口座内で両建てをした場合、買いポジションと売りポジションの損益が相殺されます。
例えば、同一口座内で保有する買いポジションで大きな利益が、売りポジションで大きな損失が発生したとします。
このケースでは、買いポジションと売りポジションが同じ口座内にあるため、両ポジションの損益は相殺されます。
これならばゼロカットシステムを悪用することにはならず、FX業者側が一方的かつ理不尽に、不利益を被ることもありません。
こういった理由からXMは、同一口座内に限り、両建てを許可しているのです。
2. 【注意】XMで禁止されている両建て
上述のようにXMでは、同一口座内における両建てのみ、認められています。
下記のような方法による両建ては「厳禁」ですので、XMで取引をする際は注意しましょう。
XMでは、投資家に悪意がなくても、結果的に禁止事項に触れる状態になってしまったことで、「規約違反」とみなされ、厳しい処分を受ける場合があります。
そのためXMで取引をする際は、「どういう状態になれば規約違反の両建てとみなされるのか」正しく理解しておくことが大切です。
2-1. 複数口座を利用した両建て
XMでは、複数の口座を利用した両建てを禁止しています。
例えば、XMで2つの口座を保有している人が、米ドル/円の両建てをする場合…
(1) 口座①で米ドル/円の買いポジションを保有
(2) 口座②で米ドル/円の売りポジションを保有
というように、口座をまたいだ両建てをすると、規約違反となります。
また、規約違反に該当するかどうかの判断にあたり、「顧客に悪意があったかどうか」は、全く関係ありません。
XMにおいて、複数の口座を保有して多数のポジションを管理している場合、偶然、複数口座間で両建てをしている状態になってしまうケースがあります。
この場合、本人に悪意がなくても「悪質な規約違反行為」とみなされてしまいますので、複数の口座を使う場合は十分注意しましょう。
2-2. XMと他業者間での両建て
XMでは、XMと他のFX業者を使った両建ても、禁止しています。
国内FX業者・海外FX業者を問わず、「すべての他FX業者間での両建て禁止」となります。
ここでも、規約違反かどうかを判断するにあたり、トレーダーが「両建てをしようと思っていたか」どうかは、関係ありません。
複数のFX業者を利用している人が、”意図せず”複数のFX業者間で両建てをしてしまった場合でも、規約違反行為に該当してしまいますので、注意が必要です。
■ 他業者間の両建ては、本当にバレる?
海外FX業者の多くは、取引プラットフォームにMT4およびMT5を採用しています。XMも例外ではなく、MT4/MT5を採用していますが、トレーダーが同じ取引プラットフォームを使っている場合、FX業者は、そのトレーダーの全取引履歴(FX業者を問わず)を容易に把握できます。
「他のFX業者を使えば、バレないだろう」という安易な考えは、通用しません。
実際、過去には他業者間での両建てがバレて、口座を凍結されたり、その取引で得た利益を取消されてしまったり、といった事例も発生しています。
規約違反行為に該当する両建てをすると、厳しい処分を受けますので、注意しましょう。
2-3. 複数人による組織的な両建て
XMでは、複数人による組織的な両建ても、禁止しています。
「複数人による両建て」とは、下記のような状態のことをいいます。
・投資家A…XMでドル/円の買いポジションを保有
・投資家B…XMでドル/円の売りポジションを保有
上記の取引は一見、「複数口座を使った両建て」ではないようにも思えます。
しかし、投資家Aと投資家Bが結託し、話しを合わせて上記のような取引をした場合、「1人のトレーダーが複数口座を使って両建てした」のと同じ状態になってしまいます。
こういった事態を防ぐためにXMでは、複数人による、組織的な両建てを禁止しています。
2-4. 特定通貨のヘッジ狙いで異なる通貨ペアを大量に保有する行為
これは、厳密に言うと「両建て」にあたらないのですが、XMでは、特定通貨のヘッジを目的に、異なる通貨ペアを大量に保有する行為を禁止しています(同一口座内であればOK)。
少しわかりにくいと思いますので、具体的にご説明します。
「特定通貨のヘッジ狙いで、異なる通貨ペアを大量に保有する」とは、以下のようなケースのことをいいます。
・ 口座①で、[米ドル/円]の売りポジションを大量に保有
・ 口座②で、[豪ドル/円]の買いポジションを大量に保有
まず、これらは明らかに異なる通貨ペアであるものの、どちらもクロス円ですので、相場が急変しやすい状況では似たような動きをします。
そして、ここでポイントになるのが、”大量に”という部分です。
相場の急変動によって、大量に保有する売りポジションと買いポジションのいずれか一方に”莫大な損失”が発生した場合、口座残高を超える損失については、ゼロカットシステムによって帳消しになります。
つまり、ポジションを大量に持って、口座①か口座②のどちらか一方でゼロカットが発動しやすい状況にすると、もう一方の口座では、大きな利益を獲得できる可能性が高くなるのです。
異なる通貨ペアであっても、ポジションサイズ(保有するポジションの量)が一瞬でゼロカット発動となるほど大きい場合、「ゼロカットシステムを悪用し、不正な両建てをしようとしている」と判定される可能性があります。
この行為が規約違反にあたるかどうかは、あくまでXM側の判断になりますが、思わぬトラブルを避けるためにも、ポジションを大量に保有する場合は注意が必要です。
2-5. EAが偶然行った複数口座間での両建て
XMにおいて複数口座を持っている方で、EA(自動売買システム)を利用している場合、意図せず「複数口座間での両建て」をしてしまう場合があるため、注意が必要です。
例えば、下記のような場合について、考えてみましょう。
・口座①で、米ドル/円の買いポジションを、手動でエントリー
・口座②で、EAを稼働させたところ、EAが米ドル/円の売りポジションをエントリー
このケースでは、投資家に悪意こそないものの、偶然、「複数口座を利用した両建て」をしている状況に陥ってしまっています。
また、EAを利用することで、「2-4. 特定通貨のリスクヘッジを目的に異なる通貨ペアで行う複数口座間での両建て」でご説明したような状態になる可能性も、ゼロではありません。
投資家に悪意がなく、EAが自動的にエントリーしたポジションであっても、同一口座間以外での両建てをした場合は、規約違反行為とみなされます。
複数口座を利用し、かつ、EAを稼働させる方は、「知らない間に規約違反に該当する両建てをしてしまった」という状態に陥るリスクがありますので、十分注意しましょう。
3. XMで両建てをするメリット
ここまでご説明したようにXMでは、両建てをかなり厳しく規制しています。
ただ、ルールさえ守っていれば何の問題もありませんし、XMにおいて同一口座内の両建てをすることには、下記のように様々なメリットがあります。
ここでは、XMで両建てをすることにどのようなメリットがあるのか、詳しくご説明します。
3-1. 必要証拠金が「ゼロ」になり資金的な余裕が生まれる
XMでは、同一口座内で同じロット数の両建てをした場合、必要証拠金が「ゼロ」になります。
- FX
- ゴールド
- シルバー
※同じロット数で両建てした場合に限る
海外FX業者の中には、両建てをする際、売りポジションと買いポジションの両方に証拠金が必要なところがあります。
こういった業者で両建てをする場合、投資家は、通常の2倍の資金を用意しなければなりません。
これに対してXMでは、① 同一口座内において、② 同じロット数で両建てする場合、必要証拠金が不要になります。
必要証拠金がゼロになると資金的な余裕が生まれますので、下記のようなことが可能になります。
- ① 相場状況が不利な局面でも証拠金維持率を高く保てる
- ② 資金的な余裕が生まれ、新たなポジションを持ちやすくなる
① 相場状況が不利な局面でも証拠金維持率を高く保てる
相場状況が不利な局面でポジションを保有していると、含み損が拡大した場合、証拠金維持率が下がりロスカットのリスクが高くなります。
この点、両建てをしていれば必要証拠金がゼロになるため、含み損が拡大しても証拠金維持率が下がることはありません。
ポジションを保有しながらも証拠金維持率を高く保てるというのは、投資家にとって大きな安心材料になるでしょう。
② 資金的な余裕が生まれ、新たなポジションを持ちやすくなる
両建てをすることで必要証拠金がゼロになると、資金的な余裕が生まれます。
例えば、米ドル/円、1ドル=100円、レバレッジ100倍で取引をすると仮定します。
この条件のもと、売りポジションと買いポジションを1ロットずつ注文して両建てをすると、必要証拠金がゼロになります。
口座に自己資金100万円を預けていた場合、今回の取引の必要証拠金はゼロですので、余剰資金は100万円のままです。
一方、買いポジションのみを1ロット注文する場合、今回の取引の必要証拠金は10万円です。
口座に預託してある100万円のうち、10万円は必要証拠金として取り扱われますので、余剰資金は90万円となります。
このように、XMでは両建てをすることで必要証拠金がゼロになり、これによって資金的な余裕が生まれます。
資金的な余裕が生まれれば、これを使って別のポジションを保有することもできますよね。
【注意!】XMで両建ての必要証拠金がゼロになる条件
ただし、XMで両建ての必要証拠金がゼロになるのは、下記条件を満たした場合に限られます。
【条件①】同一口座内の両建てであること
【条件②】同じロット数でエントリーすること
上記条件を満たさない場合は、売りポジションと買いポジション、それぞれで必要証拠金が発生しますので、注意しましょう。
3-2. ロスカットを回避できる
XMで両建てをすることには、「ロスカットを回避できる」というメリットもあります。
XMのロスカット水準は20%で、口座の証拠金維持率がこれを下回った場合、強制ロスカットが執行されてしまいます。
用語解説:ロスカットとは?
ロスカットとは、口座の証拠金維持率(必要証拠金に対する有効証拠金の割合)が、ロスカットし順を下回った場合、その時点で保有するポジションが強制決済される仕組みのことをいいます。ロスカットが執行されると、投資家は保有するポジションを失い、マイナスが確定してしまいます。
ロスカット執行の基準となる口座の証拠金維持率は、下記計算式によって算出します。
証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
上記計算式における「有効証拠金」には、預託資金の他に「含み益」や「含み損」も入ります。
そのため、トレードによる損失が発生して含み損が拡大した場合、有効証拠金が減って証拠金維持率が下がり、これが20%を割った時点で、ロスカット執行となってしまいます。
■ 必要証拠金がゼロになることで証拠金維持率の低下を防ぐ!
上述のようにXMでは、同一口座内において同じロット数で両建てした場合、必要証拠金が発生しません。
口座の証拠金維持率はあくまで、「必要証拠金に対する有効証拠金」の割合をあらわすものですので、必要証拠金がゼロである以上、口座の証拠金維持率が下がることはないのです。
もちろん、両建てをしたからといってロスカット執行を100%防げるわけではありません。
他に保有しているポジションの損益や、両建てしている通貨ペアのスワップポイントによっては、証拠金維持率が低下し、ロスカットされてしまう可能性もあります。
ただ、相場が不利な状況などにおいて一時的にロスカットを防ぎたい場合には、両建ては非常に有効な手段といえるでしょう。
3-3. 往復分のXMPを獲得できる
XMで両建てをすると、往復分のXMP(XMポイント)を獲得できます。
XMPとは、XMが独自に実施している「XMロイヤリティプログラム」において付与されるもので、取引額に応じて、取引に使えるポイントが付与されます。
出典:XM
例えば、ウェルカムステータスの人が、米ドル/円の売りポジションを1ロット持つ(エントリーする)場合、得られるXMPは10ポイントです。
これに対して、米ドル/円の売りポジションと買いポジションを1ロットずつ持って両建てした場合、得られるXMPは20ポイントとなります(売り・買いそれぞれでポイントが発生)。
つまり、XMで両建てをすると、非常に効率よく、XMPを稼ぐことができるのです。
ただし、ポイント稼ぎのため”だけ”に両建てをする行為は、規約違反となるため注意しましょう。
判断は難しいところですが、「両建てをしていたら、XMPが沢山貯まっていた」という状態でしたら、何の問題もありません。
4. XMで両建てをするデメリット
XMでの両建てには、下記のようなデメリットがあることも、忘れてはいけません。
これらのデメリットを知らないままXMで両建てをすると、思わぬ損失が発生する可能があります。そういった事態を防ぐためにも、XMで両建てをすることにはどのようなデメリットがあるのか、正しく理解しておきましょう。
4-1. 取引コストが2倍かかる
XMで両建てをする場合、取引コストが2倍かかる、というデメリットがあります。
FXをするうえで考えておかなければならない取引コストは、以下の2つです。
- スプレッド
- 取引手数料
■ スプレッドについて
XMは他のFX業者に比べ、スプレッドが広い傾向にあります。
両建てをする場合、売りポジションと買いポジションの両方にスプレッドがかかりますので、XMで両建てをすると、他社で同じように両建てをする場合に比べて、取引コストが高くつく可能性があります。
※「FXスプレッドを徹底比較!初心者に知ってほしい比較ポイントを解説」では、海外FX9社のスプレッドを比較していますので、併せてご参照ください。
■ 取引手数料について
XMの「ゼロ口座」では、取引通貨量1ロットにつき往復10ドルの取引手数料がかかります。
例えば、XMにおいて米ドル/円の売りポジションと買いポジションを1ロットずつエントリーして両建てする場合、往復で、合計20ドルの手数料を支払わなければなりません。
両建てをして決済すると、「売り」「買い」いずれか一方のポジションでは、必ず利益を得られます。
ただし、相場の変動が小さい状況で両建てをすると、得られる利益も小さくなるため、手数料負けしやすくなってしまいます。
XMで両建てをする際は、
- 取引コストがどれくらいかかるのか
- 現在の相場状況で両建てした場合に、取引コストを考慮しても損益がプラスになるのか
といった点について、慎重に検討することをおすすめします。
4-2. 両ポジションにスワップポイントが発生
XMで両建てをした場合、「売り」「買い」両ポジションにスワップポイントが発生するため、注意が必要です。
XMでは、日をまたいでポジションを保有していた場合、「スワップポイント」が発生します。
スワップポイントとは、通貨間の金利差を調整するためのもので、スワップポイントがプラスの場合は投資家の利益に、スワップポイントがマイナスの場合は投資家の損失になります。
■ 売り・買いともにマイナススワップの場合は特に注意!
例えば、XMにおいて、通貨ペア[豪ドル/米ドル]を「売り」「買い」1ロットずつで両建てした場合、スワップポイントは下表のようになります。
ポジション | スワップポイント | 損益(単位:円) |
---|---|---|
買いポジション | -4.7 | -629.57円 |
売りポジション | -0.5 | -66.97円 |
※スワップポイントは1ロットあたりの値
XMにおいて豪ドル/米ドルの通貨ペアは、売り・買いともに、マイナススワップとなっています。
そのため、豪ドル/米ドルで両建てし、日をまたいでポジションを持ち越した場合、投資家は、買いポジションにつき-629.57円、売りポジションにつき-66.97円の損失を被ることになります。
スワップポイントは毎日発生するものですので、ポジションを保有する期間が長くなれば、その分、マイナススワップによる損失は拡大していきます。
XMで両建てをする際は、スワップポイントがどういう状況にあるのか、必ず確認しましょう。
5. XMで両建てをする際に注意すべきポイント
XMで両建てをする際は、下記3つのポイントに注意しましょう。
これらの注意事項を理解しないまま両建てをすると、重いペナルティを受ける可能性があります。
思わぬトラブルや損失を防ぐためにも、XMで両建てをする際には何に注意しなければならないのか、詳しく見ていきましょう。
5-1. 規約違反行為をすると厳しいペナルティが発生
基本的なことではありますが、XMで両建てをする際、必ず注意していただきたいのが、「規約違反行為をしないこと」です。
XMで認められているのは同一口座内の両建てのみで、「2. 【注意】XMで禁止されている両建て」でもご説明したように、以下のような方法による両建ては一切禁止されています。
そして、規約違反行為に該当する両建てを行った場合、かなり厳しいペナルティを科せられる可能性があります。
具体的には、下記のようなペナルティが想定されます。
- 両建てにより得た利益の抹消
- レバレッジ上限の引き下げ
- 出金拒否
- 口座凍結
不正な両建てによって大きな利益を得ても、利益を抹消されたり、出金拒否されたりしては、意味がありません。
また、レバレッジの上限を引き下げられた場合、両建て以外の取引にも大きな影響が及びます。
そして、口座を凍結されてしまうと、トレードによって得た利益はもちろん、預託資金についても出金できなくなりますし、それ以後、XMでトレードをすることもできません。
「XMには沢山のユーザーがいるのだから、少しくらい規約違反をしても、問題ないだろう」
「他のFX業者を使えば、バレないだろう」
といった安易な考えで不正な両建てをすると、後悔することになります。
また、「2-2. XMと他業者間での両建て」や「2-5. EAが偶然行った複数口座間での両建て」でご説明したように、XMでは投資家が意図せず行った両建てについても、規約違反行為と判断して厳しいペナルティを科す場合があります。
XMで両建てをする際は、それが規約違反行為に該当しないかどうか、慎重に確認しましょう。
5-2. スワップポイント次第でロスカットされる場合がある
XMで両建てをする通貨ペアのスワップポイントがマイナスである場合、含み損が拡大して証拠金維持率が下がり、ロスカットされる場合があるため、注意が必要です。
「4-2. 両ポジションにスワップポイントが発生」でご説明したように、XMで両建てをする場合、日をまたいでポジションを持ち越すと、スワップポイントが発生します。
そして、このスワップポイントがマイナスである場合、ポジションを持つ期間が長くなればなるほど、投資家の損失は拡大します。
例)通貨ペア[米ドル/トルコリラ]で両建てする場合
米ドル/トルコリラで買い・売りそれぞれ1ロットずつポジションを保有して両建てした場合、日をまたいでポジションを持ち越したときに発生するスワップポイントと損益は、下表の通りです。
ポジション | スワップポイント | 損益(単位:円) |
---|---|---|
買いポジション | -772.19 | -5,412円 |
売りポジション | -272.19 | -1,907円 |
米ドル/トルコリラの通貨ペアで両建てし、日をまたいでポジションを持ち越した場合、投資家は買いポジションにつき-5,412円、売りポジションにつき-1,907円、合計-7,319円の損失を被ります。
この損失は、ポジションを保有する期間に比例して長くなり、例えば、上記ポジションを10日間持ち越した場合、投資家の損失は-7万3,190円にまで膨らみます。
両建てをして「売り」「買い」両方のポジションを持てば、相場変動による損失は抑えられます。
しかし、マイナススワップによる損失を抑えることはできませんので、これが拡大した場合、証拠金維持率が低下します。
そして、証拠金維持率がXMのロスカット水準(=20%)を下回ると、ロスカットが執行されてしまいます。
「ロスカット回避のために両建てしたはずが、両建てに伴って発生したマイナススワップが原因でロスカット執行されてしまった」なんてことになっては、本末転倒です。
XMで両建てをする際はまず、スワップポイントがプラスなのかマイナスなのか、必ず確認しましょう。
そして、両建てしたポジションのスワップポイントがマイナスである場合、スワップ負けしないための対策を考えておく必要があります。
具体的には、下記のような対策が効果的でしょう。
- 日をまたいでポジションを持ち越さない
- スワップポイントがプラスの通貨ペアで両建てする
5-3. 両ポジションを同時決済しないと証拠金が発生する
XMでは、両建てをしている「売りポジション」と「買いポジション」を、同時決済しなかった場合、証拠金が発生します。
例えば、両建てをしている状態で「売りポジション」のみを決済した場合、もう一方の「買いポジション」において必要証拠金が発生します。
必要証拠金が発生するということは、その分だけ証拠金維持率が低下する、ということでもあります。
そして、証拠金維持率が低下してXMが定めるロスカット水準を下回った場合は、ロスカットが執行されてしまいます。
ロスカット執行を避けるために両建てした場合、売り・買い、いずれかのみを決済すると証拠金維持率が急激に低下し、ロスカットが執行されてしまうリスクがあります。
両建てを解除する場合は、原則として両ポジションを同時決済するようにしましょう。
何らかの理由で、いずれか一方のポジションのみ決済する場合は、証拠金維持率の低下に注意が必要です。
6. XMで両建てする方法
XMでは、簡単な操作で両建ての注文および解除をすることができます。
MT4とMT5の基本的な操作方法は同じですので、この章では、MT4の画面を見ながら、XMで両建ての注文や解除をする方法についてご説明します。
6-1. 両建ての注文方法
XMでは、「買いポジション」と「売りポジション」の注文を、同時に入れることができません。
そのためXMで両建ての注文をする場合、売りと買い、どちらかを注文した後で、もう一方のポジションを注文します。
【STEP1】 「売りポジション」か「買いポジション」どちらかを注文
まずは、「売り」と「買い」、どちらか一方のポジションを注文しましょう。
画面右上にある「新規注文」をクリックすると、注文画面が表示されます。
注文画面が表示されたら、通貨ペアと数量を選びます。
今回は、「売りポジション」からエントリーしてみましょう。
「成行売り」をクリックすれば、売りポジションの注文は完了です。
ターミナル画面に、先ほど注文した売りポジションが、表示されています。
注意!
この時点では売りポジションしか注文していませんので、両建てをするまでの間、必要証拠金を一時的に負担しなければなりません。ターミナル画面に、必要証拠金や証拠金維持率が表示されていますので、一応、確認しておきましょう。
【STEP2】もう一方のポジションを注文
片方のポジションの注文が完了したら、もう一方のポジションを注文します。
STEP1と同様の手順で、「新規注文」をクリックし、注文画面が表示されたら「通貨ペア」と「数量」を選択しましょう。
STEP1では「売りポジション」を注文しましたので、今度は「買いポジション」を注文します。
通貨ペアと数量を選択した後、「成行買い」をクリックすると、買いポジションの注文が完了します。
一方のポジションのみ注文した時点では表示されていた必要証拠金が、両建ての注文が完了したことにより、表示されなくなりました。
これは、必要証拠金がゼロになったことを意味します。
以上により、両建ての注文は完了です。
6-2. 両建ての解除方法
両建ての解除は、下記手順で行います。
【STEP1】発注画面を開き「両建て解除」を選択
ターミナル画面に表示されているポジションにカーソルを合わせ、右クリックします。
すると、下記画面が表示されますので「注文変更または取消」をクリックしましょう。
発注画面が表示されたら、「注文種別」から「両建て解除:通貨ペアを指定」をクリックします。
すると、下記画面が表示されますので、「複数決済」をクリックしましょう。
以上で、両建ての解除は完了です。
両建ての注文や解除は簡単かつシンプルな操作で完了しますので、ぜひ実践してみてくださいね。
まとめ
XMでは、同一口座内の両建てのみ、許可されています。
下記のような方法による両建ては、一切禁止となっていますので、注意が必要です。
- 複数口座を利用した両建て
- XMと他業者間での両建て
- 複数人による組織的な両建て
- 特定通貨のヘッジ狙いで、異なる通貨ペアを大量に保有する行為
- EAが偶然行った、複数口座間での両建て
XMの規約に反して上記のような方法による両建てをすると、
- 両建てで得た利益の取消
- レバレッジの規制
- 出金拒否
- 口座凍結
というような、重いペナルティを受ける可能性があります。
XMで両建てをする際は、規約違反行為をしないよう、十分注意しましょう。
ここまで厳しいことを書きましたが、ルールさえ守っていれば、XMで両建てすることには、様々なメリットがあります。
やり方によっては、かなり効率よく利益を得られる可能性もありますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ただし、XMで両建てをする際は、下記のようなポイントに注意しましょう。
XMではデモ口座の開設が可能ですので、「リアル口座で両建てするのはまだ不安だ…」という方は、デモ口座を使って、両建てとはどういうものなのか、体験してみてはいかがでしょうか。
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