「スワップポイントで生活できるの?」
「スワップポイントで生活するには、どうやって運用したらいいの?」
FXのスワップポイントで生活している人がいるという噂を聞いて、「本当にできるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
結論をいうと、スワップポイントで生活するのは現実的には難しいといえます。
スワップポイントで、例えば月30万円ほど稼ぐには、大まかに計算すると下記のような資金が必要になります。
【月30万円を稼ぐために必要な運用資金】
通貨ペア | 必要な運用資金 |
---|---|
米ドル/円 | 8,387万円 |
ユーロ/円 | 1億4,181万円 |
トルコリラ/円 | 1,531万円 |
メキシコペソ/円 | 3,612万円 |
FXではレバレッジが効くため、3倍で運用するとしてもかなりの費用が必要となります。記事ではスワップポイントで生活できるほど稼ぐのが難しい理由について紹介します。
なお、スワップポイントは、月30万円以上を安定的に稼ぐことは難しくても、月々数万円ほどのお小遣いを稼ぐのであれば、十分活用できる投資方法といえます。
そのため、後半では、スワップポイントをうまく活用して月々利益を上げる方法についても紹介します。スワップポイントでコツコツと利益を上げたい人はぜひ参考にしてください。
▼この記事で分かること
- スワップポイントで生活することが難しい4つの理由
- スワップポイントで稼ぐ仕組みとは
- スワップポイントをうまく活用する方法
- 高金利通貨で月5万円~30万円稼ぐ場合のシミュレーション
- スワップポイントで稼ぐ場合の注意点
最後まで読むことで、スワップポイントで月5万円~30万円稼ぐ場合のシミュレーションを確認することもできます。
スワップポイントで稼ぐ場合の注意点もあわせて紹介するため、スワップポイントで理想通りの利益を上げるためにもぜひ最後まで目を通して見てください。
目次
1. スワップポイントで生活することが難しい4つの理由
冒頭でも触れましたが、まず、スワップポイントで生活することが現実的に難しい理由について解説します。
スワップポイントを今後うまく活用していくためにも、これらの理由を踏まえておくことがおすすめです。
【スワップポイントで生活することが難しい4つの理由】
- スワップポイントで月30万円稼ぐには1千万円~1億円の資金が必要
- スワップポイントは毎日変動しマイナスになるリスクもある
- 高金利通貨は為替差益で損をするリスクがある
- レバレッジを大きくするためロスカットで損をするリスクがある
以下で詳しく見ていきましょう。
1-1. スワップポイントで月30万円稼ぐには1千万円~1億円の資金が必要
スワップポイントで月30万円を稼ぐには、1千万円~1億円の資金が必要です。現実的に用意が難しいため、スワップポイントで安定的に生活費を稼ぐことは難しいといえるでしょう。
下記は、月30万円を稼ぐために必要な運用資金について、高金利の通貨ペアごとにシミュレーションしたものです。なお、シミュレーションは、為替やスワップポイントの日々の変動や手数料は考慮していないため、あくまで必要な資金のイメージを大まかに把握するための参考としてください。
【月30万円を稼ぐためのシミュレーション数値】
1日当たり稼ぐべきスワップポイント | 1日1万通貨当たりのスワップポイント(※1) | 換算レート(※2) | 必要な運用資金 | |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 1万円 | 155円 | 130円 | 8,387万円 |
ユーロ//円 | 1万円 | 100円 | 141 円 | 1億4,181万円 |
トルコリラ/円 | 1万円 | 45円 | 6.9円 | 1,531万円 |
メキシコペソ/円 | 1万円 | 19.1円 | 6.9円 | 3,612万円 |
南アフリカランド/円 | 1万円 | 15円 | 7.58円 | 5,053万円 |
※1:「3-2. スワップポイントが高いFX会社を選ぶ」で一番高いスワップポイントの数値を採用
※2:2023年1月25日のレート
※3:1年を360日、1ヶ月を30日として計算。
シミュレーションでは、スワップポイントを多く得られる高金利の通貨ペアで計算していますが、それでも1,500万円から1億4,100万円ほどの資金が必要となります。
仮にレバレッジを3倍効かせるとしても500万円~4,700万円もの資金が必要となるため、投資のハードルが高いといえます。
さらにいうと、これは為替変動を無視した計算結果です。実際には高金利の通貨は為替変動も激しいため、実際にはこれ以上の資金が必要となる可能性が高いといえます。
1-2. スワップポイントは毎日変動しマイナスになるリスクもある
スワップポイントは毎日変動し、マイナスとなるリスクもあります。そのため、何もしないで放置したまま安定的に稼ぐといったことはできません。
スワップポイントは通貨を発行している国の政策金利を元に決められています。国の政策金利は2ヶ月に一回程度見直しが行われ、変更されることがあります。金利が変更されればスワップポイントも変動します。
また、スワップポイントはFX会社ごとに異なり、FX会社の方針次第でスワップポイントが変わることもあります。
スワップポイントは日々変動しており、必ずプラスの利益が得られるとは限らず、損失が出ることがある点に注意が必要です。
スワップポイントがマイナスにならないか毎日チェックをしたり、マイナスになった場合は保有ポジションを変えるなどの対処が必要です。
1-3. 高金利通貨は為替差益で損をするリスクがある
高金利通貨は為替変動が激しいため為替差益で損をするリスクがあります。そのため、放置したままでは、気付けば大きな損を出している可能性もあります。価格変動のリスクでいえば株式投資などの投資方法と変わりません。
特に、スワップポイントで高い利益を出すために人気のメキシコやトルコ、南アフリカなどといった高金利の通貨ペアを活用する場合には注意が必要です。
これらの高金利通貨は、特に為替変動が激しく、スワップポイントで高い利益が得られても、為替差益でマイナスになるリスクが常に高い状態です。
スワップポイントで高い利益を上げるには、高金利の通貨ペアを活用する必要があるものの、一方で常にに為替差益で大きな損をするリスクを抱えることになるため、利益を上げることは簡単ではありません。
スワップポイントで生活ができるほどの利益を上げるのは難しいといえるでしょう。
1-4. レバレッジを大きくするためロスカットで損をするリスクがある
スワップポイントで生活できるほど稼ぐには、まとまった資金が必要なため、レバレッジを大きくして投資資金を確保する必要があります。
しかし、レバレッジを大きくすると、為替変動によりマイナス方向にも大きくブレるため、ロスカットされて損をする可能性も高まります。
スワップポイントで稼ごうとすると、レバレッジを大きく効かせロスカットで損をするリスクもあるため、生活費ほどの大きな金額を安定的に稼ぐのは現実的には難しいといえるでしょう。
2. そもそもスワップポイントで稼いで生活出来る仕組みとは
そもそも生活できるほど稼げると期待させる「スワップポイント」とはどういう仕組みなのかを紹介します。
「スワップポイントは通貨ペアを保有するだけで毎日もらえる」というスワップポイントのメリットだけが広く知られていて実際の仕組みやデメリット、注意点を知らない人も少なくありません。
楽に大きく稼げると勘違いしていると、スワップポイントを実際にうまく活用することができません。そのため、ここで改めてスワップポイントの仕組みについて解説します。
すでに仕組みを知っている方も、改めて確認して理解を深めることで、スワップポイントを上手に活用することができます。
それでは詳しく見ていきましょう。
2-1. スワップポイントとは通貨を売買するときの金利差
スワップポイントとは、金利差調整分ともいい、異なる2国についての金利の差から得られる利益のことです。
【スワップポイントのイメージ】
高い金利の通貨を買い、低い金利の通貨を売るときとその金利の差を利益として受け取ることができ、スワップポイントはプラスになります。反対の場合、例えば低い金利の通貨を買い、高い金利の通貨を売るといった場合は、金利差を支払うことになり、スワップポイントはマイナスとなります。
金利の差といっても、実際のスワップポイントは政策金利などとの差と完全に一致するわけではなく、FX会社によって数値に違いがあります。
2-2. スワップポイントはポジションを解消しない限り毎日付与される
スワップポイントは、保有しているポジションを決済せずに翌日に持ち越すことで、1日分のスワップポイントが付与される仕組みになっています。
このため、金利差がプラスであればポジションを持つだけでほぼ毎日利益を得ることができます。
通常投資では、実際に投資商品を売買をして利益を確定させる必要がありますが、FXのスワップポイントについては、通貨を売買する必要はありません。金利差がプラスのポジションであれば保有しているだけで継続的に取引口座に利益が蓄積されていきます。
なお、ポジションを翌日に持ち越さずに決済した場合はスワップポイントを得ることはできません。
2-3. 長期運用すると大きな利益となる
スワップポイントは、金利差がプラスであればポジションを維持するだけで継続して利益を得られるため、1日当たりの利益の額がそれほど大きくなくても、長期運用すると大きな利益となります。
例えば、1日100円程度のスワップポイントとしても、一年ポジションを持ち続けると3.6万円の利益となります。
スワップポイントは日々変化するため、マイナスになった場合はポジションを見直す必要があるものの、プラスの状態を維持するようにすれば1日の利益が些少でも持ち続けることで大きな利益にできます。
3. スワップポイントをうまく活用しよう
スワップポイントだけで生活できるほど稼ぐのは難しいものの、月数万円程度なら利益を出すのは難しくないといえます。
スワップポイントだけでの生活は無理でも、スワップポイントにアルバイトなどの副業などを加えることで、FIREやセミリタイアを実現することも可能です。
さらにスワップポイントを活用するなかでFX投資のコツをつかみ、うまくなっていくと大きな利益を得ることもできるでしょう。
とにかくスワップポイントをうまく活用するには、次のようなコツを踏まえて行うことが大切です。
【スワップポイントをうまく活用するコツ】
- 高金利の通貨ペアを選ぶ
- スワップポイントが高いFX会社を選ぶ
- スプレッドの狭いFX会社を選び手数料を抑える
- 分散投資をする
- レバレッジは3倍以下にする
- 証拠金維持率をチェックしてロスカットを避ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 高金利の通貨ペアを選ぶ
スワップポイントをうまく活用するためには、高金利の通貨ペアを選ぶようにしましょう。
スワップポイントは金利差から得られる利益のため、金利差が大きくなるように高金利の通貨ペアを選ぶことが利益を上げるポイントとなります。
スワップポイントは基本的に、各国の政策金利や最低金利などを参考に定められます。各国の政策金利の一覧は下記の通りです。
【各国の政策金利】
日本 | -0.10% |
米国 | 4.25~4.50% |
ユーロ | 2.50% |
英国 | 3.50% |
豪州 | 3.10% |
カナダ | 4.25% |
南アフリカ | 7.00% |
トルコ | 9.00% |
メキシコ | 10.50% |
特に、メキシコ、トルコ、南アフリカの政策金利が高いことがわかります。実際のところ、スワップポイントで特に注目される高金利の通貨ペアはこのメキシコ、トルコ、南アフリカの3国についてのものです。
スワップポイントで利益を上げるためには、これらの高金利の通貨ペアをうまく活用する必要があります。
3-2. スワップポイントが高いFX会社を選ぶ
スワップポイントで利益を上げるには、スワップポイントが高いFX会社を選ぶようにしましょう。
スワップポイントは日々変化するうえ、FX会社ごとにも大きく異なります。利益を上げるためにも、取引をしたい通貨ペアのスワップポイントが高い会社を選ぶことがおすすめです。
国内FX、海外FXのスワップポイント比較は次の通りです。同じ通貨ペアでも会社ごとにスワップポイントが大きく異なることが分かります。
【FX会社スワップポイント比較】
国内FX | 海外FX | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
みんなのFX | アイネット証券 | GEMFOREX | AXIORY | TitanFX | iForex | ||
USD/JPY(米ドル/円) | 買 | 155円 | 155円 | 41.1円 | 137.1円 | 69.5円 | 91.8円 |
売 | -155円 | -202円 | -91.2円 | -199.0円 | -231.6円 | -209.5円 | |
EUR/JPY(ユーロ/円) | 買 | 100円 | 95円 | 17.3円 | 56.3円 | 67.8円 | 43.6円 |
売 | -100円 | -124円 | -96.3円 | -107.6円 | -118.6円 | -130.3円 | |
TRY/JPY(トルコリラ/円) | 買 | 12円 | 45円 | — | 8.7円 | — | 3.6円 |
売 | -12円 | -60円 | — | -23.9円 | — | -50.5円 | |
MXN/JPY(メキシコペソ/円) | 買 | 19.1円 | 19円 | 6.3円 | — | 19.0円 | — |
売 | -19.1円 | -25円 | -11.9円 | — | -25.3円 | — | |
ZAR/JPY(南アランド/円) | 買 | 13.1円 | 15円 | -9.7円 | 6.7円 | 12.6円 | 5.0円 |
売 | -13.1円 | -20円 | -23.0円 | -14.7円 | -20.9円 | -21.3円 |
※1万通貨当たり
国内FX会社は同じ通貨については同程度のスワップポイントになる傾向があります。海外FX会社は同じ通貨でも会社によって方針が異なりバラツキがあるのが特徴です。投資したい通貨ペアについてできるだけスワップポイントの高い会社を選ぶことがおすすめです。
3-3. スプレッドの狭いFX会社を選び手数料を抑える
スワップポイントで利益を上げるためには、手数料を抑えることが大切です。具体的には手数料であるスプレッドが狭い会社を選ぶようにしましょう。
例えば下記はFX会社のスプレッドの比較表です。下記のように手数料は通貨ペアごと、FX会社ごとに異なります。
【FX会社スプレッド比較】
GEMFOREXオールインワン口座 | AXIORY | TitanFXスタンダード口座 | iForex | |
---|---|---|---|---|
USD/JPY(米ドル/円) | 1.6 | 1.9 | 1.33 | 1.0 |
EUR/JPY(ユーロ/円) | 2.2 | 1.6 | 1.74 | 1.5 |
TRY/JPY(トルコリラ/円) | — | 7.3 | — | 700 |
MXN/JPY(メキシコペソ/円) | 1.6 | — | — | — |
ZAR/JPY(南アランド/円) | 2.2 | 7.8 | 1.44 | 90 |
手数料を抑えるためにも、取引したい通貨ペアのスプレッドの狭い会社を選ぶことがおすすめです。
3-4. 分散投資をする
スプレッドポイントで稼ぐうえでは、分散投資を行なうことがリスク分散のためにも大切です。
例えば、「トルコリラ/円」の高金利の通貨ペアを保有するだけでなく、他の「米ドル/円」「メキシコペソ/円」など複数の通貨ペアにも投資するなど分散させるようにしましょう。
一つの通貨ペアの投資に大きなマイナスが出た場合などに、他の通貨ペアがプラスになっていれば、全体の損失を抑えることができます。安定的に利益を上げるためにも、分散投資が不可欠です。
3-5. レバレッジを高くしすぎない
スワップポイントで利益を上げる場合は、レバレッジを高くしすぎないことがポイントです。高金利の通貨ペアを保有する場合は、3倍までに抑えるのがよいともいわれています。
レバレッジを高くすると、その分取引できる額が大きくなるため、大きな利益を生むことができる反面、予想と反対の動きになった場合には、大きな損害を生むことにもなります。
特にスワップポイントで利益を上げようとする場合、高金利の通貨ペアに投資をすることが多く、高金利の新興国などの通貨は為替変動が大きいという特徴があります。為替変動が大きいため、レバレッジを高くしていると、大きなマイナスとなる恐れがあり、ロスカットされる可能性も高くなります。
ロスカットされると、ロスカットで確定した損失は取り返せません。ロスカットを極力回避するためにも、レバレッジをあまり高くしない方がよいといえます。
3-6. 証拠金維持率をチェックしてロスカットを避ける
スワップポイントで利益を上げるためには、証拠金維持率をチェックしてロスカットを避けることが大切です。
証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産の割合です。通常、証拠金維持率が50%を下回ってしまうと、それ以上の損失を防ぐために強制決済、つまりロスカットが行われます。
ロスカットが行われるとその時点までの損が確定してしまいます。良いポジションを維持するためには、証拠金維持率が50%以下にならないように常に気を付け、ロスカットを回避するようにしましょう。
4. 高金利通貨で月5万円~20万円稼ぐ場合のシミュレーション
高金利通貨で月5万円・月10万円・月20万円稼ぐ場合のシミュレーションについて紹介します。
具体的には下記通貨ペアで稼ぐために必要な資金とスワップポイントのシミュレーション解説をします。
【シミュレーションで扱う高金利の通貨ペア】
- 米ドル/日本円
- トルコリラ/日本円
- メキシコペソ/日本円
- 南アフリカランド/日本円
なお、為替やスワップポイントの日々の変動は考慮していないため、あくまでどの程度の資金でどのくらいのスワップポイントで安定的に運用すれば達成可能かを知るための目安としてください。
それでは詳しく見ていきましょう。
4-1. 「米ドル/日本円」のスワップポイントシミュレーション
米ドル/日本円のスワップポイントで月5万円、月10万円、月20万円稼ぐ場合のシミュレーションは次の通りです。
【前提】
- 通貨ペア:米ドル/日本円
- 為替レート:1ドル=130円(※1)
- スワップポイント:1日・1万通貨当たり155円(※2)
- レバレッジ3倍で運用
※1:2023年1月25日時点のレート
※2:「3-2. スワップポイントが高いFX会社を選ぶ」で一番高いスワップポイントの数値
【米ドル/日本円:シミュレーション結果】
①1日当たり稼ぐべきスワップポイント | ②「①」を得るために必要な米ドル | ③「②」の円表示 | 必要な元手 |
|
月5万円稼ぐ場合 | 1,666円 | 10.7万ドル | 1,397万円 | 465万円 |
月10万円稼ぐ場合 | 3,333円 | 21.5万ドル | 2,795万円 | 931万円 |
月20万円稼ぐ場合 | 6,666円 | 43.0万ドル | 5,590万円 | 1,863万円 |
「米ドル/日本円」の通貨ペアで月5万円稼ぎたい場合、レバレッジを3倍効かせるのであれば必要な資金は465万円です。月10万円以上稼ごうとすると1千万円もの資金が必要となります。
月5万円を稼ぐのに約500万円の資金が必要ですが、米国は金利が上昇してきていることと、他の高金利通貨ペアと比べると為替変動が安定しているため注目度の高い通貨ペアといえます。
4-2. 「トルコリラ/日本円」のスワップポイントシミュレーション
トルコリラ/日本円のスワップポイントで月5万円、月10万円、月20万円ぐ場合のシミュレーションは次の通りです。
【前提】
- 通貨ペア:トルコリラ/日本円
- 為替レート:1トルコリラ=6.9円(※1)
- スワップポイント:1日・1万通貨当たり 45円(※2)
- レバレッジ3倍で運用
※1:2023年1月25日時点のレート
※2:「3-2. スワップポイントが高いFX会社を選ぶ」で一番高いスワップポイントの数値
【トルコリラ/日本円:シミュレーション結果】
①1日当たり必要なスワップポイント | ②「①」を得るために必要なトルコリラ | ③「②」の円表示 | 必要な元手 |
|
月5万円稼ぐ場合 | 1,666円 | 37万リラ | 255万円 | 85万円 |
月10万円稼ぐ場合 | 3,333円 | 74万リラ | 510万円 | 170万円 |
月20万円稼ぐ場合 | 6,666円 | 148万リラ | 1,021万円 | 340万円 |
※1ヶ月を30日として計算
「トルコリラ/日本円」の通貨ペアで月5万円稼ぎたい場合、レバレッジを3倍効かせるのであれば必要な資金は85万円です。元手となる資金が高くないため、「トルコリラ/日本円」は非常に投資しやすい通貨ペアといえます。
「トルコリラ/日本円」の場合は、月10万円を稼ぐ場合でも必要な資金は170万円程度で挑戦しやすくはありますが、為替・金利ともに下落基調にあるため、大きく投資するには今後の推移に注意する必要があります。
4-3. 「メキシコペソ/日本円」のスワップポイントシミュレーション
メキシコペソ/日本円のスワップポイントで月5万円、月10万円、月20万円稼ぐ場合のシミュレーションは次の通りです。
【前提】
- 通貨ペア:メキシコペソ/日本円
- 為替レート:1メキシコペソ=6.9円(※1)
- スワップポイント:1日・1万通貨当たり 19.1円(※2)
- レバレッジ3倍で運用
※1:2023年1月25日時点のレート
※2:「3-2. スワップポイントが高いFX会社を選ぶ」で一番高いスワップポイントの数値
【メキシコペソ/日本円:シミュレーション結果】
①1日当たり必要なスワップポイント | ②「①」を得るために必要なメキシコペソ | ③「②」の円表示 | 必要な元手 |
|
月5万円稼ぐ場合 | 1,666円 | 87万ペソ | 601万円 | 200万円 |
月10万円稼ぐ場合 | 3,333円 | 174万ペソ | 1,204万円 | 401万円 |
月20万円稼ぐ場合 | 6,666円 | 349万ペソ | 2,408万円 | 802万円 |
「メキシコペソ/日本円」の通貨ペアで月5万円稼ぎたい場合、レバレッジを3倍効かせるのであれば必要な資金は200万円です。決して安くない資金ですが、比較的投資しやすい通貨ペアといえます。
「メキシコペソ/日本円」は為替レートは日々乱高下するものの上昇基調にあります。また金利も上がっており、日本との金利差は拡大しています。そのため、スワップポイント狙いの投資ではなお人気の高い通貨ペアです。少しでも利益を安定的に上げるため、スプレッドが狭くスワップポイントの高いFX会社を選んで投資するようにしましょう。
4-4. 「南アフリカランド/日本円」のスワップポイントシミュレーション
南アフリカランド/日本円のスワップポイントで月5万円、月10万円、月20万円稼ぐ場合のシミュレーションは次の通りです。
【前提】
- 通貨ペア:南アフリカランド/日本円
- 為替レート:1ランド=7.58円(※1)
- スワップポイント:1日・1万通貨当たり 15円(※2)
- レバレッジ3倍で運用
※1:2023年1月25日時点のレート
※2:「3-2. スワップポイントが高いFX会社を選ぶ」で一番高いスワップポイントの数値
【南アフリカランド/日本円:シミュレーション結果】
①1日当たり必要なスワップポイント | ②「①」を得るために必要な南アフリカランド | ③「②」の円表示 | 必要な元手 | |
月5万円稼ぐ場合 | 1,666円 | 111万ランド | 841万円 | 280万円 |
月10万円稼ぐ場合 | 3,333円 | 222万ランド | 1,684万円 | 561万円 |
月20万円稼ぐ場合 | 6,666円 | 444万ランド | 3,368万円 | 1,122万円 |
※1ヶ月を30日として計算
「南アフリカランド/日本円」の通貨ペアで月5万円稼ぎたい場合、レバレッジを3倍効かせるのであれば必要な資金は280万円です。「米ドル/日本円」の通貨ペアの必要な資金465万円などと比べると比較的投資しやすい金額といえます。
南アフリカランドは、新型コロナの感染予防対策のロックダウンを実施したことで、一時的に「1ランド=5.8円」まで暴落しましたが、その後復調し新型コロナ感染拡大以前の水準を維持しています。新型コロナ終息後のさらなる価格上昇や金利引き上げが期待されています。スワップポイント狙いに適した通貨ペアといえるでしょう。
5. スワップポイントで稼ぐ場合の注意点
スワップポイントで稼ぐ場合には、注意したい点があります。
具体的には次のような点です。
【スワップポイントで稼ぐ場合の注意点】
- スワップポイントの変動に注意する
- 高金利通貨取引は為替変動のリスクが高い点に注意する
- 翌日持越しのタイミングに注意する
スワップポイントで稼ぐのに失敗しないためにもぜひ参考にしてください。それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1. スワップポイントの変動に注意する
スワップポイントで利益を上げたい場合には、スワップポイントの変動に注意しましょう。
先に解説した通り、スワップポイントは日々変動し、マイナスになる場合もあります。マイナスになると支払いが発生するため注意が必要です。
取り引きしているFX会社の「スワップカレンダー」をチェックして、マイナス表示されたポジションを避けるようにしましょう。
買いのポジションでマイナスのスワップポイントになった場合は、決済で生じる為替差益や他の通貨ペアの保有状況との兼ね合いで、決済をするかしないかなどを判断する必要があります。スワップポイントはどの通貨ペアでも、売り買いのどちらかでプラスになっているため、買いがダメなら売りのポジションに替えるといった対処法も考えられます。
5-2. 高金利通貨は為替変動のリスクが高い点に注意する
高金利通貨は為替変動リスクが高い点に注意する必要があります。
例えば、スワップポイントで人気のトルコリラやメキシコペソといった新興国の通貨は、金利が高い一方で、政情不安や地政学的リスクで為替が乱高下しやすいといった特徴があります。
為替変動によるマイナスが、スワップポイントのプラスを相殺してしまうこともあるため、為替レートをチェックするようにしましょう。そのほか、証拠金維持率もマメにチェックしロスカットで損害が確定しないように注意することも大切です。
FX初心者で不安がある場合は、為替変動が比較的安定している米ドルと円の通貨ペアなどで始めることがおすすめです。
5-3. 翌日持越しのタイミングに注意する
スワップポイントの翌日持越し(ロールオーバー)のタイミングに注意するようにしましょう。
具体的には、週末土日の持ち越しについては、日本時間木曜の朝まで持ち越さないとスワップポイントが付与されないため、木曜朝まで持ち越すように気を付けましょう。
スワップポイントは、通常、翌日以降にポジションを持ち越した場合に1日分が付与されます。その際のロールオーバーの判断は、通常ニューヨーク市場のクローズのタイミング(日本時間午前6時~7時)で行われます。
ただし、週末土日の持越しについては、多くのFX会社では日本時間木曜朝(ニューヨーク時間の毎週水曜日クローズ時)に、週末土日のスワップポイントをまとめて加算して3日分を付与します。(日本のFX会社の場合は月曜日に3日分まとめて加算の場合もあります)
このため、週末土日のスワップポイントは木曜朝(ニューヨーク時間水曜日のクローズ時)までポジションを持ち越さないと、付与されないことになります。週末分の持ち越しについては注意するようにしましょう。
6. スワップポイントは海外FXがおすすめ
ここでは、スワップポイントで利益を上げていきたい方、投資を始めたばかりの方に、
- FXがおすすめであること
- 特に海外FXがおすすめである理由
を紹介します。
すでに紹介した通り、FX投資では、為替変動による利益だけでなく、スワップポイントの活用次第で月々数万円の利益を得られるなど魅力のある投資方法といえます。
特にFX投資は、
- レバレッジが効くので少ない資金でも大きな金額の投資ができる
- 買いだけでなく売りからもはじめられる
- 平日24時間取引できる
といった利点があります。
例えば国内FXの場合、最大25倍のレバレッジを効かせることができるため、10万円の資金であれば、250万円の運用が可能です。
また、FXの場合、他の外貨投資商品と異なり「安く買って高く売る」だけでなく「高く売って安く買う」という売りから始めることもできるため、円高・円安関係なく利益を得る機会があります。
さらに、FXは株式取引のように取引時間が限定的でなく、平日24時間いつでも取引ができます。仕事や家事で忙しい人でも、隙間時間を活用して取引することができます。
このため、FXは投資で少ない資金で資産を増やしていきたい人におすすめの投資方法です。
といえますが、特に、スワップポイントを利用したい初心者には海外FXがおすすめです。
下記は国内FXと海外FXの比較表です。
【国内FXと海外FXの比較】
国内FX | 海外FX | |
---|---|---|
レバレッジ | レバレッジが最大25倍のため、1万円で25万円まで投資が可能 | レバレッジが数百倍~1000倍のため、資金1万円でも1000万円の投資ができる |
スワップポイント | 通貨ごと、FX会社ごとに異なるが、水準が似ているため大きな差がない | 基準は通貨や会社によりさまざま |
スプレッド | スプレッドが狭く、手数料は低め | 国内FXよりスプレッドは広く手数料が少し高め |
追証 | 証拠金維持率が規定を下回ると追証となり元本以上の支払いが発生することがある | 追証がなく元本以上の支払いはなし |
ゼロカット | ゼロカットシステムはないため、口座残高以上損失が発生することがある | ゼロカットシステムがあり、口座残高以上損失が発生することはない |
取り扱い通貨ペア | 少ない | 多い |
利益に対する税金 | 分離課税(20.315%)で、FXの利益には一律20.315%の税金がかかる | 累進課税(5~45%)で、FXの利益が695万円未満であれば税率5%~20%と税率が低く、節税できる |
海外FXの場合、レバレッジが大きいことが特徴です。そのため、資金が1万円でも1000万円の取引が可能となります。資金が少ない場合でも大きな投資効果を生むことができます。
レバレッジが高いとリスクが気になるところですが、ゼロカットシステムがあり、口座残高以上の損が出に仕組みが用意されています。
ゼロカットシステムとは、仮に、相場の急落などでロスカットが間に合わずに大きな損が出た場合でも口座残高以上の損害については、FX会社が負担する仕組みです。このため、安心してレバレッジも利用することができます。
また、意外に見落としがちなのが税金です。
国内FXの場合は、スワップポイントの利益を含めFXで出た利益に20.315%の税金がかかります。一方、海外FXの場合は、FXの利益に税金がかかるものの、利益が695万円未満と小さい場合は、5%~20%の累進課税の利用で、納税額を節約することができます。
このように、海外FXは初心者でも安心して活用できます。FXを初めて間もない方、少額からリスクを抑えつつ利益を上げていきたい方に海外FXがおすすめです。
まとめ
スワップポイントで生活できるほど稼ぐことは現実的には難しいことを解説しました。
理由は次の通りです。
【スワップポイントで生活することが難しい4つの理由】
- スワップポイントで月30万円稼ぐには1千万円~1億円の資金が必要
- スワップポイントは毎日変動しマイナスになるリスクもある
- 高金利通貨は為替差益で損をするリスクがある
- レバレッジを大きくするためロスカットで損をするリスクがある
スワップポイントで月30万円もの生活費を安定的に稼ぐことは難しいものの、月数万円程度であれば実現可能といえるでしょう。そのためのコツを下記のように解説しました。
【スワップポイントをうまく活用するコツ】
- 高金利の通貨ペアを選ぶ
- スワップポイントが高いFX会社を選ぶ
- スプレッドの狭いFX会社を選び手数料を抑える
- 分散投資をする
- レバレッジは3倍以下にする
- 証拠金維持率をチェックしてロスカットを避ける
シミュレーションでは、高金利の通貨ペアで月5万円~30万円稼ぐのに必要な資金についてのシミュレーションも紹介しました。
例えば「トルコリラ/日本円」では、元手85万円で月5万円のスワップポイントが獲得できる見込みです。スワップポイントを上手に活用すれば、月々数万円の収入を得ることも可能なため、ぜひ活用するようにしましょう。
スワップポイント投資を成功につなげるためにぜひこれらの情報を活用してください。